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2021.06.30
住宅の設備において悩むのが「オール電化にするのかガス併用にするのか」ではないでしょうか。
オール電化にもガス併用にもメリットとデメリットがあり、どちらがおすすめなのかはオーナーの方のライフスタイルによっても変わります。
ただ、できればお得な方を選びたいとですよね。
今回は、そのようなオーナーの方に向けて、オール電化とガス併用ではどちらがお得なのかをご紹介します。
それぞれのメリット・デメリットについて解説しつつ、それぞれの項目ごとに比較していくので、ぜひ住宅の設備を考えている方は参考にしてみてください。
そもそもオール電化とは何かというと、すべてのエネルギーを電気で賄うシステムのことです。
通常の住宅では電気とガスを併用してエネルギーを賄っています。しかし、そのガスの部分もすべて電気で対応するのがオール電化の特徴です。
以下、オール電化のメリットとデメリットです。
オール電化はエネルギーを電気に一本化できるため、管理が楽です。
また、ガスを使わないため、火事などのリスクも回避できます。
そのほか、万が一、災害が発生したとしても復旧が早いので、生活もすぐに元通りになります。
さらに、普段は手入れが楽ということもあり、家事が苦手な人にも最適だといえるでしょう。
状況次第では工夫によってエアコン代や水道代を安くできるため、家計にも優しい一面を持っています。
一方、オール電化は初期費や維持費が割高となる可能性があります。
単純に工事費がかかるだけではなく、光熱費がかかることも多いです。
また、停電などがあった場合は機能しなくなることもあり、災害大国日本では採用にも慎重にならざるを得ません。
そのほか、火力の調整が難しく、調理に慣れないと不便を感じることもあるでしょう。
また、設備にも影響があり、シャワーの水圧が弱いと感じたりすることもあります。
状況次第では設置場所を選びますし、調理器具もIH対応のものにしなくてはならないなどハードルは高めです。
ではガス併用とは何かというと、すべてのエネルギーを電気とガスを併用してまかなうシステムのことです。
とはいえ、通常の住宅では電気とガスを併用してエネルギーを賄っています。その中でも、ガスの比重を増やして対応するのが「ガス併用」の特徴です。
以下、ガス併用のメリットとデメリットです。
ガス併用はガスを使用するため、当然ながらガスを使用した機能を活用できます。
日本はまだまだガスを使用する設備も豊富なため、幅広い選択が可能です。初期費や維持費なども割安なので、導入のハードルも低いです。
また、用途によって使い分けられるため、導入の方法によっては節約も可能となります。
そのほか、今後電力会社などの方針が変わって電気の価値が高騰した場合でも、ガスの比重を大きくして対応することが可能です。
ガス併用は都市ガスとプロパンガスがあり、都市ガスであれば割安ですがプロパンガスとなると割高となってしまいます。
そのため、ガスで節約したいという場合は選択肢の幅が狭まってしまうでしょう。
また、オール電化と比較すると火事のリスクはあります。そのほか、点検やメンテナンスが必須となり、定期的な検査もクリアしなくてはなりません。
オール電化とガス併用では、基本料金から変わってきます。
また、基本料金に関しては各電力会社によって大きく異なるため、自身がどの電力会社と契約しているのかを事前に確認しなくてはなりません。
ここでは、仮に九州電力のプランで基本料金がどのようになるのかについてご紹介します。
なお、九州電力の場合はオール電化のプラン「電化でナイト・セレクト」とガス併用のプラン「スマートファミリープラン」があるため、両者を比較できるようまとめています。
どちらを利用するかによって基本料金が異なるので、詳しくはプランごとの基本料金を確認してみましょう。
区分 |
単位 |
料金単価 |
||
基本料金 |
10kW以下 |
1契約 |
1,650円 |
|
10kW超 |
15kWまで |
4,400円 |
||
15kW超過分 |
1kW |
550円 |
||
電力量料金 |
平日昼間 |
夏冬 |
1kWh |
26.84円 |
春秋 |
23.95円 |
|||
休日昼間 |
夏冬 |
21.22円 |
||
春秋 |
17.82円 |
|||
夜間 |
13.21円 |
上記の表が九州電力のオール電化「電化でナイト・セレクト」の基本料金となります。
これを目安にしてオール電化にすべきかどうか考えてみることで、より自身に合ったプランを選べるのではないでしょうか。
なお、九州電力のオール電化は複数の種類があるため、どの条件に当てはまるのかも考えながら見ていく必要があります。
こればかりはそれぞれのオーナーの方ごとに違うため、電力会社と相談しながら決めていきましょう。
区分 |
単位 |
料金単価 |
|
基本料金 |
10アンペア |
1契約 |
297円 |
15アンペア |
445.5円 |
||
20アンペア |
594円 |
||
30アンペア |
891円 |
||
40アンペア |
1,188円 |
||
50アンペア |
1,485円 |
||
60アンペア |
1,782円 |
||
電力量料金 |
最初の120kWhまで |
1kWh |
17.46円 |
120kWh超過から300kWhまで |
23.06円 |
||
300kWh超過分 |
24.96円 |
||
最低月額料金 |
1契約 |
314.79円 |
|
2年契約割引(オプション) |
1契約/年 |
▲777円 |
上記の表が九州電力のガス併用の基本料金となります。
ただし、これはあくまでも九州電力のガス併用「スマートファミリープラン」であり、ほかにも「スマートビジネスプラン」などがあるので注意しましょう。
どのプランを選ぶかによって基本料金も変わるため、自身の生活に当てはめて考えなくてはなりません。
そのため、ガス併用を選ぶ場合は電力会社の基本料金はもちろん、ガスがどれくらいになるのかも把握しなくてはなりません。
オール電化とガス併用の場合はランニングコストも変わってきます。
ランニングコストとは毎日の生活で自然に発生するコストのことであり、電気やガスなどは普段生活しているだけでもランニングコストが変わるので注意しましょう。
特に、九州電力が提供しているオール電化プランとガス併用プランとでは、ランニングコストも変わります。
その点を理解しておくことが重要となるでしょう。
たとえば、オール電化でお風呂を沸かすのとガス併用でお風呂を沸かすのとでは状況も変わってきます。
こればかりは条件でかなり大きく左右されるため、具体的に計算するのは難しいです。
ただ、オール電化とガス併用ではそれら生活にかかるコストが変わります。
仮に九州電力のガス併用プランで4人家族が1ヵ月生活することをシミュレーションしてみると、電気代が約1万1,553円前後でガス代が約1万95円前後かかります。
ガス併用ではエコジョーズやガスコンロを使うため、どうしてもエコキュートやIHクッキングヒーターを用いるオール電化に比べて割高となるのが特徴です。
逆に、オール電化であればガス代は不要で電気代のみ必要となるため、同じ条件であれば1ヵ月で約14.366円前後となります。
ガス併用の合計が2万1,648円なので、オール電化にするだけで約7,282円前後が浮く計算となります。
それぞれをランニングコストで計算した場合、ガス併用よりもオール電化の方が安くなる可能性が高いです。
ただ、これも条件次第なところがあるため、自身の条件に合わせて電力会社に試算してもらうのが一番確実です。
特に、昼間夜間はもちろん春夏秋冬でエネルギー効率も変化するため、実際にかかってくるコストが大幅に変わります。
それらは前述の基本料金の表を確認しながら、試算してみましょう。
日本は世界的に見ても災害大国であり、毎年のように地震や台風などに見舞われます。
普段活用しているエネルギーはこれらの災害の影響を受けることも多く、オール電化なのかガス併用なのかによって災害時の状況も変わってきます。
そこは両者の特徴を把握しながら、災害時にはどのようなメンテナンスをすべきかを合わせて把握しておくべきです。
地震や台風であっても停電がなければ、オール電化は問題なく使用できます。
しかし、仮に地震や台風の影響で停電してしまった場合は注意が必要です。
特に、オール電化はすべて電気で賄っているため、停電した際には甚大な被害を受けることが予想されます。
仮に停電が長期化した場合、エアコンもちろんキッチンやトイレ、お風呂なども使えなくなる可能性があります。
そのため、災害時の対策としては太陽光や風力など次世代の発電や蓄電池を備え付けておくことが重要です。
オール電化は特に災害に弱い傾向があるため、災害時にも電気を使えるように備えておくことが必須となります。
特に、停電は何もできなくなる可能性があるため、少なくとも自然を活かした再生可能エネルギーや蓄電池を設置しておきましょう。
地震や台風に襲われた状況であっても、相当な被害が出ない限りはガス併用でも問題なく使用できます。
しかし、ガス併用の場合は電気とガスが分かれているため、災害時には復旧に差が出る可能性もあります。
たとえば、電気が先に復旧してガスが後から復旧するというような状況もあるでしょう。
特に巨大な災害の場合は停ガスとよばれ、ガスの供給が停止してしまう状況もあります。
その場合は復旧が長期化することもあることを念頭に置かなくてはなりません。
ガス併用が影響を受けると給湯関連が機能しなくなるため、お風呂などが使えなくなります。
入浴だけではなく食事を用意することもできなくなる可能性があるため、災害時の影響はそれなりに大きいです。
だからこそ、ガス併用の場合であっても設備の点検やメンテナンスが必要となります。
ここからはオール電化が向いている人についてご紹介します。
オール電化はガスを使用しないため、ガスの選択肢が限られている人に向いています。
たとえば、プロパンガスしか使用できない人はガス代が高くなってしまうケースが多いため、オール電化にした方がお得になる可能性が高いです。
特に、プロパンガスがガス代もかさむので、オール電化の導入を検討してみましょう。
ただ、東日本大震災以降は事情が変わり、必ずしもオール電化にした方がお得となるわけではありません。
そこは電力会社とも相談しながら考えていくことが必要です。
その一方、例外として太陽光発電を導入される予定の方は別です。
太陽光発電は再生可能エネルギーの中でも一般の家庭で取り入れることのできるシステムです。
戸建てであれば、太陽光パネルを設置することで自家発電も可能です。
これらは電力を生産しながら消費できるため、オール電化と相性が良いでしょう。
そのため、太陽光発電を導入する方はオール電化が向いているのではないでしょうか。
お年寄りや子供などがいる方にもオール電化はおすすめです。
なぜならオール電化は火を直接扱うことがないため、火事のリスクが大幅に削減できます。
特に、お年寄りや子供は火の扱いに慣れていないこともあり、ちょっとした不注意などで火事を引き起こしてしまうこともあります。
そのため、危険を回避するという意味でもオール電化は選択肢に入ってくるでしょう。
また、オール電化はIHクッキングヒーターなどを導入するため、ガス漏れなどによる空気の汚染もありません。
空気が汚れないからこそ、お年寄りや子供たちにとってより良い環境を作りたいという方にとっても最適です。
ここからはガス併用が向いている人について解説します。
ガス併用は都市ガスを使用できる方には最適となります。
都市ガスはプロパンガスなどに比べても割安となっているため、単純にコストの削減となる場合が多いです。
近年は高効率ガス給湯器とよばれる設備も増え、より機能が向上しつつあります。そのため、従来に比べてガス併用でも十分に採用の余地があるでしょう。
導入する設備によっては光熱費などをかなり低く抑えられるため、生活の中でかかるコストを抑えることにもつながります。
オール電化はガス代がかからないため、電気代のみで生活できます。
そのため、ガスをより多く使っている家庭では、むしろオール電化にした方が割安です。
しかし、ガス併用も負けておらず、むしろ高効率ガス給湯器などの登場により、エネルギー効率もかなり向上しています。
実際にかかるコストに関してはオール電化の方が安くなる傾向にあるものの、ガス併用を選ぶことで逆に効率の良い生活を送れる可能性があります。
より自身で工夫しながら生活したいという方にはガス併用が向いているでしょう。
オール電化とガス併用はどちらの方が良いと断言できないのが事実です。
なぜならどちらにもメリットがありデメリットがあるためです。そのため、まずは自身の生活にオール電化とガス併用のどちらが向いているのかをきちんと吟味してみましょう。
単にお金の面もあるのですが、災害の面や危険の面などでも変わってきます。ライフスタイルによっても大きく変わってくるでしょう。
家族構成や物件の構造・間取りによっても異なるため、両者の利点と欠点を比較して検討することが大切です。
もちろん、オール電化とガス併用のどちらを選ぶかは自由ですが、判断が難しいという方も多いはずです。
そのため、答えを出すのが難しい場合はまずは相談してみることをオススメします。
家づくりをしたいものの何から始めればよいか分からないなど、住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。