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資金(ローン)について
2021.08.30
家を建てる際、どのような住宅にするのか考えるのが楽しいものです。
しかし、どのようなマイホームにするかによって、実は住宅ローンの金利や税金の控除が変わってきます。
特に、長期優良住宅とよばれる家の場合、低金利でローンを組めるだけでなく税金の控除も受けられます。
そのため、もしマイホームを手に入れるなら長期優良住宅にするのがおすすめです。
しかし、そもそも長期優良住宅がどのようなものなのかわからない方も多いでしょう。
長期優良住宅として認められるためには条件もあるため、概要はもちろん条件も把握しなくてはなりません。
今回は、これから新築で家を建てる方に向けて、どのようなマイホームが長期優良住宅として認定されるのか紹介します。
また、それによって得られる恩恵についても解説します。
この記事を読めば長期優良住宅について理解が深まるため、よりお得に物件を取得したい方はぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
まずは長期優良住宅がどのような家なのかを説明します。
これは噛み砕いて説明すると「長く快適かつ健康に暮らせる家」のことです。
2009年から始まった認定制度によって認められるもので、正式には長期優良住宅認定制度とよばれています。
その認定を受けている物件のことを長期優良住宅と呼ぶわけです。
この長期優良住宅に認定されるためには主に9つの条件をクリアする必要があります。
ただ、そちらは後の「長期優良住宅の認定を受けるための条件」にて説明するので、ここでは簡単な長期優良住宅の目的と概要についてまとめます。
長期優良住宅は2009年に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」によって、その目的が明確にされています。
該当の法律によると長期優良住宅は「住宅を長期にわたり使用することにより、住宅の解体や除却に伴う廃棄物の排出を抑制し、環境への負荷を低減するとともに建替えに係る費用の削減によって国民の住宅に対する負担を軽減し、より豊かでより優しい暮らしへの転換を図ること」が目的とされています。
法律の文言はやたらと長くてわかりづらいですが、要は「環境に良くて災害に強い次世代の家を認定すること」が目的ということになるでしょう。
近年は質の高い家も多くなっているものの、それらの中でもより豊かで優しい家を認定するのが長期優良住宅認定制度の目定期となります。
長期優良住宅はどのような家が当てはまるのかというと、これは無数にあるためすべて説明していると時間が足りません。
しかし、ある程度、大枠が決まっているため、それら長期優良住宅の概要について簡単に説明します。
まず、長期優良住宅は長く使うための構造及び基礎を有している物件をいいます。
それだけではなく、搭載されている設備や機材に関しても長く用いることを前提としているのが特徴です。
さらに、居住環境などへの配慮を行っていることや一定面積以上の住戸面積を有していることなどが概要となります。
その他、維持保全の期間や方法を定めていることなども含まれます。
こちらも難しくなってしまったのですが、まとめると次世代の家に相応しい基準を満たしているかどうかが長期優良住宅の概要となるわけです。
1.バリアフリー性 | 将来に備えてバリアフリーのための工事が行えること |
2.省エネルギー性 | 断熱性能を保てるようにしていること |
3.可変性 | 間取りを変更できるようにすること |
4.耐震性 | 地震による変形の度合いを一定以下にすること |
5.住居面積 | 戸建ては75m2以上、集合住宅は55m2の床面積があること |
6.住居環境 | 地域の景観を損なわないデザインになっていること |
7.維持保全 | 保全のための点検や補修の計画が策定されていること |
8.維持管理 | 管理のための更新が簡単であること |
9.劣化対策 | 数世代にわたって生活できること |
長期優良住宅の認定を受けるためには、大きく分けて9つの条件があります。
その9つの条件は以上の表にまとめています。
長期優良住宅の認定を受けるためにはこれらの条件を満たさなくてはならないため、1つひとつ確認しておきましょう。
条件を満たせない物件は長期優良住宅としては認められないため、住宅ローンの金利や税金の控除など恩恵を受けられなくなります。
長期優良住宅への認定を目指して家を新築するのなら、きちんと条件を満たしておくことを前提に考えましょう。
ただ、これらは素人がいくら計画したところで形にはできないため、工務店やハウスメーカーに依頼する際に「長期優良住宅の条件を満たした家にしたい」という旨を伝えるのが一番です。
そうすれば不動産業者や建築業者も長期優良住宅となるよう話を進めてくれます。
長期優良住宅がどのようなものか理解したところで、次に長期優良住宅に認定されることでどのような恩恵が受けられるのかを見ていきましょう。
長期優良住宅最大の恩恵といえるのが、住宅ローン控除です。
通常の家でも住宅ローン控除は受けられるのですが、一般住宅だと最大控除額400万円までとなっています。
一方、長期優良住宅だと最大控除額500万円までが住宅ローン控除となります。
つまり、長期優良住宅に認定されるだけで、100万円の控除分がお得になるということです。
住宅ローン控除は確定申告することで、その年から10年間だけ控除を受けられます。
年間で最大40万円まで控除されるため、10年間で400万円とされています。
しかし、長期優良住宅は年間で最大50万円まで控除されるので、10年間で500万円となるわけです。
ただ、住宅ローン控除は実際の納税額が控除額の上限となります。
長期優良住宅を建てたすべての人が10年間で500万円の控除を受けられるわけではありませんので、その点は注意が必要です。
長期優良住宅であれば不動産取得税もお得になります。
不動産取得税は土地や建物を取得した際にかかる税金です。
売買はもちろん贈与や交換、増改築を含む建築であっても発生する税金となります。
主に床面積が50m2以上~240m2以下の物件が対象です。
これらは各都道府県の条例で定められた申告に対し、課税標準から一定の控除額を引いた後に税率3%をかけて計算されます。
なお、一般住宅では評価額から1,200万円が控除された状態で不動産取得税が計算されます。
一方、長期優良住宅では1,300万円が控除された状態で不動産取得税が計算されるのです。
つまり、不動産取得税も100万円分お得になるということです。
長期優良住宅は登録免許税でも恩恵が受けられます。
物件を新築した場合、法務局にて所有権保存登記が必要となります。
その際にかかる税金が登録免許税です。
これは一般住宅だと評価額に対して0.15%の税金がかかります。
しかし、長期優良住宅だと0.1%まで優遇されます。
その誤差はわずか0.05%ですが、不動産などの評価額は桁違いに大きいため恩恵も大きいです。
長期優良住宅は固定資産税でもお得になります。
固定資産税は床面積が50m2以上~280m2以下の場合に一般住宅の戸建てで3年間、集合住宅で5年間それぞれ2分の1減額されます。
しかし、長期優良住宅であれば戸建てで5年間、集合住宅で7年間それぞれ2分の1減額になるのです。
これも大きな恩恵といえます。
長期優良住宅は良質な住宅だと認定されているため、さらに低い金利の住宅ローンが組めます。
たとえば、フラット35などではフラット35Sというプランが用意されており、このプランの場合は金利が10年間0.25%引き下げられる場合があります。
特に金利Aプランであれば、通常よりも低金利で住宅ローンが組めるわけです。
これは一見すると誤差に思えるかもしれませんが、条件次第では100万円~数百万円ほどの恩恵を受けられる場合もあります。
特に、借り入れが多くなればなるほど低金利の恩恵も大きいため、長期優良住宅との相互性も高いです。
新築住宅 | 地域型住宅グリーン事業 |
中古住宅 | 長期優良住宅化リフォーム推進事業 |
長期優良住宅の場合、新築であれば地域型住宅グリーン事業、中古であれば長期優良住宅化リフォーム推進事業として補助金が受けられます。
それぞれの補助金は以下の通りです。
・地域型住宅グリーン事業:最大140万円まで
・長期優良住宅化リフォーム推進事業:最大250万円まで
それぞれ条件を満たす必要があるものの、新築で新たに家を建てる場合はもちろんリノベーションなどによって家を蘇らせる場合も補助金が出ます。
これらは申請しないと受けられないため、条件に当てはまるようなら申請しておくべきです。
ここまで長期優良住宅について学んだわけですが、では、どうやって申請手続きをするのでしょうか。
これに関しては登録住宅性能評価機関で審査を受けた後、所管行政庁へ申請するというのが大まかな流れとなります。
そこで登録住宅性能評価機関での審査に受かれば「適合証」が発行されます。
また、所管行政庁での審査に受かれば「認定通知書」も発行されるため、そこまで認定されてようやく長期優良住宅となるわけです。
なお、申請には数千円~数万円の手数料が必要となるため、あらかじめ用意しなくてはなりません。
これらは認定手数料とよばれるものなので、事前に用意しておきましょう。
長期優良住宅は住宅ローンの金利や税金の控除などで恩恵を受けられます。
これから新築で家を建てる場合は、ぜひ長期優良住宅を目指して計画してみるのも良いでしょう。
これらは恩恵として数百万円単位でお得になることもあるので、中古の物件をリノベーションする場合も長期優良住宅にできないかどうか考えてみましょう。
住宅資金に不安がある、家づくりをしたいが何から始めれば良いか分からないなど住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。