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資金(ローン)について
2021.08.30
夢のマイホームを購入する際、多くの方は住宅ローンを借りるはずです。
しかし、住宅ローンは契約した瞬間に実行されるわけではありません。
住宅ローンは購入した物件が完成してから実行されるのが普通です。
つまり、契約から実行までの間に発生するコストに関しては住宅ローンを利用できず、支払いが困難になることもあり得るのです。
特に、注文住宅は建築途中で着工金・中間金・竣工金などのコストがかかるため、住宅ローンが実行される前から数十万円~数百万円という単位でお金が必要になります。
注文住宅を購入予定かつ住宅ローンを組む予定の方は、注意が必要です。
ただし、その間をつないでくれる「つなぎ融資」とよばれるものがあります。
今回は、つなぎ融資について紹介します。
つなぎ融資とは、文字通り住宅ローンが実行されるまでのつなぎとして受けられる融資のことを指します。
住宅ローンの融資が実行されない場合、注文住宅などにかかる着工金・中間金・竣工金などの支払いが困難となることもあるでしょう。
加えて建物代だけではなく土地代などもかかります。
そうした支払いに必要なお金を補填できるのがつなぎ融資です。
まずは、つなぎ融資で知っておきたいことを詳しく見ていきましょう。
つなぎ融資を利用するためには、各金融機関への申し込みが必要となります。
金融機関によってはつなぎ融資に対応していないところもありますが、大手銀行などであれば扱っています。
各金融機関に申し込みをして審査に通れば、融資実行となります。
つなぎ融資もローンの一種であることには変わらないため、当然ながら審査があります。
住宅ローンの審査に受かっている方であれば問題なく通るはずですが、つなぎ融資との兼ね合いで返済負担率に影響が出ることもあるので、注意しましょう。
つなぎ融資は各金融機関に申し込んで、審査に受かればすぐにでも実行されます。
まずはつなぎ融資に対応している大手銀行に申し込みをしましょう。
すでに住宅ローンの申し込みを行っている場合は、同じ金融機関に相談してみるのも良いでしょう。
その後、つなぎ融資が実行されたら土地代に当てたり、着工金・中間金・竣工金などに当てたりします。
つなぎ融資の利用に関しては、あくまでも必要な分だけを試算しておくことが重要です。
なお、つなぎ融資の試算方法は後の項目で詳しく説明します。
当然ながら、つなぎ融資もそのほかのローンと同じように返済が必要です。
住宅ローンと同じで借金の部類に含まれるため、来るべき期日までに返済しなくてはなりません。
返済開始のタイミングとしては、住宅ローンが実行されてからが一般的です。
工事のコストを工務店なりハウスメーカーなりに支払うためにつなぎ融資を受けるので、住宅ローンが実行されたときがベストなタイミングです。
住宅ローンが実行されたタイミングであれば、土地代はもちろん着工金・中間金・竣工金を支払っているはずなので、その後にまとめて返済する形が一般的です。
ただ、そこに利息や手数料が加わってくるため、融資を受けたときよりもつなぎ融資の返済総額は膨らんでいます。
そこも含めて考えておかないと、返済が苦しくなってしまうため、十分な返済計画を立てておくことが大切です。
つなぎ融資はただ借りたものをそのまま返せば良いということではありません。
当然ながら、利息や手数料などが発生します。
それだけ以外にもコストがかさむことがあるため、十分に気をつけたいところです。
たとえば、印紙代や印鑑証明代などがかかります。
それだけなら数千円~数万円で済みますが、そこに手数料も別途かかってくることが多いです。
金融機関によっては手数料だけで10万円前後かかることもあります。
多くの金融機関では、それらをまとめて返済するよう定めているため、くれぐれも「住宅ローンが実行されておしまい」ではなく、つなぎ融資の返済についても考えておきましょう。
特に、利息は日割りで計算しなくてはなりません。
これらも後の項目でご説明します。
つなぎ融資は金利を含めて日割りで計算しなくてはなりません。
そもそも工事がどれくらいで終わるのかは、依頼する工務店やハウスメーカーによって異なるため、それに伴う着工金・中間金・竣工金もそれぞれ違ってきます。
それぞれを計算し、「どれくらい融資が必要なのか」を計算しておく必要があります。
ただし、計算自体はそう難解なものではありません。
土地代はもちろん着工金・中間金・竣工金にそれぞれ金利を掛けて365日で割り、180日や120日や90日など必要な日数を掛けて割り出すだけです。
仮に土地代1,000万円であり金利が3%で180日借りる場合、以下のような計算式となります。
・1,000万円×3%÷365日×180日=約15万円
そのほかに着工金・中間金・竣工金がそれぞれ必要となるので、上の計算式に当てはめて考えていきましょう。
仮に着工金・中間金・竣工金がそれぞれ600万円であり金利が3%で90~120日借りる場合、以下のような計算式となります。
・600万円×3%÷365日×90日=約4.5万円(着工金)
・600万円×3%÷365日×120日=約6万円(中間金)
・残りは残金ごとに計算(竣工金)
特に金利と日数は間違いやすいので注意しましょう。
金利はそれぞれの金融機関によって異なるのはもちろん、借りる日数も人によって異なります。
ただし、多くの場合は工事の3ヵ月後に着工金、4ヵ月後に中間金、半年後に残金などという流れで支払うことになります。
その点も目安に日数を計算すると、より必要なつなぎ融資が見えてくるはずです。
住宅ローンが実行される前に必要となるお金を計算しておくことで、おおよそのつなぎ融資が計算できます。
これに合わせて計算していくことで余計な融資を受けずに済みますので、きちんと返済計画を立ててつなぎ融資を活用しましょう。
ただ、つなぎ融資の計算がわからない方も多いでしょう。
その場合は、専門家に相談してみるのもおすすめです。
特に、お金の計算を間違うとつなぎ融資自体に失敗することもあるので、十分に気をつけておきたいところです。
つなぎ融資は一見すると住宅ローンが実行されるまでに活用できる便利な融資のように思えます。
たしかに、つなぎ融資は便利なものですが、利用しなくて良いのならそれに越したことはありません。
なぜなら、金利が割高だからです。
ほかのローンと比べても高金利に設定されているため、借りれば借りるほど経済的負担は大きくなります。
以下、主な金融機関別のつなぎ融資の金利(2021年8月時点)となります。
・楽天銀行:2.620%
・全宅住宅:2.900%
・ARUHI:3.475%
金融機関によってもそれぞれ金利は異なるのですが、どんなに低い金利の金融機関であってもつなぎ融資となると2.5%以上の利息がかかるのです。
金融機関によっては3.5%以上の利息がかかることもあります。
こうした金利の高さがつなぎ融資の注意点です。
つなぎ融資はあくまでも借りているものなので、いずれは返済しなくてはなりません。
そこに大きな利息がかかるとなると、住宅ローンが実行されてからもギリギリの生活を送ることになってしまいます。
原則として、つなぎ融資はまとめて支払うことが多いですが、それでも返済計画に無理がある場合はリスクもそれ相応に大きいです。
そこに手数料などの負担もかかってくるため、事前にシミュレーションを行っておくべきです。
どうしてもシミュレーションが難しい場合は、専門家に相談しましょう。
賢くつなぎ融資を活用したいということなら、金利や手数料の低い金融機関を選ぶなど工夫することも考えてみてください。
つなぎ融資はあくまでも注文住宅などでかかる土地代のほか、着工金・中間金・竣工金などの支払いが困難な場合に活用すべきものです。
夢のマイホームを建てるためにもともと貯金をしていたという方であれば、つなぎ融資を使わないという選択肢も考えられます。
つなぎ融資も借金と同じなので、組まなくて良いのなら組まないのが一番です。
それこそ頭金を用意している中で余分に貯金できた場合は、工事の前後にかかるコストの支払いに当てても良いでしょう。
あくまでもつなぎ融資は住宅ローンの実行までお金が足りない場合に活用するものです。
なお、近年はつなぎ融資の利息や手数料の高さから、利用する人の数は減りつつあります。
あくまでも、最初から工事で必要となるコストを試算しておき、それに合わせて貯金しておく方が断然、お得です。
なぜなら、あらかじめ用意した貯金で対応できるのなら、利息も手数料も無駄に支払う必要がないためです。
また、そのほかの方法で資金調達する方法もあります。
たとえば、両親や祖父母から援助してもらう方法を選ぶ方も多いです。
贈与というかたちであれば「住宅取得等資金贈与の非課税の特例」を活用することで最大3,000万円まで非課税となる可能性があります。
もし、両親や祖父母が援助してくれるということなら、その言葉に甘えてみるのも良いでしょう。
そのほか、住宅ローンの分割融資によって資金調達する方法もあります。
金融機関によっては土地先行融資などといった名目で住宅ローンの実行よりも前に融資してくれる場合もあるのです。
それら分割融資を活用すれば、お金がない方でも注文住宅などを立てられます。
理想のマイホームを建てる際、住宅ローンは欠かせません。
しかし、その住宅ローンは物件が完成した際に実行されるため、その前に必要となるコストは自分の貯金などから支払う必要があります。
そのコストが支払えないという方もいるでしょう。
その際は、金融機関が提供するつなぎ融資を活用しましょう。
ただ、つなぎ融資は必ずしも便利なだけのものではないため、注意点なども確認しながら計画する必要があります。
住宅資金に不安がある、家づくりをしたいが何から始めれば良いか分からないなど住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。