Blog / Column
2021.06.30
住宅ローンの中でも親子で利用できるのが、親子リレーローンです。 住宅ローンは本来契約者本人のみが返済していくものですが、親子リレーローンを活用することで親から子へと引き渡すかたちで2世代にわたって返済可能となります。 親と子で住宅ローンの負担を担えるため、二馬力で返済できるのが特徴です。 ただし、親子リレーローンにはメリットとデメリットがあります。また、親子リレーローンを組むためにもいくつかの要件をクリアしなくてはなりません。 そのため、今回の記事では親子リレーローンとはどのようなものなのかを解説します。 併せて知っておきたい親子ペアローンとの違いなどもご紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。 この記事を最後まで読むことで、親子リレーローンと親子ペアローンの活用方法が見えてくるはずです。 目次 親子リレーローンの概要 親子リレーローンの特徴 親子リレーローンのメリット 親子リレーローンのデメリット 親子リレーローンの要件 親子リレーローンと親子ペアローンの違いは? 親子リレーローンが向いているケース 親子ペアローンが向いているケース 親子リレーローンの審査基準 返済途中で親が亡くなった場合にはどうすれば良いのか? 親子リレーローンと親子ペアローンを利用する際の注意点 まとめ 親子リレーローンの概要 まずは親子リレーローンがどのようなものなのかを理解する必要があります。ここでは親子リレーローンの特徴とメリット・デメリット、要件についてそれぞれまとめます。ぜひ、これから住宅ローンを組む予定の方や見直す予定の方は、選択肢の1つとして考えてみましょう。 親子リレーローンの特徴 親子リレーローンとは、簡単にいえば1つの住宅ローンを親と子の2人で返済していく制度のことです。通常、住宅ローンは契約者本人が返済するものですが、状況によっては1人では返済が難しい場合もあるでしょう。 そのような場合に親子リレーローンを活用することで、親から子へと住宅ローンを引き渡すことが可能となります。特に中高年に差しかかった親と成人した子のペアで融資を受け、負担を軽減しながら返済していく方が多いです。この場合、親が定年を迎えたタイミングで子へと引き継がれるため、老後の生活に不安や心配がある方にとって最適な制度といえるでしょう。 親子リレーローンのメリット 多くの方が利用する通常の住宅ローンは、原則として80歳までに完済するよう金融機関で定められています。そのため、中高年以上の方が住宅ローンを組む際、長期の計画では審査に通らないことがあります。当然ながら金融機関もリスクを負うことはできないため、60~70代の方が融資を受けようと思ってもほぼ全額融資を受けることは不可能に近いです。 しかし、親子リレーローンであれば、親が中高年以上でも子に引き渡されるので金融機関にとっても安心して貸し付けることができます。それが親子リレーローン最大のメリットです。当然ながら、単独で融資を受けるよりも借入額を増やせますし、住宅ローン控除の恩恵も大きくなるでしょう。 単純に収入が少なくて単独では融資してもらえない場合であっても、親と子がセットであれば住宅ローンが組めるケースもあります。また、返済期間が長くなるため、自然と月々の経済的負担も低くなります。さらに条件によっては高齢であっても審査に通りやすくなるのが、親子リレーローンのメリットです。 親子リレーローンのデメリット 通常の住宅ローンでは契約者本人だけが負担しますが、親子リレーローンは親と子で住宅ローンをつないでいきます。これは一見すると返済の安定にもつながり、魅力も大きいと思いがちです。しかし、デメリットがないわけではありません。 たとえば、親子リレーローンは親と子の両方に責任が問われるため、片方が返済不可能となった場合に注意が必要です。 また、親と子で住宅ローンを引き渡していくため、ライフステージの変化でその物件に住まなくなった場合でも返済しなくてはなりません。親と子でペアとなって組む住宅ローンなので、生活の変化に対応するのが難しいです。 そのほか、親が定年を迎える前に亡くなってしまうこともありますし、相続などでトラブルになることもあります。そういった親の死亡に対して揉めてしまいやすいのが親子リレーローンのデメリットといえるでしょう。 親子リレーローンの要件 メリットとデメリットのある親子リレーローンはよく考えて組むことが重要です。ただし、誰でも組めるのかというとそうではありません。親子リレーローンを活用するには、以下の要件をクリアしておく必要があります。 同居中もしくは同居予定の親子であること 借り入れ時の親の年齢が70歳未満であること 完済時の子の年齢が80歳未満であること 親から返済を引き継ぐ子は1人であること 親子双方とも安定した収入があること 団体信用生命保険に加入すること 主な親子リレーローンの要件は上記の6つとなります。これのどれか1つでも欠けてしまうと審査に落ちる場合があります。 特に同居することが前提となるため、別居している親子はそもそも親子リレーローンが利用できません。また、親は借り入れ時、子は完済時の年齢が決められている点にも注意が必要です。そのほか、親から返済を引き渡す子は1人ではないといけないため、ほかにも兄弟姉妹がいる場合は親族間で協議しなくてはなりません。それでいて親子双方に安定した収入がなければならないため、条件自体は意外にも厳しかったりします。金融機関とも相談しながら判断していきましょう。 親子リレーローンと親子ペアローンの違いは? 親子リレーローンと似たようなものに親子ペアローンというものがあります。結論を先にいうと、これらは別物です。まずは以下の早見表をご覧になり、それぞれの違いについて知っておきましょう。 内容 親子リレーローン 親子ペアローン 住宅ローンの契約数 1つ 2つ 返済方法 親から子へ引き継いで返済 親と子が同時に返済 団体信用生命保険への加入 親か子のどちらか1人 親と子の2人 住宅ローン控除の適用 持ち分に応じて双方適用 原則として双方適法 このように親子リレーローンと親子ペアローンでは明確な違いもあります。基本的に親子リレーローンは1つの住宅ローンを親から子へと引き継いで返済するのが特徴です。しかし、親子ペアローンは2つの住宅ローンを親と子が同時に返済するのが特徴です。そのほか、団体信用生命保険への加入も異なり、住宅ローン控除の適用も異なります。 それぞれを明確に理解した上で、下記のどちらが向いているのかについても併せて確認してみましょう。 親子リレーローンが向いているケース 親子リレーローンは親がリタイアしている場合や現役でも収入が低い場合に向いています。住宅ローンはすでに構築している資産よりも、安定かつ継続した収入を重視するのが特徴です。そのため、収入が年金頼りの場合や働いていても低い場合には、子がカバーすることで住宅ローンを組まなくてはなりません。そのため、総じて安定した収入がない親世代が住宅ローンを組む際には、子世代と一緒に組める親子リレーローンがおすすめだといえるでしょう。 親子ペアローンが向いているケース 親子ペアローンは親も子も十分な安定収入がある場合に向いています。特に親子二世代で住むような大きな家を建築・購入する場合、より充実した設備の導入などを考えることもあるでしょう。その場合は親子で住宅ローンを組んで支払っていくという方法が最適です。特に住宅を充実させると借入額も自然と大きくなるため、どちらか片方では審査に落ちる場合があります。そのため、より大きな融資を受けたいという方には親子ペアローンが向いているといえるでしょう。 親子リレーローンの審査基準 親子リレーローンはどのような審査基準が設けられているのでしょうか。これに関しては具体的な基準について公表されていません。ただ、原則として通常の住宅ローンと同じ審査基準だと思っておけば問題はありません。 通常の住宅ローンでは返済能力がとても重視されます。また、借り入れ時年齢や完済時年齢も加味される他、職業や年収、経営状態や運営状況なども加味されます。それら契約者の返済能力が重視されると考えておいてください。 ただ、親子リレーローンの場合は親よりも特に子の返済能力が重視されます。なぜなら、親世代は子世代よりも先に亡くなる可能性が高いためです。子の経済事情が審査されるため、親子リレーローンを組む際には注意しておきましょう。 返済途中で親が亡くなった場合にはどうすれば良いのか? 親子リレーローンは親と子が引き継ぐ形で住宅ローンを返済していきます。通常、親子リレーローンでは親が定年するまで返済を行い、その後に子に引き渡されるのが普通です。しかし、返済途中で親が亡くなってしまった場合はどうすれば良いのでしょうか? もし親が先に亡くなった場合は、残された子が残りの住宅ローンを引き継ぎます。本来は親が定年まで返済することを前提として親子リレーローンを組むため、それよりも先に亡くなった場合は必然的に子の経済的負担が大きくなります。そうなれば、子の生活にも影響が出てくるでしょう。 ただ、親子リレーローンによっては団体信用生命保険への加入によって返済を肩代わりしてもらえる場合もあります。親子リレーローンの多くは親ではなく子が加入することを条件に組む場合も多いため、親が亡くなっても子の返済を肩代わりしてくれるケースは稀です。しかし、条件次第では団体信用生命保険でカバーできることもあるため、万が一のリスクに備えて加入しておきましょう。そもそも団体信用生命保険への加入は前提条件となっていることも多いため、親も子も加入に関しては必須となる場合が多いです。 どちらにしても返済途中で亡くなった場合は子の負担が増えるため、親の行く末に関しても返済計画に組み込む必要があるでしょう。どうしても返済が難しい場合は、売却などの方法も考えなくてはなりません。そのほか、住宅ローン特則などの個人再生を利用することで、返済計画の見直しができる場合もあるので、専門家などに相談しましょう。 親子リレーローンと親子ペアローンを利用する際の注意点 親子リレーローンも親子ペアローンも、どちらも親と子が住宅ローンを返済する制度となるため、片方が欠けてしまうと返済計画が頓挫することもあります。そのため、あくまでも親と子が健在ということを前提にした制度であることを理解しなくてはなりません。 また、親と子が共同でローンを組むことになるため、万が一にも親が亡くなった場合などは子がトラブルに巻き込まれることもあります。特に相続などで揉めることもあるため、どうしても相続で揉めそうな場合は親族以外の第三者を交えて話し合うことをおすすめします。そのほかの注意点は前述の通りなので、メリット・デメリットも加味しながら判断してみましょう。 まとめ 本人だけで住宅ローンの返済が難しい場合、親もしくは子が一緒に契約することで負担を軽減できます。特に親子リレーローンや親子ペアローンは、それら親と子が一緒に返済するという少し特殊な住宅ローンの制度となります。もし、これから住宅ローンを組むという方は、通常のものとは違う制度がないかどうか調べることで自分たちの条件に合ったものが見つかるかもしれません。ぜひ、それらの制度をうまく活用して、返済計画を立ててみましょう。 家づくりをしたいものの何から始めればよいか分からないなど、住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。
2021.04.28
住宅の建築や購入の際、住宅ローンを組む方がほとんどです。そのため、国では特別な措置として住宅ローン控除というものを用意しています。 この住宅ローン控除は減税に大きな期待ができるため、活用しない手はありません。 しかし、住宅ローン控除を受けるためには確定申告が必要となります。 もしこれから住宅ローンを組むなら、それら確定申告についても知っておくべきです。 今回の記事では、住宅ローン控除についてはもちろん、確定申告についても解説します。 特に、初年度の手続きについて詳しくご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 目次 住宅を購入したら確定申告が必要になる理由 住宅ローンを利用したらなぜ確定申告が必要なの? 住宅ローン控除(減税)とは 住宅ローン控除(減税)のシミュレーション 確定申告(1年目)、年末調整(2年目以降)のスケジュール 確定申告の方法 確定申告の手順 確定申告をする方法とそれぞれのメリット・デメリット 確定申告に必要な書類と入手法 確定申告書の記入法 年末調整の方法 年末調整に必要な書類と入手法 年末調整の記入法 ふるさと納税を利用している場合は要注意 まとめ 住宅を購入したら確定申告が必要になる理由 夢のマイホームを手にしたいと考えたとき、現金一括で購入できる方はなかなかいません。 一から建築していく場合であっても、当然ながら資金が必要となります。 その場合、ほとんどの方は住宅ローンを組むことになります。 それら住宅ローンの支払いは今後の人生においても非常に大きな比重を占めるでしょう。 しかし、確定申告をすることで住宅ローン控除を受けられます。 これらは減税につながるため、必ず行っておきたいところです。 住宅ローンを利用したらなぜ確定申告が必要なの? 本来、確定申告とは個人事業主などが1年で得た所得を確定し、申告することで税金を支払うために行うものです。 しかし、家を買った場合などは住宅ローン控除を受けられるので、その場合も確定申告が必要となります。 また、確定申告は単に申告納税をするのとは別で還付申告をすることも可能です。 この還付申告は支払い過ぎてしまった税金を返還してもらえるため、自ら確定申告を行うことで税金を取り戻せます。 住宅ローンを利用した場合は、住宅ローン控除と還付申告のためにも確定申告を行っておきましょう。 住宅ローン控除(減税)とは 住宅ローン控除とはそもそも何かというと、簡単にいえば減税に関する措置のことです。 これは住宅借入金等特別控除とよばれており、家の建築や購入だけでなくリフォームやリノベーションをした際に税金が戻ってくる制度となります。 住宅ローン控除の手続きをしておくだけで税金の負担が減り、経済的負担を軽減できるのです。 正式な手続きを行っておけば、ローン残高に応じた金額が一定期間所得税から差し引かれます。 それによって還付を受け取れるため、住宅ローンを組む場合は必ず確定申告するべきです。 住宅ローン控除(減税)のシミュレーション 住宅ローンは10年間、ローン残高の1%に該当する税金が還付されます。 たとえば、借入金が3,000万円だった場合、その1%に該当する30万円が控除可能額となります。 これはあくまでも大まかな数字であるものの、住宅ローン控除は10年間還付されるため、最大で300万円ほど還付を受けられます。 ただし、納めている所得税が15万円だった場合、控除額の上限が30万円であっても控除されるのは15万円までとなります。 これらは所得税の状況によっても変化するため、確定申告によって1年間のうちに支払った分を明確にしなくてはなりません。 また、新築なのか中古なのかでも条件は変わりますし、長期優良住宅なのかでも変わります。 それらを考慮した上で減税できるかどうかを考える必要があります。 確定申告(1年目)、年末調整(2年目以降)のスケジュール 住宅ローン控除は1年目の確定申告と2年目以降の年末調整でスケジュールが異なります。 住宅ローン控除は入居した年の翌年1月1日~3月15日までの間に申告可能です。 個人事業主などで毎年確定申告している方は通常通り2月16日~3月15日の間に住宅ローン控除も申請しておくと便利です。 なお、住宅ローン控除の1年目の確定申告では「住宅借入金等特別控除申告書」という用紙が税務署から送付されます。 これは2年目以降の年末調整で必要となるため、保管しておきましょう。 一方、2年目以降は税務署での住宅ローン控除の手続きは必要ありません。 サラリーマンであれば会社の年末調整で申告可能です。 ただ、個人事業主などは毎年申告が必要なので注意しましょう。 確定申告の方法 確定申告は個人事業主の方であれば慣れているものの、普通のサラリーマンなどは慣れていない方も多いでしょう。 住宅ローン控除を受ける1年目には確定申告が必要となるため、その方法についても知っておくと安心です。 ここからは確定申告の手順や方法、メリット・デメリットをそれぞれ解説します。 また、確定申告に必要な書類と入手法、記入法についてもまとめます。 確定申告の手順 確定申告の手順は以下の通りです。 1.必要書類の準備 2.申告書への記入 3.税務署に提出 確定申告と聞くと複雑なように思えますが、実は3つのステップさえ知っておけば難しくはありません。 必要書類を準備して申告書に記入、それを税務署に提出すれば完了となります。 ただし、その方法が複数あるため、自身に合った方法を選びましょう。 確定申告をする方法とそれぞれのメリット・デメリット 確定申告をする方法は主に以下の3つがあります。 ▼郵送で申告 確定申告は必要な書類に正しく記入してさえいれば、郵送で申告可能です。 管轄の税務署宛てに申告書を郵送すれば、それだけで確定申告が完了となります。 郵送による申告の場合、税務署に出向く必要がないのがメリットとなります。 ただし、万が一、不備があった場合は税務署から連絡が来るほか、直接出向かなくてはならないこともあるので、その点はデメリットとなるかもしれません。 ▼e-Taxで電子申告 確定申告は国税庁が提供するe-Taxというシステムで電子申告することも可能です。 e-Taxであれば自宅で申告可能というところが最大のメリットとなります。 ただ、システムを活用するためにはICチップ入りの電子証明書やカードリーダーを用意しなくてはなりません。 近年はスマホで読み込めるアプリが登場しているものの、便利な一方で手間や面倒があるのはデメリットとなります。 ▼税務署で直接申告 確定申告は期間内であれば税務署が解放されています。 住宅ローン控除の場合は毎年1月1日~3月31日まで解放されているため、直接出向いて申告可能です。 直接持っていくだけなので、申告書の郵送代やシステムの導入代がかからないのがメリットとなります。 また、わからないことを直接聞けるのも利点となります。 ただし、申告期間は混雑することも多く、時間帯によっては数時間かかってしまうのがデメリットです。 確定申告に必要な書類と入手法 確定申告に必要な書類と入手法は以下の通りです。 必要な書類 入手法 確定申告書A(第一表・第二表) 税務署で入手・国税庁のサイトから印刷 住宅借入金等特別控除額の計算明細書 同上 住宅ローンの借入金残高証明書 借入先の金融機関から入手 源泉徴収票 勤務先で入手・直接入手 登記簿謄本 法務局で入手・不動産会社で入手 売買契約書または建築請負契約書 ※マイナンバーの発行を行っていない場合 確定申告に必要な書類は多々あるのですが、その多くは用意するだけで良いものばかりです。 ただ、記入が必要なものとして確定申告書Aと住宅借入金等特別控除額の計算明細書があるので、事前にきちんと準備を進めておきましょう。 確定申告書の記入法 確定申告では申告書A第一表と申告書A第二表、そして計算明細書の記入が必要です。 順番としては「計算明細書→申告書A第二表→申告書A第一表」と記入していくのがおすすめです。 計算明細書は居住開始年月日や土地・建物の購入費用、床面積、所有割合、住宅ローンの年末残高などを記入します。 なお、翌年に勤務先へ提出する「住宅借入金等特別控除申告書」は「控除証明書の要否」欄に丸印を付けることで9年分まとめて郵送してもらえます。 これは2年目以降の年末調整で必要となる書類なので、紛失しないよう保管しておくと安心です。 申告書A第二表は源泉徴収票にある情報を基に転記するだけです。 なお、「特例適用条文等」に居住開始年月日を記入する欄があるため、そちらも記入しておきましょう。 申告書A第一表も第二表と同様に源泉徴収票からの転記が基本です。 「還付される税金の受取場所」の欄には、必ず申告者本人の口座を記載してください。 ちなみに、作成した申告書を税務署に送付する場合は「郵便物・信書便物」として送付しなければなりません。 また、郵送などで税務署に送付する場合、通信日付印で表示される日が提出日となります。 それ以外は税務署に到達した日が提出日となるため、注意が必要です。 年末調整の方法 サラリーマンなどであれば2年目以降は確定申告が不要となり、会社や企業の年末調整で対応可能です。 しかし、その際にも必要事項があるため、ここからは年末調整に必要となる書類や入手法、記入法についてご紹介します。 年末調整に必要な書類と入手法 年末調整に必要な書類と入手法は以下の通りです。 必要な書類 入手法 住宅借入金等特別控除申告書兼証明書 税務署からの郵送 借入金の年末残高証明書 金融機関からの郵送 住宅借入金等特別控除申告書兼証明書は、確定申告した年の10月頃に税務署から郵送されてきます。 一方、借入金の年末残高証明書は毎年10月頃に金融機関から郵送されてきます。 年末調整にはこの2つの書類が必要なので、郵送されてきた書類は大切に保管しておきましょう。 年末調整の記入法 住宅借入金等特別控除申告書兼証明書は9年分まとめて送られてくるため、対象年度を確認して記入しましょう。 記入法は証明書兼証明書に記載されている情報を、申告書に転記するとわかりやすいです。 また、住宅ローン控除は年間所得が3,000万円以下の方を対象としているため、年間所得の記入が必要となります。 ただ、これは見積額ということでおおよその金額で構いません。 その一方、「年間所得の見積額」欄は年収ではなく源泉徴収後の金額を記入しなくてはならないため、注意してください。 また、連帯債務による住宅ローンの場合は「連帯債務による住宅借入金等の年末残高」欄に、連帯債務者となる夫婦での記入が必要です。 その場合は夫婦2人分の年末残高証明書の数字を合算して記入してください。 ふるさと納税を利用している場合は要注意 近年話題となっているふるさと納税を始める方も多いです。 このふるさと納税は控除対象となるため、住宅ローン控除と併用できるかどうか気になっている方もいるでしょう。 結論を先に言えば、住宅ローン控除とふるさと納税は併用可能です。 しかし、確定申告を行う際は所得税と住民税の両方から控除が行われるので、状況によっては住宅ローン控除とふるさと納税の併用で控除の限度額に影響が出る可能性があります。 特に核燃の住宅ローン控除が所得税額を上回ったときに影響が出るため、慎重に検討する必要があります。 まとめ 住宅ローン控除は初年度だけ確定申告が必要となります。 なお、サラリーマンの場合は2年目以降、勤務先の年末調整で対応可能です。 しかし、個人事業主の場合は2年目以降も確定申告で対応しなくてはなりません。 特に住宅ローンを組む方は10年間控除が受けられるため、確定申告と年末調整で控除を受けられるよう準備するのが得策です。 万が一、わからないことがある場合は、税理士などに相談することも検討してみましょう。 家づくりをしたいものの何から始めればよいか分からないなど、住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。
2021.03.29
家を建てる際にはまとまったお金がかかるので、その負担を軽減するためのさまざまな制度が用意されています。その中の一つが「すまい給付金」です。 すまい給付金は現金が受け取れる貴重な制度です。対象となる人はしっかりと活用するために、制度の概要や実際の申請方法について知っておきましょう。 目次 すまい給付金とは? すまい給付金の対象となる条件は? すまい給付金の対象者 給付対象住宅の要件 すまい給付金はいくらもらえる? 住宅ローン控除とは違うのか? すまい給付金の申請方法と流れ 手続きの流れ 申請に必要な書類 すまい給付金がもらえるタイミングは? まとめ すまい給付金とは? すまい給付金(http://sumai-kyufu.jp/)は要件に当てはまる住宅を取得した人のうち、一定の条件を満たす人に対して10~50万円の現金を給付する制度です。 消費税の引き上げに伴い、住宅取得時の負担を軽減するために生まれました。2021年12月末までの実施が予定されています。 住宅を購入する場合、土地部分は消費の対象とならない(使っても減らない)ため消費税が課税されません。しかし建物部分は課税対象となります。 たとえば、土地代が1,000万円、建物代が2,000万円の戸建て住宅を購入した場合、消費税率5%時の消費税は100万円でした。 しかし、消費税率が10%に引き上げられて以降は、同じ建物に対して200万円の消費税が課税されます。つまり100万円の負担増です。 ちなみに、中古住宅の売買についても売主が宅地建物取引業者である場合は消費税の課税対象となります。 個人間の売買では消費税が課税されませんが、仲介手数料を負担しなければなりません。 所得の少ない人ほど消費支出の割合が高く、消費増税の影響が大きくなるといわれているため、すまい給付金は低所得者を主な支給対象としています。 所得額が増えるほど支給額が減る仕組みとなっています。 すまい給付金の対象となる条件は? すまい給付金の対象となる条件は、購入する住宅と購入者のそれぞれについて定められています。 すまい給付金の対象者 すまい給付金は低所得者の住宅取得に伴う負担を軽減するための制度なので、次のような要件が定められています。 主な要件 確認方法 住宅の所有者である 不動産登記簿で持分保有者であることを確認 その住宅に住んでいる 住民票にて住所を確認 収入が一定以下である 消費税率10%時には、収入額の目安が775万円以下(家族構成などにより変動)。都道府県民税の課税証明書にて、所得割額を確認 (住宅ローンを利用しない場合のみ)年齢が50歳以上である 運転免許証などの身分証明書にて確認 (住宅ローンを利用しない場合のみ)収入額の目安が650万円以下である 都道府県民税の課税証明書にて、所得割額を確認 すまい給付金の支給要件における住宅ローンとは、次の3つの要件を満たすものを指します。 契約者が自ら居住する住宅の取得のために借り入れた資金である 償還期間(返済期間)が5年以上である 金融機関などからの借り入れである(住宅ローン減税の対象となる金融機関と同様) つまり、知人や親族からの借り入れは住宅ローンの対象となりません。注意しましょう。 給付対象住宅の要件 すまい給付金には「良質な住宅ストックの形成を促す」という目的もあるので、対象となる住宅の品質に対しても一定の要件が定められています。 主な要件は次の3点です。宅地建物取引業者が販売する中古再販住宅は消費税の課税対象となりますが、個人間の取引では仲介事業者が間に入っても消費税が課税されないので、支給対象とはなりません。 引き上げ後の消費税率(8%もしくは10%)が適用される 床面積が50平米以上である 第三者機関の検査を受け、一定の品質が確認できた住宅である すまい給付金はいくらもらえる? すまい給付金の給付額は、次の式によって算出できます。 たとえば、配偶者と50%ずつの持分割合で住宅を取得している場合は、基礎給付額の半額が給付額となるわけです。 持分割合は、不動産の登記事項証明書(権利部)によって確認します。 給付基礎額×持分割合=給付額 基礎給付額は収入額によって決定しますが、その収入は都道府県民税の所得割額で確認されます。 給付申請時には、元の住所の属する市区町村が発行した個人住民税の課税証明書を提出しましょう。 基礎給付額 収入額の目安 (家族構成など条件により変動。実際の給付額は都道府県民税の所得割額で判断) 50万円 450万円以下 40万円 450万円超525万円以下 30万円 525万円超600万円以下 20万円 600万円超675万円以下 10万円 675万円超775万円以下 課税証明書は毎年5~6月ごろに発行が開始されます。 自治体ごとに切り替え時期が異なるため、すまい給付金では一律して7月1日を切り替え時期と設定しました。 1~6月までの引き渡しでは前年度の課税証明書をもとに給付額を算定し、7月以降はその年の課税証明書をもとに算定します。 所得割額は自治体によって多少の違いがあるため、金額と基礎給付額を正確に照らし合わせることができません。 家族構成による控除の違いなども影響してきます。 自分の場合はどの程度もらえるのか知りたいと思ったら、すまい給付金のポータルサイト上にあるシミュレーションを利用してみましょう。 同じページ内で、住宅ローン減税の控除額を知ることができるシミュレーションも可能です。 住宅ローン控除とは違うのか? すまい給付金と同じく住宅取得時の負担を軽減するための制度として、住宅ローン減税(住宅ローン控除)があります。 しかし、この制度は自分が支払った所得税や住民税の一部から、税額控除を受ける仕組みです。 所得の低い人はそもそも税額が低いため、「控除の枠を使いきれないのでは」「所得の高い人ばかりが得をする」という指摘がありました。 そのため、低所得者層の負担に配慮したこの制度が導入されました。住宅ローン減税とすまい給付金は、重複して申請が可能です。 このほかにも住宅取得に関する贈与税の非課税枠(最大1,500万円)や、新築時最大40万円相当のポイントがもらえる「グリーン住宅ポイント」なども併用が可能です。 すまい給付金の申請方法と流れ すまい給付金の申請は、基本的に住宅を取得した本人が行います。 配偶者と持分割合を分けている場合などは、それぞれに申請手続きを行いましょう。 ハウスメーカーなどに「代理受領申請」をしてもらうことも可能です。その場合、すまい給付金代理受領特約(別の名称である可能性もあり)を締結しましょう。 給付金が住宅事業者に支払われることになり、代金の一部に充当してもらえます。 具体的な手続き方法には「窓口申請」「郵送申請」の2種類があります。代理受領の場合は、郵送による申請はできません。 地域ごとの受付窓口は全国に用意されています。オフィシャルサイトで自分が住む地域の窓口を確認してみましょう。 給付要件等について相談したい場合は、サポートセンターを兼ねている窓口に、必要書類を揃えたうえで相談してみましょう。 手続きの流れ すまい給付金の申請手続きは、次の流れで行います。 申請書類の作成および必要書類の準備 窓口または郵送による提出 審査 給付金の振り込み 申請に必要な書類 申請書類はオフィシャルサイトにまとめられているので、自分に当てはまるものを選んでダウンロードし、作成しましょう。 新築住宅の申請時に提出が必要な書類は、次のようなものです。 給付申請書 住民票(原本でマイナンバーが記載されていないもの) 不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本(原本。所有権保存登記されているもの) 個人住民税課税証明書(原本) 工事請負契約書または不動産売買契約書(コピー) 住宅ローンの金銭消費貸借契約書(コピー) 給付金の振込先口座が確認できる書類(通帳等。コピー) 施工中等の検査実施が確認できる書類(住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書のコピー、建設住宅性能評価書のコピー、住宅瑕疵担保責任保険法人検査実施確認書の原本のうちいずれか) 住宅ローンを利用しない場合は、金銭消費貸借契約書が必要ありません。その代わり、フラット35Sの基準に適合していることを証明する書類(次のうちいずれか)を添付してください。 フラット35S(2020年12月現在)適合証明書のコピー 現金取得者向け新築対象住宅証明書の原本 長期優良住宅建築等計画認定通知書のコピー フラット35Sの適合基準を満たす設計住宅性能評価書[建設住宅性能評価書でも可]のコピー 低炭素建築物新築等計画認定通知書のコピー ☆2つ以上のBELS評価書のコピー フラット35Sには、耐震等級や劣化対策等級、維持管理対策等級などさまざまな適合基準が設けられており、いずれかの基準を満たしている必要があります。 住民票は引っ越し先の市区町村の窓口で取得し、登記事項証明書は法務局で取得しましょう。課税証明書は引っ越し前の市区町村で取得します。その他の書類は手元にあるはずです。住宅ローン減税の手続きに必要な書類も多いので、家づくりに関連した書類はまとめて一か所に保管しておくことをお勧めします。 申請は、住宅の引き渡しから1年以内に行いましょう。新型コロナウイルスの影響拡大を受け、当面は引き渡しから1年3ヵ月以内に延長されています。 すまい給付金がもらえるタイミングは? 書類に不備がなければ、申請から1ヵ月半~2ヵ月程度で指定した口座に給付金が支払われるはずです。 ただ、新型コロナウイルスの影響により窓口の運営規模が縮小されているため、審査期間が少し長くなるかもしれません。 余裕をもって早めに申請しておきましょう。 まとめ こちらでは、消費増税による住宅取得時の負担を軽減するための制度「すまい給付金」について詳しくご紹介しました。 最大50万円もの現金が受け取れるので、引っ越し代や家具・家電の購入代など、何かと物入りになる住宅取得時にはありがたい制度です。 すまい給付金は今のところ、2021年12月末までの実施予定となっています。 注文住宅の建築には打ち合わせが何度も必要になるので、ハウスメーカーを決めてから入居までには半年から1年近くかかるのが一般的です。 すまい給付金を受け取りたいなら、余裕をもって申請できるよう早目に動いておきましょう。 家づくりの補助金が気になる、住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。
2021.03.09
住宅ローンを組むにあたって、やはり気になるのは「金利」の問題ですよね。 全期間固定型、変動金利型、固定期間選択型といった金利タイプがあるため、どのように違うのか特徴を解説していきます。 また、借り入れ先や借り入れ方法についてもさまざまな種類がありますから、どれを選ぶべきか悩んだときに参考にしてください。 目次 住宅ローンの金利タイプにはどんなタイプがあるのか? 全期間固定型の特徴やメリット・デメリット 変動金利型の特徴やメリット・デメリット 固定期間選択型の特徴やメリット・デメリット 住宅ローンの借入先の選択肢 民間ローンの特徴やメリット・デメリット フラット35の特徴やメリット・デメリット 財形住宅融資の特徴やメリット・デメリット 住宅ローンの借り入れ方法の種類と注意点 ペアローンの特徴やメリット・デメリット 連帯債務の特徴やメリット・デメリット 連帯保証の特徴やメリット・デメリット まとめ 住宅ローンの金利タイプにはどんなタイプがあるのか? 住宅ローンの金利は、たった0.1%違うだけでも、実際に支払う金額には数十万円を超える差が出てしまうこともあります。 住宅ローンはよく確認しながら、最終的に自分にあった物を選びましょう。 住宅ローンの金利は、具体的には「全期間固定型」、「変動金利型」、「固定期間選択型」といったタイプがあります。 ここではそれぞれの特徴を見ていきましょう。 全期間固定型の特徴やメリット・デメリット 簡単に言えば【全期間の金利を固定できるものの、その分金利が高くなりやすい】のが、全期間固定型です。 特徴はなんと言っても、その名前の通りすべての期間においていつでも金利が固定されるという点にあります。 先が見えない社会において、現在の金利だけを参考にしていると金利が上がったときに支払いが厳しいと感じられるようになるかもしれません。 また、固定給ではなく収入の変動が大きい人の場合には、現在から一年後、二年後、十年後、三十年後の経済状況を予想するのは簡単なことではないでしょう。 そうした不安のある人にとって、常に一定の支払いで問題ない全期間固定金利型は非常に魅力的です。 たとえ収入が減ってしまったとしても、返済額は変わらないため収支計画も立てやすくなります。 デメリットとしては、他の金利タイプに比べて、金利がやや高い傾向にあるということ。 「安心」を買った金額として割り切れるかどうかが肝となるでしょう。 また、将来的に金利が上がれば得ではありますが、上昇しなかったときには返済額が多くなり、損に感じられるかもしれません。 全期間固定型の代表的なものに「フラット35」がありますので、のちほど詳しく解説していきます。 変動金利型の特徴やメリット・デメリット 簡単に言えば【金利を抑えられるけれど、先々のことはわからない】のが、変動金利型です。 変動金利型も基本的には名前の通りで、常に金利が変動する可能性があることが特徴です。 金利の変動は、半年に一回を目安に起こる可能性があります。 そのときに改められた金利をもとにして、実際の返済額が5年ごとに変わっていきます。 メリットとしては、他の金利タイプに比べて金利が安くなりやすいことが挙げられます。 しかし、これから先、金利がどうなっていくかはわかりません。 「とにかく今、金利が安ければいい!」という考えでいると、将来的に金利が上昇したとき支払額が増えてしまうこともあるでしょう。 メリットとデメリットが表裏一体であることが、変動金利型の特徴でもあります。 ただし変動金利には、「125%ルール」と呼ばれるルールがあります。 125%ルールとは「仮に金利が大きく上昇したとしても、新たな返済額はそれまでの125%以上にはならない」というルールです。 つまり、これまでの返済額が月々10万円だったのなら、そのあと金利が上昇したとしても返済額が月々12万5000円以上になることはありません。 収入が不安定というわけではない人や、125%ほどの変動をしていくと仮定して計算してもそこまでの痛手にならないと考えられるのならば、変動金利型を選んでみるのもいいかもしれません。 固定期間選択型の特徴やメリット・デメリット 簡単に言えば【一定期間の金利を固定することができるものの、そのあと高くなる可能性がある】のが、固定期間選択型です。 先ほどご紹介した「変動金利型」と「固定金利型」のどちらの要素も兼ね備えた、いいとこ取りのタイプと言えるでしょう。 固定期間選択型では、まず金利を固定する期間を決定します。 10年や20年など任意の期間においては、固定型と同様に金利が一定になります。 そして固定期間が終わったら、そのあと改めて「固定金利型」と「変動金利型」のどちらを選択するか決定します。 状況に合わせて金利を固定にしながら、必要なプランを見直せる点が大きな魅力と言えるでしょう。 先にご紹介した「固定金利型」と「変動金利型」 の両方のいいとこ取りができる一方、注意しなければならない点もあります。 例えば、変動金利型で適用される125%ルールは、固定期間選択型では適用されません。 急激に金利が上昇したときに天井がなくなってしまう点は、デメリットと言えるでしょう。 また、金利の固定期間はよいのですが、終わってからは金利の優遇幅が小さくなり、返済額が増える可能性もあります。 しかし固定期間が終わってしまうまでに繰り上げ返済ができれば、比較的スムーズに返済できます。 余裕のある返済計画が立てられそうであれば、固定期間選択型を選ぶのもよいでしょう。 住宅ローンの借入先の選択肢 住宅ローンの金利については、借入先を選ぶことも大切です。 民間ローン、フラット35、財形住宅融資といったパターンがありますので、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。 民間ローンの特徴やメリット・デメリット 簡単に言えば【メガバンクや地方銀行をはじめとしたいわゆる民間の金融機関から借りる】のが、民間ローンです。 民間ローンを展開してる金融機関には、メガバンク、ネット銀行、地方銀行、生命保険会社、農協などが挙げられます。 住宅ローンは、それぞれの金融機関によって異なります。 内容についてもそれぞれに異なり、「金利引き下げキャンペーン」といったキャンペーンも独自に展開されています。 金利タイプやサービスについてもそれぞれに違うため、ホームページや窓口で内容をよく確認することがおすすめです。 民間の住宅ローンを借りるのであれば、金融機関や保証会社の審査を受けなければいけません。 審査に通らなければローンを借りることもできませんので、注意しましょう。 フラット35の特徴やメリット・デメリット 簡単に言えば【民間の金融機関とのあいだに住宅金融支援機構が入って組む】のが、フラット35です。 フラット35では、住宅金融支援機構が民間金融機関を通してローンを組みます。 基本的に「全期間固定金利タイプ」の住宅ローンのみを扱っています。 先ほどご紹介した通り、このタイプではすべての期間で金利が変わりませんので、返済計画が立てやすいのが魅力でしょう。 また、保証会社を通さないことから、金融機関で発生する保証料がかからないのも特徴です。 メガバンクや地方銀行などの銀行のほかに、ネット銀行や住宅ローン専門会社の利用もできます。 こちらも民間ローンと同様に、どの金融機関を利用するかによって金利やサービスが異なります。 財形住宅融資の特徴やメリット・デメリット 簡単に言えば【財形貯蓄を行っている会社員や公務員を対象としている】のが、財形住宅融資です。 財形住宅融資は、企業や職場の福利厚生として活用されることの多い融資です。 利用できる人は、「勤務先にて財形貯蓄を1年以上行った人」のように一定の条件を満たした人のみに限られます。 金利については、毎回5年ごとに見直されますが、固定金利にはできないため、その点には注意してください。 メリットとしては、保証料や融資手数料がかからないことが挙げられます。 諸経費を抑え、出費を最小限にしたいときにうれしい特徴があると言えるでしょう。 また、財形融資はあくまで福利厚生の1つであり、勤務先に財形融資の制度がなければ使用できませんので、先に確認しておくとよいでしょう。 住宅ローンの借り入れ方法の種類と注意点 ここからは住宅ローンの借り入れ方法についてご紹介していきます。 ペアローン・連帯債務・連帯保証といった種類がありますので、こちらもそれぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。 ペアローンの特徴やメリット・デメリット 簡単に言えば【夫婦がそれぞれに異なる住宅ローンを一つずつ、世帯で二つ契約する】のが、ペアローンです。 一般的に、住宅ローンを組むときには一世帯で1つのみ契約することになります。 しかしペアローンを利用すれば、夫と妻でひとつずつ、世帯で2つの契約を結べます。 メリットとして、夫婦それぞれに住宅ローン控除を受けられる点が挙げられます。 控除枠を最大限活用できるため、節税に貢献してくれるでしょう。 また、借入額をできるだけ増やしたいときにもおすすめです。 1人で住宅ローンを利用するケースに比べて、トータルの借入額が増え、これまで手が届かなかった住宅を購入するきっかけになるかもしれません。 一方でデメリットとしては、事務手数料をはじめとした諸費用についても単純に2倍になってしまうことが挙げられます。 金銭面だけでなく、契約のわずらわしさについても倍増したように感じられるかもしれません。 また、住宅ローン控除は所得税に対しての控除のため、どちらかが仕事を辞めたときには受けられなくなってしまいます。 連帯債務の特徴やメリット・デメリット 簡単に言えば【契約者が1名であるのに対し、連帯債務者としてもう1名の連名で契約する】のが、連帯債務です。 連帯債務の場合、主の契約者1名、そして連帯債務者1名の連名によって住宅ローンを契約します。 例えば、夫が契約者、妻が連帯債務者というような形になります。 メリットとして、連帯債務者の収入も含めて、借入額を決定でき、ペアローンと同様に借入額を増やせるという点が挙げられます。 さらに、どちらも住宅ローン控除を適用できることが挙げられます。 しかし契約そのものは1つであることから、ペアローンと違って諸費用や契約のわずらわしさは1契約分に抑えることができます。 デメリットとしては、連帯債務を取り扱っている金融機関そのものが限られていることが挙げられます。 選択肢が少ない中で、条件の合う金融機関などを探さなければいけません。 また、主となる契約者は団体信用生命保険に加入できますが、連帯債務者はできない可能性もありますので注意しましょう。 連帯保証の特徴やメリット・デメリット 簡単に言えば【夫婦のどちらかが返済義務のある債務者、もう一人が保証人となる】のが、連帯保証です。 連帯債務との違いとして、夫婦のうち債務者でない方はあくまで連帯保証人という立場になる点が挙げられます。 連帯保証人は、なんらかの理由によって主となる債務者が返済できなくなったとき、はじめて返済義務が発生します。 メリットとして、あくまで契約そのものは1つに絞られることから、諸費用等が増えないことが挙げられます。 それでいて連帯保証人の返済能力によって借入額を増やせる可能性があることも特徴です。 条件を満たせば収入合算もできますが、物件の名義は単独にできるため、どちらかにしておきたい世帯におすすめです。 デメリットとしては、連帯保証人は債務を負っているわけではないことから、住宅ローン減税や団体信用生命保険の恩恵を受けられないことが挙げられます。 まとめ 今回は、住宅ローンの金利タイプ、借り入れ先、借り入れ方法についてまとめてご紹介していきました。 それぞれに特徴が異なり、違った魅力があるからこそ、状況に応じて最適な金利タイプや借り入れ先、借り入れ方法を選びましょう。 たとえ同じ金額を借りたとしても、どんな契約をするかによって支払わなければならない金額が変わってきますので、最後までよく検討してください。 住宅ローンをはじめ、住宅についてお悩みの方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。
2021.03.09
どんな金融機関で住宅ローンを組むか決めるのは重要ですが、同様に返済方法を検討することも非常に重要です。 住宅ローンでは「元利均等返済」と「元金均等返済」という二つの返済方法から最適な方法を選ぶ必要があります。 それぞれどのような特徴があるのか、メリットやデメリット、向き不向きをあわせて解説していきましょう。 目次 元利均等返済とは 元利均等返済のメリット・デメリット 元金均等返済とは 元金均等返済のメリット・デメリット 元利均等返済と元金均等返済どちらがお得? 自分に向いているのは元利均等返済と元金均等返済のどちら? まとめ 元利均等返済とは 元利均等返済とは、住宅ローンの返済方法の中でも一般的な方法として知られている方法です。 具体的には、元金と利息を合わせ、いつでも均等の額を返済していきます。 金利が変わらなければ毎月の返済額は一定となりますが、元金返済額と利息額の内訳は変わっていきます。 返済をはじめてまもなくのあいだはローン残高が多く、その分利息の方が多くの割合を占めていますが、返済期間が長くなるほどに利息額が減っていくことが特徴です。 元利均等返済のメリット・デメリット メリットとしては、毎月の返済額が変わらず安定しているため、月々の返済計画が立てやすいことが挙げられます。 また、比較的毎月の返済額が少なくなりやすいことも魅力です。 元金均等返済を選んだケースと同じ金額を借りて比較する場合、毎月の負担をできるだけ抑えながら毎月明瞭な返済計画を立てられるでしょう。 デメリットは、完済に至るまでの総返済額が多くなってしまうことです。 少しずつ支払う分にはなかなか自覚しにくいものですが、総返済額を改めて計算したとき、元金均等返済に比べて数十万円の差額が出てしまうケースもめずらしくありません。 また、返済をはじめてしばらくのあいだは利息が多く、ローン残高がなかなか減っていきづらい傾向にあります。 元金均等返済とは 元金均等返済は、返済額ではなく元金に着目し、元金が均等になっていくように返済する方法のことです。 毎月、定められた元金の金額に利息を上乗せし、返済していくことになります。 利息分は支払いをはじめて間もない段階が一番大きく、そのあと元金が少なくなっていくに従ってゆるやかに毎月の負担も減っていきます。 そのため元金均等返済の場合は、返済しはじめてすぐの返済額がもっとも大きくなり、そのあと長い期間返済し続ける中で返済額が減っていくのが特徴と言えるでしょう。 元金均等返済のメリット・デメリット メリットとしては、元利均等返済に比べて元金をスムーズに減らしていける点が挙げられます。 はじめのうちは返済額が多い傾向にありますが、しっかり支払っていけば着実に減っていくため、将来的には楽になりやすいのも大きな魅力でしょう。 総返済額も、元利均等返済に比べて少なく抑えやすいので、完済時にトータルの出費を抑えたいときにもおすすめできます。 デメリットは、返済をはじめたばかりの返済額が、元利均等返済に比べ高いという点です。 実際にどのくらいの金額さが生まれるかはのちほど詳しくご紹介しますが、返済をはじめたばかりで生活費のやりくりが難しい期間と、毎月の返済額が高い期間が被ることから、はじめのうちは生活が苦しく感じられるかもしれません。 長く支払っていくうちに返済額は少しずつ減っていきますが、月々に支払う金額が変動する分、返済計画を立てづらいと感じることもあるでしょう。 元利均等返済と元金均等返済どちらがお得? 元利均等返済と元金均等返済のどちらを選ぶかは、メリットとデメリットの両方を確認した上で決定しましょう。 ここからはシミュレーションとして「借入額3,000万円、固定金利1.5%、30年ローン」のケースにおけるそれぞれの返済方法の金額について考えてみましょう。 上記の条件で、それぞれの返済方法を選んだときの違いを一年目に支払う「初回返済額」、住宅ローンの支払いが完了したときの「総返済額」、総支払額のうちの「利息額」としてまとめてみました。 【元利均等返済の場合】 初回返済額……約10万4千円 総返済額……約3,727万円 利息額……727万円 【元金均等返済の場合】 初回返済額……約12万1千円 総返済額……約3,677万円 利息額……677万円 こうして見ると元利均等返済のほうが、初回返済額に比べて1万7000円安くなっていることがわかるのではないでしょうか。 しかし総返済額については、元金均等返済のほうが50万円安く抑えられています。 毎月の1万7000円の負担の差について、大きい金額と感じるか否かは生活環境によっても異なるでしょう。 利息を少なくしたいのか、一度に支払う金額を少なくしたいのかどちらを優先するか考えておきましょう。 続いて「借入額1,000万円、固定金利3%、20年ローン」のケースでも考えてみます。 【元利均等返済の場合】 初回返済額……約5万5千円 総返済額……約1331万円 利息額……331万円 【元金均等返済の場合】 初回返済額……約6万6千円 総返済額……約1301万円 利息額……301万円 こちらも、初回返済額は元利均等返済のほうが1万1000円分安くなっています。 そして総返済額は、元金均等返済のほうが30万円安くなっています。 あわせて、返済期間が長くなっていく中で返済金額がどのように変動していくのかシミュレーション例を見ていきましょう。 以下は、「借入額3,000万円、固定金利2.0%、30年ローン」の例になります。 【元利均等返済の場合】 返済額 元金 利息 借入金残高 返済開始時点 9万9,378円 5万291円 4万9,087円 2,940万1,997円 返済5年目時点 9万9,378円 5万4,476円 4万4,902円 2,688万6,816円 返済10年目 9万9,378円 6万201円 3万9,177円 2,344万6,504円 【元金均等返済の場合】 返済額 元金 利息 借入金残高 返済開始時点 12万118円 7万1,428円 4万8,690円 2,914万2,864円 返済5年目時点 11万4,403円 7万1,428円 4万2,975円 2,571万4,320円 返済10年目 10万7,261円 7万1,428円 3万5,833円 2,142万8,640円 こうして見ると、元利均等返済であれば月々の返済額は変わりませんが、元金部分は元金均等返済に比べ割合が少なく、利息の支払額も大きくなっています。 元金均等返済なら元金は変わりませんが、返済を重ねるごとに毎月の返済額も減り、借入金残高に大きく差が出ることが分かるかと思います。 一方で、1年目の毎月返済額は元利均等返済に比べて2万740円高くなっています。 さらに「ボーナス返済(半年毎増額返済)」という制度もあります。 これは、毎月の返済だけでなく6ヵ月に一度、つまりボーナスのタイミングでさらに大きな額を返済できるサービスです。 ボーナス返済をする月は決められるので、職場のボーナス支給月が6月と12月なら、7月と1月をボーナス返済月にあてるとよいでしょう。 しかし、会社の状況によってボーナスがカットされる可能性もあることを忘れてはいけません。 特に最近では、新型コロナウイルスの影響により業種を問わず厳しい経営状況に陥っている企業が少なくありません。 突然、ボーナスカットや大幅な減額となる可能性も考えられるでしょう。 ボーナスをあてにして支払予定額をむやみに大きくしてしまうと、のちのち大きな負担になりかねないので注意しましょう。 自分に向いているのは元利均等返済と元金均等返済のどちら? ここまで、元利均等返済と元金均等返済の違いについて解説してきました。 どちらにも異なる特徴があるからこそ、自分に向いているのがどちらなのか見極める必要があります。 まず「元利均等返済」が向いているのは、とにかく月々の返済額を抑えたい人です。 特に借入当初は、現在の出費にくわえて新たに住宅ローンの支払いをしなければならず、お財布の状態を把握するのが厳しい状態にある人もいるでしょう。 そうしたタイミングで、上記のシミュレーションで出てきたように毎月1~2万円といった大きな出費が続くとなると、負担が大きく感じられてしまいます。 月々、無理のない範囲で返済していきたい人にとって魅力的な返済方法と言えるでしょう。 また、毎月の返済額が変わらないことから、将来の家計収支を予想しやすくなりますので、はじめにきっちりとした返済計画を立て、先々を見通すことに安心感を覚える人に向いていると言えるでしょう。 続いて元金均等返済が向いているのは、多少返済額が高くなっても、余裕のあるうちに返済しておきたいと考える人です。 余裕のあるうちになるべくスムーズに元金を減らし、のちのち支払っていく額を小さくしていくことにやりがいを感じられる人には、こちらの返済方法が向いていると言えるでしょう。 また、総支払金額をできるだけ抑えたいと考えている人にもおすすめです。 手持ちの資金や貯金にある程度ゆとりがある人で、長い目で見たときに損のない返済計画にしたいのなら、元金均等返済がよいでしょう。 また、例えば現在の仕事を数年後も続けているかわからない人、収入が減ってしまう可能性がある人、出産や子育てによって出費が増える可能性がある人にもおすすめです。 現在は無理なく返済できていたとしても、将来的にも同じ状態を続けていけるとは限りません。 数年後、子どもが高校や大学へ進学することになったとき、進学先によっては思わぬ高額の教育費に驚くことがあるかもしれません。 そうした予期せぬ出費があったとしても、元金均等返済ならはじめのうちに負担を大きくしておくことで、予測しにくい将来にはある程度負担を減らしリスクを抑えることができます。 まとめ 住宅ローンを決めるにあたって、金利タイプや利用する金融機関を気にする人は多いと思いますが、元利均等返済と元金均等返済のどちらを選ぶか検討することについては忘れがちではないでしょうか。 返済方法が異なることで、月々の負担や総支払額が変わっていきますので、状況にあわせてどちらの返済方法のほうがいいのか、しっかり検討すべきでしょう。 必要に応じてシミュレーションも行いながら、自分にはどちらが向いているのか考えてみてください。 ] 住宅ローンをはじめ、住宅についてお悩みの方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。
2021.02.28
住宅ローンは誰でも組めるものではなく、審査があることは多くの方が知っています。 なかでも、特に注意しなくてはならないのが病気や持病です。 住宅ローンの審査には本人の健康状態なども加味されることが多く、病気や持病を持っていると審査に落ちる可能性もあります。 今回は、病気で住宅ローンが組めないことや、併せて、持病があっても住宅ローンを利用する方法についても解説します。 住宅ローンを検討していて、現在進行形で病気や持病を持つ方は、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。 この記事を読めば病気や持病のある方でも住宅ローンを組める可能性が出てくるでしょう。 目次 病気で住宅ローンが組めないケースとは 団信の告知事項 団信に加入できなかったときの対処法 ワイド団信を利用する 配偶者に団信をつける 団信への加入が任意のローンを利用する 保険会社を変更する 団信の告知義務に関するよくある疑問 団信は持病があると加入できない? 健康診断書は提出しないといけない? 処方されている薬は提示すべき? 病気や持病の期間はどう数える? 住宅ローンが病気で組めない場合の対処法 まとめ 病気で住宅ローンが組めないケースとは 住宅ローンには審査があり、契約者の健康状態によっては審査に落ちる場合があります。 そのため、病気や持病の状態によっては住宅ローンそのものが組めないケースもあるわけです。 特に、住宅ローンを組む際は団体信用生命保険(団信)への加入が必須とされる場合があり、加入する保険ごとに告知事項というものがあります。 この告知事項を無視することはできず、万が一、故意に黙っていたり隠していたりした場合は告知違反となる可能性があります。 住宅ローンと団信は切っても切れない関係にあるため、もし病気や持病があるのなら住宅ローンだけではなく団信の告知事項にも目を通しておきましょう。 詳しくは以下の項目で団信の告知事項について説明します。 団信の告知事項 ここからは具体的な団信の告知事項について見ていきましょう。 ▼1.告知日より過去3ヵ月以内に医師の診察・検査・治療・投薬を受けたかどうか 団信に加入する際、告知日より過去3ヵ月以内に医師の診察や検査、治療や投薬を受けたかどうか告知しなくてはなりません。 過去3ヵ月以上経過しているものに関しては、告知しなくても問題はありません。 しかし、継続して治療している病気や持病がある場合は告知が必要です。 ▼2.告知日より過去3年以内に対象の疾患で手術を受けたかどうか(または2週間以上にわたって医師の診察・検査・治療・投薬を受けたかどうか) 団信に加入する際、告知日より過去3年以内に対象の疾患で手術を受けたかどうかも告知しなくてはなりません。 また、2週間以上にわたって医師の診察や検査、治療や投薬を受けたかどうかも告知義務が発生します。 詳しい疾患については、以下の表を参考にしてみてください。 脳疾患 脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)、脳動脈硬化症、その他脳の病気 眼疾患 緑内障、網膜の病気、角膜の病気 呼吸器疾患 喘息、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症 心臓疾患 狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、その他心臓病 肝臓疾患 肝炎、肝硬変、肝機能障害 腎臓疾患 腎炎、ネフローゼ、腎不全 胃腸疾患 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、すい臓炎、クローン病 免疫疾患 高血圧症、糖尿病、貧血症、紫斑病 がん疾患 がん、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ 精神疾患 精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症 婦人科疾患 子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣嚢腫 これらの疾患を患った方は必ず告知しましょう。表にない病気や持病を持っている方で告知義務があるかどうか判断が難しい場合は、団信に詳しい専門家に相談してみることをおすすめします。 ▼3.手足の欠損または機能に障害があるかどうか(背骨・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害があるかどうか) 団信に加入する際、手足の欠損または機能に障害があるかどうかも告知が必要となります。 また、背骨や視力、聴力、言語、咀嚼機能などに障害があるかどうかも告知義務が発生します。 なかでも生活に支障のある高度障害を持つ方は、事前に告知しなくてはなりません。 告知の際には病気だけではなく、障害などの診断名も伝えましょう。 また、障害の原因や時期、治療や投薬を受けた時期、服用している薬の種類、入院の有無や期間、手術の有無や術名、手術の部位なども伝える必要があります。 その後、症状の経過や現在の状態についても明確に伝えなくてはなりません。 より詳しい数値として、検査数値(血糖値、血圧値、肝機能値など、症状に関係するもの)を告知することも重要です。 団信に加入できなかったときの対処法 自身の病気や持病によって団信に加入できなかった場合、団信への加入を必須としている住宅ローンは契約できなくなります。 しかし、その時点で諦めるのは早く、別の方法で団信を活用する方法もあります。 また、そもそも団信が任意の住宅ローンで契約したり、保険会社を変更したりと方法は無数にあるので、ぜひ諦めずにほかの方法を模索しましょう。 ワイド団信を利用する 団信は一種類ではなく、提供する保険会社によって条件が異なります。 特に、病気や持病で団信に加入できなかった場合は、ワイド団信を利用するのがおすすめです。 ワイド団信とは、簡単にいえば通常の団信よりも条件が緩い団信を指します。 そのため、病気や持病があっても加入できる可能性があります。 配偶者に団信をつける もし契約者本人が団信に加入できそうにない場合は、配偶者に団信をつけるという方法もおすすめです。 配偶者が団信に加入する場合、配偶者が審査の対象となります。 つまり、本来契約しようと思っていた方ではなく配偶者が審査対象となるため、配偶者の健康状態が良ければ問題なく団信に加入できます。 そのため、もし団信に加入できなかった場合は、配偶者で再チャレンジしてみましょう。 団信への加入が任意のローンを利用する 住宅ローンの中には団信への加入が任意のものもあります。 たとえば、代表的なものだとフラット35は団信への加入が任意の住宅ローンとなります。 フラット35の団信は「機構団信」とよばれ、強制的に加入させられることもありません。 つまりは団信に加入できなかった方であっても住宅ローンが問題なく組めるわけです。 ただし、通常は金融機関が負担する団信の掛金を契約者自身が負担しなくてはならないので、その点は注意しましょう。 保険会社を変更する 団信に加入できない場合、該当の団信を諦めてほかの保険でカバーするという方法も便利です。 たとえば、生命保険に加入すれば契約者が死亡した場合に保険金が出ます。 また、就労不能保険に加入すれば障害などで働けなくなった際に毎月継続して保険金を受け取れます。 必ずしも団信がすべてではないため、ほかの保険でカバーするという発想も持っておくとある程度の範囲まではカバーできるはずです。 団信の告知義務に関するよくある疑問 団信に加入する際、告知義務が発生することはすでに説明しましたが、これら団信に関しては疑問もいくつか生まれているのではないでしょうか。 ここからは団信に対するよくある質問などを簡単にまとめます。 なお、より詳しく聞きたい場合は専門家への相談をおすすめします。 団信は持病があると加入できない? 団信は病気や持病があると加入できないと思っている方も多いです。 しかし、実は病気や持病があっても加入できる団信は存在しますし、健康状態によっては加入できる場合もあります。 ただし、団信ごとに基準が異なるため、事前に情報収集が必要です。 もし加入できそうにない場合は、条件が緩和されているワイド団信がおすすめです。 ワイド団信であれば加入できる可能性も一段と高くなります。 健康診断書は提出しないといけない? 団信への加入の際、健康診断書の提出が必要かどうか気になる方も多いかもしれません。 結論からいうと、住宅ローンの借り入れだけなら健康診断書の提出は不要です。 ほとんどは告知内容だけで判断されるので、健康診断書まで求められることはありません。 しかし、一定の条件に当てはまる人は健康診断書の提出が求められることもあり、住宅ローンそのものの金額が大きい場合や特約を付与する場合は健康診断書の提出が必要です。 処方されている薬は提示すべき? 医師から薬を処方されている場合は服用指示に該当するため、告知義務が発生します。 そのため、処方されている薬がある場合は事前に告知しましょう。 どのように告知すべきかわからない場合は、医師に薬についての具体的な情報も聞いておくと安心です。 病気や持病の期間はどう数える? 病気や持病がある場合は初診日もしくは再診日からカウントします。 薬が処方されている場合は服用期間についてもカウントしなくてはなりません。 これらの期間を偽ると、団信の審査で落とされる可能性もあるので注意してください。 住宅ローンが病気で組めない場合の対処法 病気や持病があることで住宅ローンを組めない場合、どうすれば良いのでしょうか。 これに関しては完治が見込めるものであれば、完治してから住宅ローンを借り入れるのがおすすめです。 完治した状態なら団信にも問題なく加入できるため、住宅ローンも問題なく組めます。 もちろん、住宅ローンの審査は契約者本人の健康状態だけが審査されるものではないため、他の審査項目も加味して判断しましょう。 ただし、住宅ローンは完済までの年齢なども加味されるため、頭金を貯めるなどの事情がない限りは早めに組んでしまった方が後々、楽です。 病気や持病が完治するまで待っているとどうしても借入時の年齢が上がってしまい、完済時の年齢も上がってしまいます。 その結果、住宅ローンの審査に落ちてしまうこともあるでしょう。そうなれば本末転倒です。 そのため、住宅ローンが病気や持病で組めない場合はすぐにでも組める金融機関を探すか、保険会社を変えることも検討してみてください。 金融機関によっては病気や持病があっても審査に通る場合があります。 どうしても住宅ローンが必要な場合は、諦めずに専門家などの力を借りるのもおすすめです。 まとめ 住宅ローンは病気や持病があると審査に落ちてしまう可能性があります。 特に、団信に加入できない場合は連動して住宅ローンも契約できなくなる場合があるので、告知義務なども含めて条件をクリアすることが重要です。 その一方、病気や持病があっても契約できる住宅ローンや団信がありますし、加入が任意のフラット35などもあります。 そこは自身の健康状態に合わせて選んでいくことが大切です。 住宅資金に不安がある、家づくりをしたいが何から始めれば良いか分からないなど住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。
2021.02.28
家を購入した際は住宅ローン減税を受ける方も多いです。 「住宅ローン控除」ともよばれるもので、正式名称は「住宅借入金等特別控除」とよばれます。 住宅ローン減税は、家を新築した際や増改築した際に利用できる制度となっています。 しかし、実はほかにふるさと納税なども併用できる場合があるのです。 今回は、住宅ローン減税とふるさと納税の併用について紹介します。 両者の特徴を解説するのはもちろん、手続き方法や計算方法についてもまとめます。 さらにはポイントや注意点も説明するので、住宅ローン減税とふるさと納税を併用したい方は、ぜひ参考にしてみてください。 記事の最後には、年収別のモデルケースなども記載しています。 目次 住宅ローン控除とは?ふるさと納税とは? 住宅ローン控除とは? ふるさと納税とは? ふるさと納税の控除手続き方法 確定申告による方法 ワンストップ特例制度による方法 ふるさと納税と住宅ローン控除併用時の計算方法 住宅ローン控除とふるさと納税の併用のポイント・注意点 併用しても控除はそれぞれ適用 特例を利用の検討 併用している方の年収別モデルケース 年収400万円(住宅ローン控除20万円)で1年目の場合 年収600万円(住宅ローン控除30万円)で2年目以降の場合 まとめ 住宅ローン控除とは?ふるさと納税とは? まずは住宅ローン控除とふるさと納税について知ることが重要です。 ここでは住宅ローン控除とふるさと納税がどのようなものか簡単に説明するので、最初に目を通しておくと、その後の説明も理解しやすくなるはずです。 住宅ローン控除とは? 住宅ローン控除とは所得の合計3,000万円以下の方が一定の住宅ローンを利用して新築・増改築する場合に利用できる制度です。 これらは、その年に納税した所得税から控除されるもので、住宅ローンの年末残高の1%、最大40万円までが控除されます。 また、長期優良住宅であれば最大50万円まで、個人間売買の中古物件であれば20万円まで控除される制度です。 住宅ローン控除の期間は10年間と定められており、11年目からは通常の所得税を支払うのが特徴です。 ただし、最大限まで活用すれば1年で最大40万円の控除を10年間受けられるため、10年で最大400万円まで控除を受けられることになります。 住宅ローン控除を受けない手はありません。 ふるさと納税とは? ふるさと納税とは、納税者が自ら選んだ応援したい任意の自治体に寄付することをいいます。 国民の税金に対する意識向上や地域社会の活性化を目的としたものです。 ほとんどの場合は返礼品などが用意されており、単なる寄付というよりも希望の返礼品が目当てで寄付する人が多いです。 これら寄付をすることで、最低自己負担金2,000円を除き、寄付の金額がそのまま所得税などから控除されます。 また、住民税などからも控除できるのが特徴です。 ふるさと納税は、寄付した方の年収などによって上限が設けられているのですが、返礼品によっては最大3割相当の返礼品を受け取れます。 かつては上限が定められていなかったのですが、近年はふるさと納税の返礼品の競争が激化したことで、上限が定められるようになりました。 ただ、納税すれば税金の控除を受けられるため、返礼品のみが恩恵ともいえません。 節税という観点でいうとメリットが大きいものです。 ふるさと納税の控除手続き方法 ここからはふるさと納税の控除手続き方法について説明します。 住宅ローン控除手続きに関してはわかりやすいですが、ふるさと納税の控除手続きは少し煩雑なので注意しましょう。 確定申告による方法 ふるさと納税は確定申告による方法で手続き可能です。 まずは寄付する自治体を選びましょう。 その後、寄付の申請をして所定の方法で入金するかたちとなります。 寄付が完了すれば、自治体から返礼品と併せて確定申告に必要な寄付金受領証明書が届きます。 これを使って翌年の2月16日~3月15日までに確定申告するだけです。 一見するとややこしいように思えるかもしれませんが、実際にやることはとても簡単です。 ワンストップ特例制度による方法 ふるさと納税はワンストップ特例制度による方法でも手続き可能です。 まずは確定申告による方法と同じように、寄付する自治体を選びます。 その後、寄付の申請をして所定の方法で入金します。 ここまでは確定申告による方法と同じです。 ただ、そこからワンストップ特例制度に必要な「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を入手しなくてはなりません。 これらは総務省や自治体のホームページやサイトから入手し、翌年の1月10日までに届くよう必要事項を記入して寄付した自治体に送付します。 ふるさと納税と住宅ローン控除併用時の計算方法 ここからはふるさと納税と住宅ローン控除併用時の計算方法を見ていきましょう。 なお、ここではわかりやすくするために、所得税10万円、住民税15万円(所得割14万円)、所得税率10%、住宅ローン控除額20万円を例に計算します。 まずは所得税から住宅ローン控除額を控除します。 今回の場合は所得税が10万円で住宅ローン控除が20万円なので、10万円ほど余る計算です。 その余った10万円分を住民税から差し引きます。 今回の場合は住民税が15万円なので、10万円で住宅ローン控除を使いきれる計算となります。 以上の計算から、残り5万円までふるさと納税の控除を受けられる計算となります。 ただし、今回は住民税の所得割が14万円と仮定しているため、その場合のふるさと納税の控除上限は2万8,000円となります。 そこからふるさと納税できる金額を計算すると、3万7,000円になります。 なお、ワンストップ特例制度を受ける場合は、所得税から住宅ローンの控除額を控除しなくてはなりません。 その際、控除しきれなかった分は、控除残額につき住民税から控除限度額まで控除できます。 これらは所得税の課税所得金額7%(最大13万6,500円)までとされています。 最後に、残った住民税からふるさと納税の寄付金額を控除するかたちです。 住宅ローン控除とふるさと納税の併用のポイント・注意点 住宅ローン控除とふるさと納税の併用に関しては、いくつかのポイントと注意点を把握しておきましょう。 ここからはそれらのポイントと注意点を簡単にまとめるので、ぜひこちらも目を通しておいてください。 併用しても控除はそれぞれ適用 住宅ローン控除とふるさと納税はそれぞれ条件に応じて所得税や住民税から控除が受けられます。 これらは納めた税金以上の金額は控除されないため、住宅ローン控除を利用しても控除しきれない場合に、ふるさと納税による控除が真価を発揮します。 実際に住宅ローン控除では所得税や住民税から控除しきれない分が発生することも多いです。 その際、ふるさと納税を行っておけば、その分の控除が受けられます。 ただし、確定申告の際、ふるさと納税の寄附金額は本人の所得税から控除される仕組みとなっています。 そのため、所得税が減ることで、同じく所得税から控除する住宅ローン控除の金額が減ってしまう可能性もあります。 また、住宅ローン控除では所得税から控除しきれなかった額がある場合には住民税からも控除できますが、その上限は課税される所得金額の7%(最大13万6,500円)までとなっています。 必ずしも併用によって恩恵を最大限に活用できるわけではないことを念頭に、計算してみる必要があります。 特例を利用の検討 住宅ローンとふるさと納税を併用するのなら、ワンストップ特例制度を活用するのも良いでしょう。 ワンストップ特例制度は、条件次第で確定申告を介さずに控除を受けられる制度です。 この特例を利用すれば住民税の控除というかたちで控除されます。 この特例の場合は所得税から控除されないため、住宅ローン控除に与える影響も小さくなるわけです。 この方法を活用すれば上手に住宅ローンとふるさと納税を併用できるでしょう。 しかし、住宅ローン控除の1年目に限り、ワンストップ特例制度は利用できません。 また、そのほかの確定申告が必要となる場合もワンストップ特例制度が利用できません。 そのため、あくまでも条件次第となることを覚えておきましょう。 確定申告は事業所得がある方や不動産所得がある方のほか、給与収入が2,000万円を超える会社員や副業収入が20万円を超える会社員なども必要です。 さらに医療費控除の手続きや投資をしている方なども必要となってきます。 これらの点には注意が必要です。 併用している方の年収別モデルケース 最後に住宅ローン控除とふるさと納税を併用している方のモデルケースをまとめます。 ここでは日本のおおよその平均年収とされる400~600万円の場合をモデルケースとしてまとめます。 年収400万円(住宅ローン控除20万円)で1年目の場合 年収400万円の場合、ふるさと納税の上限は約4万2,100円となります。ここではより計算をわかりやすくするため、所得税を9万円と想定します。 この場合、住宅ローン控除20万円を所得税9万円から差し引くわけですが、-11万円の余りが生じる計算となります。 この-11万円を住民税から差し引く計算です。 そうして割り出されるのが4万2,000円となります。 ただし、住民税からの控除は上限があるので、すべて控除できるかどうかは微妙なラインです。 ぜひ一度、自分の条件に当てはめてシミュレーションしてみましょう。 年収600万円(住宅ローン控除30万円)で2年目以降の場合 年収600万円の場合、ふるさと納税の上限は約6万9,000円となります。 ここではわかりやすくするために、所得税を18万円と想定します。 この場合、住宅ローン控除30万円を所得税18万円から差し引くわけですが、-12万円の余りが生じる計算となります。 これら-12万円を住民税から差し引く計算となります。それによって割り出されるのが6万9,000円となります。 これらも住民税からの控除に上限があるため、すべて控除できるかどうかは条件によって変わる可能性があります。 まとめ 住宅ローン減税とふるさと納税は併用できます。 所得税から差し引くのはもちろん、住民税からも差し引けます。しかし、併用によってはどちらかの控除に条件が発生することもあり、両者の恩恵を最大限に活かせない場合もあります。 住宅ローン控除やふるさと納税に強い専門家に相談するなど、控除を最大限に活用できる方法を模索しましょう。 住宅資金に不安がある、家づくりをしたいが何から始めれば良いか分からないなど住宅についてのお悩みがある方は、以下より来場にてお気軽にご相談ください。