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2021.10.29

防火地域や準防火地域って何?家を建てるときの制限をわかりやすく解説

日本は防災意識が高く、来る災害に向けて都市単位で計画を進めています。

災害の中でも特に被害件数が多いもの、それが火災です。

火災はいつでもどこでも発生する可能性があり、物件の立地によっては延焼していく可能性もあります。

だからこそ、火災が広がらないような都市計画が必要となってくるのです。

 

それら火災に備えて設定されているのが防火地域・準防火地域です。

しかし、防火地域・準防火地域とはいっても、具体的にどのようなものなのか知らない方も多いかもしれません。

 

そこで、今回の記事ではそれら防火地域・準防火地域について解説します。

この記事を読めば、家を建てる際の制限についても把握できます。

特に、ここでは防火地域・準防火地域に特化して説明するので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

  • 防火地域・準防火地域とはどんな場所なのか
  •  地域内だったら家はどうしないといけないのか
  • 防火地域・準防火地域の具体的な調査方法
  • 防火地域で受けられるメリット
  •  1.火災の被害を避けられる
  •  2.火災に強い家を持てる
  •  3.火災保険料が節約できる
  • まとめ

防火地域・準防火地域とはどんな場所なのか

防火地域・準防火地域とはそもそもどのような場所に設定されているのかというと、大きく分けて2つあります。

 

  1. 物件の密集度が高い地域
  2. 緊急車両が通る幹線道路沿いの地域

 

物件の密集度が高い地域で火災が発生した場合、被害は1軒だけにとどまりません。

住宅地区であれば延焼を起こして2軒3軒と広がってしまうこともあります。

また、商業地区も同様に1棟の火災がさらなる被害拡大に繋がることもあります。

それらの被害を防ぐため、人間や車両などが多い地域は防火地域・準防火地域に指定されるのです。

 

また、火災発生時に緊急車両が通れないと消火活動ができないため、消防車や救急車が通る幹線道路沿いも防火地域・準防火地域に指定されます。

実際に火災などによって物件が倒壊すると、それによって道路が塞がれてしまうこともあるかもしれません。

その際、緊急車両や通れないと救える命も救えないことが出てきます。

それらのリスクを避けるため、緊急車両が通る幹線道路沿いは防火地域・準防火地域に指定されるのです。

 

そのほか、火災の被害が起きやすい場所なども防火地域・準防火地域に指定される場合があります。

もしくは火災を防ぐために予防しなければならない地域なども防火地域・準防火地域に指定されます。

その指定範囲は地域によって異なるため、もし家を建てるなら居住する地域ごとに調べておくことが大切です。

詳しくは、元に根差して活躍している工務店やハウスメーカーに問い合わせてみてください。

 

防火地域・準防火地域に指定されていた場合、木造住宅の建築が禁止されています。

そのため、日本家屋に多い木造住宅を建てられません。

また、防火地域から離れれば木造住宅の建築も可能ですが、実は、防火地域を囲うように準防火地域が設定されています。

当然ながら、準防火地域であっても木造住宅が建てられないため、十分に注意しなくてはなりません。

そのほか、例外として法22条指定区域という制限も設定されています。

これらは建築基準法第22条指定区域とよばれるもので、防火地域・準防火地域以外の木造住宅地区に設定されています。

これらは準防火地域を囲うように指定されており、特に木造住宅が密集しているような地域が指定されるのが特徴です。

 

つまり、簡単にまとめると「防火地域<準防火地域<法22条指定区域」となっているということになります。

これらの地域では木造住宅の建築が禁止されているため、家を建てる前に必ず確認しておく必要があるでしょう。

 

地域内だったら家はどうしないといけないのか

もし防火地域・準防火地域の範囲内だった場合はどうすれば良いのでしょうか。

これに関しては地域内に建築予定の建造物を耐火建築物・準耐火建築物にしなくてはなりません。

 

具体的には以下のような基準があります。

 

  1階・2階 3階以上
延べ面積100m2超 耐火建築物 耐火建築物
延べ面積100m2以下 耐火建築物・準耐火建築物

 

耐火建築物・準耐火建築物とは文字通り、火災が発生しても周囲に延焼しないような物件のことをいいます。

単に延焼しないということはもちろん、倒壊してしまうほど変形したり損傷したりしない物件なども該当します。

 

つまり、木造住宅以外の鉄筋コンクリート造住宅や鉄骨造住宅が、これら耐火建築物・準耐火建築物に該当します。

なお、鉄筋コンクリート造住宅や鉄骨造住宅は耐火建築物に該当される一方、木造住宅であっても耐火に特化した構造にすれば準耐火建築物に該当します。

 

耐火建築物・準耐火建築物であれば、防火地域・準防火地域であっても建築可能となります。

そのため、自身が建てたいと思っている住宅の構造をどのようにするか、地域の制限に合わせて選ぶべきということです。

当然ながら、制限を守らないと違法建築となるだけでなく、最悪の場合は住宅ローンの審査などに落ちることもあるので注意しましょう。

 

 

防火地域・準防火地域の具体的な調査方法

では、防火地域・準防火地域かどうかはどのように判断すれば良いのでしょうか。

これに関してはその地域に対応している工務店やハウスメーカーに聞いてみるのが早いです。

しかし、それら建築業者によっては制限の把握が曖昧なこともあります。

その場合は市役所や区役所に相談しましょう。

 

実際に市役所や区役所には都市計画課などと呼ばれる部署があります。

地域によっては建築指導課や都市政策課、まちづくり推進課などとよばれたりもします。

それら都市計画を担う部署に相談することで、防火地域・準防火地域について調査可能です。

 

なお、自身が建築予定の地域がどうなのか具体的に知るためにも、市役所や区役所に相談する場合は住宅地図を持参しましょう。

場所さえ的確に伝えれば、その地域が防火地域・準防火地域なのかどうかすぐに調査可能です。

そのほか、近年はインターネットでも調査可能です。

 

 

防火地域で受けられるメリット

防火地域・準防火地域は一見すると制限が多く、デメリットが多いように思えるかもしれません。

しかし、防火地域・準防火地域であるからこそ得られるメリットというのもあります。

最後にそれら防火地域・準防火地域の魅力について見ていきましょう。

 

1.火災の被害を避けられる

防火地域・準防火地域は言うまでもなく火災を予防するために設定されている地域のため、火災の被害を避けられます。

この点が一番大きな魅力となります。

火災は大切な家はもちろん、その思い出ごとすべて奪い去る最悪の災害の一つです。

そのため、それら火災の被害を少しでも抑えられるのなら、それに越したことはありません。

 

2.火災に強い家を持てる

防火地域・準防火地域に建てられる物件は鉄筋コンクリート造住宅もしくは鉄骨造住宅と定められています。

例外として火災に強い木造住宅も含まれるものの、総じて火災に強い家を持てるわけです。

これは単純に火災の被害を受けにくいということはもちろん、自身が火災の原因となることも避けられることを意味します。

 

3.火災保険料が節約できる

防火地域・準防火地域では火災保険料が安くなります。

火災保険料は人によって異なるものの、毎日の生活を守るとはいえ高いと思っている方も多いかもしれません。

その一方、防火地域・準防火地域の物件なら火災保険料は節約が可能です。

これだけでも大きな魅力といえるでしょう。

 

 

まとめ

防火地域・準防火地域は火災を予防するために設定されている地域をいいます。

特に住宅地区や商業地区など、燃えやすい物件が密集している地域が指定されています。

また、緊急車両が通る幹線道路沿いなども防火地域・準防火地域に指定されているのが特徴です。

これらは家を建てる際にも制限がかかる可能性があるため、ぜひ建築前に確認しておきましょう。

 

土地探しに不安がある、住宅資金に不安がある、家づくりをしたいが何から始めれば良いか分からないなど住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。