Blog / Column
スタッフブログ・コラム
家づくりコラム
資金(ローン)について
2022.12.27
この記事では、年収400万円の人が3,000万円の住宅ローンは組めるのか解説します。
住宅金融支援機構の公開している「2022年4月住宅ローン利用者調査」によると、融資を受けた世帯で年収400万円以下の人は、2番目に多い年収層でした。
そのため、年収400万円で住宅ローンを組むことは珍しくなく、多くの人が利用しています。
この記事では、年収400万円の借入上限額も解説するので、家づくりを検討している人は最後までお付き合いください。
※参考:2021年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構
【この記事でわかること】
・年収400万円で3,000万円の住宅ローンが借りられるかどうか ・年収400万円ではいくらまで組めるのか ・年収400万円で安全に住宅ローンを返済できる借入額 |
結論からいうと、年収400万円で3,000万円の住宅ローンを組むことは可能です。
また、年収400万円は地域によっては特段珍しい年収帯ではないため、審査基準が厳しくない金融機関も多いといえるでしょう。
ここでは、年収400万円でも3,000万円の住宅審査が通る仕組みについて、解説します。
各控除を差し引いた金額が手取り額となり、年収400万円の手取りは、月に約26万円となります。なお、控除項目は以下のとおりです。
控除項目 | 金額 |
社会保険料 | 585,444円 |
所得税 | 86,400円 |
住民税 | 176,800円 |
合計 | 848,644円 |
※扶養家族なし、年齢39歳、各種控除なし、前年年収からの変化なしで計算
そのため、年収400万円の年間手取り額は「400万円-84万8,644円=315万1,356円」となり、月額では約26万円となります。
ただし、この手取り額は家族構成や年齢によって変動するため、あくまで一般的な額として覚えておきましょう。
「住宅金融支援機構」によると、変動金利で借入した場合の返済負担率は、20〜25%程度が多い層となりました。
そのため、年収400万円で3,000万円を借りた場合の返済負担率22%は一般的な割合であり、リスクの高い資金計画ではないといえるでしょう。
※返済負担率は借入金利0.4%、元利均等返済、借入期間35年の条件で算出
※参考:住宅ローン利用者の実態調査
※参考サイト:返済負担率の計算|一般財団法人 住宅金融普及協会
【POINT】
返済負担率とは:年間返済額を年収で割った割合 |
住宅ローンは、金融機関が基準とする返済負担率を下回るかどうかが非常に重要です。そのため、審査が通るのであれば頭金を用意する必要はありません。
ただし、希望借入額が年収との兼ね合いで返済負担率の基準を上回った場合、審査結果が減額となる可能性があります。
その際には、頭金を用意して不足分を補填する必要があるため注意しましょう。
実際に借入しなくとも、借入上限額を把握しておくことは資金計画の観点からも重要です。
そこで、年収400万円で借入できる上限額について解説します。
明確に「何倍以下であれば安全」などの基準はないものの、フラット35が公開している「利用者調査による年収倍率」では、以下の結果となりました。
不動産の種別 | 年収倍率 |
土地付き注文住宅 | 7.5倍 |
新築マンション | 7.2倍 |
建売住宅 | 7.0倍 |
注文住宅 | 6.8倍 |
中古マンション | 5.8倍 |
中古戸建 | 5.7倍 |
※参考:2021年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構
上記の結果に対して、年収400万円で割り戻した場合の借入額は、以下のとおりです。
不動産の種別 | 借入額 |
土地付き注文住宅 | 3,000万円 |
新築マンション | 2,880万円 |
建売住宅 | 2,800万円 |
注文住宅 | 2,720万円 |
中古マンション | 2,320万円 |
中古戸建 | 2,280万円 |
このように、もっとも高い土地付き注文住宅であっても3,000万円を超えることがないため、年収400万円であれば3,000万円を借入額の基準として扱えるでしょう。
また、国分ハウジングには月々5万円から家づくりを検討できるノウハウがあるため、さらに年収倍率を下げた住宅を建てられます。
国分ハウジングでカタログ請求 |
【POINT】
年収倍率とは:年収に対する借入額の倍率であり、返済負担率と併用して審査基準に用いられる。 |
年収400万円と年収399万円では1万円の差額であるものの、借入可能額は大きく異なります。
なぜなら、多くの金融機関は「年収400万円以上で返済負担率〇%」と設定しているケースが多く、年収が400万円未満の場合は返済負担率の水準が低くなるからです。
たとえば、年収400万円以上で返済負担率25%、年収399万円以下で返済負担率20%の審査水準において、借入可能額は以下のようになります。
年収 | 借入可能額 |
400万円(返済負担率25%) | 3,270万円 |
399万円(返済負担率20%) | 2,620万円 |
※金利0.4%、借入期間35年、元利均等返済の前提で算出
上記のとおり、約630万円の乖離があります。つまり、仮に3,000万円の住宅ローンを借入する場合には、年収400万円であれば問題ないといえるでしょう。
一方で、年収399万円では380万円程度ショートする可能性があります。年収399万円で3,000万円を借入れるためには、400万円近い頭金を不足分として用意する必要があります。
ここでは、年収400万円で3,000万円の住宅ローンを組んだ際の具体的な返済額を解説します。
順番に見ていきましょう。
多くの金融機関は、年収400万円の返済負担率水準を25%と定めていることから、年収400万円の返済可能額は「400万円×25%÷12ヶ月=月額約8.3万円」となります。
一方、年収400万円で3,000万円の借入をした場合には、月額約7.6万円の支払いとなります。
※金利0.4%、借入期間35年、変動金利、ボーナス支払い無、元利均等で算出
このように、年収400万円で3,000万円の借入は十分に審査通過できる可能性があるでしょう。
住宅ローンの借入は、返済期間と金利タイプによって大きく変動するといえるでしょう。
ここでは、3,000万円の借入をした場合の金利タイプと返済期間によって、総返済額がどのように変動するのかを解説します。
なお、算出結果は「住宅保証機構株式会社」のシミュレーション結果を紹介します。
※元利均等、ボーナス支払い無、保証料60万円、融資手数料55,000円で算出
〈変動金利:金利0.4%の場合〉
返済期間 | 総支払額 |
15年 | 31,568,914円 |
20年 | 31,875,878円 |
25年 | 32,184,848円 |
30年 | 32,495,800円 |
35年 | 32,808,754円 |
〈固定金利:金利1.0%の場合〉
返済期間 | 総支払額 |
15年 | 32,973,614円 |
20年 | 33,767,271円 |
25年 | 34,573,377円 |
30年 | 35,391,908円 |
35年 | 36,222,804円 |
〈選択固定金利:当初10年金利0.8%、残期間1.0%の場合〉
返済期間 | 総支払額 |
15年 | 32,500,894円 |
20年 | 33,128,827円 |
25年 | 33,764,733円 |
30年 | 34,408,636円 |
35年 | 35,060,447円 |
上記のように、同じ金利タイプ内で15年と35年の返済期間で比較した場合、変動金利は約120万円、固定金利では約325万円、選択固定金利では約256万円の差があります。
また、返済期間を35年とした場合であっても、変動金利と固定金利の差は約340万円、変動金利と選択固定金利の差は約225万円となるため、返済期間と金利タイプの選択は非常に重要です。
このように、同じ3,000万円を借入する場合でも、借入金利と金利タイプによって総返済額が大きく変動します。
したがって、金融機関や建築会社の担当者に相談し、後悔しない選択をしましょう。
年収400万円で住宅ローンを返済する際には、借入額に応じたシミュレーション結果を事前に確認する必要があります。
そこで、ここでは3,000万円以上の住宅ローンを借入した際の月々返済額、総返済額を返済方式別に見ていきましょう。
なお、ここでは以下の条件を設定しシミュレーションしていきます。
【条件】
● 金利:0.4% ● 返済期間:35年 ● ボーナス無し ● 融資手数料:55,000円 ● 保証料:600,000円 |
年収400万円で、住宅ローン3,000万円を借入する場合のシミュレーションは、以下のとおりです。
返済方式 | 月々返済額 | 総支払額 | 返済負担率 |
元利均等 | 76,557円 | 32,808,754円 | 22.967% |
元金均等 | 81,428円 | 32,759,808円 | 24.428% |
元利均等方式のメリットは、毎月支払いする元金と利息の合計額が一定で、返済計画が立てやすい点です。
一方、元金均等方式は元金のみが一定で、利息は当初が高く段階的に減少します。そのため、最初は支払いが多いものの、総額は低くなる傾向にあります。
したがって、3,000万円のシミュレーションでも、元金均等の月々返済額が多いものの、総支払額は元利均等よりも安いといえるでしょう。
年収400万円で、住宅ローン3,500万円を借入する場合のシミュレーションは、以下のとおりです。
返済方式 | 月々返済額 | 総支払額 | 返済負担率 |
元利均等 | 89,316円 | 38,167,766円 | 26.794% |
元金均等 | 94,999円 | 38,110,646円 | 28.499% |
住宅ローン3,500万円の借入だとしても、返済負担率は30%を下回っており、金融機関の融資面では安全ラインだといえるでしょう。
年収400万円で、住宅ローン4,000万円を借入する場合のシミュレーションは、以下のとおりです。
返済方式 | 月々返済額 | 総支払額 | 返済負担率 |
元利均等 | 102,076円 | 43,526,754円 | 30.622% |
元金均等 | 108,571円 | 43,461,458円 | 32.571% |
住宅ローン4,000万円の借入では年収倍率が10倍となり、返済負担率も30%を超えるため、慎重に資金計画を立てる必要があります。月々の返済額も10万円を超えるので、家を建てたあとも生計を維持できるかどうかを確認しながら検討しましょう。
ここからは、年収400万円で住宅ローン3,000万円を組む際の注意点を解説します。
借入時の年齢を把握することは、住宅ローンにおいて重要な項目です。
ここでは、借入期間別の月々支払い額を以下の表にまとめました。
【条件】
● 金利:0.4% ● 変動金利 ● 元利均等 ● 融資手数料:55,000円 ● 保証料:600,000円 |
【借入期間別の月々支払い額】
返済期間 | 月々返済額 |
15年 | 171,744円 |
20年 | 130,087円 |
25年 | 105,099円 |
30年 | 88,447円 |
35年 | 76,557円 |
上記のように、年数が短いほど月々の返済額が高くなります。また、金融機関の借入上限年齢は75歳もしくは80歳です。
つまり、借入の上限年齢が75歳の金融機関において、仮に50歳のタイミングで借入した場合、残りは25年となります。一方で、55歳のタイミングであれば残りは20年となり、月々の返済額は約25,000円変わることになります。
このように、住宅ローンは年齢を重ねて借りるほど返済計画が不利になる傾向があるため、なるべく早い段階で住宅ローンを借入れましょう。
住宅ローンを借入する年齢を把握したら、定年後の残高も押さえておきましょう。
日本の企業は、一般的に65歳の定年制を採用しており、その後5年間は再雇用契約となります。
また、再雇用契約は年収が大きく下がるため、これまで通りの生活とはならないでしょう。
したがって、定年時点でどれくらいの住宅ローン残債が残っているのかをあらかじめ把握し、計画的に貯金しておく必要があります。
住宅ローンを組む際には、ファイナンシャルプランナーなどにライフプランの設計を依頼し、人生における支出のタイミングを見極めましょう。
たとえば、教育資金や車の買い替えタイミング、老後資金の確保方法を知るだけでも、住宅ローン借入額を決めるための大きな判断材料となります。
このように、「安定して返せるので借りる」と判断せずに、人生で破綻しないためのライフプランを設計しましょう。
住宅ローンには借入額だけではなく、融資代行料や保証料、事務手数料、印紙代など諸費用がかかり、融資額を全て家の資金に割り当てられるわけではありません。
そのため、全ての費用がどのくらいかかるのかを把握することが重要です。
ここでは、年収400万円で3,000万円の住宅を組む人のよくある質問について解説します。
住宅ローンの借入目安として、返済負担率が30%を超えると生活が苦しくなる傾向にあります。そのため、多くの金融機関では返済負担率が30%を超えた場合に消極的です。
そして、年収300万円で3,000万円の住宅ローンを借入れる場合は、返済負担率が30.622%となるため融資を受けること自体が難しくなるでしょう。
住宅ローン3,000万円を15年で返せるかどうかは、月々の返済額を考慮しましょう。住宅ローン3,000万円を15年で返す際の月々の返済額は、以下のとおりです。
借入れ条件 | 月々返済額 |
変動金利
(金利:0.4%) |
171,744円 |
固定金利
(金利:1.0%) |
179,548円 |
選択固定金利
(金利:当初10年間0.8%、残期間1.0%) |
176,922円 |
※その他の条件:返済期間35年、融資手数料55,000円、保証料600,000円、元利均等、ボーナス支払い無し
上記の月々返済額を支払うことが可能であれば、15年で返済できるでしょう。
世帯年収が400万円を超えるのであれば、3,000万円の住宅ローンの返済は可能だといえます。
単独の融資で年収400万円を超えるのであれば、2人で住宅ローンを組む必要がなく、より安定した家計となるでしょう。
年収400万円で3,000万円の借入は可能ですが、借入期間や利息によって大きく返済額が変わるため、注意が必要です。
まずは建築会社の担当者に相談をおすすめします。
国分ハウジングでは家づくり相談会を実施しています。
・マイホームを考え始めたけど、何から始めたらいいかわからない…
・マイホームに必要な資金って具体的にいくら?
・何にお金がかかるの?追加費用ってどのくらい必要?
・貯金を崩さずにマイホームを実現することって可能?
といった家づくりに関する様々な悩みを解消できますので、家づくりでお困りの方はお気軽にお問い合わせやご来場ください。
国分ハウジングのイベント・見学会情報は以下から!
https://kh-house.jp/event/