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資金(ローン)について
2023.03.30
この記事では、団体信用生命保険の概要や加入条件、種類などを解説します。
住宅ローンを組む際に、多くの金融機関では団体信用生命保険(団信)の加入が融資の条件となっています。団信には様々な商品があり、金融機関によって異なるので注意が必要です。
【この記事でわかること】
● 住宅ローンにおける団信(団体信用生命保険)の概要 ● 住宅ローンにおける団信(団体信用生命保険)の加入条件 ● 住宅ローンにおける団信(団体信用生命保険)の種類と注意点 |
住宅ローンの団信(団体信用生命保険)とは生命保険の1つで、金融機関が融資承諾のために提示する条件に組み入れられることが多い保険です。
住宅ローンの債務者が仮に、死亡や高度障害状態になった場合、ローンの支払いが困難になります。その場合、団信に加入していなければ家を差し押さえられ、住んでいる家族も強制退去となってしまうでしょう。
ただし、団信に加入することで、死亡時や高度障害状態になっても残債の支払いを免責できます。
このように、団信に加入することで、万が一の事態があっても家と家族を守れます。ここからは、団信についてさらに詳しく見ていきましょう。
上記2点を順番に解説します。
団信は、契約者と保険受取人が金融機関、被契約者が住宅ローンの債務者となります。
つまり、債務者に万が一のことがあった時点で保険金が金融機関に支払われ、保険金をもって住宅ローン残債を完済することになります。
一般的な生命保険の場合、保険金は家族に支払われます。
一方、団信は保険金受取人が金融機関となっているため家族には支払われません。なぜなら、団信の保険金はあくまでも住宅ローン残債の返済に使われ、他の用途では使用できないからです。
そのため、債務者に万が一のことがあった際に住宅ローン以外で金銭的な心配がある場合は、一般的な生命保険も並行して検討するのがおすすめです。
この章では、住宅ローンの団信に加入するための条件について、解説します。
団信に加入できなければ、金融機関から融資を受けられません。したがって、審査が進んだ状態で否決とならないためにも、この章で解説する以下2点の条件を事前に確認しましょう。
順番に解説していきます。
団信は、住宅ローンの契約時のみ加入できます。また、住宅ローンを組んでいる途中からは加入できないため注意が必要です。
そのため、これから住宅ローンを契約する人が加入条件となることを把握しておきましょう。
団信は、死亡もしくは高度障害状態になると住宅ローン残債の支払い義務が免責となります。そのため、保険会社が定めた健康状態などの条件を満たさなければなりません。
健康状態の確認は、保険会社が提示する告知書に沿って行われ、告知書に記載されている病歴の有無をチェックします。
このように、健康状態などの判定は自己申告ではなく、あくまでも保険会社が判断することになるため注意しましょう。
この章では、住宅ローンにおける団信の種類と内容について解説します。
団信は死亡、もしくは高度障害状態で保険金が支払われる仕組みであり、金利を上乗せすることで多くのオプションを追加できます。
そのため、この章で解説する団信の種類と内容を確認し、金利とのバランスを見て決めましょう。
ここでは、上記5種類の団信について解説します。
通常の団体信用生命保険は、被契約者が死亡もしくは高度障害状態になった際に保険金が金融機関に支払われる保険です。
「一般団信」ともいわれる保険であり、金融機関にオプションの追加を要求しなければ、自動的にこの団信に加入することになるでしょう。
全疾病特約付団体信用生命保険(全疾病)とは、精神疾患を除く病気やケガの影響により就業不能となった時点で保険金が支払われる団信です。
全疾病は、ほぼ全ての病気やケガに対応できる一方で上乗せの金利が最も高く、さらには取り扱っている金融機関が少ない点が特徴といえます。
三大疾病特約付団体信用生命保険(三大疾病)は通常の団信に加え、「がん」や急性心筋梗塞、脳卒中を患った場合であっても保険金が支払われる団信です。
通常の団信に対して、0.1%の金利上乗せで加入できる金融機関もあり、検討する人が多い団信といえるでしょう。ただし、3つの病気はただ患うだけでは条件を満たすことはなく、各病気の進行状態が明確に定められています。
そのため、保険金の支払われる状態をあらかじめ確認することをおすすめします。
八大疾病特約付団体信用生命保険(八大疾病)は、三大疾病に加え、高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎においても支払い対象となる団信です。
追加される5つの疾患は重度慢性疾患と呼ばれ、生活習慣病にも挙げられます。この団信も三大疾病と同様に、それぞれの疾患に対して保険金の支払い条件が定められています。
「がん団信」と呼ばれるこの保険は、三大疾病から心筋梗塞と脳卒中を除外した「がん」のみのオプション商品となります。
厚生労働省のデータによると、2021年の死亡者において「がん」は約26.5%を占めており、最も多い死亡原因でした。そのため、多くの団信加入者が「がん団信」を追加しています。
ただし、三大疾病や八大疾病と同じく、「がん」の種類やステージによって保険金の支払い条件が変わるため、加入前に細かく確認することが重要です。
※参考:令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況|厚生労働省
団信の加入が重要なポイントであることを解説してきましたが、この章では住宅ローンの団信に加入する際の注意点を解説します。
多くの金融機関が団信加入を融資条件としているものの、イメージしていた内容と異なっていたり、後から契約違反と指摘されたりする可能性はゼロではありません。
そのようなケースを避けるためにも、この章で解説する注意点を押さえましょう。
上記5点を順番に解説します。
免責事項とは、条件を満たす病気にかかったとしても、保険金が支払われないケースのことです。たとえば、加入後2年以内の自殺や、ステージ1の胃がんなどが該当します。
このように、加入する団信に合わせた免責事項は非常に重要なポイントとなるため、契約する前に必ず確認しましょう。
健康状態に虚偽があり金融機関にバレた場合、契約解除を請求されることにもなりかねません。
また、その場合は金融機関との契約も解除となるため、住宅ローンの一括返済請求を受けることになるでしょう。この場合、返済できなければ家を差し押さえられることになります。
このように、健康状態の虚偽申告は非常に重いペナルティを課せられることになるため、必ず偽りなく告知しましょう。
団信は解約が可能ですが、再加入はできません
そのため、団信を解約するかどうかは慎重に判断することをおすすめします。
団信は再加入できないだけでなく、契約内容の変更もできません。そのため、年齢を重ねてから全疾病を追加するなどの方針が立てられないため、注意が必要です。
住宅ローンを、当初契約した金融機関から別の金融機関に借り換えた場合、団信を継承できません。金融機関との契約が解除されるため、当然団信も解除となります。
そのため、新しく契約した金融機関で再度、団信に加入しなければなりません。
団信は多くの種類があるため、どれに加入すべきか悩むケースは少なくありません。
そこで、この章で解説するポイントを参考に選びましょう。
順番に解説していきます。
団信は、自分に合った保障内容が充実している商品を選択しましょう。
保障内容を一般の生命保険と比較検討し、得できるように選択することが重要です。
団信を選ぶ際は、金利優遇があるかどうかも重要です。
金融機関によっては、オプション追加による金利上乗せを一定期間「0」にするサービスもあります。したがって、金融機関を選ぶ際には団信の金利優遇も確認しましょう。
団信を利用するタイミングは緊急時のケースもあるため、すぐに相談できる団信専用ダイヤルがある金融機関を選ぶことがおすすめです。
また、24時間の受付対応があるか、支店が対応してくれるのかなど、細かく対応方法も確認することが重要です。
保険金が支払え荒れやすい条件かどうかも、団信を選ぶ際に重要となります。
保険金の支払いが決定するまでに時間がかかる場合は、すぐには団信を利用できません。そのようなことにならないためにも、保険金が支払われる流れは事前に把握しましょう。
最後に、住宅ローンの団信に関するよくある質問を紹介します。
順番に回答していきます。
団信は、自分の状況に合わせてオプションを付与しましょう。例えば、返済期間と完済時の年齢、がん家系かどうかなどが挙げられます。
団信と生命保険は、どちらが得とは一概に言えないでしょう。
団信は住宅ローンに対する保険で、生命保険は保険金の利用用途に制限がありません。そのため、各用途に合わせて保険加入することをおすすめします。
加入者が高度障害状態であっても団信は適用されるため、適用時点での住宅ローン残債について、返済義務が免責となります。
住宅ローンを検討する際には、金利と同様に団信の内容も重要です。そのため、各保険の種類と保障内容を正確に把握し、選択することが重要です。
国分ハウジングでは、家づくりのプランだけではなく、団信などの保険内容も分かりやすくお客様に説明しています。
「団信で失敗したくない」「住宅ローンを組む前に各保険の詳細を知りたい」という人は、ぜひご相談ください。