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土地探しについて
2021.10.29
家を建てる際に必ず必要となってくるのが建ぺい率と容積率の把握です。
建ぺい率や容積率というのは、とても簡単にいえば「この土地にはこの大きさまでの建物を建てて良いですよ」という指標のことです。
建ぺい率と容積率を無視してマイホームを手に入れることはできないため、必ず確認しておきましょう。
今回の記事では住宅の取得を考えている方に向けて、建ぺい率と容積率がそれぞれどのようなものなのかを解説します。
それぞれの単語の意味はもちろん、計算方法や注意点についてもできるだけわかりやすく説明します。
この記事を読めば建ぺい率と容積率の考え方が見えてくるので、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
まずは建ぺい率と容積率が何を指しているのか見ていきましょう。
・建ぺい率:土地の面積と建物の面積の割合
これら建ぺい率はその土地にある建物を真上から見た大きさが基準とされ、1階と2階のどちらか大きい方の面積で計算されます。
仮に建ぺい率が70%に設定されている土地の場合、100m2の敷地に対して70m2までの建物を建てられる計算となるわけです。
・容積率:土地の面積と建物の延べ床面積の割合
これら容積率はその土地にある建物を真上から見た大きさではなく、1階と2階の両方の大きさを含めた延べ床面積を基準に計算されます。
仮に建ぺい率が70%に設定されている土地の場合、100m2の敷地に対して1階50m2、2階20m2までの建物を建てられる計算となるわけです。
国ではそれぞれの地域ごとに用途地域というものを設定しています。
これらは都市計画法などに基づいて設定されているもので、用途地域ごとに上限数値も設定されています。
要は「この地域は商業地区にするから住宅は建てられないよ」「この地域は住宅地区にするから工場は建てられないよ」という具合に、建てられる物件が決められているということです。
用途地域ごと建ぺい率や容積率が違い、一般的な建ぺい率は30~80%まで、容積率は50~1,300%までとされています。
もちろん、これらは用途地域によって異なるため、例外もあります。
そこはその土地がどのような建物を建てるために整備されているものなのかを考えなくてはなりません。
一見すると面倒だと思うかもしれませんが、逆にこれら用途地域と建ぺい率と容積率が定められていないとどうなってしまうでしょうか。
おそらくは誰もが好き勝手に物件を建築してしまい、景観も何もあったものではなくなってしまいます。
広大な平屋があると思えば高層のビルがあるなど、最悪の場合は都市としての特徴を奪ってしまいかねない地域になってしまうかもしれません。
そうならないよう、国が都市計画法に基づいて設定しているのが用途地域および建ぺい率、容積率なのです。
特に、これら用途地域と建ぺい率と容積率は行政によって定められているため、無視することはできません。
最悪の場合は行政指導が入るので、必ずマイホームを建築する場合はその地域ごとの用途地域はもちろん建ぺい率と容積率も確認しましょう。
なお、これらは市役所や区役所などでも確認できるため、自身が居住しようと考えている地域ごとに確認することをおすすめします。
では、具体的に建ぺい率と容積率はどのように計算するのでしょうか。
ここからはそれぞれの計算式もまとめます。
計算と聞くと算数や数学が苦手な人から「無理」という声も聞こえそうですが、なにも難しいことはありません。
まずは以下の計算式をそれぞれ見てみましょう。
建ぺい率の計算方法 | 建物面積÷土地面積×100=建ぺい率 |
容積率の計算方法 | 建物の延べ床面積÷土地面積×100=容積率 |
以上を踏まえて、仮に建物面積が80m2で土地面積が100m2だったとすると、80%が建ぺい率になるということです。
また、仮に建物の延べ床面積の1階部分が60m2で2階部分が50m2だとすると、110%が容積率になるということです。
逆にいえば、建ぺい率が80%に設定されている土地であれば、100m2に対して80m2までの建物しか建てられないことになります。
また、容積率が110%に設定されている土地であれば、100m2に対して合計110m2までの建物しか建てられないことになります。
家を建てる際にはその点に目を向けておきましょう。
一見すると複雑なように見える計算式ですが、まとめると土地に対して建物もしくは建物の延べ床面積の割合がどうなるのかを算出するのみとなります。
そのため、条件に当てはめて計算すれば、建ぺい率も容積率も簡単に計算できるのです。
国が定める建築制限は用途地域のほかに建ぺい率と容積率だけなのかといえば、実はもっとたくさんの建築制限があります。
以下、その中でも代表的なものとされる4つの建築制限についてわかりやすくまとめます。
ぜひ、こちらも併せて確認しておきましょう。
道路斜線制限とは対面にある道路への日当たりや風通しの確保を目的として定められているもので、物件の高さなどを制限する指標となります。
道路の対面から一定の勾配で土地に向かって斜線を引き、その斜線の範囲内に収まるよう建物が制限されるのが特徴です。
北側斜線制限とは北側にある道路への日当たりや風通しの確保を目的として定められているもので、南側からの観点から物件の高さなどを制限する指標となります。
道路の北側から一定の勾配で土地に向かって斜線を引き、その斜線に収まるよう建物が制限されるのが特徴です。
日影規制とは日当たりについての制限であり、一定時間以上日当たりが当たらないという土地がないように物件の高さを制限する指標となります。
これらは1年の中で一番影が長くなる冬至を基準に定められているのが特徴です。
高度地区とは物件の高さについての制限であり、土地に対して建物が一定以上の高さとならないように制限する指標となります。
特に、これらは日当たりや風通しなどの確保に加えて、都市計画によって大きく変動するのが特徴です。
単なる景観はもちろん、環境の維持なども目的として定められています。
なお、高度地区には「斜線型高さ制限」と「絶対高さ制限」の2種類があります。
「斜線型高さ制限」は道路斜線制限や北側斜線制限のように、ある斜線を基準にして高さを制限するものです。
「絶対高さ制限」は高さの上限を明確に定めて制限するものです。
それぞれ高度地区は制限が異なるため、物件を建築する際にはそれぞれの地域ごとの制限を確認する必要があります。
建ぺい率や容積率は計算こそ難しくないものの、注意点があります。
それは建築する物件によっては違法建築となる場合があること、そして住宅ローンの審査に落ちる場合があることです。それぞれ簡単に見ていきましょう。
建ぺい率や容積率というのは国が定めています。
そのため、当然ながらそれら建ぺい率や容積率を守らないと違法建築という扱いとなります。
それもそのはずで、守るべき制限を守っていないのだから違法建築と言われても仕方ありません。
ただし、工務店やハウスメーカーにお願いすれば建ぺい率も容積率も計算の上で計画してくれるので、違法建築とならないよう計画してくれる建築業者を選びましょう。
建ぺい率や容積率を無視すると住宅ローンの審査に落ちる可能性もあります。
金融機関はあくまでも国の決まりに従った物件に対して住宅ローンを提供しているため、当然ながら制限を守っていない物件に対しては審査も通してくれません。
住宅ローンの審査は契約者本人の適正などから判断されるものですが、物件によっても変わるということは覚えておいた方が良いかもしれません。
最後に建ぺい率や容積率を守って広い家を建てる方法についてまとめます。
導入するものによっては限られた土地であっても素敵な建物を建てられるため、ぜひうまく活用しながら建築を計画してみてください。
ベランダは幅2m以下のものなら、延べ床面積に含めなくて良いという決まりがあります。
そのため、小型のベランダであれば建ぺい率や容積率にも影響を与えないということです。
ベランダがあるだけでも開放感が変わってくるため、ぜひ導入を検討しましょう。ただ、幅2m以上の大型のベランダは対象外なので気をつけましょう。
ロフトは高さ1.4m以下のものなら、延べ床面積に含めなくて良いという決まりがあります。
そのため、間取りによってはロフトの導入も検討してみる価値があります。
大型のロフトは例外ですが、小型のロフトであれば建ぺい率や容積率にも影響しないので、ぜひ取り入れて開放感を高めませよう。
吹き抜けは1階部分のみ床面積として含まれるものの2階部分は床面積に含まれません。
そのため、導入する吹き抜けによっては建ぺい率や容積率の影響を受けないこともあります。
吹き抜きがあるだけでも開放感は段違いなので、ぜひ余裕があればこちらも導入を検討してみてください。
地下室は広さ1/3以下のものなら、延べ床面積に含まれません。
そのため、地下室を作って書斎にしたり、寝室にしたり、子供部屋にしたりと多種多様な活用方法が考えられます。
単に物置などの収納としても活用できるため、地下室もあると便利です。
建ぺい率と容積率は住宅を取得する際に必ず確認しておきたいものです。
実際にこれら建ぺい率や容積率は地域ごとに異なり、それぞれどのような物件を建てられるのかも定められています。
まずは、それぞれの地域ごとにある市役所や区役所などに確認するほか、工務店やハウスメーカーに確認してみることをおすすめします。
土地探しに不安がある、住宅資金に不安がある、家づくりをしたいが何から始めれば良いか分からないなど住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。