地震に強い家を考えるとき、『耐震等級3なら安心』で終わらせず、繰り返す揺れや家具転倒まで含めて考えることが大切です。
動画では、耐震等級3に制震装置を組み合わせる考え方と、Kダンパーの体験模型を紹介しています。公的な耐震等級と、製品固有の試験結果を分けて理解しましょう。
※制度・金利・補助額などの変動情報は、2026年9月28日時点の公表資料をもとに確認しています。動画内の価格や数値は撮影時点の例を含みます。契約・申請時には必ず最新の公式情報をご確認ください。
この記事でわかること
- 耐震等級3は等級1の1.5倍の地震力を基準とする最高等級
- 耐震は耐える、制震は揺れのエネルギーを吸収する
- 『76%軽減』は特定製品・試験条件の数値で、全住宅の保証値ではない
動画の内容を読む前に
動画は耐震等級3を土台に、繰り返す揺れへの備えとして制震ダンパーを取り上げています。ここで整理したいのは、耐震、制震、免震は同じ指標の上下ではなく、地震の力に対する役割が違うという点です。
住宅性能表示制度の耐震等級3は、倒壊等防止について等級1で想定する地震力の1.5倍に耐えられる水準です。ただし、『どんな地震でも損傷しない』『地震後も必ず住み続けられる』という保証ではありません。構造、地盤、施工、家具、ライフラインを一体で考える必要があります。
耐震等級1・2・3の違い
住宅性能表示制度では、耐震等級2は等級1の1.25倍、等級3は1.5倍の地震力に対する強さが基準です。ただし、等級3は『無傷を保証する』ものではなく、倒壊・損傷のしにくさを評価する指標です。
耐震・制震・免震
耐震は柱や壁などで地震力に耐える考え方、制震はダンパーなどで揺れのエネルギーを吸収する考え方です。免震は建物と地盤の間で揺れを伝わりにくくします。仕組みも費用も異なります。
制震装置を組み合わせる意味
大きな地震の後には余震が続くことがあります。制震装置は、建物の変形や揺れを抑えることを目的に耐震構造へ組み合わせます。効果は建物形状、配置、地震波などで変わるため、構造計画全体で確認しましょう。
76%という数字の読み方
動画の『揺れを76%軽減』は、Kダンパーの試験・体験装置で示された製品説明です。実際の住宅で常に同じ低減率になる意味ではありません。採用時は評価書、試験条件、設置本数、保証内容を確認してください。
建物以外の備えも必要
耐震性が高い家でも、家具転倒、停電、断水は起こり得ます。家具固定、備蓄、避難経路、地盤とハザードの確認も同時に進めましょう。
等級の数字だけでなく評価方法を確認する
耐震等級には、住宅性能評価機関による評価書を取得する方法と、会社が自社計算で相当性能と説明する場合があります。『等級3』と『等級3相当』は確認できる書類が異なるため、設計住宅性能評価書や建設住宅性能評価書を取得するかを契約前に聞きましょう。
壁の量が十分でも、配置が片寄ればねじれが起きやすくなります。大きな吹抜け、広い窓、ビルトインガレージなどは魅力的ですが、構造計画と同時に検討する必要があります。間取り確定後ではなく、初期段階から構造担当者の確認を入れることが重要です。
2025年4月には木造戸建住宅の壁量計算などのルールも見直されています。必要な壁量は屋根の呼び方だけで単純に決まるものではなく、建物の仕様や荷重を踏まえて算定されます。太陽光パネルを載せる場合も設計条件へ反映されているか確認します。
地盤改良をすれば建物の耐震等級が上がるわけではありませんが、建物を支える地盤と基礎が適切であることは不可欠です。地盤調査結果、改良方法、基礎仕様、保証の範囲を分けて説明してもらいましょう。
制震ダンパーの数値は条件付きで読む
制震は、揺れのエネルギーをダンパーなどで吸収し、建物の変形を抑えることを目指す考え方です。耐震構造の代わりではなく、耐震性を確保したうえで組み合わせるのが基本です。
動画ではK-DAMPERの試験結果として揺れを低減する数値が紹介されていますが、製品固有の試験条件に基づく値です。建物の形、設置本数、配置、地震波で結果は変わるため、すべての住宅で同じ低減率になるとは限りません。
比較するときは、対応する構造・工法、必要本数、配置設計、第三者試験、耐久性、点検や交換、保証対象を確認します。『何%低減』という一つの数字だけでなく、その数値を得た試験体と実際の計画がどれだけ近いかを質問してください。
建物が倒壊しなくても、家具の転倒、ガラス、停電、断水で生活できなくなることがあります。造り付け家具や固定下地、備蓄場所、非常用電源、トイレ対策まで間取りに組み込むと、地震後の暮らしも考えた計画になります。
比較・判断表
| 項目 | 確認すること | 注意点 |
|---|---|---|
| 耐震 | 壁・床・接合部などで地震力に耐える | 等級、評価書、構造計算方法を確認 |
| 制震 | ダンパー等で揺れのエネルギー吸収を目指す | 製品試験と実建物の条件差を見る |
| 免震 | 建物へ揺れが伝わりにくくなるよう基礎部で切り離す | 敷地条件、費用、維持管理を確認 |
| 地盤・基礎 | 建物を安全に支える | 調査、改良、基礎、保証を別々に確認 |
| 室内防災 | 家具・物の転倒落下を減らす | 下地、配置、備蓄を設計段階で決める |
打ち合わせで使えるチェックリスト
- □ 耐震等級の対象と取得する評価書を確認する
- □ 構造計算・検討方法を設計者に聞く
- □ 吹抜け、大開口、ガレージを構造と同時に検討する
- □ 太陽光など屋根荷重が計算に入っているか確認する
- □ 制震装置の試験条件、配置、本数、保証を確認する
- □ 地盤調査・改良・基礎の説明を分けて受ける
- □ 家具固定用の壁下地と収納配置を決める
- □ 断水・停電・トイレを想定した備蓄場所をつくる
よくある質問
まとめ
耐震等級3は重要な土台ですが、それだけで地震対策が完了するわけではありません。評価方法と構造計画を確認し、制震装置の数値は試験条件付きで読み、地盤・家具・停電断水への備えまで一緒に計画しましょう。
国分ハウジングでは、土地・資金計画・間取り・住宅性能をまとめて相談できます。ご家族の条件に合う選択肢を整理したい方は、お気軽にご相談ください。
参考資料