Blog / Column
スタッフブログ・コラム
家づくりコラム
資金(ローン)について
2021.03.29
家を建てる際にはまとまったお金がかかるので、その負担を軽減するためのさまざまな制度が用意されています。その中の一つが「すまい給付金」です。
すまい給付金は現金が受け取れる貴重な制度です。対象となる人はしっかりと活用するために、制度の概要や実際の申請方法について知っておきましょう。
すまい給付金(http://sumai-kyufu.jp/)は要件に当てはまる住宅を取得した人のうち、一定の条件を満たす人に対して10~50万円の現金を給付する制度です。
消費税の引き上げに伴い、住宅取得時の負担を軽減するために生まれました。2021年12月末までの実施が予定されています。
住宅を購入する場合、土地部分は消費の対象とならない(使っても減らない)ため消費税が課税されません。しかし建物部分は課税対象となります。
たとえば、土地代が1,000万円、建物代が2,000万円の戸建て住宅を購入した場合、消費税率5%時の消費税は100万円でした。
しかし、消費税率が10%に引き上げられて以降は、同じ建物に対して200万円の消費税が課税されます。つまり100万円の負担増です。
ちなみに、中古住宅の売買についても売主が宅地建物取引業者である場合は消費税の課税対象となります。
個人間の売買では消費税が課税されませんが、仲介手数料を負担しなければなりません。
所得の少ない人ほど消費支出の割合が高く、消費増税の影響が大きくなるといわれているため、すまい給付金は低所得者を主な支給対象としています。
所得額が増えるほど支給額が減る仕組みとなっています。
すまい給付金の対象となる条件は、購入する住宅と購入者のそれぞれについて定められています。
すまい給付金は低所得者の住宅取得に伴う負担を軽減するための制度なので、次のような要件が定められています。
主な要件 | 確認方法 |
住宅の所有者である | 不動産登記簿で持分保有者であることを確認 |
その住宅に住んでいる | 住民票にて住所を確認 |
収入が一定以下である | 消費税率10%時には、収入額の目安が775万円以下(家族構成などにより変動)。都道府県民税の課税証明書にて、所得割額を確認 |
(住宅ローンを利用しない場合のみ)年齢が50歳以上である | 運転免許証などの身分証明書にて確認 |
(住宅ローンを利用しない場合のみ)収入額の目安が650万円以下である | 都道府県民税の課税証明書にて、所得割額を確認 |
すまい給付金の支給要件における住宅ローンとは、次の3つの要件を満たすものを指します。
つまり、知人や親族からの借り入れは住宅ローンの対象となりません。注意しましょう。
すまい給付金には「良質な住宅ストックの形成を促す」という目的もあるので、対象となる住宅の品質に対しても一定の要件が定められています。
主な要件は次の3点です。宅地建物取引業者が販売する中古再販住宅は消費税の課税対象となりますが、個人間の取引では仲介事業者が間に入っても消費税が課税されないので、支給対象とはなりません。
すまい給付金の給付額は、次の式によって算出できます。
たとえば、配偶者と50%ずつの持分割合で住宅を取得している場合は、基礎給付額の半額が給付額となるわけです。
持分割合は、不動産の登記事項証明書(権利部)によって確認します。
給付基礎額×持分割合=給付額
基礎給付額は収入額によって決定しますが、その収入は都道府県民税の所得割額で確認されます。
給付申請時には、元の住所の属する市区町村が発行した個人住民税の課税証明書を提出しましょう。
基礎給付額 | 収入額の目安 (家族構成など条件により変動。実際の給付額は都道府県民税の所得割額で判断) |
50万円 | 450万円以下 |
40万円 | 450万円超525万円以下 |
30万円 | 525万円超600万円以下 |
20万円 | 600万円超675万円以下 |
10万円 | 675万円超775万円以下 |
課税証明書は毎年5~6月ごろに発行が開始されます。
自治体ごとに切り替え時期が異なるため、すまい給付金では一律して7月1日を切り替え時期と設定しました。
1~6月までの引き渡しでは前年度の課税証明書をもとに給付額を算定し、7月以降はその年の課税証明書をもとに算定します。
所得割額は自治体によって多少の違いがあるため、金額と基礎給付額を正確に照らし合わせることができません。
家族構成による控除の違いなども影響してきます。
自分の場合はどの程度もらえるのか知りたいと思ったら、すまい給付金のポータルサイト上にあるシミュレーションを利用してみましょう。
同じページ内で、住宅ローン減税の控除額を知ることができるシミュレーションも可能です。
すまい給付金と同じく住宅取得時の負担を軽減するための制度として、住宅ローン減税(住宅ローン控除)があります。
しかし、この制度は自分が支払った所得税や住民税の一部から、税額控除を受ける仕組みです。
所得の低い人はそもそも税額が低いため、「控除の枠を使いきれないのでは」「所得の高い人ばかりが得をする」という指摘がありました。
そのため、低所得者層の負担に配慮したこの制度が導入されました。住宅ローン減税とすまい給付金は、重複して申請が可能です。
このほかにも住宅取得に関する贈与税の非課税枠(最大1,500万円)や、新築時最大40万円相当のポイントがもらえる「グリーン住宅ポイント」なども併用が可能です。
すまい給付金の申請は、基本的に住宅を取得した本人が行います。
配偶者と持分割合を分けている場合などは、それぞれに申請手続きを行いましょう。
ハウスメーカーなどに「代理受領申請」をしてもらうことも可能です。その場合、すまい給付金代理受領特約(別の名称である可能性もあり)を締結しましょう。
給付金が住宅事業者に支払われることになり、代金の一部に充当してもらえます。
具体的な手続き方法には「窓口申請」「郵送申請」の2種類があります。代理受領の場合は、郵送による申請はできません。
地域ごとの受付窓口は全国に用意されています。オフィシャルサイトで自分が住む地域の窓口を確認してみましょう。
給付要件等について相談したい場合は、サポートセンターを兼ねている窓口に、必要書類を揃えたうえで相談してみましょう。
すまい給付金の申請手続きは、次の流れで行います。
申請書類はオフィシャルサイトにまとめられているので、自分に当てはまるものを選んでダウンロードし、作成しましょう。
新築住宅の申請時に提出が必要な書類は、次のようなものです。
住宅ローンを利用しない場合は、金銭消費貸借契約書が必要ありません。その代わり、フラット35Sの基準に適合していることを証明する書類(次のうちいずれか)を添付してください。
フラット35Sには、耐震等級や劣化対策等級、維持管理対策等級などさまざまな適合基準が設けられており、いずれかの基準を満たしている必要があります。
住民票は引っ越し先の市区町村の窓口で取得し、登記事項証明書は法務局で取得しましょう。課税証明書は引っ越し前の市区町村で取得します。その他の書類は手元にあるはずです。住宅ローン減税の手続きに必要な書類も多いので、家づくりに関連した書類はまとめて一か所に保管しておくことをお勧めします。
申請は、住宅の引き渡しから1年以内に行いましょう。新型コロナウイルスの影響拡大を受け、当面は引き渡しから1年3ヵ月以内に延長されています。
書類に不備がなければ、申請から1ヵ月半~2ヵ月程度で指定した口座に給付金が支払われるはずです。
ただ、新型コロナウイルスの影響により窓口の運営規模が縮小されているため、審査期間が少し長くなるかもしれません。
余裕をもって早めに申請しておきましょう。
こちらでは、消費増税による住宅取得時の負担を軽減するための制度「すまい給付金」について詳しくご紹介しました。
最大50万円もの現金が受け取れるので、引っ越し代や家具・家電の購入代など、何かと物入りになる住宅取得時にはありがたい制度です。
すまい給付金は今のところ、2021年12月末までの実施予定となっています。
注文住宅の建築には打ち合わせが何度も必要になるので、ハウスメーカーを決めてから入居までには半年から1年近くかかるのが一般的です。
すまい給付金を受け取りたいなら、余裕をもって申請できるよう早目に動いておきましょう。
家づくりの補助金が気になる、住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。