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資金(ローン)について
2021.11.30
住宅ローンを組む際は、条件さえ満たしていれば新築でも中古でも増改築でも住宅ローン控除を活用できます。
住宅ローン控除とは所得税や住民税から差し引ける控除のことであり、うまく活用すれば節税につながります。
今回の記事ではそれら住宅ローンを借りる際に知っておきたい住宅ローン控除について解説します。
特に、ここでは住宅ローン控除がいつまで受けられるのかはもちろん、期間が延長になった住宅ローン控除についても説明します。
この記事を読めば住宅ローン控除について理解が深まるので、これから夢のマイホームを買う予定の方にお読みいただきたいです。
そもそも住宅ローン控除とは何かというと、これは正式名称で「住宅借入金等特別控除」とよばれるものを指します。
これらは家のオーナーとなる方が住宅ローンを契約する場合、要件を満たせば一定期間だけ控除を受けられる制度です。
特に、年末時点で住宅ローン残高の1%が控除され、最大で年間40万円までが所得税・住民税から差し引かれます。
場合によっては還付されることもあるため、フル活用すればかなりの節税効果を生み出してくれる制度だといえるでしょう。
しかし、以下のような条件があるため、事前に確認しておく必要があります。
▼新築の要件
1. | 新築または取得から6ヵ月以内に入居すること |
2. | 合計所得金額3,000万円以下であること |
3. | 返済期間が10年以上であること |
4. | 床面積が50m2以上であること |
5. | 床面積の1/2以上が居住用であること |
▼中古の要件
1. | 新築の条件を満たすことが前提であること |
2. | 耐火建築物は購入時点で築25年以内であること |
3. | 耐火建築物以外は購入時点で築20年以内かつ一定の耐震基準であること |
4. | 生計が同じ親族などからの購入ではないこと |
5. | 生計が同じ親族などからの贈与ではないこと |
▼増改築の要件
1. | 新築の条件を満たすことが前提であること |
2. | 自身で所有かつ居住する物件の改修であること |
3. | 一定の省エネ・バリアフリー・耐震または大規模な間取りの改修であること |
4. | 工事費用が100万円を超過すること |
5. | 店舗併用住宅の場合は居住用部分の工事費用が1/2以上であること |
以上の要件を新築・中古・増改築それぞれで満たさなくてはなりません。
また、控除期間も無制限ではなく一定期間と定められているため、その点には十分に注意しましょう。
そのほか、控除期間は条件次第で変わることもあるので、次の項目で合わせて確認しておいてください。
通常の住宅ローン控除の期間は10年に設定されています。
これはどのような条件であっても共通しており、住宅ローン残高が一定以上ある場合は10年間控除を受けられます。
これが基本となるため、特別な条件がない場合「控除期間=10年」と覚えておきましょう。
しかし、2019年から消費税引き上げの影響を減らす目的で「控除期間=13年」とする特例措置が適用されています。
これには2019年時点で2020年12月末までに入居する人が対象とされ、その期間までに入居している場合は最大13年間控除を受けられます。
その一方、2021年の改正でさらなる変更が加えられたので、次の項目も参考にしてください。
住宅ローン控除は家を購入した翌年から10年間まで受けられるのが特徴です。
つまり、2019年に夢のマイホームを取得したということなら、翌年の2020年から10年後の2030年までが控除期間となります。
その間は住宅ローン残高に応じて所得税・住民税から控除もしくは還付されます。
なお、2021年には住宅ローン控除がさらに改正されました。
これにより消費税10%で住宅を取得しており2019年10月~2022年12月までに入居した方は、控除の実施期間が2年延長されることとなりました。
勘違いしやすいのですが、控除期間が13年から2年延長されて15年になったわけではなく、特例措置による控除の実施期間が2年延長されただけに過ぎません。
そのため、あくまでも住宅ローン控除の期間は10年が基本で、消費税増税以降に購入した方は13年となる点に注意しましょう。
もしこれから夢のマイホームを取得するということなら、控除期間13年の特例措置を押さえておいて損はありません。
単純計算で通常の控除期間10年が3年ほど長くなるため、大きな節税効果を生む可能性があります。
住宅ローン控除は年間で最大40万円までなので、仮に3年すべて適用すれば120万円もの差となります。
通常は10年で400万円までのところ520万円になると考えれば、その差が大きいことは歴然です。
特に、これから家を建てるという方であれば特例措置の条件に当てはまる可能性も十分に考えられるため、活用しない手はないでしょう。
数千万円の住宅ローンに比べれば、数百万円の控除などあまり意味がないと思うかもしれません。
しかし、実際に年間で40万円もの控除があれば、大幅に所得税や住民税を節税できます。
それだけではなく、長期優良住宅などであればその限度額も年間で最大50万円となるため、さらに大きな節税効果を生みます。
まずはこれから住宅購入計画を立てる際、控除期間13年の特例措置を必ず活用しましょう。
では、住宅ローン控除はいつまでに申請すべきなのでしょうか。
これに関しては入居1年目なのか入居2年目以降なのかによって変わってきます。
以下、それら2つの条件について簡単にまとめたものとなります。
入居1年目 | 確定申告の期日までに申請 |
入居2年目以降 | 年末調整の期日までに申請 |
入居1年目の方は確定申告の期日までに申請しましょう。
確定申告とは所得税や住民税などの申告を行い、税金を確定させるための手続きです。
確定申告の期間は通常2月16日~3月15日までと定められており、個人事業主の方などはこの期日までに申請しなくてはなりません。
一方、会社員の方などは1月1日~3月15日までに申請できるため、住宅ローン控除の申請に関しては例外となります。
どちらにしても個人事業主も会社員も入居の翌年3月15日までには申請しなくてはならないため、忘れずに税務署に申告しておきましょう。
入居2年目以降の方は年末調整の期日までに申請しましょう。
年末調整とは所得税や住民税など給料から天引きされているものを調整するための手続きとなります。
これら年末調整の期間は所属する会社ごとに異なるものの、11~12月に行われることが多いです。
そのため、会社員の方はその期日までに申請しておきましょう。
ただし、個人事業主はその限りではないので、いつまでに申告しておくべきなのかを整理しておくと安心です。
住宅ローン控除は通常、所得税や住民税から差し引かれるのが特徴です。
しかし、それらの税金を超える控除があった場合は還付されます。
還付金は、確定申告で申請した場合と年末調整で申請した場合で支払いのタイミングが異なります。
確定申告 | 1~2ヵ月ほどで還付 |
年末調整 | 12~1月の給与と一緒に還付 |
確定申告で申請した場合、還付金はおおよそ1~2ヵ月で指定の銀行口座に振り込まれます。
早ければ1ヵ月ほどで済むこともありますが、遅ければ2ヵ月ほどかかることもあります。
ただ、e-Taxなどを活用すると2~3週間で還付されることもあるので、活用できる場合はe-Taxで申告しましょう。
なお、還付金に関しては所得税の控除分のみとなります。
住民税の控除分は翌年の税金から差し引かれることになるので、その点は注意しましょう。
年末調整で申請した場合、還付金は12月もしくは1月の給与と一緒に銀行口座に振り込まれます。
こちらも早ければ12月には入り、遅くとも1月には入ります。
ただし、これらは給料日がいつなのかによっても左右されるため、その点は担当者に聞いてみましょう。
現行の住宅ローン控除は2022年までが期間として設定されています。
そのため、人によっては2023年以降がどのように変わっていくのか気になる方も多いかもしれません。
これに関しては政府が決めることなので、予測することは難しいです。
しかし、控除期間10年の住宅ローン控除は継続される可能性が高いものの、控除期間13年の住宅ローン控除は終了となる可能性が高いです。
あくまでも13年間受けられる住宅ローン控除は消費税増税に伴う特例措置であるため、再延長とはならずにこのまま終了となる可能性が高いのです。
その場合、通常通り10年間受けられる住宅ローン控除に戻ることになるため、もし住宅購入計画が佳境ということなら、思い切って取得しつつ住宅ローン控除を適用するという選択肢もあります。
一見すると3年しか変わりませんが、フル活用すれば最大120万円の差となるため、そこはうまく活用すべきです。
また、根本となる住宅ローン控除の利率が変更となる可能性もあります。
現行の住宅ローン控除では住宅ローン残高に対して1%の利率で計算する決まりとなっています。
しかし、これが状況によっては1%以下になる可能性も否めません。
低金利時代に入っている日本で1%というのは高金利といえます。
その軌道修正のため、今後は1%以下になる可能性があるわけです。
総じていえることは、現在進行形で家を手に入れるべきか悩んでいる場合、早めに契約してしまった方が良い可能性が高いということ。
特に、住宅ローンを活用するということなら、早目に契約しておいて損はありません。
住宅ローン控除を利用する場合、いくつか注意点があります。
以下、それぞれ4つの注意点について1つずつわかりやすくまとめていくので、最後におさらいしておきましょう。
住宅ローン控除は前述の通り、契約要件が設定されています。
それらの要件に該当しない限りは住宅ローン控除を受けられません。
そのため、契約要件をきちんと確認しておき、新築・中古・増改築それぞれ要件を満たしているのか確かめておかなくてはなりません。
これらの要件から漏れると住宅ローン控除は適用されません。
住宅ローン控除は同じく前述の通り、契約期間も設定されています。
それらの期間に該当しない限りは住宅ローン控除を受けられません。
そのため、契約期間をしっかりと確認しておき、確定申告・年末調整によって申請しなくてはなりません。
個人事業主なのか会社員なのかでも変わるため、住宅ローン控除の申告をきちんと行いましょう。
税制改正大綱は次の税制をどのように改定するのか、その予定が書かれた予告のようなものです。
インターネット上には住宅ローン控除について書かれた記事も無数にあるのですが、公的機関の情報としては税制改正大綱が役に立ちます。
今後2022年以降どのように税制が変わるのかを予告してくれるものなので、毎年12月になったら確認しておきたいところです。
消費税増税に合わせて住宅ローン控除が改正されたように、これら税金は社会情勢などを踏まえて改正されるのが特徴です。
そのため、数年数十年と経過すれば、現在のものよりも大幅に変わっていることもあるわけです。
住宅ローン控除に限らず、税金に関する情報は常に最新のものを収集しておくようにしましょう。
住宅ローン控除は住宅ローンを契約する方が受けられる控除のことです。
これら住宅ローン控除は原則として10年と定められているのですが、消費税増税に合わせて13年と改正されています。
今後、さらにそれら住宅ローン控除の期間についても延長される可能性があります。
しかし、逆に13年という特例措置が消え、元の10年に戻る可能性も否めません。
これら住宅ローン控除に限らず、税金の控除に関する情報は次々と変化していきます。
そのため、これから家を持とうと思っている方はその都度情報収集を徹底しましょう。
もしわからないことがあれば税理士などはもちろん、ファイナンシャルプランナーなどの専門家にも相談してみましょう。
それによって最良の選択肢が選べるはずです。
土地探しに不安がある、住宅資金に不安がある、家づくりをしたいが何から始めれば良いか分からないなど住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。