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資金(ローン)について
2022.12.27
この記事では、新築住宅の補助金や助成金について解説します。新築住宅を購入する際、特に気になることはお金の問題といえるでしょう。
「予算が少し足りない」「可能な限りエコ住宅にしたいけど、これ以上ローンを増やしたくない」という声をよく耳にします。
そのようなときに活用したいのが、新築住宅の補助金や助成金制度です。
補助金や助成金は、申請時期や締め切りが厳密に決められており、タイミングを逃してしまうと制度が使えなくなってしまいます。
そこでこの記事では、2023年に向けた新築住宅における補助金・助成金の概要や申請方法、合わせて新築時にかかる税金の減税方法などを解説します。
【この記事でわかること】
・新築住宅購入時に利用できる制度とは? ・新築住宅の補助金・助成金一覧 ・押さえておきたい新築住宅の補助金・助成金5つ ・2021年に終了した新築住宅の補助金・助成金制度 ・新築住宅の購入時に適用される税金の軽減制度 |
住宅を新たに建てるときは、主に以下の制度が利用できます。
順番に見ていきましょう。
補助金制度とは、一定の要件を満たす新築住宅であれば、物件費用の一部を負担してくれる制度です。
実際の借入額を減らす効果もあるので、住宅購入者にとっては最もわかりやすくありがたい制度といえるでしょう。
減税制度とは、本来であればかかるはずの税金が、一定要件をクリアする新築住宅を購入することで減税される制度です。
手元資金が増えたり、ローン返済を減らしたりではなく、本来かかる新築住宅の税金が減税されるので、新たに発生する税負担を軽減できるでしょう。
新築住宅を購入した際は、以下のような住宅ローンの金利優遇や火災保険の優遇措置を受けられます。
借入対象である住宅が、省エネ性能や耐震性の高い住宅でフラット35の適用要件を満たしている場合、借入金利が0.25%引き下げられます。
火災保険は、耐火性能により非耐火構造であるH構造と耐火構造であるT構造に分類されます。
同じ木造住宅であっても耐火性能をあげてT構造に分類されると、火災保険料はかなり安くなるでしょう。
地震保険は、耐震等級によって地震保険料の値引き率が変わります。耐震等級1は10%、耐震等級2に上がると30%、耐震等級3まで性能がアップすると50%の値引きを受けられます。
自分が購入した建物や、建築しようとしている住宅がどの耐震等級に該当するのか、ハウスメーカーや建築業者に確認しましょう。
国が主体となって実施している2023年度補助金・助成金制度には次の5つがあります。
順番に見ていきましょう。
こどもエコすまい支援事業は、子育て世代の若い夫婦が高性能の省エネ住宅を建築しやすくするために補助金を支援する制度です。
ここからは、上記2点を詳しく解説します。
こどもエコすまい支援事業は、以下の世帯に該当し、2022年11月8日〜2023年12月31日までに工事請負契約を締結済であることが前提条件になります。(2022年4月1日時点)
対象となる世帯は、18歳未満の子どもがいる子育て世帯か夫婦のどちらかが39歳以下の若夫婦世帯です。
対象となる住宅
|
補助金額 |
・ZEHの基準を満たす住宅 ・Nearly ZEHの基準を満たす住宅 ・ZEH Readyの基準を満たす住宅 ・ZEH Orientedの基準を満たす住宅
|
100万円/戸 |
・高い省エネ性能などを有する住宅 |
80万円/戸
|
・省エネ基準に適合する住宅(※) | 60万円/戸 |
※断熱等級4かつ一次エネルギー等級4を満たす住宅
なお、高い省エネ性能などを有する住宅は、主に以下のとおりです。
対象となる住宅の延床面積は、50㎡以上であることが必要です。
申し込み手続きはハウスメーカーや建築業者が行い、申請者本人が行う必要はありません。
交付申請期間は、2023年3月下旬〜2023年12月31日(予定)とされており、2024年7月31日までに工事完了の旨を報告する必要があります。
支援金は予算に上限があるため、まだ交付申請期間中であっても予算の上限に到達したら利用できなくなってしまいます。
申請が開始されたらすぐに受付してもらえるように、ハウスメーカーや建築業者と事前に打ち合わせをして準備しておきましょう。
地域型住宅グリーン化事業は、国土交通省から採択を受けた事業者グループが建てる省エネ性
や耐久性の高い木造住宅に対して、補助金が交付される制度です。
上記2点について、順番に見ていきましょう。
地域型住宅グリーン化事業の金額と要件は、以下のとおりです。
住宅の種類 | 補助金額 | 要件 |
認定長期優良住宅 | 最大140万円 | 認定長期優良住宅であること |
ゼロエネルギー型住宅 | 最大150万円 | ZEH住宅であること(※) |
高度省エネ型住宅 | 最大90万円 | 認定低炭素住宅・性能向上計画認定住宅であること |
※認定長期優良住宅の基準を同時に満たせば最大150万円の補助金となる
そのほか、3種類の住宅共通の要件が以下のように規定されています。
地域型住宅グリーン化事業を申請できるのは、採択を受けた中小の建築事業者のみです。
交付申請期間は決定していませんが、中小の建築事業者のグループ採択期限は2022年6月6日で締め切っています。
LCCM住宅整備推進事業は、建築から解体、その後の再利用というライフサイクルを通して、CO2排出量をマイナスにする低炭素住宅に対して補助金が交付される制度です。
ここからは、上記2点について見ていきましょう。
住宅の種類 | 補助金額 | 要件 |
低炭素住宅 | 上限140万円/戸(※) | ・外皮性能がZEH基準省エネ性能がZEH基準
・太陽光発電を含むエネルギー消費量がZEH基準 ・LCCO2評価の結果が0以下 ・CASBEE B+ランク以上または長期優良住宅の認定 |
※補助対象工事にかかった費用の1/2以内
LCCM住宅は、ZEH住宅よりも省エネ性能等において上位とされており低炭素住宅として目指す最終形とみなされています。
LCCM住宅整備推進事業の申請方法や期限については、現在開示されていません。
ZEH支援事業は、電気やガスをなるべく使用せず快適に過ごせる住宅の建築に補助金を支援する制度です。
高性能の断熱材やエネファームやエコジョーズなどの高効率な給湯器を設置し、年間の一次エネルギー収支をゼロにすることを目標としています。
ここからは、上記2点について見ていきましょう。
ZEH支援事業の金額と要件は、主に以下のとおりです。
項目 | 内容 |
補助額 | ・ZEH:55万円/戸
・ZEH+:100万円 |
対象となる住宅 | ・ZEH
・Neary ZEH ・ZEH Oriented |
要件 | ・ZEHの定義を満たしていること
・SIIに登録されているZEHビルダー・プランナーが関与していること |
※1:蓄電で20万円追加される
※2:直交集成板などで最大90万円追加される
なお、「ZEH+」は追加で以下の要件を満たしていることが前提となります。
ZEH支援事業の申請は、ZEHビルダーとして登録されているハウスメーカーが対応するので、申請者本人が手続きする必要はありません。
一次公募〜四次公募は、2022年11月21日〜2023年1月6日まで予定されていますが、それ以降の公募はまだ発表されていません。(2023年1月時点)
ZEH支援事業の公募申請も先着順なので、ハウスメーカーと打ち合わせした上で、すぐに申請できるように準備しましょう。
DER等導入事業は、大規模発電に変わって太陽光発電や蓄電池の利用が、どの程度機能するかの実証実験に参加することで補助金が交付される制度です。
実証実験は1年のうち1週間程度遠隔操作で行われ、それに対して補助金が支払われるため、有効性の高い補助金といえるでしょう。
ここからは、上記2点について見ていきましょう。
設備 | 補助率 | 補助金額 |
蓄電池 | ・1/3以内 | ・3.7万円/kWh |
V2充放電設備 | ・設備:1/2以内
・工事:定額 |
・設備:75万円/台
・工事費:40万円/台 |
家庭用電池(エネファーム) | なし | ・4万円/台 |
HEMS | ・定額 | ・5万円/申請 |
DERの補助金は、太陽光発電と蓄電池、さらにHEMSの導入が必要です。
また、補助金を申請するため、蓄電池等のメーカーも限定され、申請者が選ぶと補助金対象外になるので注意しましょう。
2022年の公募期間は、2022年6月1日〜2022年12月23日で締め切られましたが、実証実験は2023年2〜3月、補助金の支払い期限が2023年3月31日に予定されています。
2023年度も引き続き公募を続けることは発表されていますが、公募期間についてはまだ発表されていません。
2021年に終了した新築住宅の補助金制度は、以下のとおりです。
それぞれ終了した経緯、今後の見通しなどについて解説します。
すまい給付金制度は、消費税が引き上げられたために、健全な住宅供給が行き渡らないことを懸念して導入されました。
消費税率の引き上げられる平成26年4月以降に引渡しを受けた住宅から、令和3年12月31日までに引き渡され入居が完了した住宅が対象です。
ただし、令和2年10月1日から令和3年9月30日までに新築注文住宅の契約をした人で令和4年12月31日までに引渡しを受け、入居が完了していれば給付対象となります。
消費税の引き上げが住宅市場に与える影響はすでに平静化しているので、今後、すまい給付金として再開する見込みは低いでしょう。
グリーン住宅ポイント制度は、一定の省エネ性能要件を満たした住宅を新築したり購入したりした場合にポイントが発行され、商品に交換したり追加工事に充当したりできる制度です。
2021年3月29日に申請を開始しましたが、ポイント発行の受付は2021年12月15日に終了しました。
グリーン住宅ポイント制度には、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済の回復を図る目的がありました。
現在は、コロナウイルスの影響により経済活動をストップする状況ではないため、グリーンポイント制度が再開する見込みはやはり低いでしょう。
新築住宅を購入すると、新たにさまざまな税金を払わなければなりません。
しかし、一定の要件を満たせば軽減できます。
ここでは、新築住宅を購入したときに使える税金の控除や軽減制度について解説します。
住宅ローンの控除は、年末時に残っているローン残債の0.7%分がその年に支払った所得税から控除され還付される制度です。
所得が多くローン残債がある人にとっては、かなり効果的に感じられるでしょう。
例えば、年末に3000万円のローン残債があるとしたら21万円が所得税から控除され、還付金として受け取れます。
ただし、住宅ローン控除には控除額には上限値が設定されており、一般住宅の場合21万円、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の場合で35万円とされています。
住宅ローン控除の適用期間は、住宅を購入した年から最長13年間です。最大13年間控除を受け続けられるのは、大きなメリットといえるでしょう。
入居が2024年以降になると適用期間は最長10年に短縮されるので、住宅ローン控除の恩恵に預かるには、2023年までに入居をした方がよいでしょう。
ただし、24年以降の入居でも以下の住宅では10年に短縮されず最長13年のままです。
メリットが多い住宅ローン控除ですが、適用を受けるためには以下の適用要件を満たさなければなりません。
【ローン控除を受けるための適用要件】
・住宅を取得した日から6ヶ月以内に入居すること ・床面積が50㎡以上であること ・ローン返済期間が10年以上であること ・控除を受ける年の年収が2,000万円を超えないこと ・住み始めた年とその前後2年ずつの間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の特例を受けていないこと |
住宅ローン控除の適用を受ける初年度は、確定申告が必要です。給与所得者の場合は、2年目以降は年末調整の際にローン控除の必要書類を提出すれば確定申告する必要はありません。
新築住宅を購入し住宅ローン控除を受けることにより、所得税の減税に繋がります。
住宅ローン控除は税額控除なので、条件さえ満たせばローン残債の0.7%に相当する金額が減税されます。
新築住宅の場合、一定要件を満たせば固定資産税の軽減も受けられます。一般の住宅は3年間、認定長期優良住宅の場合は5年間、固定資産税が1/2に軽減されます。
ここでは、土地と建物の固定資産税における軽減措置を、以下にまとめました。
条件 | 軽減率 | |
建物 | 床面積120㎡まで | 3年間で1/2(※) |
土地 | 200㎡までの部分 | 1/6 |
200㎡を超える部分 | 1/3 |
※長期優良住宅の場合は5年間
2024年3月31日までに新築された住宅に適用されます。
申請方法は、各自治体に備えつけられている住宅用地等申告書に必要事項を記入して申請します。申請しないで放置していると、軽減されないまま期間が経ってしまうおそれもあるので必ず申請しましょう。
登録免許税は、不動産登記手続きをする際に課税される税金です。
登記の種類によって軽減される税率が異なりますが、種類によっては軽減されないものもあるので一覧にまとめました。
登記の種類 | 登記内容 | 軽減措置 |
建物滅失登記 | ・解体したときに必要な登記 | 軽減措置なし |
所有権保存登記 | ・所有権の登記
・固定資産税評価額×0.4% |
固定資産税評価額×0.15%(※) |
抵当権設定登記 | ・ローンを組んだときに必要な登記
・借入額×0.4% |
借入額×0.1% |
※長期優良住宅などの場合は0.1%
軽減税率の適用される期間は、2024年3月31日までです。
不動産取得税は、土地や建物を取得した際に一度だけ課される税金であり、引渡しから半年経過後に納税通知書が送られてきます。
固定資産税評価額に4%を乗じて税額を算定しますが、2024年3月31日までに新築の住宅を購入した場合の税率は3%です。
住宅のような居住用の場合、延床面積が50㎡以上240㎡以下であれば、固定資産税評価額から1,200万円を控除したあとに3%を乗じた額が納付税額になります。
逆に考えれば、住宅の固定資産税評価額(課税標準額)が1,200万円以下になれば、税金はかかりません。不動産取得税の軽減措置を受けるために、特に申請は必要ありません。
補助制度や税金の軽減措置などをうまく適用することによって、新築住宅の必要総額は大きな差額が生じます。
新築住宅を購入するときは、この記事で紹介した補助金制度や軽減措置をぜひ活用するようにしてください。
その際、1つ注意するべきことは、補助金制度や税金の軽減措置などは税率や適用期間がかなりの頻度で変更にされたり打ち切られたりすることです。その都度、公式ホームページなどで確認しましょう。
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