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2023.02.28
注文住宅を検討する際には、敷地面積や建物面積、延床面積といった言葉をよく目にすることがあります。それぞれ建築する上で重要なポイントになるものの、建築会社から説明を受けても内容が難しく理解できていない人も少なくありません。 この記事を参考にしながら、それぞれの特徴を理解しましょう。 【この記事でわかること】 ● 敷地面積と建築面積・延床面積の違い ● 建築面積に含まれない間取りの特徴 ● 延床面積に含まれない間取りの特徴 敷地面積とは 敷地面積とは、土地全体の面積のことです。 土地の物件資料に記載されている土地面積は敷地面積となっていますが、敷地面積には「公簿面積」と「仮測量面積」、「確定測量面積」があります。 そのため、次に挙げる特徴を把握した上で物件資料に記載されている面積がどれにあたるのかを確認することが重要です。 種類 特徴 公簿面積 法務局に備え付けられている、全部事項証明書に記載されている面積 仮測量面積 土地家屋調査士が土地を測量し、所有者の承諾を得る前の面積 確定測量面積 仮測量の結果に基づいて土地所有者と周辺所有者の押印を得た状態の面積 仮測量面積は所有者の承諾を得る前の面積となり、公簿面積よりは正確な面積です。確定測量面積は、登記することで新たに公募面積となるため、最も正確な面積といえます。 敷地面積と建築面積・延床面積の違い この章では、建築面積、延床面積を解説しながら、敷地面積との違いを明確にしていきます。 それぞれ建築する上で重要な指標となるため、家づくりを始めるタイミングまでにしっかり理解しておきましょう。 建築面積とは 延床面積(建物面積)とは 順番に解説していきます。 建築面積とは 建築面積は「水平投影面積」とも呼ばれ、建物を上空から見た際の面積のことです。最も投影面積が広い階層の面積が適用されることになり、建物の面積を表すわけではありません。 建築面積は、土地に対する建築面積を制限する「建ぺい率」の計算に使用され、建ぺい率60%の地域であれば、50坪の土地に建築面積が30坪以下の家を建築できることになります。 このように、建築面積は建築する建物の面積に大きな影響を与える面積だといえるでしょう。 延床面積(建物面積)とは 延床面積は建物全体の総床面積となり、柱や壁の中心から内側にある全ての床面積を合計した面積となります。 建築面積が建ぺい率の計算に使用される一方で、延床面積は容積率の計算に使われます。 容積率は、土地面積に対しての延床面積倍率を制限した割合です。たとえば、容積率200%の地域で50坪の土地に建築する場合は、延床面積を100坪以内に設計する必要があります。 このように、前述した建築面積と合わせて建築を制限するために使用されるのが、延床面積となります。 住宅の面積に関するさまざまな制限 住宅は、建ぺい率と容積率による制限を受けることを解説しましたが、それ以外にも「高さ」に関する制限を受けることになります。 日影規制 斜線規制 接道義務 この章では、建築基準法で定められる上記3点の高さ制限について、霧島市役所が公開している『霧島市用途地域別制限一覧』のデータを参考に解説します。 日影規制 日影規制は、家が作る影に制限を設けた規制です。1年で最も日が長くなる冬至の8時〜16時(北海道の場合は8時〜15時)に生じる影が測量対象となります。 日影規制は用途地域によって規制内容が変わり、たとえば霧島市の第1種低層住居専用地域だと10m以内は4時間、10mを超える部分は2.5時間となります。 このように、家を建てることで隣地の日照に大きな影響を受けないように制限することが、日影規制の目的です。 斜線規制 斜線規制とは、道路もしくは隣地の境界に対し、ある一定の角度に建物が斜線しないよう制限した規制です。 この規制は、日光や風通りが確保できる街を維持することが目的で設けられています。 たとえば、霧島市の第1種低層住居専用地域では、道路の端面から1.25の勾配ラインを20m引き、その間に建物が来ないよう制限されることになります。 斜線規制には道路斜線や隣地斜線、北側斜線の3種類があり、どれも非常に複雑な勾配計算が必要です。したがって、無理に自分で計算せず建築会社に現地を確認してもらい、制限をクリアした建築が可能かどうかを見極めてもらいましょう。 接道義務 接道義務とは、敷地に建物を建てる場合に、建築基準法に定められた道路に2m以上接していなければならない決まりです。 鹿児島県には道路の接道に関して許可基準が設けられており、建築するためには4m以上の道路に2m以上設置しなければなりません。ただし、4m未満であっても規定の面積をセットバックすることで建築許可がおりるなど細かなルールがあります。 このように、道路が4m未満の土地を検討する場合は、必ず不動産会社か建築会社に現地確認してもらいましょう。 ※参考:敷地等と道路との関係規定に係る許可基準 建築面積は建ぺい率によって制限される 前述したとおり、建築面積は建ぺい率によって大きく制限されます。 建ぺい率の制限は、圧迫感のある街並みとならないための措置や、延焼のリスクを下げる効果があるため、鹿児島県以外の都道府県でも設定されています。 そのため、家づくりを検討する場合には土地や建物だけでなく、規制されている法令についても調べることが重要です。 建築面積はバルコニーやひさしは含まれるのか 結論からいうと、バルコニーやひさしは建築面積に含まれません。 建築面積は上空から測定した面積となるものの、バルコニーやひさしは建築部位として算出しないのが原則です。 ただし、2mを超えるバルコニーや屋根があり部屋の内部に設置するインナーバルコニーなどは、建築面積に含まれる部分があるため注意が必要です。 延床面積に含まれない箇所 この章では、延床面積に含まれない箇所を解説します。 出窓 ベランダ・バルコニー 吹き抜け ロフト 外部階段 延床面積が小さくなると容積率の条件をクリアしやすくなり、建物の固定税も低くできます。 この章で解説する各箇所のポイントを押さえ、最適な延床面積を目指しましょう。 出窓 出窓は、家の外に向かって出っ張ったような設計の窓を指し、窓の下部にスペースがあり小物などを飾れます。 出窓は、延床面積を減らしつつ家屋内のスペースを増やすためによく使われる間取りです。 奥行きが50cm未満、床からの高さが30cm以上、床から1.35mの高さに半分以上の窓があるなど、細かい規定があることを押さえておきましょう。 ベランダ・バルコニー ベランダやバルコニーは、2m以内まで延床面積から除外できます。 ただし、2mを超えたベランダやバルコニーは全て延床面積となるわけではなく、超えた部分のみ除外となることを把握しましょう。 それ以外にも、格子を取り付けると延床面積に含まれるなど、市区町村が独自に設定しているルールもあるため、間取り採用時には注意が必要です。 吹き抜け 吹き抜けは床自体がないため、延床面積には含まれません。 開放的な空間の演出と採光を多く取り入れられるため、玄関などに導入するケースが多くあります。ただし、吹き抜けの2階は床がなく部屋として利用できないため、部屋の広さを十分に確保できる間取りを意識しましょう。 ロフト ロフトは、デッドスペースを有効活用するために導入される間取りで、部屋を効率良く使用したい人に人気です。 ロフトはあくまでも「部屋」ではないため、延床面積に含めず設計できる一方で、さまざまな制限があります。 制限内容は市区町村によって異なる部分が多いため、必ず建築会社に問い合わせて、制限内容を確実に確認した上で検討しましょう。 外部階段 二世帯住宅などで設置される外部階段は、いかなる形状、角度であっても延床面積に含まれません。したがって、延べ床面積を計算する際には、まず外部階段を除外し計算しましょう。 敷地面積・建築面積・延床面積に関するよくある質問 最後に、敷地面積・建築面積・延床面積に関するよくある質問を紹介します。 マイホームの一般的な広さはどのくらい? 駐車場を設ける場合に敷地面積はどれくらい必要? 敷地面積・建物面積・延床面積の平均はどれくらい? マイホームの一般的な広さはどのくらい? 『住宅金融支援機構』のデータによると、全国と首都圏では123.8㎡、近畿圏は127.1㎡、東海圏は123.5㎡、そのほかの地域では123.1㎡が平均的な広さです。 なお、鹿児島県の平均は107.6㎡となっています。 ※参考:2021年度集計表|住宅金融支援機構 駐車場を設ける場合に敷地面積はどれくらい必要? 『一般財団法人自動車検査登録情報協会』で定められる車両サイズにもとづき、スーパーマーケットや、ショッピングモールに設置されている駐車場は、2.5×5mのサイズであることがほとんどです。 ただし、並列に並べた場合は少々圧迫感があるため、「3m×6m=18㎡」を駐車場用地として検討することをおすすめします。 ※参考:自動車の種類|一般財団法人 自動車検査登録情報協会 敷地面積・建物面積・延床面積の平均はどれくらい? 建物面積と延床面積は前述した通りとなり、敷地面積は中央値を平均とした場合に全国および首都圏、近畿圏で100㎡〜110㎡が平均となりました。 また、それ以外のエリアとして東海圏では160〜170㎡、そのほかの地域では230〜240㎡が平均値となっており、鹿児島県の平均においても同様の230〜240㎡となります。 敷地面積・建物面積・延床面積の特徴や違いを理解しよう 敷地面積と建物面積、延床面積は家づくりにおいてそれぞれが重要なポイントとなっており、理解したほうがよい面積といえるでしょう。 そのため、それぞれの面積は家づくりをスタートする前に、しっかりと押さえておくことをおすすめします。 国分ハウジングでは、鹿児島県に特化した建築プランを提案しております。土地を最大限に有効活用した家を建てたい人は、ぜひ国分ハウジングまでお問い合わせください。 来場予約|国分ハウジング
2023.02.28
この記事では、鹿児島市の土地相場の推移や取引のランキングなどを解説していきます。 鹿児島市は鹿児島県の県庁所在地で、錦江湾に浮かぶ観光スポットである桜島を有する県内最大の中核都市です。 この記事では、鹿児島市における現在の土地相場や価格の推移、動向などを解説していくので、鹿児島市にマイホームを建てたい人はぜひ最後までお読みください。 【この記事でわかること】 ● 鹿児島市の土地価格相場・推移・動向 ● 鹿児島市の地価ランキング ● 鹿児島市における直近の土地取引データ ● 鹿児島市と価格が近い他のエリアと周辺環境 ● 鹿児島市で土地を探すコツ 鹿児島市の土地価格相場 まずは、鹿児島市の令和4年の基準地価を見ていきましょう。 ※引用:鹿児島県HP令和4年地価調査結果の概要|鹿児島県総合政策部 鹿児島県が公開しているデータによると、鹿児島市全体の令和4年の平均基準地価は13万3,900円/㎡(=44万2,600円/坪)です。また、住宅地においては、9万1,300円/㎡(=30万1,800円/坪)です。 住宅地の価格変動率は、県全体で見ると-1.3%と下落しています。一方で、鹿児島市では0.0%と横ばいで推移しており、鹿児島市の土地価格には安定感が見られます。 次に、鹿児島市の住宅地の土地取引価格を見ていきましょう。 ※出典:土地総合情報システム|国土交通省 国土交通省の調査によると、鹿児島市全体の令和4年(第3四半期)平均取引価格は、住宅地において9万400円/㎡(=29万8,800円)です。 実勢の取引価格が基準地価と近似していることも、鹿児島市の不動産土地価格が安定していることの裏付けといえます。 基準地価と実勢取引価格から見た鹿児島市内住宅地の平均価格相場は、1坪あたり30万円程度といえるでしょう。 鹿児島市の土地価格相場の推移・動向 ここでは、鹿児島市の土地取引価格相場の推移と動向を解説します。 国土交通省が公開している鹿児島市の調査結果に基づいて、2017〜2022年の5年間における価格相場の推移を見ていきましょう。 ※出典:国土交通省不動産取引価格情報(鹿児島県鹿児島市) 過去5年間の取引価格は、概ね7〜9万円/㎡の間を推移しています。坪単価にすると、23〜30万円/坪の間を推移しているといえます。 今後数年間も大きな自然災害などがない限り、23〜30万円/坪の間で土地取引は推移するでしょう。 鹿児島市内の住宅地を購入する場合は、1坪あたり30万円程度を目安にする必要があるといえます。 鹿児島市の地価ランキング 鹿児島市内の住宅地の基準地価について地域別ランキングを見ていきます。 ランキングはあくまで参考程度に留めておくことが望ましいものの、土地探しをする際に1つのベンチマークになるので、チェックしておいてください。 <住宅地> 順位 所在(調査基準地) 価格(円/㎡) 価格(円/坪) 1 上荒田町17番5 23万9,000円 79万円 2 上之園町33番9 23万6,000円 78万100円 3 荒田1丁目32番4 23万1,000円 76万3,600円 3 荒田2丁目17番4 23万1,000円 76万3,600円 5 武1丁目22番5 22万2,000円 73万3,800円 6 薬師1丁目4番7 21万6,000円 71万4,000円 6 西田3丁目21番17 21万6,000円 71万4,000円 8 薬師2丁目8番14 20万4,000円 67万4,300円 9 鴨池2丁目18番3 19万6,000円 64万7,900円 10 下荒田1丁目13番9 19万円 62万8,000円 ※参考:鹿児島県の地価|鹿児島県 鹿児島市内の住宅地について、ランキング上位の土地を購入するには1坪あたり70万円程度が目安です。 すなわち、30坪の土地の場合2,000万円以上、50坪では3,500万円の資金を土地だけで用意しなければなりません。 続いて、商業地も見てみましょう。 <商業地> 順位 所在(調査基準地) 価格(円/㎡) 価格(円/坪) 1 東千石町14番3 102万円 337万1,900円 2 中央町24番25 43万5,000円 143万8,000円 3 荒田1丁目41番10 33万6,000円 111万740円 4 山之口町8番40 31万円 102万4,700円 5 西千石町3番19 30万8,000円 101万8,000円 6 船津町4番20外 30万4,000円 100万4,900円 7 西田2丁目3番26 28万6,000円 94万5,000円 8 加冶屋町2番15 27万3,000円 90万2,400円 9 樋之口町10番50 26万6,000円 87万9,000円 10 荒田1丁目30番14 25万3,000円 83万6,000円 ※参考:鹿児島県公式HP 商業地のランキング上位では、1坪あたり100万円程度が目安です。 商業エリアでマイホームを建築する場合、防火地域や準防火地域に該当するケースも多いため、建物の耐火性能を上げなければなりません。 商業エリアでマイホームを建築する場合は、高めの予算になることは認識しておきましょう。 鹿児島市における過去・直近の取引データ ここでは、鹿児島市で2021〜2022年に取引された価格情報を実際の例から3つ紹介します。 <取引事例1> 地域:鹿児島市荒田 取引時期:2022年第2四半期 最寄駅 名称 鹿児島中央駅 距離 徒歩23分 土地 価格 2,900万円・83万5,700円/坪 面積 115㎡(=34.7坪) 形状 長方形・間口9m・道路(北道路・幅員6m・市道) 都市計画 用途 第1種住居地域 建ぺい・容積率 60/200 ※参考:地価公示・地価調査・取引価格情報|土地総合情報システム|国土交通省 <取引事例2> 地域:鹿児島市清和 取引時期:2022年第1四半期 最寄駅 名称 JR谷山駅 距離 徒歩19分 土地 価格 1,300万円・29万6,800円/坪 面積 145㎡(=43.8坪) 形状 整形・間口12m・道路(南東道路・幅員5m・私道) 都市計画 用途 第1種低層住居地域 建ぺい・容積率 50/80 参照:地価公示・地価調査・取引価格情報|土地総合情報システム|国土交通省 <取引事例3> 地域:鹿児島市武 取引時期:2021年第4四半期 最寄駅 名称 鹿児島中央駅 距離 徒歩7分 土地 価格 3,200万円・81万4,200円/坪 面積 130㎡(=39.3坪) 形状 長方形・間口10m・道路(北道路・幅員6m・市道) 都市計画 用途 第1種住居地域 建ぺい・容積率 60/200 ※参照:地価公示・地価調査・取引価格情報|土地総合情報システム|国土交通省 直近の取引データ3例を見る限り、土地の形状や道路付きが良い上に人気の高い駅徒歩圏内の土地は高値で安定しており、資産性が高くなっています。 一方で、事例2のように接道道路が私道などでも良い場合は、土地の価格が半分以下で取得できることもあるでしょう。 鹿児島市と価格が近い他のエリア ここでは、2022年第3四半期の土地取引平均価格について、近隣都市と比較します。 同じ九州地方でも、鹿児島市の平均の土地価格は福岡市、那覇市に次いで高い価格を維持しており、人気の高さがわかります。 今後も、価格が大きく下落することは考えにくく、現在の資産価値が長期的に維持されていくでしょう。 鹿児島市 熊本市(中央区) 宮崎市 那覇市 9万393円/㎡ 6万4,667円/㎡ 5万5,400円 15万円 29万8,800円 21万3,700円 18万3,300円 49万5,800円 ※参照:国土交通省土地総合情報システム 熊本市は、人口は70万人を超えて鹿児島市の59万人よりも規模の大きい都市ですが、土地の平均取引価格は鹿児島市の2/3程度です。 鹿児島市の土地は、近隣の中核都市と比較しても平均的に資産性が高いことがわかります。 鹿児島市の周辺環境(地域情報) 市街地から桜島が望める鹿児島市は、その景観から東洋のナポリとも呼ばれています。 鹿児島市総面積の約55%は森林が占めており、多くの自然に触れ合えて子育てにも最適な環境といえるでしょう。 平均気温も18.6℃と温暖な上に市内に温泉地も多いため、桜島や霧島とともに南九州の代表的な観光スポットです。 保育園・幼稚園の数は全国3位、小学校の数は全国2位、公園の数は全国6位と、子育てに必須な施設が全国上位であることも大きな魅力です。 コンビニや利便施設の店舗数も全国上位に食い込んでおり、生活に不便を感じることはほとんどありません。 鹿児島市で土地を探す際のコツ ここでは、鹿児島で土地を探す際のコツを紹介しましょう。 地域情報を事前に調べておく 平均購入価格を事前に調べておく 土地評価額の動向を事前に調べておく 上記のポイントを順番に見ていきましょう。 地域情報を事前に調べておく 地域情報として、以下のポイントは十分に事前調査しましょう。 コンビニ・スーパーの位置と数 近くにある複数の公園 保育園・幼稚園の有無と距離 小学校の場所 総合病院の有無と距離 公民館や役所、図書館などもチェックすると良いでしょう。 平均購入価格を事前に調べておく 平均購入価格を調べておきましょう。平均購入価格は、以下の国土交通省や鹿児島県のサイトで把握できます。 ※参考:国土交通省|不動産取引価格情報検索 ※参考:鹿児島県|鹿児島県の地価 実際に気になる土地があれば、上記のサイトで確認した平均購入価格と比較しましょう。 その際は、価格と合わせて以下のポイントを押さえると良いでしょう。 用途地域や建ぺい率・容積率 道路の種類及び幅員 接道間口 インフラ状況(ガス・下水など) 後々の資産価値に影響を及ぼす可能性のある項目のため、できる限りチェックしましょう。 土地評価額の動向を事前に調べておく 土地評価額の動向を、事前に調べておきましょう。 土地評価額も国土交通省や県のサイトで確認できます。 ※参考:国土交通省|不動産取引価格情報検索 ※参考:鹿児島県鹿児島県の地価 土地評価額は4種類ありますが、優先度は以下の順番になります。 基準地価(土地取引価格の基準値) 公示価格(収用など公的な土地取引価格の基準値) 固定資産税評価額(固定資産税算定の基礎となる評価額・公示価格の7割程度) 路線価(相続税算定の基礎、または担保評価の基礎となる評価額・公示価格の8割程度) まずは、基準地価をチェックしましょう。 鹿児島市の土地価格相場に関するよくある質問 最後に、鹿児島市の土地価格相場に関するよくある質問を紹介します。 鹿児島市で人気の土地は? 鹿児島市の土地は安いといえる? 鹿児島市で100坪の土地価格相場はいくら? 順番に回答していきます。 鹿児島市で人気の土地は? 鹿児島市内で人気のエリアは、まず天文館エリアといえるでしょう。次に鹿児島中央エリア、南鹿児島エリアなどが続きます。 近年では、天文館以北では吉野、天文館以南では中山や下福元、谷山なども便利です。 鹿児島市の土地は安いといえる? 鹿児島市の土地は、近隣の熊本市や宮崎市と比べて一概に安いとはいえません。 しかし、それだけ資産性が高く、今後も価値を維持していくために十分なポテンシャルを持っているといえます。 鹿児島市で100坪の土地価格相場はいくら? 鹿児島市内の土地価格相場は、100坪3,000万円と見ておきましょう。 基準地価や直近の取引価格から判断しても、1坪あたり30万円と見ておくのが妥当です。 鹿児島市で土地を探すなら国分ハウジング 鹿児島市の土地のポイントは、鹿児島市の土地は周辺の中核都市と比べても比較的価格が高く、資産性も高いことです。 そして、高い資産性は今後もしばらく維持される可能性が高いでしょう。 基準地価や過去の取引データを参考にしながら、最良の土地選びを実践していきましょう。 国分ハウジングでは、お客様に寄り添いながら最適なプランを提案いたします。 土地探しやプランニング、資金計画など住まいに関するお悩みやご相談がありましたら、鹿児島県内に15ヶ所以上ある住宅展示場やモデルルームにお越しください。 お問い合せ|【公式】国分ハウジング|鹿児島・宮崎のハウスメーカー
2023.02.28
この記事では、垂水市の土地価格の相場やその推移などを解説していきます。 垂水市は鹿児島県大隅半島のほぼ中央に位置し、海産物の宝庫である錦江湾と優美な桜島を目の前に望む自然豊かなところです。 また、高隈山系を源に地底から湧き出る温泉水は飲料水としても有名で、全国各地にも広く流通しています。 この記事では、垂水市にマイホームを建てたい人に向けて、現在の土地相場や価格の推移、動向を解説していくので、ぜひ最後までお読みください。 【この記事でわかること】 ● 垂水市の土地価格相場・推移・動向 ● 垂水市の地価ランキング ● 垂水市における直近の土地取引データ ● 垂水市と価格が近いほかのエリアと周辺環境 ● 垂水市で土地を探すコツ 鹿児島県垂水市の土地価格相場 まずは、垂水市の令和4年度基準地価から土地価格の相場を見ていきましょう。 用途 住宅地 商業地 市名 平均価格(㎡) 変動率 平均価格(㎡) 変動率 垂水市 12,000円 ▲1.8 18,700円 ▲1.1 鹿屋市 8,200円 ▲0.6 21,900円 ▲1.9 鹿児島市 91,300円 0.0 247,700円 0.2 ※参考:令和4年地価調査結果の概要|鹿児島県総合政策部 垂水市における令和4年の基準地価は、住宅地12,000円/㎡(=39,600円/坪)、商業地18,700円/㎡(=61,800円)です。 変動率はいずれも前年に比べて若干のマイナスであり、近年この傾向が続いています。 ただし、これは県庁所在地の鹿児島市を除く県全体にいえる傾向であり、上記の表を見ると鹿屋市も同様の傾向があることがわかります。 次に、国土交通省の不動産価格情報から令和3年第4四半期から令和4年第3四半期の取引事例を見ていきましょう。 <令和4年度垂水市住宅地土地取引事例> 所在地 面積 取引総額 垂水市下宮町 310㎡(=93.7坪) 350万円 11,290円/㎡(=3万7,300円/坪) 垂水市田神 490㎡(148.2坪) 330万円 6,730円/㎡(=2万2,200円/坪) 垂水市田神 370㎡(111.9坪) 550万円 14,860円/㎡(=4万9,100円/坪) 垂水市田神 1,800㎡(544.5坪) 1,600万円 8,880円/㎡(=2万9,300円/坪) 垂水市二川 520㎡(157.3坪) 150万円 2,880円/㎡(=9,500円/坪) ※参考:不動産取引価格情報検索|国土交通省 垂水市住宅地の令和3年度(第3四半期)から、令和4年度までの取引事例5つの平均値は、8,928円/㎡(=2万9,500円/坪)となりました。 5つの例を見る限り、実勢の取引価格が基準地価を下回っているように見えますが、上記の垂水市二川を除いた平均値をとると基準地価とほとんど同じ水準になります。 基準地価、実勢取引価格からみた垂水市内住宅地の平均価格相場は、1坪あたり4万円程度といえるでしょう。 鹿児島県垂水市の土地価格相場の推移・動向 ここでは、垂水市の基準地価の用途別平均金額の推移と動向について解説します。 鹿児島県が発表している垂水市の調査結果に基づいて、2018〜2022年の5年間の価格相場の推移を見てみましょう。 <鹿児島県垂水市2018〜2022年平均基準地価の推移> 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 住宅地 12,967円 12,700円 12,433円 12,200円 12,000円 商業地 19,700円 19,500円 19,200円 18,900円 18,700円 ※参考:地価公示 (2022年) 鹿児島県 – 地価公示・地価調査(基準地価) 2018〜2022年の5年間、鹿児島県垂水市住宅地・商業地の平均基準地価は、毎年少しずつ下降していることがわかります。 とはいえ、減少率は前年比1〜2%程度のため、それほど大きいとはいえません。 鹿児島県垂水市の地価ランキング 垂水市内の住宅地の基準地価について地域別ランキングを見ていきましょう。 ランキングはあくまで参考程度に留めておくことが好ましいですが、土地探しをする際に1つのベンチマークになるので、チェックしておいてください。 <住宅地> 順位 所在(調査基準地) 価格(円/㎡) 価格(円/坪) 1 垂水市錦江町1番92 1万4,800円 4万8,900円 2 垂水市田神字下福町3487番1 1万3,800円 4万5,600円 3 垂水市新城字松下4268番 7,400円 2万4,400円 ※参考:地価公示 (2022年) 鹿児島県 – 地価公示・地価調査(基準地価) 垂水市内の住宅地でマイホーム用に土地購入を検討する場合は、目安として1坪あたり4万円程度、上限値は5万円程度と考えておきましょう。 すなわち、100坪の土地を購入する場合は400〜500万円程度の予算が目安といえます。 基準地価データが1件のみですが、商業地も見ておきましょう。 <商業地> 順位 所在(調査基準地) 価格(円/㎡) 価格(円/坪) 1 垂水市上町108番4 1万8,700円 6万1,800円 ※参考:地価公示 (2022年) 鹿児島県 – 地価公示・地価調査(基準地価) 商業地を購入する場合の目安は、上記の表からは1坪あたり6万円程度と想定されます。しかし、取引事例の数が少ないので、あくまで参考としてください。 鹿児島県垂水市における過去・直近の取引データ ここでは、鹿児島市における2021〜2022年に取引された価格情報を紹介します。 <取引事例1> 地域:垂水市下宮町 取引時期:2022年第2四半期 最寄り駅 名称 ー 距離 ー 土地 価格 350万円・3万7,300円/坪 面積 310㎡(=93.7坪) 形状 ほぼ長方形・間口16m・道路(北東道路・幅員8m・市道) 都市計画 用途 第2種住居地域 建ぺい・容積率 60/200 ※参考:土地総合情報システム|国土交通省 <取引事例2> 地域:垂水市田神 取引時期:2021年第4四半期 最寄り駅 名称 – 距離 – 土地 価格 1,600万円・2万9,000円/坪 面積 1,800㎡(544.5坪) 形状 不整形・間口:不明・道路(南西道路・国道) 都市計画 用途 市街化区域・市街化調整区域外の都市計画区域 建ぺい・容積率 – ※参考:土地総合情報システム|国土交通省 <取引事例3> 地域:垂水市市木 取引時期:2022年第2四半期 最寄り駅 名称 – 距離 – 土地 価格 340万円・1万200円/坪 面積 1,100㎡(=332.7坪) 形状 ほぼ長方形・間口50m・道路(東道路・幅員3.6m・市道) 都市計画 用途 第1種住居地域 建ぺい・容積率 60/200 ※参考:土地総合情報システム|国土交通省 垂水市の不動産取引においては、市街化区域・市街化調整区域に設定されていない都市計画区域内の土地取引も多く見られました。 実勢取引価格においては、1坪当たり1〜4万円と基準地価に比べてばらつきがありますが、やはり価格相場は1坪当たり4万円程度と考えて良いでしょう。 鹿児島県垂水市と価格相場の近い他のエリア 同じ鹿児島県内において、垂水市と価格相場の近い鹿屋市、日置市との変動率も含めて比較しましょう。ここでは、2022年度の基準地価をまとめました。 住宅地 商業地 市名 平均価格(㎡) 変動率 平均価格(㎡) 変動率 垂水市 12,000円 ▲1.8 18,700円 ▲1.1 鹿屋市 8,200円 ▲0.6 21,900円 ▲1.9 日置市 12,700円 ▲0.9 24,300円 ▲1.9 ※参考:鹿児島県HP令和4年地価調査結果の概要 基準地価においては、鹿屋市・日置市とも垂水市同様前年比変動率がダウンしていますが、下げ幅は1〜2%と微減の範囲に収まっています。 ただし、鹿屋市・日置市において特徴的な箇所は、2021年から2022年にかけて土地取引件数が増加している点です。 垂水市においても、やはり土地取引件数は増加傾向にあり、土地の価格が現状程度の変動率で推移する限り安定した土地取引状況が継続するでしょう。 鹿児島県垂水市の周辺環境(地域情報) 垂水市は、錦江湾と桜島を目の前に望み、鹿児島市と大隈半島を結ぶ要所になっています。 平均気温は17.3℃と温暖で、錦江湾では親子でマリンスポーツを楽しめ、市街地から車で10分の高台には観光名所として有名な千本イチョウがあります。 0歳から中学校卒業まで自己負担分の医療費が無料になるよう助成されており、子育て世代にも暮らしやすい街といえるでしょう。 国道220号を中心にスーパーマーケットやコンビニ、飲食店などが集積し、バスがない地域と中心地をバイパスする乗合タクシーも運行しています。 錦江湾で向かい合う鹿児島市へはフェリー、空港のある霧島市へはバスや乗合タクシーなどの交通機関も十分に網羅されており、日常で不便を感じることはないでしょう。 鹿児島県垂水市で土地を探す際のコツ 垂水で土地を探すコツは、主に以下の通りです。 土地評価額の動向を事前に調べておく 平均購入価格を調べておく 地域情報を事前に調べておく 1つずつ解説していきましょう。 土地評価額の動向を事前に調べておく 土地評価額は、鹿児島県や国土交通省のサイトで確認できます。 土地評価額は4種類ありますが、優先度は以下の順番になります。 基準地価(土地取引価格の基準値) 公示価格(収用等公的な土地取引価格の基準値) 固定資産税評価額(固定資産税算定の基礎となる評価額。公示価格の7割程度) 路線価評価額(相続税算定の基礎、又は担保評価の基礎となる評価額。公示価格の8割程度) 評価額は実勢価格とは異なり、上記のように何を目的とするかによって4つの価格が存在します。 この中で、土地取引の目安として考える場合は、基準地価をチェックしましょう。 なぜなら、基準地価は都道府県がその年の7月1日時点における1㎡当たりの価格を判定するもので、土地取引の目安とされるからです。 特に、鹿児島県内での土地取引価格は、基準地価近くで取引されているケースが多いので、これから購入する方はぜひチェックするようにしてください。 平均購入価格を事前に調べておく 平均購入価格も、この記事でも紹介している国土交通省や鹿児島県のサイトで確認できます。 実際に気になる土地が出てきたら、これらのサイトで確認した平均購入価格と比較してみましょう。 自分が購入したいと思っているエリア近辺の情報をチェックして、実際にそのエリアや土地を確認しておくことも大切です。 その際は、価格と合わせて以下の点も確認してください。 用途地域や建ぺい率・容積率 道路の種類及び幅員 接道間口 インフラ状況(ガス・下水等) 土地の高低差等 後々の資産価値に影響を及ぼす可能性のある項目なので、できる限り資料だけでなく自分の目で現地もチェックしましょう。 地域情報を事前に調べておく 地域情報として、以下のポイントは事前にしっかりと調査しておきましょう。 コンビニやスーパーマーケットの位置と数 近くの公園(できれば複数) 保育園・幼稚園の有無と距離 小学校の場所 総合病院の有無(あれば距離) その他、公民館や役所、図書館などもチェックしておきましょう。 垂水市の場合、上記の標準的なチェック項目に加えて以下の内容もチェックしましょう。 垂水港へのアクセス(鹿児島市へのフェリーによるアクセス) 路線バスのバス停 市内に鉄道が通っておらず、車・バスを中心とした交通となるので、上記の点についても合わせて確認するようにしてください。 鹿児島県垂水市の土地価格相場に関するよくある質問 最後に、垂水市の土地価格相場に関するよくある質問をまとめておきます。 実勢価格と公示価格の違いは? 実勢価格の調べ方は? 垂水市で50坪における土地の値段は? それぞれ解答していきます。 実勢価格と公示価格の違いは? 実勢価格とは、実際に取引が成立した時の価格のことです。公示価格や基準地価のように誰かが決める価格ではなく、取引データと考えた方がわかりやすいでしょう。 一方で、公示価格とは、国土交通省がその年の1月1日時点における1㎡当たりの価格を判定するものです。一般の土地取引だけでなく、国や地方自治体が道路収用や土地区整理事業等で収用価格を算定する時の基礎にもなる価格です。 土地取引を検討する際は、実勢価格や基準地価などを優先してチェックした方が良いでしょう。 実勢価格の調べ方は? インターネットで調査する場合は、国土交通省の土地総合情報システムを利用すると良いでしょう。 他には、購入したいエリア周辺の不動産業者のサイトから、今売りに出ている土地情報を確認する方法もあります。 ただ1つ注意していただきたいことは、土地購入を検討する時はインターネットや紙情報だけで判断せず、必ず現地をチェックするようにしてください。 垂水市で50坪における土地の値段は? 垂水市における住宅地の土地取引相場は坪当たり4万円程度であるため、50坪の土地を購入する場合の値段は、土地だけで200万円くらいといえるでしょう。 諸費用と合わせて、220〜230万円程度を見込んでおいてください。 鹿児島県垂水市で土地を探すなら国分ハウジング 垂水市は、錦江湾を隔てて鹿児島市と向かい、空港のある霧島市、大隅半島で中心市街地の鹿屋市とも近接しており、交通アクセスも豊富な街です。 その上、土地の地価は鹿児島市の1/7〜1/10ほどの安さとなります。 土地が安く仕入れられれば、それだけゆとりを持った配置計画や庭づくりができ、ゆったりと理想的な暮らしを実現できます。 垂水市内で土地を探す場合は、今回の記事を参考にして納得のいく土地選びをしてください。 国分ハウジングは、お客様に寄り添いながら家づくりの最適なプランを提案いたします。土地探しやプランニング、資金計画など住まいに関するお悩みやご相談がありましたら、ぜひ一度国分ハウジングのモデルルームにお越しください。 来場予約|【公式】国分ハウジング|鹿児島・宮崎のハウスメーカー
2022.12.27
この記事では、建築条件付き土地のメリット・デメリットや後悔しないためのポイントなどを解説します。 建築条件付き土地は、よくわからないまま購入してしまうと、予期せぬトラブルを抱えることもあるので、しっかりと理解しておきましょう。 【この記事でわかること】 ・建築条件付き土地とは? ・建築条件付き土地のメリット・デメリット ・建築条件付き土地を購入して後悔しないためのポイント ・建築条件付き住宅を購入して実際にあった失敗例 ・建築条件付き住宅を購入する際の注意点 建築条件付き土地とは? 建築条件付き土地とは、一定期間内に指定された施工会社が建築することが条件になっている土地のことです。 通常の注文住宅は、自分で選んだ土地に好みの施工会社が建築するため思い通りの設計ができますが、建築条件付きの場合は、全て自由設計とはなりません。 注文住宅と建売住宅の中間に位置するのが建築条件付き住宅といえるでしょう。 建築条件付き土地のメリット ここでは、建築条件付き土地を購入した場合のメリットについて解説していきます。 ・建築条件付きでない土地より安いケースがある ・ある程度は理想通りの間取りや内装になる 順番に見ていきましょう。 建築条件付きでない土地より安いケースがある 制限の多い建築条件付き土地は、全く制約のない土地に比べると人気が低くなりやすいため、価格が割安になる傾向にあります。 建物の間取りや仕様にはそれほどこだわりがなく、なるべく低価格で自分の住宅を持ちたい人に向いているといえるでしょう。 ある程度は理想通りの間取りや内装になる 建築条件付き土地は施工会社が決まっているものの、設計はある程度自分で決められるため、間取りや内装に応じて、自由にプランニングできます。 部屋の大きさは決まっていることが多いですが、部屋数を減らして大きめのリビングにしたり 設備仕様のグレードを変更したりすることに問題はありません。 土地付き建売住宅がすでに完成した建物であるため、変更が全くできないことと比較すると、自分の理想に近づきやすくなります。 建築条件付き土地のデメリット 建築条件付き土地を検討する際は、メリットだけではなくデメリットも押さえましょう。 ・設計や建築の期間が比較的短い ・すべての要望を実現するのは難しいケースがある 上記を知らないまま購入してしまうと、トラブルに発展するおそれもあります。 順番に見ていきましょう。 設計や建築の期間が比較的短い 建築条件付き土地の場合、土地を売買契約してから3ヶ月以内に間取りや内装、金額に至るまで全て決めて請負契約を締結しなければなりません。 建築条件付き土地で制限している一定期間とは、土地を売買契約してから施工会社と建築請負契約するまでの期間のことで、3ヶ月と定められています。 もし期間内に建築請負契約が締結できなかった場合には、土地売買契約も白紙解除されて、売主が受け取っている手付金なども全て買主に返却されます。 3ヶ月で間取りや仕様、設備や建具の選定及び色決めに加えて見積り金額の決定までするのはそれほど簡単ではないといえるでしょう。 すべての要望を実現するのは難しいケースがある 建築条件付き土地の場合、注文住宅のように自分の好みを100%反映した家づくりをすることはできません。 理由は、施工会社が指定されるということは、その施工会社でできること以上のことは実現が難しいからです。 こうした点をよく認識した上で、建築条件付き土地の購入を検討しましょう。 建築条件付き土地で後悔しないためのポイント 注文住宅や建売住宅と異なり、建築条件付き土地の売買契約や、それに伴う請負契約には注意すべきポイントがあります。 ・依頼先の施工実績を確認しておく ・契約内容をしっかりと確認する ここでは、上記2点のポイントについて解説します。 依頼先の施工実績を確認しておく 施工会社を選べない以上、指定された施工会社が安心して任せられるか否かを事前に判断することが大切です。 過去の実績を確認するだけではなく、可能であれば決算情報などもチェックしましょう。 契約内容をしっかりと確認する 建築条件付き土地の売買契約は、指定期間内にプランなどが決まらず解約になることも多いため、解約条件が特約で付与されていることがあります。 この場合、本来戻ってくるはずの手付金や預かり金が返金されなくなるおそれもあるので、契約書類にはしっかりと目を通すようにしてください。 建築条件付き土地の失敗事例 ここからは、建築条件付き土地の失敗事例の中から、よくあるケースを紹介します。 ・施工会社の得意分野と自分の好みが合わなかった ・「白紙解除」になってしまった ・期間内に間取りと仕様を決定しきれなかった 順番に見ていきましょう。 施工会社の得意分野と自分の好みが合わなかった 施工会社との関係でよくある失敗が、構造に関する事例です。 たとえば、「木造でリゾートのような雰囲気を出したかったのに、鉄骨造しかできない施工会社だった」などが挙げられます。 木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、全ての構造をマルチにこなせる施工会社ばかりではないため、専門分野を事前に把握しておく必要があるでしょう。 ほかにも、設備や建具は施工会社の決められた中からしか選べず、自分の使用したかったアイテムが採用されないこともよくあるケースです。 「白紙解除」になってしまった 土地売買契約から、一定期間内に建築請負契約まで終えなければいけないことを失念していて、土地売買契約が白紙解除になってしまうこともよくあります。 3ヶ月という期間は認識していたにもかかわらず、転勤や仕事の繁忙さなどにより白紙解除に至ってしまうこともあるので注意しましょう。 期間内に間取りと仕様を決定しきれなかった 先述の通り、間取りや設備、色決めなどにかかる金額を3ヶ月で決定することは困難といえます。 したがって、壁紙の色決めや設備・仕様など着工以後でも決められるものがないか、事前に施工会社に確認しましょう。 売主と買主にとって外せない決定事項から決定し、期間オーバーにならないような工夫をしながら進めてください。 建築条件付きの土地を購入する際の注意点 ここでは、建築条件付き土地を購入する際の注意点を解説します。 ・施工会社の実績を確認する ・契約内容を十分に確認する ・住宅ローンは土地と建物を一緒に借りられないことに注意する 施工会社の実績を確認する 施工会社を変更できない以上、過去の実績や現在のIR情報などから、信頼できる会社かどうかを判断する必要があります。 住宅の場合、実際に入居後もアフターメンテナンスや大規模修繕など、施工会社との付き合いは長期間にわたります。 したがって、施工会社の実績を契約前にしっかりと確認しておきましょう。 契約内容を十分に確認する 施工会社の実績をチェックするだけではなく、契約内容もしっかりと確認しましょう。 前述のとおり、解約の条項や特約についてはよく確認し、不明な点は売主や施工会社に説明を求めることが重要です。 住宅ローンは土地と建物を一緒に借りられないことに注意する 建築条件付き土地の場合、土地と建物代金を同時に住宅ローンで借りることはできません。 建築費に対する住宅ローンは、プランなどが確定し建築請負契約後でなければ、申込みしても本受付にはなりません。 さらに、ほとんどの金融機関において金銭消費貸借契約は建物の建築確認許可後に締結します。 したがって、建築条件付き住宅の場合は土地代金の住宅ローン手続きを先に行い、建築請負契約以降建物のローン手続きを進めていくことになるでしょう。 建築条件付き土地によくある質問 最後に、建築条件付き土地によくある質問を紹介します。 ・建築条件付き土地はやめたほうがいいって本当? ・建築条件付き土地で起こりうるトラブルは? ・建築条件付き土地の外し方は? 順番に回答していきます。 建築条件付き土地はやめたほうがいいって本当? 一概に、建築条件付き土地を購入することは「やめたほうがよい」とはいえません。なぜなら、通常の土地取引に比べて割安で購入できるメリットなどもあるからです。 3ヶ月の指定期間内にプランや仕様、金額まで全て決めきれる余裕があれば、建築条件付き土地はおすすめといえるでしょう。 建築条件付き土地で起こりうるトラブルは? 建築条件付き土地では、契約内容に関するトラブルが生じるケースがあります。 たとえば、指定期間を過ぎてしまった際、通常は土地売買契約も白紙解除となり売主に預けている手付金や預かり金は買主に戻されます。しかし、土地売買契約に解約条項として「買主の都合による場合は預かった金員は返却しない」などの条項が入っている場合があります。 このようなケースではトラブルに発展しやすいので、契約書の内容は隅々までチェックすることが大切です。 建築条件付き土地の外し方は? 売主である不動産業者は、土地と建物両方から利益を得る目的で建築条件付き土地を販売しているので、一般的に条件を外すことは困難です。 なぜなら、建物で得ようとしていた利益がなくなってしまうからです。 ただし、建物で得られるべき利益に相当する価格を土地代金に上乗せするなどして不動産業者と交渉すれば、外してくれることもゼロではありません。 とはいえ、建築条件付き土地のメリットである土地の割安感はなくなってしまうので、どうしても欲しい場合でなければほかの土地を探すべきでしょう。 建築条件付き土地を賢く活用して自分に合った家づくりをしよう 建築条件付き土地は、期間や施工会社など通常の土地にはない制限がありますが、その条件を許容できるのであれば、土地を割安に購入できるメリットを活かせます。 ポイントは、自分の理想にどこまで近づけることが可能かを事前に見極めることです。 国分ハウジングでは家づくり相談会を実施しています。 ・マイホームを考え始めたけど、何から始めたらいいかわからない… ・マイホームに必要な資金って具体的にいくら? ・何にお金がかかるの?追加費用ってどのくらい必要? ・貯金を崩さずにマイホームを実現することって可能? といった家づくりに関する様々な悩みを解消できますので、家づくりでお困りの方はお気軽にお問い合わせやご来場ください。 国分ハウジングのイベント・見学会情報は以下から! https://kh-house.jp/event/
2022.11.30
この記事では、用途地域の種類や調べ方などについて解説します。 土地を探す際には用途地域を考慮することが重要です。用途地域によっては、建築する建物の種類を制限することになるため、検討している建物が建築できないケースもあります。 そのため、事前に用途地域を調べて、要望を盛り込んだ建築物が建築できることを確認しましょう。 【この記事でわかること】 ● 用途地域の特徴 ● 用途地域の調べ方 用途地域とは? 日本の土地は、都市計画法によって市街化区域と市街化調整区域、どちらにも属さない非線引き区域に分かれています。 そして、用途地域は市街化区域の使用用途を定めるためのルールとなっており、原則市街化調整には設定されることはありません。 そのため、市街化区域で建物を建築する際には必ず用途地域の制限を受けることになり、自由に建築できない可能性があることを押さえましょう。 用途地域は大きく3つに分けられる 用途地域には住居系、商業系、工業系の3種類があり、以下のように制限が設けられています。 系統 地域数 特徴 住居系 8 主に住宅を建築する地域。工場や大規模な商業施設の建築制限がある。 商業系 2 主に商業施設を建築する地域。住居や面積制限を設けた工場の建築も可能。 工業系 3 主に工場を建築する地域。工業専用地域には住宅の建築制限がある。 上記のように、同じ用途の建築物を集中させ、住民の安全と利便性や工場の効率化を同時に推進させることを目的としています。 用途地域13種類を一覧表で比較 用途地域は、以下の13種類があります。 用途地域名 系統 第一種低層住居専用地域 住居系 第二種低層住居専用地域 住居系 第一種中高層住居専用地域 住居系 第二種中高層住居専用地域 住居系 第一種住居地域 住居系 第二種住居地域 住居系 田園住居地域 住居系 準住居地域 住居系 近隣商業地域 商業系 商業地域 商業系 準工業地域 工業系 工業地域 工業系 工業専用地域 工業系 用途地域13種類の特徴 ここでは、表でまとめた13種類の用途地域について、それぞれの特徴を見ていきましょう。 第一種低層住居専用地域 第一種低層住居専用地域は、低層の住宅専用地域です。建物の高さは10mもしくは12mに制限され、さらには北側の隣地に対する斜線制限も設定されています。 工場の建築は原則不可となっており、商業施設は床面積が50㎡以下であれば可能です。 そのため、学校や公園遊具以外の建築物はほぼ住宅という地域となっているため、静かな住環境を好む人には向いている地域といえるでしょう。 第二種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域は、商業地域の制限が床面積150㎡となります。そのため、第一種低層住居専用地域では建築できなかったコンビニを建築できます。 第一種中高層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域のような地域であれば、建物の高さ制限はなくなります。床面積も500㎡以下となり、幅広い建物の建築が可能です。 また、この地域からは小学校と中学校以外の教育機関も建築可能となり、幼稚園や保育園、高校、専門学校、大学が佇む街並みとなるでしょう。病院や図書館、神社といった生活に必要な建物も、第一種中高層住居専用地域には建築可能です。 第二種中高層住居専用地域 第二種中高層住居専用地域は、商業施設の床面積が1,500㎡以下となり、ショッピングセンターの建築が可能な地域となります。 第一種住居地域 第一種住居地域は住居の専用地域ではないため、様々な用途の建築物が立ち並んでいます。 床面積3,000㎡以下の商業施設やホテルの建築が可能となり、住居専用地域よりも利便性が高い地域です。生活しやすく明るい町に住みたい人にとっては、おすすめの地域だといえます。 第二種住居地域 第二種住居地域は、商業施設などの床面積が10,000㎡以下となり、カラオケボックスやボウリング場、条件をクリアしたパチンコ屋の建築が可能な地域となります。 田園住居地域 2018年4月より、市街化区域にある田園地帯を有効活用するため、田園住居地域が追加されました。 地域の制限内容は第一種低層住居専用地域がベースとなっており、2階建て以下の農産物直売所やレストランの建設も可能となります。 市街化区域に使用していない田畑を保有している人で土地の有効活用を進めたい人や、都会にいながらも農業を兼業したい人にはおすすめの地域だといえるでしょう。 準住居地域 準住居地域は、国道や市道といった幹線道沿いに多く見られる地域です。 住居の安全を確保しつつ、町と調和できる建築物が建築可能となっており、150㎡以下の自動車整備工場や客席部分200㎡の映画館、劇場などが建築可能です。 近隣商業地域 近隣商業地域は、周辺住民が買い物をするための商業施設が立ち並ぶ地域を指します。準住居地域がベースとなっており、映画館や劇場などの床面積制限がない地域といえます。 また、自動車整備工場も300㎡以下が建築可能となり、危険を伴わず環境を悪化させない条件であれば、工場の建築も許可が降りる可能性があるでしょう。 商業地域 商業地域は、近隣商業地域よりも大幅に条件が緩和される地域です。 小料理屋などの施設が建築可能です。 準工業地域 準工業地域は、危険を伴わない工場であれば建築できる地域です。住居や商業施設の建築も可能となるため、騒々しい街並みになりやすい特徴があります。 工業地域 工業地域は準工業地域と同様に、どのような工場であっても建築可能です。 ただし、ホテルや映画館、病院、教育施設といった不特定多数の人が日常的に利用するような施設は建築できません。 工業専用地域 工業専用地域は、用途地域13種類の中で唯一、住宅が建てられない地域です。 したがって、工場以外のほとんどの建物は建築制限を受けることになります。 用途地域の調べ方 用途地域の調べ方は、主に2種類あります。 インターネットで検索する 市区町村の市役所で確認する 事前に建築したい地域の用途地域を調べ、希望に沿った建物が確実に建てられるのかを事前に調べましょう。 インターネットで検索する 用途地域を調べる際に最も簡単な手段といえる方法は、インターネットで検索することです。 都道府県には、インターネットで用途地域を検索するシステムが個々に設定されており、鹿児島県にも「かごしまiマップ」というサイトがあります。 施設や防災、生活に関する情報をマップ上で確認できるシステムであり、そのなかに都市計画マップが設けられています。そこで、用途地域を調べられるでしょう。 かごしまiマップは、誰でも閲覧できるシステムとなっているため、土地を事前調査する際に必ず利用しましょう。 ※参考:かごしまiマップ 市区町村の市役所で確認する 各市区町村の市役所にもシステムが設置されており、確認できます。 市役所の「都市計画課」では用途地域をはじめ、それ以外の都市計画法に関する制限について回答を得られるでしょう。 インターネットで調べるのが苦手な人であっても確実に情報を取得できる上に、用途地域以外の制限においても確認できるため、おすすめの確認方法だといえるでしょう。 用途地域に関するよくある質問 最後に、用途地域に関するよくある質問に回答します。 用途地域が指定されていない場合もある? 用途地域は誰が決めている? 用途地域マップとは? 順番に見ていきましょう。 用途地域が指定されていない場合もある? 都市計画区域内の市街化区域であれば、用途地域は必ず指定されています。 検討している土地や、保有している土地に用途地域が指定されていない場合、市街化調整区域もしくは非線引き区域、都市計画外区域に該当していないかを確認しましょう。 用途地域は誰が決めている? 用途地域は原則、市長が決定します。指定する地域の地権者から意見を聴取し、都市計画審議委員会を発足し協議するのが一般的です。 用途地域マップとは? 用途地域マップは各市区町村が公開しているデータを集約した、全国の用途地域が調べられるサイトです。 都道府県を超えて土地を探している人には、おすすめのサイトだといえるでしょう。 ※参考:用途地域マップ 用途地域を正しく理解して効率的に土地探しをしよう 用途地域によって建築できる建築物が変わるため、建築できる内容を正しく理解することで理想通りの建物を建築できます。 また、現在の町がどのように変化していくのかもある程度予測できるため、非常に重要なポイントだといえるでしょう。 国分ハウジングでは家づくり相談会を実施しています。 ・マイホームを考え始めたけど、何から始めたらいいかわからない… ・マイホームに必要な資金って具体的にいくら? ・何にお金がかかるの?追加費用ってどのくらい必要? ・貯金を崩さずにマイホームを実現することって可能? といった家づくりに関する様々な悩みを解消できますので、家づくりでお困りの方はお気軽にお問い合わせやご来場ください。 国分ハウジングのイベント・見学会情報は以下から! https://kh-house.jp/event/
2022.11.30
不動産売買を進める際に「底地」と「借地」という言葉をよく聞きます。特に、土地を賃借するという選択をした際には、2つに対する理解が重要になるでしょう。 そこで本記事では、底地と借地の違いや設定した場合のメリットやデメリット、注意点について解説します。 【この記事でわかること】 ● 底地の特徴や借地との違い ● 底地のメリット・デメリット ● 底地を売買する際の注意点 そもそも底地とは? 底地とは、借地権が設定されている土地の呼び名です。 底地の定義 底地の種類 底地の売却方法 ここでは底地の特徴について解説します。 底地の定義 土地を貸す際には借地権が設定されることがあり、地主側から見たときの土地所有権を底地と呼びます。なお、「底地」というワードは地主側にのみ使用されることを覚えておきましょう。 底地の種類 底地には大きく分けて3つの種類があります。 普通借地 一般定期借地 事業用定期借地 それぞれ以下のような特徴があります。 土地を貸す期間が最短で30年となっており、借地人が更新できる底地です。 地主は、正当な理由なしに更新を拒否できず、さらには地主の同意なく建物買取請求権が行使されてしまいます。また、正当な理由があったとしても、借地人が使用を継続しそれについて異議申し立てをしなかった場合は無効です。 このように、地主にとって非常に不利な契約形態となるため、底地の設置時には慎重に検討しましょう。 借地人が更新できない借地の1つに、一般定期借地があります。 契約期間の最短期間が50年と長いものの、正当な理由なく時期の到達時点で契約満了による解約となります。このように、普通借地よりも地主に配慮した内容となっているのが特徴です。 2022年現在では「使用する用途がないけれど、必ず土地を返却してもらいたい」などの場合に幅広く利用される借地権といえます。 一般定期借地は、一般住宅やマンションを建築する際の底地として利用されることも多く、フレキシブルな土地活用を進められる借地権だといえるでしょう。 また、一般定期借地によく似た借地権として、30年経過後に地主が建物を買い取りすることで契約を満了にできる「建物譲渡特約付借地権」という形態もあります。 あまり利用されるケースはありませんが、一般定期借地と同様に、地主が正当な理由なく買取した時点で契約満了とできます。そのため、土地活用を方針転換する可能性がある場合には効果的な借地権だといえるでしょう。 一般定期借地が一般住宅やマンション用の借地権であるのに対し、事業用定期借地は事業に特化した定期借地権です。期間は10〜50年と幅広く、一般借地と同様に地主の正当な理由も買い取り請求もありません。 建物の使用用途が一般定期借地とは違いますが、そのほか、契約は公正証書にする必要があるという点が違います。公正証書にすることで、契約期間が短い場合の権利濫用を防止でき、借地人を守れます。 上記は、平成4年に施行された改正借地借家法に基づいた分類です。したがって、平成4年よりも前から設定されている旧借地法に該当する土地は対象外となるので注意しましょう。 このように、一般定期借地にするか、事業用定期借地にするかは土地の活用方法によって選択肢が分かれます。 どちらが正しい設定になるのかは、しっかりと不動産のプロに相談して選びましょう。 底地の売却方法 底地は性質上、地主が自由に使用できる土地ではありません。 そのため、売却するために販売開始したとしても一般住宅を建築できるわけではないため、買い手がつかない可能性は高いといえるでしょう。 そこで、底地の売却はあくまでも収益物件として売却することをおすすめします。 契約残存期間が短く固定資産税以上の賃料を得られる底地であれば、収益としての価値は十分に見込めるといえるでしょう。 このように、買い手のターゲット層を変えることで底地の売却が成功する可能性はあるといえます。 底地と借地の違い 底地は地主が保有する土地を貸し出し、借地権が設定された土地のことです。 一方、借地は底地の上に建っている建物を指します。「借地」という呼び名で建物を表すことに違和感がある人も少なくありませんが、便宜上の表記だと考えておきましょう。 固定資産税と都市計画税はどちらにかかる? 固定資産税と都市計画税は所有者が負担する税金です。そのため、土地については地主、建物については借地人がそれぞれ税負担することになります。 ただし、借地権が設定されている底地は通常よりも固定資産税評価額が安くなっています。そのため、借地権を解除すると固定資産税と都市計画税が増額されるので注意しましょう。 底地のメリット 地主が底地を保有するメリットには、どのようなポイントがあるのでしょうか。今後、借地権を設定する際には以下のメリットを検証し、有効だと判断できる場合に進めましょう。 賃貸収入を得られる 税金が抑えられる 管理しやすい 賃貸収入を得られる 全く活用していない土地であっても、固定資産税と都市計画税は毎年かかってしまいます。 そこで、底地にすることで賃貸収入で税金を補填する方法が有効です。 税金が抑えられる 固定資産税などの評価額は路線価をベースに算出されます。また、地域ごとに借地権割合が設定されており、その割合に基づいて評価額が計算されます。 例えば、鹿児島県鹿児島市にある江南中学校の西側道路には、路線価が175,000円/㎡、借地権割合は40%に設定されています。 つまり、50坪の土地であれば約2,900万円の評価額ですが、借地権割合を考慮すると評価額を約1,200万円まで抑えられます。それに伴って、大きな減税効果を得られるでしょう。 ※参考:財産評価基準書|国税庁 管理しやすい 借地権は駐車場などと違い特定の人が利用するため、管理トラブルが少ないという特徴があります。 さらに、地上にある建物は借地人の管理責任となるため、地主は賃料収入を得るのみで何も管理することがないというケースもあるでしょう。 底地のデメリット 底地は節税効果も高く管理しやすいというメリットがある一方で、通常の土地とは異なるデメリットも多いといえます。 自由に使用できない 条件次第で税金がかかる 不動産売買に制限がかかる ここでは、底地を保有するデメリットについて解説します。 自由に使用できない どのような借地権の形態であっても、最短で10年間は自由に土地を利用できません。土地を突然売却することになったとしても、借地人の許可を得ることは困難といえるでしょう。 このように、底地には所有権を保有しながらも、長年にわたって利用が制限されるというデメリットがあります。 条件次第で税金がかかる 年間20万円以上の賃料収入が発生した場合、不動産所得として税金がかかります。また、経費として固定資産税や都市計画税を加算できないため、注意が必要です。 不動産売買に制限がかかる 底地を第三者へ売却する際には様々な制限があり、契約形態によって買い手の負担が非常に大きくなるケースもあります。 例えば、買い手が変わると公正証書の継承ができず、新たに地主と借地人の間で公正証書を作成するというケースもあります。また、底地を購入する際に抵当権が設定できず、銀行から融資を得られないという場合も多く見受けられます。 このように、通常の土地売買では起きないトラブルが発生するため、底地の売却は慎重に進めましょう。 底地を売買する際の注意点 底地を売買する際には、次の注意点を押さえましょう。 書類の有無と内容を確認しておく 底地を売却する際は借地人に声をかける 建物登記が借地人であるかを確認する 買い手からすると、購入した土地が思い描いていた土地ではなく、その結果多大な損失となることもあります。上記を怠ると最悪の場合、裁判となるケースも多いため、トラブルが発生しないように必ず事前準備することが重要です。 書類の有無と内容を確認しておく 底地の売買時には、書類の有無が非常に重要です。 なぜなら、売却をフォローする不動産会社は公正証書や借地契約書の内容を見て売却価格を決めるからです。そのため、書類に不備や紛失があった場合は売却できない可能性もあります。 また、契約の残存期間や建物買取請求権の有無も、買い手にとっては重要なポイントになるため、売買開始前にあらかじめ確認しましょう。 底地を売却する際は借地人に声をかける 底地を売却する際、買う可能性が高いといえる買い手は借地人です。 借地人にとっては、毎月の家賃を支払う必要がなくなり、さらには土地を所有することで建物の資産価値も大きく上昇することになります。 したがって、底地を売却する際にはまず借地人にその旨を伝え、購入の意思がないのかを確認しましょう。 建物登記が借地人であるかを確認する 借地契約を締結した借地人と建物所有者が違う場合、借地権が認められないという判例があります。 これは、土地を貸す際の信義則に反しているという法解釈によるもので、たとえ建物名義人と借地人が親子関係であっても、地主と建物名義人に信頼関係があるとはいえないからです。 底地を購入した買い手は家賃収入を得る権利がないとされ、重大なトラブルに発展する可能性があるため、建物名義人は必ず確認しましょう。 底地に関するよくある質問 ここでは底地に関するよくある質問に回答します。 借地権者が底地を買い取ることはできる? 底地と更地の違いは? 底地ビジネスってなに? 借地権者が底地を買い取ることはできる? 借地権者が底地を買い取るケースは非常に多く、底地を売却する際にはまず借地権者に声をかけるのがセオリーです。 ただし、銀行によっては底地購入には融資しないと判断されるケースがあるため、あらかじめ銀行に確認する必要があります。 底地と更地の違いは? 底地は借地権が設定された土地であり、更地は建造物がなく、借地権などの権利の設定されていない土地を指します。 底地ビジネスってなに? 底地ビジネスとは、底地を収益物件として購入して家賃収入を利益とするビジネスです。 安い代金で土地を購入し、ランニングコストを家賃収入で賄い、将来自由に土地活用できます。そのため、大手企業だけでなく一般の投資家にも注目の投資だといえます。 良い点が多い底地ビジネスですが、天災などの影響で土地の価値が大幅に下落したり流動性が極めて悪かったりなどのデメリットもあるため、底地ビジネスを始める前には入念なリサーチが必須となるでしょう。 底地の特徴を正しく理解して売買取引を成功させよう 底地は一度設定すると10年以上土地の活用方法が制限されるため、慎重に検討する必要があります。その一方で、税金を大きく下げられるメリットもあり、正しい手順を踏めば売却することも可能です。 国分ハウジングでは家づくり相談会を実施しています。 ・マイホームを考え始めたけど、何から始めたらいいかわからない… ・マイホームに必要な資金って具体的にいくら? ・何にお金がかかるの?追加費用ってどのくらい必要? ・貯金を崩さずにマイホームを実現することって可能? といった家づくりに関する様々な悩みを解消できますので、家づくりでお困りの方はお気軽にお問い合わせやご来場ください。 国分ハウジングのイベント・見学会情報は以下から! https://kh-house.jp/event/
2022.11.30
マイホームを建てる場合、当然土地が必要となりますが、家を建てるための土地は購入するほかに「借りる」という手段もあります。 土地を買わずに、借りて家を建てる権利を借地権といいます。家を建てるための土地探しをする場合は、借地権に関しても事前に理解を深めましょう。 そこで今回は、家を建てる際の借地権について、借地権の種類や借地権付き物件のメリットやデメリットなどを詳しく解説していきます。 【この記事でわかること】 ● 借地権とは何か ● 借地権の種類 ● 借地権付き物件のメリット・デメリット 借地権とは? 借地権とは、建物を建てることを目的として、人から土地を借りる権利のことをいいます。借地権により土地を借りる場合、建物を建てるためという目的でなければなりません。 また、借地権は地上権と賃借権の2つに分類でき、第三者への売却や転貸などにおける地主の承諾の必要性が異なります。 実際に借地権を持つ場合は、地上権と賃借権のどちらであるかを必ず確認しましょう。 土地購入との違い 借地権が土地の購入と大きく異なる点は、家を建てる際の土地が自らの所有物となるか否かという点です。 土地を購入して家を建てた場合、土地も含めて自分の所有物となります。それに対して借地権の場合は、あくまでも人から借りている土地に家を建てることになるので、建てた家が自分の所有物でも、土地部分は他人の所有物になります。 また、土地を購入する場合に住宅ローンなどを利用して土地代金を支払いますが、借地権の場合は継続的に土地所有者へ地代を支払う必要がある点も大きな違いです。 借地権の種類 借地権には、以下の3種類があります。 旧借地権 普通借地権 定期借地権 借地権を理解するうえで、上記3つの種類の違いを理解しておくことは非常に重要なポイントといえるでしょう。 旧借地権 旧借地権は、現在の借地借家法ができるより前の借地権のことで、現在使われている借地権とは権利の期間に関する定めが異なります。 旧借地権の大きな特徴は、契約の更新を繰り返すことにより半永久的に権利を持ち続けられることです。旧借地権の存続期間の定めについては、以下の表を参考に把握しましょう。 構造 存続期間 最低期間 更新後の期間 木造 30年 20年 20年 鉄骨または鉄筋コンクリート造 60年 30年 30年 普通借地権 普通借地権は、契約期間は定められているものの、更新することを前提としている借地権です。 更新を前提としているため、正当事由がない場合は土地の所有者が更新を拒否することはできません。 借地権の期間は、旧借地権のような構造の違いによる定めはなく初めは30年、1度目の更新では20年、さらに2度目以降の更新では10年とされています。 定期借地権 定期借地権は、更新がなく定められた期間の満了と同時に、所有者へ土地を返還しなければならない借地権です。土地を返還する際は、建物を解体し更地の状態にしなければなりません。 定期借地権には更新がないため、存続期間は50年以上と長めに設定されています。 借地権付き物件のメリット 借地権付き物件では、以下3つのメリットがあります。 価格が割安 税金が不要 期間延長が可能 具体的にどのようなメリットがあるのか、1つずつ詳しく見ていきましょう。 価格が割安 借地権付き物件は、家と一緒に土地も購入する場合に比べると、価格が割安になるというメリットがあります。土地にかかる費用が安く済む分、建物の質にこだわることが可能になるのは借地権付き物件の嬉しいポイントです。 税金が不要 借地権付き物件の場合、土地の所有者は別にいることになるため、土地の所有者が課税される税金が不要になることもメリットの1つです。 ただし、税金が不要になるのはあくまで土地に関してのみであり、建物に対する固定資産税や都市計画税は通常通り課税されるので、正しく理解しましょう。 期間延長が可能 借地権は、種類によって期間を延長することが可能です。 更新が可能な借地権付き物件であれば、更新を繰り返して永住することも可能なため、1つのメリットとして頭に入れておきましょう。 借地権付き物件のデメリット 借地権付き物件には、以下3つのデメリットもあります。 地代の負担がある 地主の許可が必要 融資が困難 借地権付き物件を検討する際は、デメリットについても把握しておくことが大切です。 地代の負担がある 借地権付き物件を選択した場合、継続的に地代の負担があるという点を把握しておかなければなりません。 所有者に対して支払う地代は毎月支払うことになるため、建物のローンを返済しながら負担することになります。また、ローンの返済とは異なり地代は支払い続けても自らの資産になるわけではないという点も理解しましょう。 地主の許可が必要 借地権付き物件は、あくまで他人の土地を借りている状態となるため、家の建て替えや増改築などをする際は地主の許可が必要です。 土地を購入していれば、自由に家のリフォーム工事などができるのに対して、工事するたびに地主の許可をとらなければならないのはやや不自由に感じる可能性も高いといえるでしょう。 融資が困難 借地権付き物件の場合、融資が比較的困難になる可能性が高くなります。なぜなら、土地を所有しているわけではないことから、担保評価が低くなってしまうからです。 融資が受けられなくなるわけではありませんが、住宅ローンを組む際の審査がやや通りにくくなるという点は、予め理解しておきましょう。 借地権に関するよくある質問 ここでは、借地権に関するよくある質問を3つ紹介します。 借地権に相続税はかかる? 借地権付き物件は売却できる? 借地権の価値の調べ方は? それぞれの回答について解説していくので、借地権への理解をさらに深めていきましょう。 借地権に相続税はかかる? 借地権を相続した場合、相続税がかかります。相続税の金額は、借地権の種類や借地権割合によって計算することが可能です。 借地権は、目に見えない権利であることから、相続税がかからないと考えてしまうケースもよくあるので、正しく把握しましょう。 借地権付き物件は売却できる? 借地権付き物件を売却することは可能ですが、借地権の種類が賃借権である場合は、地主の許可を取らなくてはなりません。 借地権付き物件を売却しようとするときは、まず自分の借地権が地上権と賃借権のどちらであるかを確認したうえで、必要であれば必ず地主の許可を取りましょう。 借地権の価値の調べ方は? 借地権の価値を知りたい場合は、対象となる土地の借地権割合を調べましょう。借地権割合は、国税庁が公開している路線価図を見ることで確認できます。 土地の価格に借地権割合をかけて計算すれば、借地権の価値を算出することが可能です。 借地権とは何かを正しく理解しよう 家を建てるための土地探しにおいて、借地権とは何なのかを正しく理解しておくことは非常に重要です。借地権を正しく理解し、土地探しにおける選択肢の幅を広げる際の参考にしましょう。 国分ハウジングでは家づくり相談会を実施しています。 ・マイホームを考え始めたけど、何から始めたらいいかわからない… ・マイホームに必要な資金って具体的にいくら? ・何にお金がかかるの?追加費用ってどのくらい必要? ・貯金を崩さずにマイホームを実現することって可能? といった家づくりに関する様々な悩みを解消できますので、家づくりでお困りの方はお気軽にお問い合わせやご来場ください。 国分ハウジングのイベント・見学会情報は以下から! https://kh-house.jp/event/
2022.11.08
夢のマイホームを計画する時間は人生でも最も希望に満ちた瞬間ともいえます。 しかし、住宅作りは何もかもが自由自在というわけにもいかず、さまざまな制限を守らなくてはなりません。 初めて家を取得する方ほど「建ぺい率」と「容積率」については知っておくことは重要です。 今回は、新たな住まいを建てる際に知っておきたい建ぺい率と容積率について解説します。 ここでは建ぺい率と容積率とは何を意味するのかという基礎知識から、計算方法、緩和条件まで説明するので、ぜひ参考にしてみてください。 建ぺい率とは 建ぺい率とは「土地面積と建築された建物面積の割合」のことをいいます。 例えば、土地面積が100m2で建物面積が50m2の場合、建ぺい率は50%となります。 建ぺい率は行政により上限が決められており、該当の土地に対して建ぺい率の上限を超える建物は建築できない決まりです。 仮に建ぺい率が50%と決められている用途地域の場合、100m2の土地に対して50m2の建物しか建てられないわけです。 建ぺい率は用途地域と呼ばれる区分により決められており、最低で30%から最高で80%までの幅があります。 一般的な住宅の場合はどの地域も建ぺい率60%までとされていることが多いですが、自分が居住する地域ごとにも違うので事前に確認しておくのがおすすめです。 容積率とは 容積率とは「土地面積と建物の延べ床面積の割合」のことをいいます。 例えば、土地面積が100m2で建物の延べ床面積が60m2(1階の延べ床面積)と50m2(2階の延べ床面積)だった場合、容積率は両者を合算して110%となります。 容積率も行政により上限が決められており、該当の土地に対して容積率の上限を超える建物は建築できない決まりです。 仮に容積率が110%と決められている用途地域の場合、100m2の土地に対して110m2の延べ床面積の建物しか建てられないのです。 容積率も用途地域と呼ばれる区分により決められており、最低で50%から最高で1,000%までの幅があります。 一般的な住宅の場合はどの地域も容積率200%までとされていることが少なくありませんが、自分が居住する地域ごとにも異なるので事前に確認しておくのがおすすめです。 用途地域と建ぺい率と容積率の関係 建ぺい率と容積率を考える上で欠かせないものが「用途地域」です。 用途地域は計画的な市街地を形成するため、用途に応じて13地域に分けられたエリアのことを指します。 用途地域を守らずに誰もが好き勝手に土地を購入して建物を建築してしまうと都市開発もままなりません。 それを防ぐための決まりが用途地域です。以下、用途地域の13区分となります。 用途地域 用途内容 建ぺい率 容積率 第一種低層住居専用地域 低層住宅専用(高さ10~12mほど) 30・40・50・60% 50・60・80・100・150・200% 第二種低層住居専用地域 低層住宅専用(小型店舗含む) 30・40・50・60% 50・60・80・100・150・200% 第一種中高層住居専用地域 中高層住宅専用 30・40・50・60% 100・150・200・300% 第二種中高層住居専用地域 中高層住宅専用(店舗・事務所含む) 30・40・50・60% 100・150・200・300% 第一種住居地域 住宅(小型店舗含む) 60% 200・300・400% 第二種住居地域 住宅(店舗・事務所含まない) 60% 200・300・400% 田園住居地域 住宅(農業の利便性を重視) 30・40・50・60% 50・60・80・100・150・200% 準住居地域 住宅(道路や自動車関連施設の利便性を重視) 60% 200・300・400% 近隣商業地域 商業施設(近隣住民の利便性を重視) 80% 200・300・400% 商業地域 ほぼすべての種類の建物(大型工場は含まない) 80% 200・300・400・500・600・700・800・900・1000% 準工業地域 工業施設(住宅や小型店舗含む) 60% 200・300・400% 工業地域 工業施設(環境破壊の出る工場含む) 60% 200・300・400% 工業専用地域 工業施設(住宅含まない) 30・40・50・60% 200・300・400% 家を建てる方は以上の用途地域を事前に確認しておかなければなりません。 ただ、用途地域には商業地域や工業地域が含まれているものの、一般的な住宅の場合は関係ありません。 通常の住宅は住宅地域に設定されている用途内容となるため、その範囲の建ぺい率と容積率を確認しておけば大丈夫です。 建ぺい率・容積率の調べ方 建ぺい率と容積率の調べ方には主に2つの方法があります。 市区町村役場の建築指導課または都市計画課に問い合わせる 不動産業者や建設業者(工務店・ハウスメーカー)に問い合わせる 建ぺい率や容積率を調べる最も確実な方法としては市区町村役場の建築指導課や都市計画課に問い合わせる方法があります。 この方法であれば地域ごとに設定されている建ぺい率と容積率を確認できます。 詳しく知りたい場合は、役所の職員に確認するとより安心です。 また、土地を購入する際に不動産業者に聞いたり建物を建築する際に建設業者に聞いたりするのもおすすめです。 不動産のプロであれば用途地域に関しては把握していますし、工務店やハウスメーカーも必ず把握しています。 そのほか、特定行政庁から建築主へ通知される建築確認通知書や特定行政庁の窓口で確認できる建築計画概要書に目を通しておくのも良いでしょう。 併せて、前述した用途地域一覧表に目を通すことで、おおよその建ぺい率・容積率も確認できます。 建ぺい率・容積率の計算方法 ここからは建ぺい率・容積率の計算方法についてご紹介します。 まずは建ぺい率・容積率の計算式を確認しておきましょう。 建ぺい率の計算方法 建物面積÷土地面積×100 容積率の計算方法 延べ床面積÷土地面積×100 建ぺい率・容積率と聞くと難しく聞こえますが、それぞれの数字を当てはめるだけで簡単に計算できます。 例えば「土地面積100m2で建物面積50m2(1階部分)+40m2(2階部分)」だった場合、建ぺい率・容積率の計算式は以下の通りです。 ・建ぺい率=50m2÷100m2×100=50% ・容積率=90m2÷100m2=90% 基本的に建ぺい率の計算では物件を真上から見た面積を使用し、2階建ての物件であれば1階部分と2階部分の広い方から計算する決まりとなっています。 その一方で容積率の計算では1階部分と2階部分の延べ床面積を合算して計算する決まりとなっています。 ここが建ぺい率と容積率の計算方法における相違点となるので注意しましょう。 ただし、建ぺい率は関係ないものの容積率においては「前面道路制限」があります。 これは「敷地に面する道路の幅が12m未満の場合、その幅員に定数を掛けて算出した数字の小さい方が上限となる」という制限となります。 仮に容積率が200%でも4mの道路に接していて定数が0.4の場合、上限が160%まで制限されてしまうということです。 建ぺい率・容積率に関する注意点 「ちょっとくらいならはみ出しても…」と思うかもしれませんが、制限を破ると大変な目に遭います。 ここからは建ぺい率と容積率を考える上で知っておきたい注意点について見ていきましょう。 違法建築物扱いとなってしまう 建ぺい率と容積率は土地や建物だけでなく、街並みを守るために設定されています。 そのため、制限を守らない物件に関しては違法建築物扱いとなるという点には注意しましょう。 日本では建ぺい率と容積率の他にもいくつかの制限が設けられています。 例えば、以下がその代表的なものとなります。 絶対高さ制限 高度地区制限 斜陽制限 日陰制限 以上の制限も細かな内容が設けられており、制限を破った物件は違法建築物として扱われてしまいます。 地域によっては独自の制限を設けている場合もあるため、自分が居住する予定の地域にはどのような制限があるのかを必ず確認しておきましょう。 工事を断られてしまう 建ぺい率と容積率を守らない場合は工事自体が断られてしまうこともあります。 工務店やハウスメーカーはあくまでも建築基準法に則った家しか作れません。 オーナーとなる方がいかに詳細な要望を熱弁しても、それが制限を超えるものであれば契約はできません。 住宅ローンが組めない 建ぺい率と容積率をオーバーする物件は違法建築物となるため、金融機関も融資を行えません。 住宅ローンは物件を担保として融資を行うのが基本ですが、違法建築物は担保としての価値もない状態です。 そのため、制限を守らない家は住宅ローンが組めないという点にも注意しておきたいです。 建ぺい率・容積率を守って広い家を建てるポイント ここまで建ぺい率や容積率について知ると「制限ばかりで理想の家を建てられそうもない」と思ってしまう方もいるかもしれません。 しかし、建ぺい率や容積率には緩和条件というものが設定されています。 緩和条件さえクリアすれば同じ建ぺい率・容積率でも広い家を建てられるので、ぜひ緩和条件をうまく活用しましょう。 地下室 地下室を作る場合、物件全体の1/3以内であれば建ぺい率・容積率の計算に含めなくても良いという緩和条件があります。 例えば、100m2の物件であれば全体の1/3に相当する約30m2までの地下室が問題なく作れるということです。 バルコニー・ベランダ バルコニー・ベランダを作る場合、外壁から突き出した部分が1m以内であれば建ぺい率・容積率の計算に含めなくても良いという緩和条件もあります。 同様に庇や出窓も計算に含めなくて構わないので、同じ建ぺい率・容積率を保ちながら部屋を広くできます。 ただ、庇や出窓は細かい条件もあるので注意してください。 床面から出窓の端まで30cm以上の高さがあること 外壁から50cm以上突き出ていないこと 出窓部分の1/2以上が窓であること ロフト・屋根裏 ロフト・屋根裏を作る場合、該当フロアの床面積に対して1/2以内であれば建ぺい率・容積率の計算に含めなくて良いという緩和条件もあります。 あくまでも該当フロアの床面積に対して半分までという条件付きですが、有効活用すれば限られた建ぺい率・容積率でも部屋を増やせます。 ただし、他にも細かな条件があるだけでなく制限を超えてしまうと1階層分が増えることになってしまうので、空間のサイズには注意しましょう。 吹き抜け 吹き抜けは天井から地面まで突き抜けているため、床がないものとしてみなされます。 そのため、吹き抜け部分は床面積として算入されません。 吹き抜けと階段が隣接している場合は階段部分も床面積として算入されないため、工夫次第でかなりのスペースを確保できます。 ガレージ・車庫 ガレージ・車庫を作る場合、1/5以内であれば建ぺい率・容積率に不算入となります。 ガレージや車庫をうまく物件に取り入れれば居住部分を広く保ちつつ、ほかの空間も確保できるので、倉庫としても兼用できて便利です。 まとめ 建ぺい率と容積率は家を建てる際に欠かせない要素となります。 両者の制限を守らないと違法建築物扱いとなり、弊害も出てきてしまいます。 そのため、必ず居住する地域の建ぺい率と容積率は確認しておかねばなりません。 この記事では、基礎知識から計算方法、緩和条件までをまとめてご紹介しました。 国分ハウジングでは家づくり相談会を実施しています。 ・マイホームを考え始めたけど、何から始めたらいいかわからない… ・マイホームに必要な資金って具体的にいくら? ・何にお金がかかるの?追加費用ってどのくらい必要? ・貯金を崩さずにマイホームを実現することって可能? といった家づくりに関する様々な悩みを解消できますので、家づくりでお困りの方はお気軽にお問い合わせやご来場ください。 国分ハウジングのイベント・見学会情報は以下から! https://kh-house.jp/event/
2022.10.14
マイホームを建てる際「位置指定道路」という言葉を耳にすることがあります。 しかし、工務店やハウスメーカーではないと、この位置指定道路に関して深く理解するのは難しいかもしれません。 その一方、家を取得する以上は位置指定道路についても知っておきたいところです。 今回は、位置指定道路がどのようなものなのかについて、わかりやすく解説します。 また、その確認方法や注意点、固定資産税についても説明するので「これから住宅を持ちたい」と考えている方は、ぜひ参考にしていただけると幸いです。 位置指定道路とは? そもそも位置指定道路とは何かというと、これはいわゆる「私道」の一つです。 私道の中でも特定行政庁から指定を受けたものが、位置指定道路となります。 位置指定道路の概要としては「建築基準法上の道路(原則として幅4m以上)として認められている私道」とされています。 そして、この位置指定に面した土地であれば建物を建てられると定められているのです。 私道は、民間企業や法人会社や個人が管理しており、国や都道府県や市区町村が管理する「公道」とは別物です。 特徴を簡単にまとめると、以下のようになります。 区分 私道 公道 所有者 民間企業・法人会社・個人 国・都道府県・地方自治体 維持管理者 私道の所有者 私道の所有者 以上の表を見ていただけるとわかる通り、私道と公道は所有者が異なります。 また、維持管理者についても違います。特に私道は所有者と維持管理者が別々なのですが、公道は所有者と維持管理者が同等です。 それぞれの特徴に注意が必要となるでしょう。 私道のままでは家は建てられないのか? ここまでの内容を見て「なぜ位置指定道路が必要なの?」という疑問を抱く方もいるかもしれません。 これに関しては建築基準法に則って決められているといえます。 そもそも建築基準法では「該当の土地に建物を建てる場合、道路に2m以上接している必要がある」と定められているのです。 たとえば、広い土地を分割して建物を複数建てる場合、道路に面していない敷地の奥の土地には建物を立てられないということとなります。 以下、その具体例を見てみましょう。 公道 この土地には建物が建てられる 〇 この土地には建物が建てられない × この土地には建物が建てられる 〇 この土地には建物が建てられない × このように公道に面している土地には建物が建てられます。 公道 この土地には建物が建てられる 〇 この土地には建物が建てられる 〇 位置指定道路 この土地には建物が建てられる 〇 この土地には建物が建てられる 〇 逆に公道に面していなくても位置指定道路に面している土地には建物が建てられます。 ただ、こうなると今度は「位置指定道路ではなく私道のままだと家は建てられないの?」という疑問も出てくるかと思います。 これに関しては一概に不可能とはいえない状況です。 実際に、昔は幅4m未満の道路も多く、その中には建築基準法ができる前から住民が道路として使用しているものもあります。 そうした私道は建築基準法上の道路として認められているものもあり、例外として家の建築が許可されています。 そこは単なる私道であっても古くから周辺の人々が使用しているものに限り、家を建てられるということです。 位置指定道路はどのように確認する? では、位置指定道路はどのように確認するのでしょうか。 これに関しては所在地を管轄する役所に出向くのが確実です。 その建築課窓口に「道路位置指定図」が提示されていることも多いほか、職員に直接、質問することで図面の閲覧が可能となります。 役場によっては道路位置指定図の写しを発行してくれるところもあるので、手元に図面を置いておきたい場合は「指定道路調書証明書」を交付してもらいましょう。 これがあれば、土地や建物を取得する際に役立ちます。 位置指定道路にするための方法 私道を位置指定道路にするには「位置指定道路の申請」を行わなければなりません。 位置指定道路の申請に関しては役所の建築課に相談することで計画を進められます。 ただし、私道の所有者というのは1人の場合もありますし、共同の場合もあります。 それだけでなく、私道を位置指定道路にするためには幅を4m以上にするほか、側溝を設けたり路面を舗装したりなど、いくつかの要件を満たさなくてはなりません。 こうした工事も含め、基本的には私道の所有者が行う決まりとなっています。 それでいて、私道を所有している人全員が合意しないと位置指定道路の申請は行えないよう定められています。 つまり、位置指定道路にするにはそれなりの手間や面倒がかかるということです。 そのため、実際には私道を所有していてもなかなか位置指定道路にできなかったり、合意が得られないことで計画が頓挫したりすることもあります。 位置指定道路の固定資産税は誰が払う? 位置指定道路も土地の一種なので、建物の有無に関わらず固定資産税が発生します。 固定資産税は、原則として位置指定道路の所有者が支払わねばなりません。 個人で所有している場合はその個人が支払い、共同で所有している場合はその共有持ち分に応じて支払うことになります。 そのため、位置指定道路を持つ場合は固定資産税にも注意が必要となるでしょう。 ただし、同じ私道であっても公衆用道路は非課税とされています。 公衆用道路は位置指定道路とはまた別物で、私道を公衆用道路にするにもいくつかの条件をクリアしなければなりません。 そこは地域によっても判断が異なるため、詳しくは役場に相談してみるのが賢明です。 たとえば、以下のような私道は公衆用道路として認められるケースがあります。 通行禁止の障害物が置かれていないもの 不特定多数の人に利用されているもの 道路としての形態を維持しているもの 幅8以上で通り抜け可能であるもの これらの条件を満たしている道路であれば、私道であっても公衆用道路として認められます。 要件も自治体によって違うので、併せて地域の建築課に確認してみましょう。 位置指定道路付きの土地の注意点 位置指定道路付の土地を所有する場合はいくつか注意点があります。 どうしても建物に関してはしっかり考えている方が多いですが、それ以外については忘れてしまいがちです。 そのため、最後に位置指定道路の注意点についても把握しておきましょう。 1.公道にするのは相当な覚悟が必要 前述の通り、私道を位置指定道路にするには相当なハードルがあります。 それだけでなく、公道にするにも相当なハードルがあります。 実際に、公道は幅4m以上必要なほか、耐久性に対しても厳しい基準が設けられています。 さらに、公道となる以上は自治体も維持管理費が必要となるため、予算が確保できない自治体の場合は断られることも少なくありません。 そこは公道にするには相当な覚悟が必要だと認識しておきたいです。 2.廃止には正当な理由と所有者の同意が必要 逆に位置指定道路を廃止する場合もハードルがあるといえるでしょう。 実際に「私はもう使用しないので」と勝手に廃止することはできません。 特に所有者が個人の場合は対応の仕方もありますが、所有者が複数いる場合は廃止する際も全員の同意が必要です。 このように、自分の所有部分だけ廃止するというのは難しいと理解しておきたいところです。 3.購入時に自由に通行できるかどうかの確認 もし位置指定道路付きの土地を購入して建物を建築する場合、自由に通行できるかどうかは確認しておいた方が良いでしょう。 位置指定道路も私道の一種なので、通行券があるわけではありません。 そのため、不当に通行料を請求されたり、通行を妨害されたりなど、過去に問題があった可能性もあります。 通行の自由については、事前に確認しておくべきです。 4.売却時は位置指定道路を忘れていないか確認 仮に位置指定道路付きの土地を売却して建物も放棄する場合、飛び地の存在は改めて確認しておいた方が良いかもしれません。 意外にも、飛び地になっているケースは多く、手放す際に忘れてしまっていることもあります。 その場合、自己資産の管理にも影響が出てくるので、私道の経済的負担がないかどうかきちんと確認しておきましょう。 まとめ 夢のマイホームを手に入れる際、道路についても考えておくことが必要です。 特に、公道に面している土地は問題なく建物を立てられますが、私道となると話は変わります。 基本的に建物は道路に2m以上接した土地でないと建てられないため、私道では状況が変わることも多いです。 その一方、私道であっても位置指定道路であれば問題なく建築できるなど、特殊な事例もあります。 そこは所有する土地や建物に面する道路がどういったものなのか、その点も含めて計画していきましょう。 そうすることで余計なトラブルも未然に防げます。 国分ハウジングでは家づくり相談会を実施しています。 ・マイホームを考え始めたけど、何から始めたらいいかわからない… ・マイホームに必要な資金って具体的にいくら? ・何にお金がかかるの?追加費用ってどのくらい必要? ・貯金を崩さずにマイホームを実現することって可能? といった家づくりに関する様々な悩みを解消できますので、家づくりでお困りの方はお気軽にお問い合わせやご来場ください。 国分ハウジングのイベント・見学会情報は以下から! https://kh-house.jp/event/
2022.08.25
家を取得する場合、大きく、建売住宅と注文住宅の2種類から選ぶことになります。 また、取得方法によって住宅ローンの申し込みができるかどうかも変わってきます。 たとえば、土地を先に購入してから建物を建築する場合、原則として住宅ローンの融資を受けられない可能性があるわけです。 こうした点を知らずにマイホームプランを立ててしまうと、後悔することもあるかもしれません。 多くの方は家の取得時に住宅ローンを組むことになるわけですが、もし申し込みができないという状況になってしまうと大変です。 ただ、住宅ローン以外のローンで対応できる場合もあるので、家の資金計画をどのように立てていくのかをきちんと考えましょう。 そこで今回は、土地を建物よりも前に取得する際、住宅ローンの申し込みが可能なのかどうかについて解説します。 ローン自体は借りられるが… 先に結論を伝えると、土地を先に購入する場合は住宅ローンを借りられません。 金融機関の多くは建物に対して抵当権を設定して融資を行っています。 抵当権は債務不履行となった場合に、担保についてほかの債権者に優先して弁済を受ける権利をいいます。 抵当権は購入する住宅の土地と建物ごとに金融機関が設定する権利であり、これらがないことには金融機関も融資できません。 当然ながら、土地があったとしても、建物が完成していない場合は融資が実行されないということです。 本来、土地と建物をセットで取得する建売住宅などは問題なく住宅ローンも組めるのですが、注文住宅となると話が変わってきます。 注文住宅は建売住宅とは異なり、土地を購入してから建物を建築していく流れとなります。 当然ながら、抵当権も設定できないため、住宅ローンは組めないわけです。 ただ、その一方で住宅ローンとは別で用意されている金融商品もあります。 それが「土地先行融資」と「つなぎ融資」の2つです。 これらは、土地を手に入れるための融資、もしくは建物が完成するまでの融資となるため、うまく活用すれば心強い味方となってくれるでしょう。 住宅ローンとは別に契約が必要となるため、ローン自体は借りられるものの住宅ローンとは別物であることを覚えておかなくてはなりません。 土地先行融資やつなぎ融資を利用する マイホーム取得においては、建物については決まっていなくとも土地だけ前もって押さえたいという状況もあるでしょう。 良い土地はすぐに売れてしまうため、後からどうとでもできる建物に比べて先に取得しておきたい方も多いはずです。 その場合は、土地先行融資やつなぎ融資を利用しましょう。 土地先行融資とは? 土地先行融資とは、建物を建てる前の土地に対して受けられる融資です。 土地先行融資は先に土地分の融資を受け、後で建物分の融資を受けられるなど、利便性の高い融資方法となっています。 そのため、土地を先に抑えて建物を後から作りたいという方に最適です。 しかし、土地と建物の審査は別途行われるため、どちらの審査にも通過しなくてはなりません。 逆に片方に受かってももう片方で落ちれば水の泡です。 通常の住宅ローンは仮審査(事前審査)と本審査があるわけですが、土地先行融資は土地と建物の審査がそれぞれあると覚えておきましょう。 つなぎ融資とは? つなぎ融資とは、建物が完成する前の間に受けられる融資です。 つなぎ融資は住宅の引き渡しまで利息だけを支払い、その後に生活が始まってから住宅ローンと併せて返済していくのが融資方法となります。 そのため、まとめて返済計画を立てたい方に最適です。 住宅の完成までには、最低でも数ヵ月かかります。 当然、工事が始まってから着工金や中間金、竣工金などのお金がかかります。 本来、そうした工事にかかるお金は貯金などから賄ったり、両親祖父母から援助してもらったりするのが定石ですが、すべての方が思い通りに資金調達できるとは限りません。 土地の購入はもちろん建物の建築にかかるお金の補填として活用すべきなのが、つなぎ融資です。 土地先行融資・つなぎ融資のメリット 土地先行融資もつなぎ融資もデメリットがある反面、メリットが豊富にあります。 ここでは、それら土地先行融資とつなぎ融資の魅力についてまとめます。 特にどちらにすべきか迷っている方は、それぞれの良し悪しを把握してから選択しましょう。 土地先行融資のメリット 土地先行融資のメリットは以下の3つが代表的なものとなります。 金利が低い 住宅ローン控除を受けられる 土地を押さえた上で建築に取り掛かれる 土地先行融資は金利が低く設定されています。 実際に、土地先行融資は建物ではなく土地に抵当権を設定するため、金利も低いのが特徴です。 また、条件を満たせば住宅ローン控除を受けられるのも特徴となります。 そのほか、希望する土地を押さえた上で建築に取りかかれるのも魅力といえるでしょう。 つなぎ融資のメリット つなぎ融資のメリットは以下の3つが代表的なものとなります。 無担保で構わない 頭金が求められない 分割して融資を受けられる つなぎ融資は無担保でも構いません。 実際につなぎ融資は抵当権を設定しなくて良いので、無担保で借りられます。 また、頭金も求められないため、自己資金が足りない方でも安心なのが特徴です。 さらに、分割して融資を受けられるので、着工金や中間金や竣工金ごとに合わせられるのが強みといえます。 融資額が決まるポイント。土地の評価額とは? 金融機関によって住宅ローンの融資額は異なります。 これら融資額は不動産の評価額によって決まるため、どのようにしてその価値が決まるのかを理解しなくてはなりません。 ここからはそれら不動産の評価額がどこから算出されるのかについてまとめます。 土地の評価額とは? 土地や建物などの不動産はそれぞれ評価額というものが設定されています。 それらの評価額は主に「公示地価・基準地価・路線価・固定資産税評価額・過去の取引事例と比較」の5つから決定します。 金融機関によって若干異なるものの、もし融資を受けるということならそれらの要素についても知っておくことが重要です。 まずは1つひとつ詳しく見ていきましょう。 ▼公示地価 公示価格は地価表示法によって決まるもので、主に国土交通省が年1回発表しています。 公示価格は不動産鑑定士が評価していることもあり、その精度の高さでも有名です。 事実、金融機関の多くはこれら公示地価を基準に融資額を決めています。 その一方、公示地価は都市計画法による都市計画区域内の地域のみを対象に発表されるため、対象外の地域は含まれません。 その点は注意が必要です。 ▼基準地価 基準地価は国土利用計画法によって決まるもので、主に各都道府県が年1回発表しています。 基準地価も不動産鑑定士が評価しており、その仕組みは公示地価とほぼ同じです。 ただし、基準地価は公示地価と違って都市計画法による都市計画区域外の地域も対象として発表しているため、対象となる地域も広いです。 より確実に融資額を算出したい場合は基準地価に注目しましょう。 ▼路線価 路線価は市街地を形成する地域の道路に面する宅地1m2当たりの評価額として決まるもので、主に国税庁が年1回発表しています。 これら路線価は融資額の算出のみならず、相続税や贈与税などの算出でも活用されるのが特徴です。 路線価は相続税路線価や贈与税路線価の他に固定資産税路線価などの種類があり、目的ごとに算出方法も変わります。 ▼固定資産税評価額 固定資産税評価額は固定資産税の課税額を決めるものであり、国によって定められている最終評価額のことをいいます。 これらは主に各都道府県の市町村長が決定し、3年ごとに発表されるのが特徴です。 これら固定資産税評価額は住宅を取得する際に頻出する用語なので、ぜひ覚えておきましょう。 ▼過去の取引事例と比較 融資額については過去の取引事例と比較することで決まる場合もあります。 常に不動産の価値というのは変動しますが、その大まかな基準となるのが以前に行われた取引の前例です。 金融機関では昔の取引事例と比べて融資額を算出することもあるので、それらの決定方法があることも頭に入れておくと安心です。 土地についてのローンの注意点 最後に土地先行融資やつなぎ融資など住宅ローン以外のローンで気をつけたい注意点を確認しておきましょう。 これら注意点を知るのと知らないのとでは天と地ほどの差があるといっても過言ではありません。 1.名義が誰なのか 土地と建物を別途で取得する際、名義が別々になるという事態も発生します。 たとえば、夫婦で家を取得する場合、土地は旦那で建物は妻というかたちを選択する人もいるかもしれません。 しかし、別名義で契約してしまうと住宅ローン控除を受けられなくなる可能性があります。 たとえば、建物の名義を持つ妻は住宅ローン控除を受けられるのに、土地の名義を持つ夫は住宅ローン控除が受けられないという事態も発生します。 そのため、名義を誰にするかという点には注意しましょう。 2.計画が確実かどうか 土地先行融資やつなぎ融資は建物を建てることが前提となるローンです。 そのため、建物を建築する予定がないのに土地だけ購入するという場合は、審査に通らないこともあります。 特に、何も建物の計画が進んでいない状態で土地だけ取得しようとしても、土地先行融資やつなぎ融資を受けられない可能性があります。 金融機関の中には土地を取得してから数年以内に建物を完成させなくてはならないところもあるので、注意してください。 3.自己資金が潤沢かどうか 家の取得は人生で最も大きな買い物と揶揄されます。 それはつまり住宅ローンが人生で最も大きな負担の1つになることを意味します。 そのため、土地先行融資やつなぎ融資は極力借りないのが得策です。 どうしても良い土地があって手に入れたいということなら先にローンを組んで取得するのもありですが、いずれは建物の分を含めた住宅ローンとして返済しなくてはなりません。 そのため、そこは焦らずにしこ資金を貯めてから計画を立てていくのでも遅くはありません。 特に、あらかじめ数百万円で貯金しておくなど、事前の予防と対策が功を奏します。 4.二重ローンになっていないか 住宅ローンを考える上で返済負担率というものが非常に重要となります。 返済負担率は上限が30~35%とされており、それを超えるローンは原則として組めません。 この返済負担率はほかのローンも合算して考えられるため、仮にすでにカーローンなどを組んでいる場合はより返済負担率が圧迫されます。 さらに、土地先行融資やつなぎ融資は住宅ローンとは別のローンとなるため、二重ローンとなる可能性があります。 ほかに融資を受けていないかどうかなども含めて、適切な返済計画を立てましょう。 まとめ 建物の建築ではなく土地の購入を先に行う場合、住宅ローンは契約できません。 しかし、別のローンとしてなら土地先行融資やつなぎ融資を受けられます。 これらはそれぞれメリットもあり、うまく活用すれば夢のマイホームを取得するのに役立ちます。 その一方でデメリットもあり、注意点と併せて確認しておくべきです ただし、貯蓄から自己資金を捻出することが理想ではあるものの、どうしても良い不動産が見つかったということなら土地先行融資やつなぎ融資の活用も考えてみるのが良いかもしれません。