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資金(ローン)について
2021.03.09
住宅ローンを組むにあたって、やはり気になるのは「金利」の問題ですよね。
全期間固定型、変動金利型、固定期間選択型といった金利タイプがあるため、どのように違うのか特徴を解説していきます。
また、借り入れ先や借り入れ方法についてもさまざまな種類がありますから、どれを選ぶべきか悩んだときに参考にしてください。
住宅ローンの金利は、たった0.1%違うだけでも、実際に支払う金額には数十万円を超える差が出てしまうこともあります。
住宅ローンはよく確認しながら、最終的に自分にあった物を選びましょう。
住宅ローンの金利は、具体的には「全期間固定型」、「変動金利型」、「固定期間選択型」といったタイプがあります。
ここではそれぞれの特徴を見ていきましょう。
簡単に言えば【全期間の金利を固定できるものの、その分金利が高くなりやすい】のが、全期間固定型です。
特徴はなんと言っても、その名前の通りすべての期間においていつでも金利が固定されるという点にあります。
先が見えない社会において、現在の金利だけを参考にしていると金利が上がったときに支払いが厳しいと感じられるようになるかもしれません。
また、固定給ではなく収入の変動が大きい人の場合には、現在から一年後、二年後、十年後、三十年後の経済状況を予想するのは簡単なことではないでしょう。
そうした不安のある人にとって、常に一定の支払いで問題ない全期間固定金利型は非常に魅力的です。
たとえ収入が減ってしまったとしても、返済額は変わらないため収支計画も立てやすくなります。
デメリットとしては、他の金利タイプに比べて、金利がやや高い傾向にあるということ。
「安心」を買った金額として割り切れるかどうかが肝となるでしょう。
また、将来的に金利が上がれば得ではありますが、上昇しなかったときには返済額が多くなり、損に感じられるかもしれません。
全期間固定型の代表的なものに「フラット35」がありますので、のちほど詳しく解説していきます。
簡単に言えば【金利を抑えられるけれど、先々のことはわからない】のが、変動金利型です。
変動金利型も基本的には名前の通りで、常に金利が変動する可能性があることが特徴です。
金利の変動は、半年に一回を目安に起こる可能性があります。
そのときに改められた金利をもとにして、実際の返済額が5年ごとに変わっていきます。
メリットとしては、他の金利タイプに比べて金利が安くなりやすいことが挙げられます。
しかし、これから先、金利がどうなっていくかはわかりません。
「とにかく今、金利が安ければいい!」という考えでいると、将来的に金利が上昇したとき支払額が増えてしまうこともあるでしょう。
メリットとデメリットが表裏一体であることが、変動金利型の特徴でもあります。
ただし変動金利には、「125%ルール」と呼ばれるルールがあります。
125%ルールとは「仮に金利が大きく上昇したとしても、新たな返済額はそれまでの125%以上にはならない」というルールです。
つまり、これまでの返済額が月々10万円だったのなら、そのあと金利が上昇したとしても返済額が月々12万5000円以上になることはありません。
収入が不安定というわけではない人や、125%ほどの変動をしていくと仮定して計算してもそこまでの痛手にならないと考えられるのならば、変動金利型を選んでみるのもいいかもしれません。
簡単に言えば【一定期間の金利を固定することができるものの、そのあと高くなる可能性がある】のが、固定期間選択型です。
先ほどご紹介した「変動金利型」と「固定金利型」のどちらの要素も兼ね備えた、いいとこ取りのタイプと言えるでしょう。
固定期間選択型では、まず金利を固定する期間を決定します。
10年や20年など任意の期間においては、固定型と同様に金利が一定になります。
そして固定期間が終わったら、そのあと改めて「固定金利型」と「変動金利型」のどちらを選択するか決定します。
状況に合わせて金利を固定にしながら、必要なプランを見直せる点が大きな魅力と言えるでしょう。
先にご紹介した「固定金利型」と「変動金利型」 の両方のいいとこ取りができる一方、注意しなければならない点もあります。
例えば、変動金利型で適用される125%ルールは、固定期間選択型では適用されません。
急激に金利が上昇したときに天井がなくなってしまう点は、デメリットと言えるでしょう。
また、金利の固定期間はよいのですが、終わってからは金利の優遇幅が小さくなり、返済額が増える可能性もあります。
しかし固定期間が終わってしまうまでに繰り上げ返済ができれば、比較的スムーズに返済できます。
余裕のある返済計画が立てられそうであれば、固定期間選択型を選ぶのもよいでしょう。
住宅ローンの金利については、借入先を選ぶことも大切です。
民間ローン、フラット35、財形住宅融資といったパターンがありますので、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。
簡単に言えば【メガバンクや地方銀行をはじめとしたいわゆる民間の金融機関から借りる】のが、民間ローンです。
民間ローンを展開してる金融機関には、メガバンク、ネット銀行、地方銀行、生命保険会社、農協などが挙げられます。
住宅ローンは、それぞれの金融機関によって異なります。
内容についてもそれぞれに異なり、「金利引き下げキャンペーン」といったキャンペーンも独自に展開されています。
金利タイプやサービスについてもそれぞれに違うため、ホームページや窓口で内容をよく確認することがおすすめです。
民間の住宅ローンを借りるのであれば、金融機関や保証会社の審査を受けなければいけません。
審査に通らなければローンを借りることもできませんので、注意しましょう。
簡単に言えば【民間の金融機関とのあいだに住宅金融支援機構が入って組む】のが、フラット35です。
フラット35では、住宅金融支援機構が民間金融機関を通してローンを組みます。
基本的に「全期間固定金利タイプ」の住宅ローンのみを扱っています。
先ほどご紹介した通り、このタイプではすべての期間で金利が変わりませんので、返済計画が立てやすいのが魅力でしょう。
また、保証会社を通さないことから、金融機関で発生する保証料がかからないのも特徴です。
メガバンクや地方銀行などの銀行のほかに、ネット銀行や住宅ローン専門会社の利用もできます。
こちらも民間ローンと同様に、どの金融機関を利用するかによって金利やサービスが異なります。
簡単に言えば【財形貯蓄を行っている会社員や公務員を対象としている】のが、財形住宅融資です。
財形住宅融資は、企業や職場の福利厚生として活用されることの多い融資です。
利用できる人は、「勤務先にて財形貯蓄を1年以上行った人」のように一定の条件を満たした人のみに限られます。
金利については、毎回5年ごとに見直されますが、固定金利にはできないため、その点には注意してください。
メリットとしては、保証料や融資手数料がかからないことが挙げられます。
諸経費を抑え、出費を最小限にしたいときにうれしい特徴があると言えるでしょう。
また、財形融資はあくまで福利厚生の1つであり、勤務先に財形融資の制度がなければ使用できませんので、先に確認しておくとよいでしょう。
ここからは住宅ローンの借り入れ方法についてご紹介していきます。
ペアローン・連帯債務・連帯保証といった種類がありますので、こちらもそれぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。
簡単に言えば【夫婦がそれぞれに異なる住宅ローンを一つずつ、世帯で二つ契約する】のが、ペアローンです。
一般的に、住宅ローンを組むときには一世帯で1つのみ契約することになります。
しかしペアローンを利用すれば、夫と妻でひとつずつ、世帯で2つの契約を結べます。
メリットとして、夫婦それぞれに住宅ローン控除を受けられる点が挙げられます。
控除枠を最大限活用できるため、節税に貢献してくれるでしょう。
また、借入額をできるだけ増やしたいときにもおすすめです。
1人で住宅ローンを利用するケースに比べて、トータルの借入額が増え、これまで手が届かなかった住宅を購入するきっかけになるかもしれません。
一方でデメリットとしては、事務手数料をはじめとした諸費用についても単純に2倍になってしまうことが挙げられます。
金銭面だけでなく、契約のわずらわしさについても倍増したように感じられるかもしれません。
また、住宅ローン控除は所得税に対しての控除のため、どちらかが仕事を辞めたときには受けられなくなってしまいます。
簡単に言えば【契約者が1名であるのに対し、連帯債務者としてもう1名の連名で契約する】のが、連帯債務です。
連帯債務の場合、主の契約者1名、そして連帯債務者1名の連名によって住宅ローンを契約します。
例えば、夫が契約者、妻が連帯債務者というような形になります。
メリットとして、連帯債務者の収入も含めて、借入額を決定でき、ペアローンと同様に借入額を増やせるという点が挙げられます。
さらに、どちらも住宅ローン控除を適用できることが挙げられます。
しかし契約そのものは1つであることから、ペアローンと違って諸費用や契約のわずらわしさは1契約分に抑えることができます。
デメリットとしては、連帯債務を取り扱っている金融機関そのものが限られていることが挙げられます。
選択肢が少ない中で、条件の合う金融機関などを探さなければいけません。
また、主となる契約者は団体信用生命保険に加入できますが、連帯債務者はできない可能性もありますので注意しましょう。
簡単に言えば【夫婦のどちらかが返済義務のある債務者、もう一人が保証人となる】のが、連帯保証です。
連帯債務との違いとして、夫婦のうち債務者でない方はあくまで連帯保証人という立場になる点が挙げられます。
連帯保証人は、なんらかの理由によって主となる債務者が返済できなくなったとき、はじめて返済義務が発生します。
メリットとして、あくまで契約そのものは1つに絞られることから、諸費用等が増えないことが挙げられます。
それでいて連帯保証人の返済能力によって借入額を増やせる可能性があることも特徴です。
条件を満たせば収入合算もできますが、物件の名義は単独にできるため、どちらかにしておきたい世帯におすすめです。
デメリットとしては、連帯保証人は債務を負っているわけではないことから、住宅ローン減税や団体信用生命保険の恩恵を受けられないことが挙げられます。
今回は、住宅ローンの金利タイプ、借り入れ先、借り入れ方法についてまとめてご紹介していきました。
それぞれに特徴が異なり、違った魅力があるからこそ、状況に応じて最適な金利タイプや借り入れ先、借り入れ方法を選びましょう。
たとえ同じ金額を借りたとしても、どんな契約をするかによって支払わなければならない金額が変わってきますので、最後までよく検討してください。
住宅ローンをはじめ、住宅についてお悩みの方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。