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土地探しについて
2021.12.25
不動産用語の中でも少しわかりにくいのが底地と借地です。
何となく不動産に関係する言葉だとわかるかもしれませんが、具体的な内容に関してはわからない方も多いのではないでしょうか。
ここでは底地と借地がどのようなものなのかを解説します。
特にこの記事では底地と借地の違いについても説明します。
この記事を読めば底地と借地の詳細を理解できるので、これから買取や売却を考えている方もご参考にしていただけると幸いです。
ぜひ、底地・借地それぞれの特徴を把握して、不動産に詳しくなりましょう。
底地と借地の違いを理解するためには、まずそれぞれどのような土地を意味するのか把握しなければなりません。
ただ、結論を先にいうと底地と借地は物理的には同じ土地を意味します。
あくまでもこれら底地と借地は、どちらの視点に立つかによって違ってくるため、その点に着目しておくことが大切です。
以下で、底地と借地の概要を詳しく見ていきましょう。
底地とは借地権が設定されている土地を意味します。
簡単にいえば地主から見たものを底地とよぶわけです。
ちなみに、地主は底地を持っている人のことを表します。
つまり、底地は借主所有の建物が経っている状態の土地を意味するのです。
借地とは他人から借用している土地を意味します。
噛み砕いていえば借地人から見たものを借地というわけです。
なお、借地人は借地を借りている人のことを指します。
つまり、借地も借主所有の建物が経っている状態の土地を意味します。
ただし、そこには借地権が発生している土地なのかどうかという視点によって違うので、どの視点に立つかが重要です。
ここからは底地のメリットについて見ていきましょう。
以下が、底地を所有することのメリットです。
底地を持っているだけで、賃貸収入を得られます。
自身が所有する土地に契約者が建物を建てて住み続ける限り、半永久的に賃貸収入が得られるのです。
もし土地が余っているということなら、他人に貸すことで不労所得を得る機会にもなります。
単に土地を持っているだけでは税金などを無駄に取られてしまうだけですが、賃貸収入があればそれら税金とも相殺できます。
それだけではなく賃貸収入による不労所得も得られるため、より土地を有効活用できるわけです。
底地は土地をそのままにしておく状態に比べ、固定資産税や都市計画税などの税金を抑えられます。
固定資産税や都市計画税は毎年支払わなくてはならないものであり、不動産を持つ方にとっては宿命ともいえるものです。
しかし、これら固定資産税や都市計画税は土地の用途に応じて納税額が決まるため、底地として第三者に貸す場合は条件も変わってきます。
場合によっては税金を大幅に削減できる可能性があるため、ただの土地として持っておくよりも底地として貸してしまった方が経済的負担の軽減にもなるわけです。
これらの税率は自治体によって異なるために確かなことはいえないものの、底地として運用していけば節税にもつながる可能性が大きいです。
それこそ、ただ土地を持っているだけではもったいないので、ぜひ底地として有効活用すべきでしょう。
底地の管理は建物を持つ借地人に任せられるため、土地を所有している地主は何もしなくても構いません。
そのため、圧倒的に管理しやすいのも魅力となります。
実際にマンションやアパートのような維持費や修繕費もほとんどかかりませんし、初期費用すらもほぼかかりません。
むしろ原状回復にかかるコストなども負担せずに済むため、底地として運用するだけでよりランニングコストの削減につながるのです。
もちろん、底地は借地人に貸すことが前提となるので、それら借地人が生活していく中ですべて対応してくれます。
そういった意味では管理しやすいだけではなく、継続してかかる費用も抑えられるのが強みといえるでしょう。
ここからは底地のデメリットについてまとめます。
以下、底地を所有することによって生まれるデメリットも確認しておきましょう。
以上が底地のデメリットです。
ここからさらにそれぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
底地は地主がすべて自由にして良いと思われがちですが、自由に使用できない場合もあります。
たとえば、借地人との契約を一方的に終了するなど、自由に使用することはできません。
それがまかり通ってしまうと借地人にとって一方的に不利な状況となってしまいます。
土地の貸し借りも立派な契約の一種なので、契約期間中は自由にできないわけです。
なかでも居住用として使用される底地で借地借家法の適用を受ける場合、当事者同士で合意があったとしても法律の規定が優先されます。
つまり、一度契約した場合は契約満了まで自由に契約解除したり売買したりはできないということです。
むしろ借地借家法は賃借人にとって有利な規定となるので、地主にも制限が出てきたりするのです。
底地は相続の際に税金がかかります。
これら底地は現金などと同じ価値で扱われるため、相続税の課税対象となってしまいます。
たとえ有効活用できているとはいえないような状態であっても相続税は課せられてしまうので、条件によっては重荷となることもあるでしょう。
相続税は基礎控除を超えない限りは課税されませんが、それでも不動産の場合は課税対象となるケースもあるため、注意が必要です。
底地は契約者である借地人とのトラブルも発生します。
たとえば、借地人によっては地代を滞納することもあるかもしれません。
これら問題の多い借地人と契約してしまうと厄介です。
実際に、地代などの滞納があった場合には回収だけではなく強制執行や強制退去という強硬手段を踏むようなケースも出てきます。
そのほかに更新料の未払いなどもありますし、リフォームやリノベーションなどを地主に伝えることなく実行してしまう借地人もいたりします。
こうしたトラブルにも気を配らなくてはなりません。
底地は契約者がいない場合は地主の独断で売買できます。
しかし、すでに借地人に貸してしまっているという場合は、自由に不動産売買もできません。
仮に賃借権のある状態で売却したとしても、購入した人が既存の借地人を追い出すことはできないのです。
これは法律によって定められているため、誰もこの制限を破ることはできません。
この場合「収益物件としての底地を探している買い主」を探さなくてはならないため、売主としても立ち回りづらくなってしまいます。
固定資産税や都市計画税は土地だけに課せられると思っている方もいますが、建物にも課せられます。
そうなると「地主と借地人のどちらが払うべきなの?」と思う方もいるかもしれません。
これに関しては土地にかかる税金を地主、建物にかかる税金を借地人が支払うことになります。
要はどちらの所有者なのかによって課税対象も変わってくるため、その点は、地主はもちろん借地人も今一度、確認しておかなくてはなりません。
では、底地の評価額はどのようにして決定されるのでしょうか。
これらは底地かどうかということに関係なく、相続税評価額が基準となります。
これらは国税庁が発表している路線価などを軸に計算され、毎年その評価額が決定します。
たとえば、不動産仲介業者などではそれぞれの路線価を「510C」「490C」などと表記しており、それによって底地の評価額が決められていることもあります。
これは510Cだと1m2あたり51万円、490Cだと1m2あたり49万円を意味しており、物件が面している路線価がどれくらいなのかを意味するわけです。
ちなみにアルファベットはA~Gなどで区分けされていることが多く、それによって借地割合を指していることもあります。
たとえば「A=90%」の借地割合の底地で510Aとされていた場合、その土地は1m2あたり45万9,000円となるのです。
このように不動産業者によってわかりやすく底地の評価額が提示されているところもあるので、詳しくは国税庁に路線価を直接聞いてみるか、もしくは地元を管轄している不動産業者に聞いてみるのもおすすめです。
底地の売買には注意点もあります。
すでに前述の通りですが、その注意点となるのが自由に利用できないという点となります。
底地はあくまでも地主と借地人との契約が結ばれるものなので、一方的に売買したりできません。
当然ながら、借地人を追い出すこともできません。
また、それだけではなく底地の売買は自由にできないため、底地を担保にして融資を受けるということも難しいです。
そのため、単に売買が困難であることはもちろん、融資などにも影響がある点には注意が必要となるでしょう。
そのほか、底地が共有の場合、売買については共有者全員の承諾がないといけない場合もあります。
そのためには手間も面倒もかかりますし、当然ながらコストもかかります。
このように底地はメリットもあればデメリットもあるので、その点は注意が必要です。
底地と借地は物理的には同じ土地を意味します。
しかし、同じ土地でも地主から見れば底地ですし、借地人から見れば借地となります。
その視点の違いが大きな違いとなるのではないでしょうか。
底地を持つのにはメリットもデメリットもあるため、不動産の活用方法に迷っている方は不動産業者に相談することをおすすめします。
土地探しに不安がある、住宅資金に不安がある、家づくりをしたいが何から始めれば良いか分からないなど住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。