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2021.10.29

日影規制とは?日影規制のポイントをわかりやすく解説

家を建てる際、日当たりは非常に重要な要素となってきます。

しかし、誰もが何の制限もなく物件を建築してしまった場合どうなるでしょうか。

日当たりなど関係なく、まったく日が差し込まない物件が生まれてしまってもおかしくありません。

それらを防ぐために設定されているのが日影規制です。

 

これらは夢のマイホームを手に入れようと思っている方にとってはとても重要な制限となります。

しかし、現実問題として日影規制についてはわからないという方も多いです。

そこで、今回は日影規制とはどのような制限なのか、専門用語は避けてわかりやすく解説します。

この記事を読めば日影規制についての理解が深まるので、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

目次

  • 日影規制とは
  • 日影規制の対象は?
  • 日影規制の審査基準と計算方法
  • 日影規制の緩和条件
  • 日影規制の特殊なケース
  • まとめ

日影規制とは

日影規制とは簡単にいえば、日当たりについて定めた規制のことです。

これらは建築基準法によって定められているもので、その多くは冬至の日を基準として設定されています。

これら日影規制により、まったく日が当たらないことのないように物件の高さが制限されています。

つまり、物件ごとの日当たりを守るために設定されているもの、それが日影規制になるわけです。

 

なぜ冬至の日を基準とするかというと、これは冬至の日が1年で最も影が長くなる日のためです。

これら冬至の日を基準に一定時間以上日が当たらないことのないよう、それぞれの物件の高さを調節しなくてはなりません。

 

 

日影規制の対象は?

では、日影規制の対象となるのはどのような物件なのでしょうか。

まずは日影規制の対象となるかどうかが決まる2つの基準について見ていきましょう。

 

  1. 用途地域
  2. 高さ

 

これら2つの基準によって日影規制の対象となるかどうかが決まります。

以下、日影規制に関する用途地域と高さの規制を一覧にしたものです。

 

用途地域 対象の建築物 規制される日影時間
境界線から5m~10mの範囲 境界線から10m超 測定した地面からの高さ
第一種低層住居専用地域

第二種低層住居専用地域

軒高7m超~地上3階以上 3時間 2時間 1.5m
4時間 2.5時間
5時間 3時間
第一種中高層住居専用地域

第二種中高層住居専用地域

高さ10m超 3時間 2時間 4m
4時間 2.5時間
5時間 3時間 6.5m
第一種住居地域 4時間 2.5時間
第二種住居地域
準住居地域
近隣商業地域
準工業地域 5時間 3時間

 

例えば、「第一種低層住居専用地域」や「第二種低層住居専用地域」においては「高さ7mを超える物件もしくは地階を除く階数が3階建ての物件」が日影規制の対象となります。

また、それ以外の地域においては「高さ10mを超える物件」が日影規制の対象となるわけです。

これら用途地域と高さによって日影規制の対象となるかどうかが決まるため、住宅を取得する際も、それぞれ注意が必要です。

 

ちなみに、一般の方が建てるような戸建てであれば、日影規制の対象となることは多くありません。

しかし、1階建てや2階建てであれば規制対象外となる一方、3階建てとなると規制対象となります。

そこは条件次第でも変わるものの、どのような物件が日影規制の対象となるか事前に確認が必要です。

 

 

日影規制の審査基準と計算方法

一般の住宅でも日影規制の対象となることは前述の通りですが、より具体的な審査基準と計算方法を知っておくことが重要です。

特に、日影規制の審査基準は冬至の日で考えるのが普通で、計算方法は南中高度から割り出すのが普通です。

 

以下、それらを用いた計算式となります。

 

・冬至の南中高度=90‐緯度‐23.4

 

これらの計算式を活用すれば、1年で最も影が長くなる日を割り出せます。

それらの南中高度を軸に、日影規制の対象となるかどうかを計算していくわけです。

 

ただし、これら日影規制の計算は一般の方には難しいため、建築を依頼する工務店やハウスメーカーに相談することをおすすめします。

 

 

日影規制の緩和条件

日影規制にはいくつかの緩和条件が設けられています。

 

以下、主な日影規制の緩和対象となります。

 

  1. 道路・水面緩和
  2. 高低差緩和
  3. 塔屋緩和

 

道路・水面緩和では道路や水面に接している敷地において、一定の境界線によって規制が緩和されます。

また、高低差緩和では自身の敷地より隣接する敷地の方が1m以上高くなっている場合に規制が緩和されます。

そのほか、塔屋緩和では屋上部分に塔屋がある物件において規制が緩和されるのが特徴です。

 

 

日影規制の特殊なケース

日影規制は特殊なケースも考えられます。

たとえば、規制の異なる地域にまたがっているケースや規制の対象外の地域なのに規制がかかるケースなど、特殊なケースも多いです。

 

仮に規制の異なる地域にまたがっているケースの場合、それぞれの地域ごとに異なった規制値が適用されます。

つまりはA地域とB地域にまたがっていた場合、その分だけA地域とB地域それぞれの規制を受けることになるのです。

 

また、規制の対象外の地域なのに規制がかかるケースの場合、日影規制対象区域外であっても近隣に規制対象区域があれば、その物件の陰については責任が問われることになります。

特に、条件次第では日影規制がかかる場合もあるので、十分に気をつけておきたいです。

 

 

まとめ

日影規制は物件ごとに日当たりが行き届くよう設定されているもので、建築基準法によって細かく定められているのが特徴です。

一般の住宅でも日影規制の対象となる場合があるため、家を建てる際には十分に注意が必要となります。

ぜひ、日影規制について理解を深め、工務店やハウスメーカーなどとも相談しながら夢のマイホームを計画していきましょう。

 

土地探しに不安がある、住宅資金に不安がある、家づくりをしたいが何から始めれば良いか分からないなど住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。