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資金(ローン)について
2022.10.14
住宅ローンを契約する際や賃貸物件を契約する場合、「所得証明書を提出してください」と言われることがあります。
これら証明書関連の書類は市区町村によって呼称も異なり、場合によっては「課税証明書」などと表現されることもあります。
どちらにせよ、住宅ローンや賃貸物件を契約するならそれら「所得証明書」が必要となると覚えておかなくてはなりません。
しかし、そもそも「所得証明書って何?」と困惑している方もいらっしゃるかもしれないので、ここでは所得証明書とは何かを解説します。
ここでは課税証明書をはじめその他の収入証明書との違いはもちろん、発行方法などもわかりやすく説明します。
もし、これから所得証明書が必要となりそうなら、この記事を読みつつあらかじめ用意しておくと便利です。
そもそも所得証明書とはどのようなものを意味するのでしょうか。
簡単にいうと、市区町村が発行している「所得額の記載された書類」のことをいいます。
所得額とは1年間(1月1日~12月31日)の収入から経費を差し引いた金額のことで、住民税などの計算に使用される基準となります。
サラリーマンの方は源泉徴収票などをイメージすると、わかりやすいかもしれません。
これら所得証明書は契約者本人の返済能力などを示す基準にもなっており、住宅ローンの契約だけでなく賃貸物件の契約などでも必要となる書類です。
事実、所得証明書は収入を証明する公的な書類(収入証明書)として使用できるため、多くの金融機関や不動産業者ではこれら所得証明書の提出を求めます。
ただ、ほかにも実は収入証明書というのが存在しているので、その種類についても把握しておく必要があるでしょう。
ここからは所得証明書を含む収入証明書の種類についてまとめます。
収入証明書の種類.1 | 所得証明書(源泉徴収票) |
収入証明書の種類.2 | 課税証明書 |
収入証明書の種類.3 | 給与証明書 |
収入証明書には主に源泉徴収票などの「所得証明書」のほか、「課税証明書」「給与証明書」などがあります。
実のところ、収入証明書に関しては「収入証明書=○○書」というように厳密に規定されているものではなく、現在の収入を証明できる公的な書類全般を収入証明書と呼んでいるにすぎません。
そのため、所得証明書も課税証明書も給与証明書もすべて収入証明書という扱いとなるわけです。
ただ、それぞれ違いもあるので、明確にしておきましょう。
収入証明書に所得証明書も課税証明書も給与証明書も含まれていることは前述の通りです。
しかし、ではそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。
ここからはそれぞれの特徴を交えつつ、相違点についてまとめます。
▼所得証明書と課税証明書の違い
所得証明書は1年間(1月1日~12月31日)までに本人が得た所得額を記載した書類をいいます。
これに対して、課税証明書は1年間(1月1日~12月31日)までに本人が得た所得に対して課税される税金を記載した書類をいいます。
両者は一見すると似ていますが、所得証明書は本人が稼いだ金額が記載されているのに対して、課税証明書には本人に課せられる税金が記載されています。
どちらも本人の経済状況を把握するには必要な種類であるものの、所得を表す書類なのか税金を表す書類なのかという違いがあるということです。
ちなみに所得は去年1年間の記録がそのまま記載されますが、税金は翌年の6月に算出されて記載されます。
発行されるタイミングが違うという点についても、併せて覚えておきましょう。
また、市区町村によっては所得証明書の代わりに課税証明書を発行しているところもあるため、混同してしまうこともあります。そこは市区町村によって収入証明書の呼び方が違うという点も理解しておく必要があるかもしれません。
実際に市区町村ごとに「所得照明」と明記されている書類もあれば、単に「○○税」と税金の名称で記載されている書類もあります。
そのため、窓口などで取得する場合は「収入を証明できる書類が欲しいのですが」と伝えてみるのも1つの手です。
▼所得証明書と給与証明書の違い
所得証明書とほぼ同じものに給与証明書というものもあります。
両者とも、本人が稼いだ金額を記載している書類です。
しかし、所得証明書には毎年稼いだ金額が記載されているのに対し、給与証明書には毎月稼いだ金額が記載されます。
どちらも本人の稼ぐ能力を証明するための書類ですが、微妙に記載されている内容が異なるという点には注意が必要です。
特に給料が変動しやすい方などは1ヵ月の収入よりも1年間の収入を審査されることも多いため、住宅ローンや賃貸物件の契約では給与証明書より所得証明書の方が重視される傾向もあります。
そこは金融機関や不動産業者によっても大きく違うので、実際に申し込む場合は担当者に相談してみるのが一番です。
ここからは所得証明書の発行方法について見ていきましょう。
ただ、所得証明書の発行はとても簡単なので、特に身構える必要はありません。
まずは近くの市区町村の役場にて相談することをおすすめします。
所得証明書は原則として自分が居住している市区町村で発行可能です。市区町村によって発行場所や申請内容が微妙に異なることもあるので、その点も含めて確認しておくと安心です。
ただし、所得証明書は現在居住している市区町村で発行されます。
そのため、2021年分の所得証明書は2022年1月1日時点で居住している市区町村で発行しなくてはなりません。
仮に、引っ越しなどで住所が変わっている場合、現時点でどの市区町村に属しているのかも考えて申請しましょう。
ちなみに、所得証明書の利用目的によっては必要な情報も異なります。
その場合、所得証明書の記載内容はもちろん、証明書の年次や枚数についても把握しておかなくてはなりません。
なかでも、配偶者の扶養や奨学金、融資の申請においては提出先によって求められる情報も異なります。
住宅ローンなら金融機関、賃貸物件なら不動産業者に「どのような情報が必要なのか」を確認しておいてください。
所得証明書の申請先を確認したら、実際にそれぞれの市役所や区役所の窓口にて申請を行います。
申請先は町役場や村役場なども可能ですし、地域によっては出張所や連絡所も設置されています。
最寄りの役所で構いません。
ただ、所得証明書の発行には本人確認書類と手数料が必要です。
本人確認書類は運転免許証や健康保険証のほか、マイナンバーカードなどでOKです。
手数料に関しては市区町村ごとに異なりますが、相場としては300~400円程度となります。
それらを持参して窓口で交付申請書(請求書)を記載し、問題がなければすぐに所得証明書が発行されます。
なお、申請の際に書類への記入が必要となるのですが、わからない項目も出てくるでしょうから、事前に提出先に確認しておくと安心です。
状況によっては本人以外が請求しなくてはならない場合もあるかもしれません。
その場合は委任状と代理人の本人確認書類があれば問題なく請求可能です。
委任状は市区町村のホームページやサイトにてダウンロードできるので、そちらを印刷して持参しましょう。
そのほかに必要なものは市区町村ごとにも違うため、事前に確認しておくと何度も往復しなくて済みます。
市区町村によっては同一世帯の親族が申請する場合に限り、委任状を必要としないところもあります。
それらも事前に知っておくことで無駄を省けるので、窓口への電話はもちろん、Webサイトで調べておくのもおすすめです。
「所得証明書を取得するのにわざわざ役場まで行かないといけないの?」と思っている方も多いかもしれません。
しかし、心配は無用です。
現在、約900もの市区町村において、所得証明書をコンビニで発行できるサービスが導入されています。
あくまでもマイナンバーカードを持つ人が対象となるものの、全国各地にあるコンビニで所得証明書を発行できます。
それだけでなく昨今はスマホやパソコンから申請することで、所得証明書を郵送してもらえるサービスもあるくらいです。
それらは「オンライン申請」と呼ばれ、忙しい方であっても気軽に所得証明書が取得できるようになっています。
もし「役所まで行くのが面倒」ということなら、こうした気軽に発行できる方法も活用してみてはいかがでしょうか?
最後に所得証明書が必要となるタイミングについて見ておきましょう。
主に所得証明書の提出が求められるのは、以下のケースが考えられます。
基本的に所得証明書はローンや賃貸を契約する際に必要です。
お金や物件を貸す方としては借りる方に対して返済能力があるのかどうかを知る必要があるため、直近の所得証明書を求められることがあります。
また、転居や引っ越しと同時に配偶者の被扶養者になる際も所得証明書が必要なほか、結婚や離婚で扶養者との関係が変わる場合も所得証明書が必要です。
さらに、保育園や学校など教育機関によっては所得証明書を求められる地域もあります。
こうした所得証明書の可否は提出先によっても大きく変わるので、それぞれ事前に確認することをおすすめします。
場合によっては収入証明書が不要なところもあるため、必ずしも所得証明書が必要となるとは限りません。
提出先に必要かどうかを聞いてみるのが確実です。
所得証明書は住宅ローンや賃貸物件を契約する際に必要となります。
それだけでなく、転居・引っ越しの際や入園・入学の際にも必要となる場合があります。
もし必要といわれた場合は市区町村の役所や役場にて取得するか、もしくはコンビニ・郵送などで取得しましょう。
特に金融機関や不動産業者にて契約する場合は所得証明書が必須となるので、発行方法を知っておくだけでも便利です。
ただ、提出先によっては所得証明書を課税証明書や給与証明書と呼ぶこともあるので、それらをまとめて収入証明書と呼ぶということも覚えておくと良いでしょう。
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