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土地探しについて
2022.11.30
この記事では、用途地域の種類や調べ方などについて解説します。
土地を探す際には用途地域を考慮することが重要です。用途地域によっては、建築する建物の種類を制限することになるため、検討している建物が建築できないケースもあります。
そのため、事前に用途地域を調べて、要望を盛り込んだ建築物が建築できることを確認しましょう。
【この記事でわかること】
● 用途地域の特徴 ● 用途地域の調べ方 |
日本の土地は、都市計画法によって市街化区域と市街化調整区域、どちらにも属さない非線引き区域に分かれています。
そして、用途地域は市街化区域の使用用途を定めるためのルールとなっており、原則市街化調整には設定されることはありません。
そのため、市街化区域で建物を建築する際には必ず用途地域の制限を受けることになり、自由に建築できない可能性があることを押さえましょう。
用途地域には住居系、商業系、工業系の3種類があり、以下のように制限が設けられています。
系統 | 地域数 | 特徴 |
住居系 | 8 | 主に住宅を建築する地域。工場や大規模な商業施設の建築制限がある。 |
商業系 | 2 | 主に商業施設を建築する地域。住居や面積制限を設けた工場の建築も可能。 |
工業系 | 3 | 主に工場を建築する地域。工業専用地域には住宅の建築制限がある。 |
上記のように、同じ用途の建築物を集中させ、住民の安全と利便性や工場の効率化を同時に推進させることを目的としています。
用途地域は、以下の13種類があります。
用途地域名 | 系統 |
第一種低層住居専用地域 | 住居系 |
第二種低層住居専用地域 | 住居系 |
第一種中高層住居専用地域 | 住居系 |
第二種中高層住居専用地域 | 住居系 |
第一種住居地域 | 住居系 |
第二種住居地域 | 住居系 |
田園住居地域 | 住居系 |
準住居地域 | 住居系 |
近隣商業地域 | 商業系 |
商業地域 | 商業系 |
準工業地域 | 工業系 |
工業地域 | 工業系 |
工業専用地域 | 工業系 |
ここでは、表でまとめた13種類の用途地域について、それぞれの特徴を見ていきましょう。
第一種低層住居専用地域は、低層の住宅専用地域です。建物の高さは10mもしくは12mに制限され、さらには北側の隣地に対する斜線制限も設定されています。
工場の建築は原則不可となっており、商業施設は床面積が50㎡以下であれば可能です。
そのため、学校や公園遊具以外の建築物はほぼ住宅という地域となっているため、静かな住環境を好む人には向いている地域といえるでしょう。
第二種低層住居専用地域は、商業地域の制限が床面積150㎡となります。そのため、第一種低層住居専用地域では建築できなかったコンビニを建築できます。
第一種中高層住居専用地域のような地域であれば、建物の高さ制限はなくなります。床面積も500㎡以下となり、幅広い建物の建築が可能です。
また、この地域からは小学校と中学校以外の教育機関も建築可能となり、幼稚園や保育園、高校、専門学校、大学が佇む街並みとなるでしょう。病院や図書館、神社といった生活に必要な建物も、第一種中高層住居専用地域には建築可能です。
第二種中高層住居専用地域は、商業施設の床面積が1,500㎡以下となり、ショッピングセンターの建築が可能な地域となります。
第一種住居地域は住居の専用地域ではないため、様々な用途の建築物が立ち並んでいます。
床面積3,000㎡以下の商業施設やホテルの建築が可能となり、住居専用地域よりも利便性が高い地域です。生活しやすく明るい町に住みたい人にとっては、おすすめの地域だといえます。
第二種住居地域は、商業施設などの床面積が10,000㎡以下となり、カラオケボックスやボウリング場、条件をクリアしたパチンコ屋の建築が可能な地域となります。
2018年4月より、市街化区域にある田園地帯を有効活用するため、田園住居地域が追加されました。
地域の制限内容は第一種低層住居専用地域がベースとなっており、2階建て以下の農産物直売所やレストランの建設も可能となります。
市街化区域に使用していない田畑を保有している人で土地の有効活用を進めたい人や、都会にいながらも農業を兼業したい人にはおすすめの地域だといえるでしょう。
準住居地域は、国道や市道といった幹線道沿いに多く見られる地域です。
住居の安全を確保しつつ、町と調和できる建築物が建築可能となっており、150㎡以下の自動車整備工場や客席部分200㎡の映画館、劇場などが建築可能です。
近隣商業地域は、周辺住民が買い物をするための商業施設が立ち並ぶ地域を指します。準住居地域がベースとなっており、映画館や劇場などの床面積制限がない地域といえます。
また、自動車整備工場も300㎡以下が建築可能となり、危険を伴わず環境を悪化させない条件であれば、工場の建築も許可が降りる可能性があるでしょう。
商業地域は、近隣商業地域よりも大幅に条件が緩和される地域です。
小料理屋などの施設が建築可能です。
準工業地域は、危険を伴わない工場であれば建築できる地域です。住居や商業施設の建築も可能となるため、騒々しい街並みになりやすい特徴があります。
工業地域は準工業地域と同様に、どのような工場であっても建築可能です。
ただし、ホテルや映画館、病院、教育施設といった不特定多数の人が日常的に利用するような施設は建築できません。
工業専用地域は、用途地域13種類の中で唯一、住宅が建てられない地域です。
したがって、工場以外のほとんどの建物は建築制限を受けることになります。
用途地域の調べ方は、主に2種類あります。
事前に建築したい地域の用途地域を調べ、希望に沿った建物が確実に建てられるのかを事前に調べましょう。
用途地域を調べる際に最も簡単な手段といえる方法は、インターネットで検索することです。
都道府県には、インターネットで用途地域を検索するシステムが個々に設定されており、鹿児島県にも「かごしまiマップ」というサイトがあります。
施設や防災、生活に関する情報をマップ上で確認できるシステムであり、そのなかに都市計画マップが設けられています。そこで、用途地域を調べられるでしょう。
かごしまiマップは、誰でも閲覧できるシステムとなっているため、土地を事前調査する際に必ず利用しましょう。
※参考:かごしまiマップ
各市区町村の市役所にもシステムが設置されており、確認できます。
市役所の「都市計画課」では用途地域をはじめ、それ以外の都市計画法に関する制限について回答を得られるでしょう。
インターネットで調べるのが苦手な人であっても確実に情報を取得できる上に、用途地域以外の制限においても確認できるため、おすすめの確認方法だといえるでしょう。
最後に、用途地域に関するよくある質問に回答します。
順番に見ていきましょう。
都市計画区域内の市街化区域であれば、用途地域は必ず指定されています。
検討している土地や、保有している土地に用途地域が指定されていない場合、市街化調整区域もしくは非線引き区域、都市計画外区域に該当していないかを確認しましょう。
用途地域は原則、市長が決定します。指定する地域の地権者から意見を聴取し、都市計画審議委員会を発足し協議するのが一般的です。
用途地域マップは各市区町村が公開しているデータを集約した、全国の用途地域が調べられるサイトです。
都道府県を超えて土地を探している人には、おすすめのサイトだといえるでしょう。
※参考:用途地域マップ
用途地域によって建築できる建築物が変わるため、建築できる内容を正しく理解することで理想通りの建物を建築できます。
また、現在の町がどのように変化していくのかもある程度予測できるため、非常に重要なポイントだといえるでしょう。
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