Blog / Column
スタッフブログ・コラム
家づくりコラム
建物・家づくりについて
2023.03.30
一戸建てを購入した場合、マンションと異なり自分でメンテナンスする必要があります。
一戸建ては、経年劣化によって耐久力が落ちる箇所や破損箇所を修繕することで長く住むことが可能となるため、どの部分を修繕すれば良いか把握しなければなりません。
この記事では、一戸建ての修繕が必要な箇所や費用について解説するので、これから一戸建てを検討する人は、ぜひ参考にしてください。
【この記事でわかること】
● 一戸建ての寿命や耐用年数 ● 一戸建てをメンテナンスしなければならない理由 ● 一戸建てのメンテナンスが必要個所と時期 ● 一戸建てを長持ちさせるためのポイント |
まずは、一戸建ての寿命や耐用年数を解説します。
順番に見ていきましょう。
結論からいうと、戸建てに寿命はありません。
木造よりも鉄骨造の方が長く持つ傾向にありますが、木造も鉄骨造も決まった築年数で必ず倒壊するわけではありません。
そのため、定期的に戸建てをメンテナンスし丁寧に手入れすることで、きれいで安全な戸建てを維持できます。
戸建ての耐用年数は構造によって変わるので、以下の表を参考にしてください。
構造 | 耐用年数 |
木造 | 22年 |
骨格材の肉厚3mm以下(軽量鉄骨) | 19年 |
骨格材の肉厚が3mmを超え4mm以下 | 27年 |
骨格材の肉厚が4mmを超える | 34年 |
※参考:主な減価償却資産の耐用年数表
耐用年数とは、建造物を償却資産として経費計上できる年数のことで、家自体の耐久性とは厳密には無関係です。
ただし、会計上価値がなくなるタイミングは家の修繕箇所も増えるため、頭に入れておくことは重要です。
一戸建てのメンテナンスが必要な理由は、主に以下の通りです。
このように、快適な住環境を維持するためにも一戸建てのメンテナンスは必要といえます。
一戸建ての設備や部位によってメンテナンスの時期が変わり、費用もさまざまです。そこで、この章では各部位のメンテナンス時期とおおまかな費用について解説します。
順番に解説していきます。
外壁や屋根は、10年に1度のメンテナンスがおすすめです。なぜなら、多くの外壁塗装、屋根塗装の保証が10年であるからです。
紫外線を直接浴びる外壁と屋根は劣化がしやすく、劣化したまま放置していると剥がれやヒビが発生し雨漏りの原因になります。そのため、10年に1度は外壁と屋根を塗装しましょう。
なお、費用は30坪の家で120〜150万円が相場です。
水回りにはトイレやキッチン、台所、洗面台があり保証期間は5〜10年です。
そのため、保証が切れるタイミングでメンテナンスを検討するのも大事ですが、外壁や屋根と違い劣化が進みにくい部位といえます。
そのため、日頃の掃除を丁寧にすることで保証期間よりも長く使用でき、壊れた段階で交換しても問題ありません。
水回りの費用はトイレで5万前後、洗面台で10万前後、キッチンとトイレは70〜100万円が相場となります。
床は10年を経過すると軋むようになり、畳は日焼けしたり虫食いが発生したりします。
このような現象が発生した場合はメンテナンスすべきですが、フローリングの張替えはリビングだけでも20万円程度が相場となり、家全体の張替えだと50万円以上の費用が必要でしょう。
そのため、フローリングの軋みはスポット的に調整し修繕することをおすすめします。
一方、畳は表替えで1万〜3万、全て新調で5万前後が相場です。畳は日焼けすると見た目が悪くなり、防虫効果が薄れることでダニが発生する可能性が高くなります。
ダニの発生はアレルギー物質を飛散させるため、早めにメンテナンスしましょう。
内装が浮いたり剥がれたりした場合、接着剤の効果が切れている可能性があります。
壁紙が剥がれ石膏ボードがむき出しになると、家の強度が下がり他の部位が破損することにもなりかねません。
そのため、壁紙の剥がれを発見した場合はすぐに張替えることをおすすめします。なお、内装の張替えはリビングだけで15〜20万円、家全体で70万円前後が相場となります。
この章では、築年数別に一戸建てのメンテナンスで注意すべきポイントを解説します。
築年数によってメンテナンス箇所の優先順位が変わるため、参考にしてください。
築年数が10年以内であればメンテナンスする箇所は少なく、突発の故障箇所のみで問題ありません。
ただし、このタイミングで外壁や床などに極端な異常が確認された場合は施工不良の可能性も考えられるため、施工会社に連絡することをおすすめします。
外壁や屋根塗装、防蟻処理は築10〜15年で実施しましょう。
また、給湯器は早ければ同時期に異常をきたすため、交換を検討することをおすすめします。
築15〜20年近くになると、床の軋みや壁紙の剥がれが出てくる可能性があります。
また、子どもの独立や同居など、家族構成が変化する時期でもあるため、床と壁紙に留まらず家全体のリフォームを検討する時期です。
築20年を超えると、これまでのメンテナンスによる影響が表面化してきます。
つまり、しっかりメンテナンスしている場合は前述した通りのメンテナンスで十分ですが、メンテナンスしていなければ、フルリフォームが必要な状態になるでしょう。
また、住み替えを検討する時期でもあるため、売却を踏まえてリフォームを検討するタイミングだといえます。
一戸建てのメンテナンスにかかる修繕費用は、以下の通りです。
メンテナンス箇所 | 修繕費用 |
外壁・屋根塗装 | ・約120~150万円 |
トイレ | ・約5万円 |
洗面台 | ・約10万円 |
キッチン | ・約70~100万円 |
バスルーム | ・約70~100万円 |
給湯器交換 | ・約10万円 |
フローリング張り替え | ・約20~50万円 |
畳張替え | ・表替え:約1~3万円
・新調:約5万円 |
クロス張替え | ・約20~70万円 |
一戸建てのメンテナンスは、外壁や屋根塗装のように定期的に実施する箇所もあれば、クロスや畳、床など破損した時点で実施する箇所もあります。
また、給湯器は破損してから交換すると日常生活に支障をきたすため、破損していなくとも交換タイミングを決めておくことがおすすめです。
家全体をフルリフォームする場合、約400〜500万円前後の費用になるでしょう。
この章では、長く快適な戸建てに住み続けるためのポイントについて解説します。
一戸建ての寿命を延ばすことで、メンテナンスの頻度と費用を抑えられます。
一戸建てのメンテナンスは、リフォーム会社に依頼することをおすすめします。
外壁塗装や畳の張替などは建築業の免許が不要なため、専門業者でなくとも施工が可能です。
しかし、満足のいく仕上がりになるかどうかは職人による部分が多く、信頼できない施工会社に依頼すると中途半端な仕上がりで完成とされてしまうこともあります。
このように失敗しないためにも、信頼できる施行会社に依頼することが重要です。
外壁は普段目にすることがない分、経年劣化に気づかないケースも少なくありません。
特に、道路と反対側の外壁は日当たりが悪いことも多く、カビの発生などが懸念される箇所です。
外壁の劣化が進むと雨漏りの原因となり、雨水が一度でも侵入すると家のダメージが見えない箇所に蓄積してしまいます。その結果、メンテナンス間隔が早くなってしまうため、外壁は意識してチェックしましょう。
雨漏りと同じく、シロアリの被害に遭うと重要な木部が腐食し、壁紙の剥がれや異音の原因になります。
そのまま放置すると家が倒壊する危険もあるため、10年に1度は防蟻処理によるシロアリ対策を実施することが大切です。
日常的に、掃除や換気を自分で実施することも重要です。
床や壁のホコリや、汚れを取ることでダニやカビの発生を防止でき、換気をこまめに実施することで、家屋内の空気循環を促進し湿度を最適に保てます。
このような手入れを日常的に行うことで、家全体のメンテナンスコストを抑えられます。
最後に、一戸建てのメンテナンスに関するよくある質問を紹介します。
一戸建てをメンテナンスせず放置した場合、外壁や屋根の塗装が剥がれ、雨漏りなどが発生するおそれがあります。
また、内装の剥がれによって耐久性が落ち、シロアリ被害に遭うと家の耐久性が下がり、倒壊のリスクを抱えることになります。
このようなことにならないためにも、一戸建ての定期的なメンテナンスは重要です。
一般的に、外観・内観共に正方形で凹凸のない家がメンテナンスしやすい家になります。
メンテナンスしやすい家を建てることも重要ですが、どのような家でも定期的なメンテナンスを怠らないように心がけましょう。
事前にメンテナンス費用が支払えるような資金計画を立てることが重要ですが、どうしてもお金がない場合は、助成金や補助金を活用することも手段の1つです。
鹿児島県では、リフォームの内容によって助成金や補助金が交付されます。詳しくは、施工会社に相談し、利用できる補助金制度を確認しましょう。
一戸建ては、メンテナンスの頻度が少ないと家にダメージが蓄積されてしまい、極端に多いとトータルコストが高くなります。
そのため、適切なタイミングでメンテナンスする必要があります。本記事で解説した、築年数ごとのメンテナンス箇所などを事前に把握しながら、適切に対処していきましょう。
国分ハウジングでは、家づくりのプランだけではなく、メンテナンスに関するご相談も承ります。
お客様に寄り添いながら最適なプランを提案するので、ぜひお問い合わせください。