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2023.03.30
この記事では、団体信用生命保険の概要や加入条件、種類などを解説します。 住宅ローンを組む際に、多くの金融機関では団体信用生命保険(団信)の加入が融資の条件となっています。団信には様々な商品があり、金融機関によって異なるので注意が必要です。 【この記事でわかること】 ● 住宅ローンにおける団信(団体信用生命保険)の概要 ● 住宅ローンにおける団信(団体信用生命保険)の加入条件 ● 住宅ローンにおける団信(団体信用生命保険)の種類と注意点 住宅ローンの団信(団体信用生命保険)とは? 住宅ローンの団信(団体信用生命保険)とは生命保険の1つで、金融機関が融資承諾のために提示する条件に組み入れられることが多い保険です。 住宅ローンの債務者が仮に、死亡や高度障害状態になった場合、ローンの支払いが困難になります。その場合、団信に加入していなければ家を差し押さえられ、住んでいる家族も強制退去となってしまうでしょう。 ただし、団信に加入することで、死亡時や高度障害状態になっても残債の支払いを免責できます。 このように、団信に加入することで、万が一の事態があっても家と家族を守れます。ここからは、団信についてさらに詳しく見ていきましょう。 団信の仕組み 一般的な生命保険との違い 上記2点を順番に解説します。 団信の仕組み 団信は、契約者と保険受取人が金融機関、被契約者が住宅ローンの債務者となります。 つまり、債務者に万が一のことがあった時点で保険金が金融機関に支払われ、保険金をもって住宅ローン残債を完済することになります。 一般的な生命保険との違い 一般的な生命保険の場合、保険金は家族に支払われます。 一方、団信は保険金受取人が金融機関となっているため家族には支払われません。なぜなら、団信の保険金はあくまでも住宅ローン残債の返済に使われ、他の用途では使用できないからです。 そのため、債務者に万が一のことがあった際に住宅ローン以外で金銭的な心配がある場合は、一般的な生命保険も並行して検討するのがおすすめです。 住宅ローンの団信に加入するための条件 この章では、住宅ローンの団信に加入するための条件について、解説します。 団信に加入できなければ、金融機関から融資を受けられません。したがって、審査が進んだ状態で否決とならないためにも、この章で解説する以下2点の条件を事前に確認しましょう。 住宅ローンをこれから契約する人 健康状態などの条件を満たした人 順番に解説していきます。 住宅ローンをこれから契約する人 団信は、住宅ローンの契約時のみ加入できます。また、住宅ローンを組んでいる途中からは加入できないため注意が必要です。 そのため、これから住宅ローンを契約する人が加入条件となることを把握しておきましょう。 健康状態などの条件を満たした人 団信は、死亡もしくは高度障害状態になると住宅ローン残債の支払い義務が免責となります。そのため、保険会社が定めた健康状態などの条件を満たさなければなりません。 健康状態の確認は、保険会社が提示する告知書に沿って行われ、告知書に記載されている病歴の有無をチェックします。 このように、健康状態などの判定は自己申告ではなく、あくまでも保険会社が判断することになるため注意しましょう。 住宅ローンにおける団信の種類と内容 この章では、住宅ローンにおける団信の種類と内容について解説します。 団信は死亡、もしくは高度障害状態で保険金が支払われる仕組みであり、金利を上乗せすることで多くのオプションを追加できます。 そのため、この章で解説する団信の種類と内容を確認し、金利とのバランスを見て決めましょう。 通常の団団体信用生命保険 全疾病特約付団体信用生命保険 三大疾病特約付団体信用生命保険 八大疾病特約付団体信用生命保険 がん保障特約付団体信用生命保険 ここでは、上記5種類の団信について解説します。 通常の団体信用生命保険 通常の団体信用生命保険は、被契約者が死亡もしくは高度障害状態になった際に保険金が金融機関に支払われる保険です。 「一般団信」ともいわれる保険であり、金融機関にオプションの追加を要求しなければ、自動的にこの団信に加入することになるでしょう。 全疾病特約付団体信用生命保険 全疾病特約付団体信用生命保険(全疾病)とは、精神疾患を除く病気やケガの影響により就業不能となった時点で保険金が支払われる団信です。 全疾病は、ほぼ全ての病気やケガに対応できる一方で上乗せの金利が最も高く、さらには取り扱っている金融機関が少ない点が特徴といえます。 三大疾病特約付団体信用生命保険 三大疾病特約付団体信用生命保険(三大疾病)は通常の団信に加え、「がん」や急性心筋梗塞、脳卒中を患った場合であっても保険金が支払われる団信です。 通常の団信に対して、0.1%の金利上乗せで加入できる金融機関もあり、検討する人が多い団信といえるでしょう。ただし、3つの病気はただ患うだけでは条件を満たすことはなく、各病気の進行状態が明確に定められています。 そのため、保険金の支払われる状態をあらかじめ確認することをおすすめします。 八大疾病特約付団体信用生命保険 八大疾病特約付団体信用生命保険(八大疾病)は、三大疾病に加え、高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎においても支払い対象となる団信です。 追加される5つの疾患は重度慢性疾患と呼ばれ、生活習慣病にも挙げられます。この団信も三大疾病と同様に、それぞれの疾患に対して保険金の支払い条件が定められています。 がん保障特約付団体信用生命保険 「がん団信」と呼ばれるこの保険は、三大疾病から心筋梗塞と脳卒中を除外した「がん」のみのオプション商品となります。 厚生労働省のデータによると、2021年の死亡者において「がん」は約26.5%を占めており、最も多い死亡原因でした。そのため、多くの団信加入者が「がん団信」を追加しています。 ただし、三大疾病や八大疾病と同じく、「がん」の種類やステージによって保険金の支払い条件が変わるため、加入前に細かく確認することが重要です。 ※参考:令和3年(2021)人口動態統計(確定数)の概況|厚生労働省 住宅ローンの団信に加入する際の注意点 団信の加入が重要なポイントであることを解説してきましたが、この章では住宅ローンの団信に加入する際の注意点を解説します。 多くの金融機関が団信加入を融資条件としているものの、イメージしていた内容と異なっていたり、後から契約違反と指摘されたりする可能性はゼロではありません。 そのようなケースを避けるためにも、この章で解説する注意点を押さえましょう。 免責事項をしっかりと確認する 健康状態は偽りなく告知する 解約後は再加入できない 加入後は契約内容を変更できない 借り換え時は再度団信に加入する必要がある 上記5点を順番に解説します。 免責事項をしっかりと確認する 免責事項とは、条件を満たす病気にかかったとしても、保険金が支払われないケースのことです。たとえば、加入後2年以内の自殺や、ステージ1の胃がんなどが該当します。 このように、加入する団信に合わせた免責事項は非常に重要なポイントとなるため、契約する前に必ず確認しましょう。 健康状態は偽りなく告知する 健康状態に虚偽があり金融機関にバレた場合、契約解除を請求されることにもなりかねません。 また、その場合は金融機関との契約も解除となるため、住宅ローンの一括返済請求を受けることになるでしょう。この場合、返済できなければ家を差し押さえられることになります。 このように、健康状態の虚偽申告は非常に重いペナルティを課せられることになるため、必ず偽りなく告知しましょう。 解約後は再加入できない 団信は解約が可能ですが、再加入はできません そのため、団信を解約するかどうかは慎重に判断することをおすすめします。 加入後は契約内容を変更できない 団信は再加入できないだけでなく、契約内容の変更もできません。そのため、年齢を重ねてから全疾病を追加するなどの方針が立てられないため、注意が必要です。 借り換え時は再度団信に加入する必要がある 住宅ローンを、当初契約した金融機関から別の金融機関に借り換えた場合、団信を継承できません。金融機関との契約が解除されるため、当然団信も解除となります。 そのため、新しく契約した金融機関で再度、団信に加入しなければなりません。 住宅ローンの団信を選ぶ際のポイント 団信は多くの種類があるため、どれに加入すべきか悩むケースは少なくありません。 そこで、この章で解説するポイントを参考に選びましょう。 保障内容が充実しているか 金利優遇があるか 緊急時にすぐに相談できる金融機関か 保険金が支払われやすい条件か 順番に解説していきます。 保障内容が充実しているか 団信は、自分に合った保障内容が充実している商品を選択しましょう。 保障内容を一般の生命保険と比較検討し、得できるように選択することが重要です。 金利優遇があるか 団信を選ぶ際は、金利優遇があるかどうかも重要です。 金融機関によっては、オプション追加による金利上乗せを一定期間「0」にするサービスもあります。したがって、金融機関を選ぶ際には団信の金利優遇も確認しましょう。 緊急時にすぐに相談できる金融機関か 団信を利用するタイミングは緊急時のケースもあるため、すぐに相談できる団信専用ダイヤルがある金融機関を選ぶことがおすすめです。 また、24時間の受付対応があるか、支店が対応してくれるのかなど、細かく対応方法も確認することが重要です。 保険金が支払われやすい条件か 保険金が支払え荒れやすい条件かどうかも、団信を選ぶ際に重要となります。 保険金の支払いが決定するまでに時間がかかる場合は、すぐには団信を利用できません。そのようなことにならないためにも、保険金が支払われる流れは事前に把握しましょう。 住宅ローンの団信に関するよくある質問 最後に、住宅ローンの団信に関するよくある質問を紹介します。 住宅ローンの団信はどこまで付けるべき? 団信と生命保険はどっちが得? 加入者が高度障害状態になったら住宅ローンはどうなる? 順番に回答していきます。 住宅ローンの団信はどこまで付けるべき? 団信は、自分の状況に合わせてオプションを付与しましょう。例えば、返済期間と完済時の年齢、がん家系かどうかなどが挙げられます。 団信と生命保険はどっちが得? 団信と生命保険は、どちらが得とは一概に言えないでしょう。 団信は住宅ローンに対する保険で、生命保険は保険金の利用用途に制限がありません。そのため、各用途に合わせて保険加入することをおすすめします。 加入者が高度障害状態になったら住宅ローンはどうなる? 加入者が高度障害状態であっても団信は適用されるため、適用時点での住宅ローン残債について、返済義務が免責となります。 住宅ローンの団信は加入条件をしっかりと把握しよう 住宅ローンを検討する際には、金利と同様に団信の内容も重要です。そのため、各保険の種類と保障内容を正確に把握し、選択することが重要です。 国分ハウジングでは、家づくりのプランだけではなく、団信などの保険内容も分かりやすくお客様に説明しています。 「団信で失敗したくない」「住宅ローンを組む前に各保険の詳細を知りたい」という人は、ぜひご相談ください。
2023.03.30
この記事では、年収別に住宅ローン借入可能額の目安をシミュレーションしていきます。 住宅ローンは、借入額が大きいほど高額な家を購入できます。しかし、その分毎月の返済に対する負担も大きくなり、年収に見合っていなければ支払いが困難となるおそれもあるでしょう。 そのため、住宅ローンの借入額は、年収によって大きく変動するといえます。 この記事では、年収別の住宅ローン借入可能額だけではなく、年収以外の決定基準も解説するので、ぜひ最後までお付き合いください。 【この記事でわかること】 ● 年収別の住宅ローン借入可能額をシミュレーション ● 年収以外で借入額を決める基準 ● 低年収でも借入する方法 住宅ローンにおける借入額の基礎知識 まずは、住宅ローンにおける借入額の基礎知識を紹介します。 購入する不動産の総額は、年収の倍率である程度決まっており、新築住宅と中古住宅で変わります。また、借入可能額においても年収からの倍率が基準となるため、この章で解説するポイントをしっかり把握しましょう。 新築住宅の総費用は年収の平均7~7.5倍 中古住宅の総費用は年収の平均5.7倍 自己資金の割合は8~10% 借入可能額は年収の8倍 なお、この章で解説する内容は『住宅金融支援機構』が公開しているデータを基に解説しています。 ※参考:2021年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構 ※参考:2021年度集計表|住宅金融支援機構 新築住宅の総費用は年収の平均7~7.5倍 新築住宅を購入する際の総費用は注文住宅と建売住宅で差があり、注文住宅で7.5倍、建売住宅で約7倍です。 つまり、年収500万円で新築住宅を購入する場合は注文住宅で3,750万円、建売住宅で3,500万円が平均となります。 中古住宅の総費用は年収の平均5.7倍 中古住宅の場合は新築住宅よりも価格が安いため、平均5.7倍と低くなります。 ただし、リフォームの規模によっては平均倍率以上になるケースも多いため、注意が必要です。 自己資金の割合は8~10% 鹿児島県で家を購入する際、自己資金の平均額は約300万円です。つまり、不動産を購入する際の8〜10%程度を用意することになるでしょう。 ただし、低金利政策によって住宅ローンの金利が非常に低いため、あえて自己資金ゼロで購入する人も増えています。 そのため、どちらが資金計画として得なのか慎重に検討することが重要です。 借入可能額は年収の8倍 銀行が住宅ローンを審査する際に、借入希望額が年収の倍率に収まっているかどうかを判断します。年収倍率を公開している金融機関はありませんが、おおむね8倍程度であれば問題なく審査通過できる水準といわれています。 そのため、借入希望額が年収の8倍以内かどうかを事前に把握しておく必要があるでしょう。 年収別に住宅ローン借入可能額の目安をシミュレーション この章では、住宅ローン借入額の目安を年収別にシミュレーションします。 これから家を購入する際の資金計画にとって重要な指標となるため、参考にしてください。 なお、シミュレーションの際は以下を借入れ条件に設定します。 〈借入れ条件〉 元利均等方式 返済期間35年 固定金利1% 返済負担率30% 上記を条件に設定した場合、年収別の借入可能額と月々の返済額は以下の通りです。 年収 借入可能額 月々の返済額 300万円 2,656万円 74,975円 400万円 3,542万円 99,985円 500万円 4,428万円 124,996円 600万円 5,313万円 149,978円 700万円 6,199万円 174,988円 ※参考:2021年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構 ※参考:住宅ローンシミュレーション|住宅保証機構株式会社 ※参考:2021年度集計表|住宅保証機構株式会社 ※参考:鹿児島県の賃貸家賃相場・賃料相場を調べる|SUUMO ここからは、年収別のシミュレーション結果をさらに詳しく解説していきます。 年収300万円のケース 年収300万円の場合、借入可能額は2,656万円、月々の返済額は74,975円となります。 鹿児島県鹿児島市で3LDK〜4LDKのマンションを借りる場合、家賃の平均は7.8万円となるため、ほとんど同じ金額で家を購入できます。 そのため、鹿児島県では年収300万円台で家を購入しても問題ないといえるでしょう。 年収400万円のケース 年収400万円では、借入可能額は3,542万円、月々の返済額は99,985円となります。 鹿児島県の建売住宅は平均3,050万円となるため、年収400万円台であれば問題なく購入できるといえるでしょう。 年収500万円のケース 年収500万円では、借入可能額は4,428万円、月々の返済額は124,996円です。 この年収層になると鹿児島県だけでなく、福岡県で注文住宅を検討することも可能な借入可能額となります。そのため、家づくりの自由度が広がってしまい要望がまとまらなくなるのも年収500万円台だといわれています。 このように、購入できる不動産の幅が広がるからこそ要望を優先順位づけし、探すエリアや不動産を絞ることが重要です。 年収600万円のケース 年収600万円では、借入可能額は5,313万円、月々の返済額は149,978円となります。 たとえば、二世帯住宅を鹿児島県内で検討する場合は、この年収層から現実的な資金計画を立案できるようになります。 また、親子ペアローンや夫婦の収入合算によって審査基準となる年収の底上げができるため、二世帯住宅などの比較的高額な住宅を検討する場合は年収600万円を基準にしましょう。 年収700万円のケース 年収700万円では、借入可能額は6,199万円、月々の返済額は174,988円となります。建築するハウスメーカーを、比較的自由に選択できるようになるのがこの年収層です。 住宅ローン控除の控除額が最大になるのも年収700万円台となるため、該当者は積極的に利用しましょう。 年収以外で住宅ローンの借入額を決める基準 年収以外にも住宅ローンの借入額を決める基準があり、年収と違って借入申込者が調整できる基準となっています。 返済方式 返済負担率 金利タイプ 定年時のローン残高 年収倍率だけではなく、上記の項目についても把握しておきましょう。 返済方式 返済方式には「元利均等方式」と「元金均等方式」があり、月々の返済額が変わります。 元利均等方式は毎月の返済額が一定となるため、返済計画が立てやすいメリットがあります。一方、元金均等方式は返済スタート時点の返済額が高く、返済期間が継続するにつれ返済額が減少する方式です。 そのため、将来の支払額を抑えられ、さらには元利均等方式よりも総額を抑えられます。つまり、同じ金額を借りるにしてもどちらの返済方式を選択するのかで総額が変わるため、審査内容が変わることになります。 このように、返済方式によって総額が変わるといった特徴を踏まえた上で返済方式を選択することが重要です。 返済負担率 返済負担率とは、年間の返済総額と年収の割合のことです。金融機関が公開しているデータはないものの、一般的に年収の30%前後であれば問題なく審査を通過するといわれています。 実際に住宅金融支援機構が公開しているデータでも、平均的な返済負担率は25〜30%程度となっています。 そのため、返済計画を立てる際にも返済負担率30%となるよう意識することが重要です。 ※参考:2021年度フラット35利用者調査|住宅金融支援機構 金利タイプ 金利タイプには「変動金利」と「固定金利」があり、変動金利の方が固定金利よりも金利と総額が安くなるケースが多くあります。 そのため、住宅ローンを利用する際には多くの人が変動金利を選択していますが、金融市場の変化によって金利が上昇するリスクを抱えることにもなります。 そのため、金利タイプについてはどちらが返済計画として安全であるのかを、慎重に検討しなければなりません。 定年時のローン残高 たとえば、30歳で35年の住宅ローンを組むと定年前に完済できますが、40年だと定年後もローンは残ります。 定年後は年収が大きく下がるため、これまで通りに返済できない可能性もあります。そのため、老後資金を考慮した返済計画を立てることが重要です。 年収が低くても住宅ローン審査に通るコツ この章では、年収で低くても住宅ローン審査に通るためのコツを解説します。 年収に見合った借入を意識する 頭金を増やして支払いの負担を減らす 消費者金融の借入れを避ける 年収をすぐに上げることは困難なため、この章で解説するコツを押さえながら少しでも審査に通りやすくしましょう。 年収に見合った借入を意識する この章でも解説したように、年収倍率によって不動産の予算はある程度決まります。そのため、年収やライフプランに合った家を検討することで住宅ローンは通りやすくなるでしょう。 頭金を増やして支払いの負担を減らす 頭金を多く用意することで、金融機関の審査では「堅実に貯金できる」などのプラスポイントになるため、住宅ローンの審査に有利となります。 また、不動産の予算は住宅ローンや頭金、援助の合算で構成されるため、頭金を増やすことで住宅ローン借入額を減らし、審査基準を下げることが可能です。 消費者金融の借入れを避ける 消費者金融の借入は、住宅ローンの審査を受ける上で大きなマイナスとなります。そのため、審査をスタートする前に返済するか「完済条件」で審査してもらうようにしましょう。 自分の年収から適正な住宅ローン借入可能額を把握しよう 住宅ローンの借入額や審査通過の可否は、年収が大きなポイントになります。そのため、まずは自身の年収に合った借入可能額を確認することが重要です。 国分ハウジングでは、新築購入後に後悔しない返済計画をお客様にアドバイスし、無理のない返済で購入できるプランを提案しています。 住宅ローン返済に悩むことなく新生活を送りたい人は、ぜひ国分ハウジングまでご相談ください。
2023.03.30
この記事では、住宅ローンでギリギリの生活から抜け出す方法と、そのような生活にならないための対策について解説します。 住宅ローンの支払いが原因でギリギリの生活になった場合、一刻も早く改善する必要があります。また、そもそもギリギリの生活にならないために、事前の対策も重要となるでしょう。 住宅ローン返済の影響で、ギリギリの生活になってからでは容易に修復することが困難となるため、本記事で解説するポイントをしっかりと押さえておきましょう。 【この記事でわかること】 ● ギリギリの生活になる原因 ● ギリギリの生活から抜け出す方法 ● ギリギリの生活にならないための対策 そもそも住宅ローンでギリギリの生活になる原因は? この章では、住宅ローンでギリギリの生活になる原因について解説します。 そもそも、住宅ローンを組む際には資金計画によって月々の支払いを確認し、無理のない範囲で借入することが望ましいといえます。しかしながら、以下のような理由から、住宅ローンが生活の負担となるケースもゼロではありません。 収入に見合わず無理に借入した 災害や病気などの想定外の事態が起きた 返済期間が長すぎた 上記3点について、詳しく解説していきます。 収入に見合わず無理に借入した 念入りに資金計画を立てたはずが、いつのまにか「もう少し借入しても問題ないだろう」と判断してしまい、年収に見合っていない無理な借入につながっているケースがあります。 この場合、返済のスタート時点では住宅ローン控除や固定資産税の減税期間があるため支払いできるものの、長期的には支払いが困難となるでしょう。 そのため、マイホームへの理想ばかりを意識するのではなく、収入に見合った借入かどうかを優先することが重要です。 災害や病気などの想定外の事態が起きた 自然災害やコロナウイルスなどの感染症、それ以外の病気などで仕事ができなくなり、収入が不安定になることもあります。 このような場合は一時的に生活が苦しくなってしまいますが、生命保険や地震保険、政府の特別措置を活用することで改善できるケースもあります。 また、金融機関に相談して利息の支払いを先送りにしてもらうことも可能です。このように、災害や病気によって満足に働けなくなった場合には、早い段階で利用できる制度を確認しましょう。 返済期間が長すぎた 返済期間が長くなると月々の返済額が少なくなるものの、あまりにも長いと定年後も支払いが続いてしまいます。 その場合、年収が大きく下がった状態で支払いを継続しなければならないため、定年前よりも苦しい生活になるでしょう。 したがって、月々の返済額から完済後の年齢が何歳になるのかを、事前に把握することが重要です。 住宅ローンでギリギリの生活を抜け出す方法 この章では、住宅ローンによるギリギリの生活から抜け出す方法を解説します。 固定費などの家計全般を見直す 借入先の金融機関に相談する 住み替えを検討する 住宅ローンの借り換えを検討する 上記4点の対策を解説していきます。 固定費などの家計全般を見直す 仮にギリギリの生活ではなくとも、固定費など家計全般の状態は定期的に見直しましょう。 特に、燃料費の高騰は家計に大きな影響をもたらすものの、意識的に日常生活を変えなければ固定費を下げることは困難です。 そこで、固定費がどれくらいかかっているのかを全て見直し、削れる項目は全て削りましょう。 適切な固定費にすることで、住宅ローンの支払いは変わらなくとも普段の出費を改善できる可能性があります。 借入先の金融機関に相談する 前述の通り、病気や災害などの一時的な収入減少であれば、金融機関に相談して支払いを先送りにしてもらうことをおすすめします。 金融機関としても家の差し押さえは利益にならないため、毎月返済できる方法を提案してくれます。このように、住宅ローンの支払先である金融機関に相談することが重要です。 住み替えを検討する 住宅ローンの支払いがどうしても厳しい場合は、住み替えを検討して賃料の安い賃貸に引っ越すことも視野に入れましょう。 この場合は、住宅ローンよりも家の売却額の方が高くなる「アンダーローン」で売却する必要があります。そのため、住み替えを検討する場合には事前に不動産会社へ相談し、売却価格の相場を確認することが重要です。 住宅ローンの借り換えを検討する 2000年以前に住宅ローンを組んだ場合、金利が高い契約内容になっている可能性があります。 もし、住宅ローンを組んだ時期が該当する場合は、金融機関を変えることをおすすめします。 低金利政策にそった住宅ローンにすることで、毎月の支払額を大きく減らせるでしょう。ただし、借り換えには諸経費がかかるため、どちらが得かは慎重に検討しなければなりません。 住宅ローンによるギリギリの生活で苦しいときの対策 住宅ローンの支払いでギリギリの生活にならないためには、借りる前と借りた後にそれぞれやっておくべき対策があります。 住宅ローン控除(減税)を利用する 返済負担率を抑える 新築だけでなく中古物件も検討する ここでは、上記3点の対策を解説します。 住宅ローン控除(減税)を利用する 住宅ローン控除(減税)とは、年末の住宅ローン残高に対して最大0.7%の控除額を13年間還付として受けられる制度です。 適用条件は、主に以下の通りです。 控除の対象 自身が居住する住宅 ※住宅ローンを利用した場合のみ 床面積 50㎡以上(※1) 所得金額の合計 2,000万円以下(※2) 住宅ローンの借入期間 10年以上 入居時期 引渡し、もしくは工事完了から6か月以内 耐震基準 昭和57年以降に建築、もしくは現行の耐震基準に適合 ※令和5年(2023年)末までに建築の確認を受けた新築住宅を取得する場合、所得金額の合計が1,000万円以下に限り、床面積の要件が40㎡以上となる ※参考:住宅ローン等を利用してマイホームの新築等をした方|国税庁 住宅ローン控除(減税)は多くの人が利用している税制優遇であり、なるべく利用することをおすすめします。 返済負担率を抑える 返済負担率とは年収に対する年間の住宅ローン返済額の割合となっており、30%以内にすることで安定した返済計画になるといわれています。 そのため、借入金額が年収の30%以内になるよう調整し、足りない分は頭金を用意することをおすすめします。 新築だけでなく中古物件も検討する 「わざわざ家を買うなら新築住宅がよい」という人も多いですが、予算を抑えるという意味でも中古住宅とリフォームの組み合わせも検討しましょう。 住宅金融支援機構によると、鹿児島県での新築住宅価格は約3,080万円に対し、中古住宅は約1,967万円と1,000万円以上の差があります。 また、中古住宅を購入しリフォームした場合であっても住宅ローン控除(減税)を受けられるケースがあるため、なるべく中古住宅も視野に入れましょう。 ※参考:2021年度集計表|住宅金融支援機構 住宅ローンでギリギリの生活が続くと最終的にどうなるのか さまざまな手段で節約しても苦しい状態が続いてしまう場合、住宅ローンの滞納を招きかねません。その場合は、金融機関から支払いの催促状が届き、精神的にも追い詰められてしまいます。 また、催促状が届き3ヶ月滞納が継続した場合、任意売却の手続きが開始され家を売ることになります。そして、任意売却でも売れなかった場合は競売となり、強制退去は避けられません。 競売となった場合でも債務の支払いは免除されず、借金だけが残ってしまいます。 このように、住宅ローンでギリギリの生活が続くと最終的に家を手放すことになるため、そうならないように対策することが重要です。 住宅ローンでギリギリの生活になる人のよくある質問 最後に、住宅ローンでギリギリの生活になる人のよくある質問を紹介します。 住宅ローンの支払いでカツカツになった際の対策は? 住宅ローンの支払いに疲れた際はどうすればいい? 順番に回答していきます。 住宅ローンの支払いでカツカツになった際の対策は? 住宅ローンの支払いが苦しくなった場合は、とにかく固定費や無駄な出費を抑えましょう。 特に、光熱費は意識して使用量を減らすことで大きく改善できます。また、格安SIMなどを使ったスマホに切り替えるなど、通信費も見直す余地は多く存在します。 このように、住宅ローン以外の生活費を改善させることが重要です。 住宅ローンの支払いに疲れた際はどうすればいい? 住宅ローンは多額の借金と同じであるため、支払いにストレスを感じることもあります。 もし、そのような状態になってしまい、どうしても住宅ローンの支払いが「つらい」と感じた場合は、家の売却も視野に入れましょう。 任意売却ではなく、通常の売却であれば高値で売却でき、新しい住環境で心機一転できます。 不動産売却を検討する際は、不動産会社へ直接相談するか、不動産ポータルサイトの一括査定を利用しながら比較検討することがおすすめです。 住宅ローンでギリギリの生活にならないためには無理のない資金計画を 住宅ローンは家を購入する多くの人が借りていますが、利用方法を間違うとギリギリの生活になってしまう可能性があります。 そのため、住宅ローンを利用する際には正しい知識とステップを把握しましょう。 国分ハウジングでは、お客様が住んだ後に安心して暮らせるように、失敗しない資金計画を提案しています。お客様に寄り添いながら相談を承りますので、ぜひ一度、国分ハウジングまでご相談ください。
2023.03.30
住宅購入時には、親から援助を受けるケースがあり、その場合は贈与税を非課税にする方法がいくつかあります。 そこで、この記事では住宅購入時(取得時)の贈与税について、非課税にする方法や注意点について解説します。 2023年の特例における改正内容も紹介するので、ぜひ最後までお付き合いください。 【この記事でわかること】 ● 住宅購入時(取得時)の贈与税を非課税にする方法 ● 非課税にする際の注意点 ● 限度枠を超えて贈与をもらう方法 そもそも贈与税とは? 金銭や動産に限らず、資産を無償で譲渡した場合には課税が科せられることになり、この税金が贈与税と呼ばれます。 贈与税の支払い方法には大きく分けて「暦年課税」と「相続時精算課税」の2種類です。 贈与税の課税方式1:暦年課税 贈与税の課税方式2:相続時精算課税 順番に見ていきましょう。 贈与税の課税方式1:暦年課税 暦年課税とは、その年の1月1日から12月31日までの1年間において、贈与によりもらった財産の価額を合計し課税する方法です。 基礎控除として110万円が差し引かれ、残りの金額に対して各金額の控除額を差し引いた額が課税額となります。 たとえば、親から200万円の援助を受けた場合、「(200万円-110万円)×10%=9万円」が贈与税となります。控除率や各金額の控除額は、以下の通りです。 贈与を受けた額 控除額 税率 200万円以下 – 10% 400万円以下 10万円 15% 600万円以下 30万円 20% 1,000万円以下 90万円 30% 1,500万円以下 190万円 40% 3,000万円以下 265万円 45% 4,500万円以下 415万円 50% 4500万円を超える 640万円 55% ※参考:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁 贈与税の課税方式2:相続時精算課税 相続時精算課税は、贈与を受けた人に相続が発生した時点で、相続税と合算して支払う方法です。 現在支払うべき贈与税を将来相続税として支払うので、納税を先送りにできる特徴があります。 ただし、適用するためには様々な条件と制限があるので、後ほど詳しく解説します。 住宅購入時(取得時)の贈与税は1,000万円まで非課税にできる 住宅購入時の贈与税は、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」という特例により1,000万円まで非課税にできます。 贈与税は通常、暦年課税を利用することがほとんどですが、住宅資金などの援助は高額になるため、贈与税も高額になる傾向にあります。そのため、何も対策しなければ高額の納税が発生し、結果的に家を建てることを諦めてしまうケースも増えてしまうでしょう。 こういった事態を解消するために、国税庁は「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」という特例を設けました。 この特例により、父母や祖父母といった直系家族からの贈与であれば、1,000万円までを非課税にできます。 ※参考サイト:直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税|国税庁 【2023年】住宅資金贈与の特例の改正内容 国税庁から発表された「2023年度税制改正大綱」によって、特例内容が改正されました。 暦年課税の生前課税制度が変更 相続時精算課税制度と暦年課税が併用可能 ここでは、上記2点の改正内容について詳しく解説していきます。 暦年課税の生前課税制度が変更 暦年課税には生前課税制度という制限があり、被相続人が死亡する3年前までの贈与を相続税として加算するという制度です。 生前課税制度は、相続税逃れの贈与を防止するための制度となり、2023年度より3年から7年に変更となります。 相続時精算課税制度と暦年課税が併用可能 2023年より、相続時精算課税制度と暦年課税が併用可能になります。 そもそも相続時精算課税制度とは、2,500万円までの贈与を非課税とし、相続時に相続税として加算する制度です。 父と母それぞれから2,500万円ずつ贈与を受けられるなど、比較的幅広い利用ができる制度ですが、暦年課税と併用ができない点が以前のデメリットでした。 2023年より暦年課税と併用が可能となり、制度が利用しやすくなります。 住宅購入時(取得時)の贈与税を非課税にするための条件 ここでは、住宅購入時の贈与税を非課税にするための条件を紹介します。 受贈者に対する条件 建物に対する条件 住宅購入時(取得時)の贈与税を非課税にするために前述した特例を利用する人は少なくありませんが、贈与を受ける人と建物に対して適用条件があります。 受贈者に対する条件 贈与を受ける受贈者には、以下の条件があります。 贈与する人の直系家族であること(養子縁組も含む) 贈与を受ける人が18歳以上であること 贈与を受ける人の所得が2,000万円以下であること 平成21年~令和3年の間に「住宅取得等資金の非課税」を利用していないこと 家族や親族から家を購入した場合や、請負した増改築でないこと 贈与を受けた翌年の3月15日までに居住すること 贈与を受けるタイミングで日本に住所があること この非課税制度は直系家族からの贈与に対しての特例となるため、受贈者と贈与者は当然直系家族でなければなりません。ただし、購入する家を家族や親族から購入したり、増改築リフォームを家族や親族が請け負ったりなどの場合は利益相反となるため、認められません。 その他にも所得が2,000万円以下であることや、贈与を受けてから翌年の3月15日までに住む必要があるなど、細かく条件が設定されています。 全ての条件をクリアしなければ利用できない特例のため、注意が必要です。 建物に対する条件 購入する建物についても、以下のような条件があります。 日本国内の住居であること 床面積が40㎡以上150㎡以下で、床面積の1/2以上に該当する部分が居住空間であること 中古住宅の場合、昭和57年1月1日以降に建築され耐震診断適合を受けていること 省エネ住宅であれば1,000万円まで非課税、それ以外は500万円までが非課税となる 建物については、床面積の制限や築年数の制限などがあり、省エネ住宅かどうかで非課税枠が変わる点が重要です。 また、100万円以上の費用をかけて居住空間をリフォームする場合などは、床面積の条件に則り非課税制度を利用できます。 住宅購入時(取得時)の贈与税を非課税にする際の注意点 住宅購入時(取得時)の贈与税に関する制度の利用時には、いくつかの注意点があります。 小規模宅地等の特例は併用できない 相続時精算課税制度とは概要が異なる 贈与税の納税が不要でも確定申告は必要 親から支援などの資金援助は隠してもバレる 贈与のタイミングによっては特例が適用されない 特に、相続に関連する注意点が多いため、事前にどちらが得になるのかは不動産会社や税理士に相談し、的確に判断する必要があるでしょう。 小規模宅地等の特例は併用できない 小規模宅地等の特例とは、特定条件を満たす不動産を相続した場合に課税額を最大80%カットできるという制度です。 相続税が基礎控除を大きく超え相続税が高額となるケースに有効な制度ですが、住宅資金の非課税制度を利用していないことが条件となります。 つまり、贈与する人が将来被相続人となる可能性がある場合には、将来を見越して検討する必要があるでしょう。 ※参考:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁 相続時精算課税制度とは概要が異なる 相続時精算課税制度と併用可能になるものの、この制度はあくまでも贈与税を相続税と加算するという制度です。 一方、非課税枠は単純に今贈与しようとしている資金を非課税にするという制度になり、概要が異なることを把握しておきましょう。 こういった相続時精算課税制度と非課税制度の利用については、トラブルにつながるケースもゼロではありません。 そのため、なるべく早めに税理士や会計士に相談することをおすすめします。 贈与税の納税が不要でも確定申告は必要 贈与税は納税が不要であっても、暦年課税の110万円を超える場合には確定申告が必要です。 少額であっても、長期間にわたり確定申告しない場合には追徴課税となる可能性もあるため、注意が必要です。 親から支援などの資金援助は隠してもバレる 身内から資金援助を受けている事実などは、税務署に隠せません。 親からこっそり資金を援助してもらったり、親名義の車をそのまま譲り受けたりなど、日常的に資産を移動させることはよくあります。 住宅資金は高額な資金が移動するため、これらの事実を税務署は必ず把握しています。 そのため、高額な援助を受けた際には必ず確定申告しなければなりません。 贈与のタイミングによっては特例が適用されない 暦年課税における7年以内の制限など、特例が適用されないケースは多くあります。 そのため、税金がなるべくかからないようなライフプランを立てて、適切なタイミングで贈与を受けることが重要です。 住宅購入時(取得時)に限度額以上の贈与を受ける方法 家を買うための資金は年々増加しており、非課税限度額以上の贈与が必要となることもあります。ここでは、限度額以上の贈与を受ける方法について解説します。 超えた分は贈与税を納める あらかじめ毎年110万円ずつ贈与を受けておく 相続時精算課税制度を利用する 順番に見ていきましょう。 超えた分は贈与税を納める 暦年課税や相続時精算課税制度を超えた資金援助分を贈与税として納める方法は、非常にシンプルかつトラブルが少ない方法です。 暦年課税は超えた分に対し控除額と控除率が決定しますが、相続時精算課税制度は一律20%です。 どれくらいの納税額になるかは容易に計算できるので、事前に確認することをおすすめします。 あらかじめ毎年110万円ずつ贈与を受けておく 毎年110万円ずつ贈与を受けることで、確定申告しないまま贈与を受けられます。 ただし、贈与している人が死亡した場合、死亡した日から7年間遡って相続税加算となります。 相続時精算課税制度を利用する 非課税枠制度が最大1,000万円までの非課税に対し、相続時精算課税制度は父と母それぞれから2,500万円ずつ援助を受けられます。 ただし、相続税が発生する場合は贈与税が加算されるため、将来納税が必要となることを覚えておきましょう。 住宅資金贈与の特例は概要をしっかりと把握しよう 住宅資金贈与は家を建築する上で重要な資金源のため、非課税の有無は、条件をしっかりクリアしているかどうかによります。 したがって、条件の詳細を事前にしっかりと把握することが大切です。 国分ハウジングでは、家づくりのプランだけではなく資金計画のご相談も承ります。お客様に寄り添いながら、最適な手段を提案いたします。ぜひ一度、国分ハウジングへお問合せください。
2023.03.30
家を購入する際の住宅ローン控除(減税)を利用する際には、どのような制度なのかを正確に把握しておく必要があります。 また、購入する不動産によって適用条件や控除額が変わるため、家づくり全体の総額にも影響がでてしまうポイントといえます。 この記事では、住宅ローン控除(減税)の計算方法や適用条件、申請方法について解説していくので、現在家の購入を検討している人は、是非最後までお読みください。 【この記事でわかること】 ● 住宅ローン控除(減税)の概要 ● 住宅ローン控除(減税)の計算方法 ● 住宅ローン控除(減税)の適用条件 ● 住宅ローン控除(減税)の申請方法 住宅ローン控除(減税)とは? 住宅ローン控除(減税)とは、国税庁が公開している減税措置で、正式名称は「住宅借入金等特別控除」です。 住宅購入の促進を目的とした制度で、1972年に導入された「住宅取得控除」からはじまり数回の改正を経て現在の制度に至ります。 住宅ローンを利用することで、年末の残債に応じて所得税と住民税が控除される制度であり、家を購入する人であれば利用する価値が高い減税措置といえます。 令和4年以降の住宅ローン控除(減税)はどのように改正された? 前述したように住宅ローン控除(減税)は何回か改正しており、令和4年以降の内容が最新となります。ここでは、令和4年度に改正された内容を解説します。 控除期間が10年から13年になる 控除率が1%から0.7%になる 制度自体が2025年まで延長される 住宅の性能や時期によって借入限度額が変動する 順番に見ていきましょう。 控除期間が10年から13年になる 消費税10%に対する特別措置として、2019年度から控除期間が10年から13年に延長となっていますが、令和4年以降においても同様の措置が適用されます。 ただし、リフォームされていない中古住宅や新築住宅でない場合は10年となるため、注意が必要です。 控除率が1%から0.7%になる 令和4年度より、控除率はこれまでの1%から0.7%に引き下げられます。 これは、長く続く低金利政策により住宅ローンの支払い額が下がり、実質住宅ローン支払い額に対し住宅ローン控除(減税)の控除額が多くなってしまう背景があるからです。 こういった逆転現象を解消するために、控除率が調整されました。 制度自体が2025年まで延長される 2022年を区切りとしていた住宅ローン控除(減税)ですが、令和4年の税制改正の大綱をもって、2025年まで延長されることになりました。 住宅の性能や時期によって借入限度額が変動する 住宅ローン控除(減税)は全ての不動産や購入者、居住タイミングに適用するわけではありません。 たとえば、通常の新築住宅では3,000万円、中古住宅であれば2,000万円が借入残高の上限となります。ただし、長期優良住宅や低炭素住宅の認定を受けている場合は新築住宅で4,500万円、中古住宅で3,000万円となります。 また、住宅ローンを組む人の所得が2,000万円以下であることや、家が完成してから半年以内に入居するといった条件もあります。 このように、住宅ローン控除(減税)を利用するためには確認する項目がいくつかあることを知っておきましょう。 住宅ローン控除(減税)の計算方法 住宅ローン控除(減税)の計算方法は、以下の通りです。 年末時点の住宅ローン残高×控除率(0.7%)×控除期間(10年or13年) また、控除の上限は購入する不動産によって定められているため、それぞれの上限額を確認しましょう。 住宅ローン控除の上限額 住宅ローン控除の上限額は、以下の通りです。 長期優良住宅 低炭素認定住宅 ZEH住宅 省エネ住宅 その他 新築住宅 4,500万円 4,500万円 3,500万円 3,000万円 3,000万円 中古住宅 3,000万円 3,000万円 3,000万円 3,000万円 2,000万円 新築住宅の場合、長期優良住宅と低炭素認定住宅であれば4,500万円が上限額となりますが、ZEH住宅と省エネ住宅は、それぞれ3,500万円と3,000万円です。 それ以外であっても、令和5年以内に建築確認を取得した住宅であれば3,000万円が上限となりますが、令和6年以降は適用外となるため注意が必要です。 また、中古住宅は性能住宅であれば全て3,000万円となり、それ以外は2,000万円が上限額になります。 住宅ローン控除(減税)の適用条件 住宅ローン控除(減税)の適用を受けるためにはいくつか条件があり、購入する不動産によって変化します。 新築住宅の場合の適用条件 中古住宅の場合の適用条件 増築やリフォームの場合の適用条件 ここでは、上記3点の適用条件を解説します。 新築住宅の場合の適用条件 新築住宅の適用条件は次のようになります。 完成もしくは購入後6ヶ月以内に居住すること 控除を受ける12月31日まで居住していること 住宅面積が50㎡以上あり、さらに床面積の1/2を住宅用として利用していること 控除を受ける人の所得が2,000万円以下であること 住宅ローンの借入期間が10年を超えること 控除を受ける年の3年以内に、譲渡所得の課税特例を受けていないこと 贈与や親族間の売買でないこと 住宅ローン控除(減税)は、あくまでも居住用物件の購入促進を目的としているため、控除を受ける人が住んでいることが条件です。 また、住宅ローン控除(減税)を受けるために購入し短期間で売却することを防ぐという意味で、10年以上の住宅ローン借入や譲渡所得の課税特例について制限がかけられています。 そのため、新築住宅の場合は住む目的で購入するのであれば問題なく条件をクリアできます。 中古住宅の場合の適用条件 中古住宅の適用条件は、以下の通りです。 完成もしくは購入後6ヶ月以内に居住すること 控除を受ける12月31日まで居住していること 住宅面積が50㎡以上あり、さらに床面積の1/2を住宅用として利用していること 控除を受ける人の所得が3,000万円以下であること 住宅ローンの借入期間が10年を超えること 控除を受ける年の3年以内に、譲渡所得の課税特例を受けていないこと 贈与や親族間の売買でないこと 建築後に使用された中古住宅であること 築年数が20年以内、耐火建造物では25年以内であること 耐震基準に適合した建物であること 中古住宅の場合は新築住宅の適用条件に加え、1度でも使用されている建物であることや築年数の制限、耐震基準適合を取得しているなどの条件が追加されます。 そのため、全ての条件をクリアしているかどうかは、事前に不動産会社に確認することをおすすめします。 増築やリフォームの場合の適用条件 増築やリフォームの場合、中古住宅の要件に対して以下が追加となります。 完成もしくは購入後6ヶ月以内に居住すること 控除を受ける12月31日まで居住していること 控除を受ける人が住むための増築やリフォームであること 増築やリフォームにかかる費用が100万円を超えており、1/2以上が居住用部分の工事であること 増築やリフォームが次の内容であること 増築、改築、建築基準法に規定する大規模な修繕または模様替えの工事 マンションの場合床、階段または壁の過半について行う一定の修繕・模様替えの工事 居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関床、壁のすべてについて行う修繕・模様替えの工事 耐震工事、バリアフリー工事、省エネ改修工事 増築やリフォームにおいても住宅ローン控除(減税)を利用できますが、控除を受ける人が住むための家に限定されます。 また、工事の内容についても制限があるため、あらかじめ確認することが重要です。 住宅ローン控除(減税)の申請方法 この章では、住宅ローン控除(減税)の申請方法を解説します。 初年度は確定申告する 2年目以降は年末調整する 手続きを忘れた場合は5年以内に還付申告する 順番に見ていきましょう。 初年度は確定申告する 住宅ローン控除(減税)は、初年度のみ確定申告が必要となります。 このタイミングで初めて確定申告する人も多いため、e-taxなどの簡潔に実施できるツールを選ぶことが重要です。 2年目以降は年末調整する 初年度に確定申告すると、2年目以降は年末調整で控除額を還付できるようになります。 そのため、年末調整を忘れずに実施することを覚えておきましょう。 手続きを忘れた場合は5年以内に還付申告する 住宅ローン控除の申請を万が一忘れてしまっても、5年以内であれば還付申告が可能です。 ただし、その場合は借入した年から遡って確定申告する必要があるため、注意しましょう。 住宅ローン控除(減税)の注意点 住宅ローン控除(減税)は便利な点が多いですが、注意点もあります。 住み替え時には利用できないケースがある 住宅ローンの借り方によっては控除額が大きく減るケースがある 住宅ローンの返済方法によっては控除額が大きく減るケースがある 順番に見ていきましょう。 住み替え時には利用できないケースがある 家を売却し、新しく家を購入する際に譲渡所得に関連する税制優遇を受けている場合、売却から購入までの期間が3年以内であれば住宅ローン控除(減税)を利用できません。 そのため、売却するタイミングでどちらの税制優遇を利用するのが得なのか検討する必要があります。 住宅ローンの借り方によっては控除額が大きく減るケースがある 住宅ローンを夫婦で借りる場合、収入合算で借入した場合は主債務者のみが控除を受けられます。そのため、夫婦の年収によっては最大額まで控除を受けられないこともあります。 住宅ローンの返済方法によっては控除額が大きく減るケースがある 住宅ローンを組み、繰り上げ返済を繰り返していくと、ローン残債の減少が早くなります。 しかし、その場合は住宅ローン控除(減税)の控除額が繰り上げ返済しない場合に比べ大きく減ってしまいます。そのため、繰り上げ返済する場合においてもタイミングが重要です。 住宅ローン控除(減税)を実際にシミュレーション ここでは、住宅ローン控除(減税)の控除額をシミュレーションしました。 なお、シミュレーションでは以下の条件を設定しています。 【条件】 ● 借入額:5,000万円 ● 固定金利:1% ● 借入期間:35年 ● 年収:700万円 ● 借入開始:2023年3月 借入期間 認定新築住宅 新築住宅 認定中古住宅 中古住宅 初年度 49.0万円 40.0万円 20.0万円 20.0万円 2年目 47.8万円 40.0万円 20.0万円 20.0万円 3年目 46.6万円 40.0万円 20.0万円 20.0万円 4年目 45.3万円 40.0万円 20.0万円 20.0万円 5年目 44.1万円 40.0万円 20.0万円 20.0万円 6年目 42.8万円 40.0万円 20.0万円 20.0万円 7年目 41.6万円 40.0万円 20.0万円 20.0万円 8年目 40.3万円 40.0万円 20.0万円 20.0万円 9年目 39.0万円 39.0万円 20.0万円 20.0万円 10年目 37.7万円 37.7万円 20.0万円 20.0万円 11年目 33.3万円 26.7万円 13.3万円 13.3万円 12年目 33.3万円 26.7万円 13.3万円 13.3万円 13年目 33.3万円 26.7万円 13.3万円 13.3万円 控除額合計 約534万円 約477万円 約240万円 約240万円 ※参考:住宅ローン控除(減税)シミュレーション|不動産・マンション売却のオウチーノ 年収700万円の人が5,000万円の住宅ローンを借入した場合、中古住宅と新築住宅では控除額に約200万円の差があることがわかりました。 住宅ローン控除(減税)に関するよくある質問 この章では、住宅ローン控除(減税)に関するよくある質問を紹介します。 住宅ローン控除はいつまでに申請する? 住宅ローン控除の年末調整で必要な書類は? 住宅ローン控除の還付金はいつ受け取れる? 順番に回答していきます。 住宅ローン控除はいつまでに申請する? 住宅ローン控除は住宅ローンの支払いが開始された年の翌年に、確定申告にて申請します。 ただし、忘れた場合でも5年以内であれば申告可能です。 住宅ローン控除の年末調整で必要な書類は? 年末調整では「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」という書類や、住宅ローンの年末残高が分かる書類が必要です。 計算明細書は、初年度の確定申告時に13年分まとめてもらうため、紛失しないように注意しましょう。 住宅ローン控除の還付金はいつ受け取れる? 住宅ローン控除の還付金は企業によって異なりますが、主に翌年の2~3月が一般的です。 住宅ローン控除(減税)は改正後の内容に注意しよう 住宅ローン控除(減税)は非常に便利な制度ですが、法改正により控除率や限度額の変更などがあり、正しい情報による判断が重要です。 国分ハウジングでは、家づくりのプランだけではなく住宅ローンなどの資金面においても相談を承ります。住宅ローンについてお悩みの方も、ぜひ一度国分ハウジングまでご相談ください。
2023.02.28
注文住宅を建てる際には多くの人が住宅ローンを利用しますが、審査に通らないケースは少なくありません。 その場合は、家づくりの計画が大きく変わることになり、数年間中断することもあるでしょう。そこで、この記事では住宅ローン審査が通らない理由と対策について解説します。 「住宅ローンの審査に通らない…」とお悩みの方は、ぜひ最後までお付き合いください。 【この記事でわかること】 ● 住宅ローン審査の基準 ● 住宅ローン審査に通らない理由 ● 住宅ローン審査を通すための対策 そもそも住宅ローンの審査基準は? 住宅ローン審査の基準は、主に以下の通りです。 年齢 住所 年収 勤務先 勤続年数 社保/国保 借入の有無と額 借入希望額 購入物件情報 ただし、金融機関によってはさらに細かい項目を確認するケースもあるため、一般的な審査基準として押さえましょう。 住宅ローンの事前審査に通らない理由7選 住宅ローン審査は、事前審査と本審査の2段階となっており、事前審査を通過しなければ本審査を受けられません。 この章では、住宅ローンの事前審査に通らない以下7点の理由を解説します。 転職後の勤続年数が著しく短い 他社の借入がある 完済時の年齢が80歳を超えている 個人事業主かつ収入が不安定 返済に関する滞納歴がある 借入希望額が極端に多い 返済実績がない(スーパーホワイト) 順番に見ていきましょう。 転職後の勤続年数が著しく短い 転職自体が審査にマイナスとなることはありませんが、転職回数が多かったり転職後の勤続年数が著しく短かったりする場合は審査が厳しくなることがあります。 ただし、グループ統合や転籍などにより保険証が切り替わり、結果的に勤続年数が短くなっている場合に審査でマイナスとなることはありません。 そのため、転職した理由は必ず担当者に伝えましょう。 他社の借入がある 住宅ローン以外の借入がある場合で借入した場合、総借入額が増えてしまいます。 金融機関の審査では、年間返済額と年収との割合を重視するため、他社の借入がある場合は審査が厳しくなる傾向があります。 完済時の年齢が80歳を超えている 住宅ローンの返済期間は35年もしくは40年で設定され、完済時の上限年齢は80歳に近いといえます。 そのため、40歳を超えて融資を受ける場合には、返済期間が短くなるか審査否決となるおそれがあるため注意が必要です。 個人事業主かつ収入が不安定 個人事業主は、会社員よりも収入が不安定になるリスクがあります。 そのため、個人事業主で収入が不安定である場合は住宅ローンの審査は厳しくなるでしょう。 なお、金融機関が個人事業主に対して「安定している」と判断する基準は、確定申告が3期連続で黒字かどうかです。 個人事業主は、経費と税金のバランスを最適化するために、あえて赤字の確定申告にするケースもゼロではありません。 しかし、住宅ローンを組む予定の人は、確定申告の内容を黒字にすることをおすすめします。 返済に関する滞納歴がある スマートフォンなどの通信業者や消費者金融、税金などの滞納履歴がある場合は、審査が非常に厳しくなります。 事前審査を依頼し、1日以内に否決の連絡がある場合は、過去の滞納履歴が要因している可能性を疑いましょう。 このケースではいわゆる「ブラックリスト」に載っている可能性が高く、滞納額の返済月から最長約10年間住宅ローンが組めない事態にもなりかねません。 そのため、なるべく返済は滞納しないよう注意することが重要です。 借入希望額が極端に多い 一般的に、年収に対して10倍以上の借入額は返済が厳しいと判断され、融資額の減額もしくは審査自体が否決となるケースが少なくありません。 また、購入物件の価格とリフォームを含めた諸費用の総額よりも、はるかに多い借入希望額で審査を受けた場合にも同様に減額もしくは否決となることがあります。 そのため、住宅ローンの借入希望額は最低限の額で審査を受けましょう。 返済実績がない(スーパーホワイト) クレジットカードを全く使わない現金主義の人もいますが、住宅ローン審査においては全く返済実績がない人の信用度が低くなる傾向にあります。 なぜなら、電子マネーやクレジットによる支払いは現金よりも支払いが得になることが多く、「クレジットカードを使えない理由があるのでは?」と金融機関は考えるからです。 そのため、全く返済実績がない生活ではなく、光熱費や車のローンなどをクレジットカードで支払い、ライフスタイルに活かしていくことが重要です。 住宅ローンの本審査に通らない理由4選 事前審査が通過すると本審査に進むことになり、本審査では購入物件の精査や納税の確認、健康状態のチェックがポイントとなります。 このように、事前審査と審査項目が大きく異なるため、事前審査を通過しても本審査で落ちる可能性はあります。 この章では、住宅ローンの本審査に通らない以下4点の理由を解説します。 事前審査の申告内容と本審査の申告内容が異なる 事前審査から本審査までの期間に転職した 物件の担保価値が低い 健康状態に問題がある 順番に見ていきましょう。 事前審査の申告内容と本審査の申告内容が異なる 事前審査を通過した場合、本審査で事前審査の内容を再審査することになります。 万が一、事前審査の申告内容と相違する部分があった場合、金融機関側は融資の判断を慎重に判断する傾向があります。 たとえば、事前審査から本審査の間に消費者金融で借入をしたり、税金の滞納があったりする場合は金融機関からの信用が落ちる結果となるでしょう。 そのため、本審査で落ちた場合は事前審査通過から本審査依頼までに何か変化がなかったかを確認することで、原因を特定できる可能性があります。 事前審査から本審査までの期間に転職した 前述の通り、事前審査から本審査までの間に変化があると審査は厳しくなり、これは転職についても同じことがいえます。 グループ会社への転籍など、給与体系の変化がない場合を除き、転職は住宅ローン審査において「リスク」と捉えられます。 なぜなら、転職することで年収が変動する可能性があり、「そのまま転職を繰り返すかもしれない」と金融機関は懸念するからです。 そのため、「転職」は住宅ローン審査に大きな影響を与えることを理解しましょう。 物件の担保価値が低い 築年数が古い物件や再建築不可物件など、「担保価値」が低い物件を購入する場合は本審査で落ちることがあります。 担保とは、金融機関が融資する代わりに物件に抵当権を設定する「保険」のことで、債務者が返済不能になった場合に、物件を換金し返済に充てる際の価値を指します。つまり、担保価値が低い場合は、いざというときに回収できる返済額が少ないといえるでしょう。 このように、担保価値が低い物件は事前審査の時点で判明することもある一方で、再建築不可物件は契約後に発覚するケースもあります。 そのため、住宅ローンを申し込んだ人の責任ではなく購入する物件が原因で本審査に落ち、物件を購入できないケースもありえます。 健康状態に問題がある 本審査では団体信用生命保険の加入に必要な告知書を記入する必要があり、告知書に記載されている病気の治療履歴がある場合は、本審査に通らないケースがあります。 また、健康状態は本人の申告ではなく、金融機関の告知書に該当するかどうかがポイントとなるため注意しましょう。 住宅ローン事前審査や本審査に落ちないための対策10選 住宅ローンの事前審査や、本審査に落ちないよう対策することは可能です。 そのため、この章で解説する以下10点を対策し、住宅ローン融資を受けられるよう準備することが重要です。 個人信用情報を事前に確認しておく 頭金を多めに用意して借入額を減らす ワイド団信やフラット35を利用する 親子リレーローンを利用する 金融機関を変更する クレジットヒストリーを構築する 他社の借入がある場合は完済後に申し込む 融資実行まで転職は避ける 購入物件を見直す 申告内容の齟齬や虚偽申告を避ける 順番に解説していきます。 個人信用情報を事前に確認しておく 滞納履歴などに不安がある場合は、個人信用情報を事前に確認しておくことが重要です。 個人信用情報は、CICやJICCなどの国が認めた機関に依頼することで、開示を受けられます。審査に通すための具体的な対策ではありませんが、信用情報に傷があるかどうかを確認しておくことで、現状を把握できます。 したがって、まずは個人信用情報を公的機関に確認しながら原因を特定し、具体的な対策を練りましょう。 頭金を多めに用意して借入額を減らす 頭金を多めに用意することで、借入額を減らすことも重要です。 金融機関が審査の否決を判断するポイントとして、申込者の属性や購入物件の担保価値などにおけるマイナスのリスクがあります。 このようなマイナスのリスクを補うためには、頭金を多めに用意し融資額を減らすことが重要といえるでしょう。 ワイド団信やフラット35を利用する ワイド団信とは、メガバンクなどが扱っている団信の商品であり、病気を患っている人でも加入できる点が大きな特徴です。 また、フラット35はそもそも団信加入義務がないため、健康面で不安がある人はワイド団信を扱っている金融機関かフラット35を検討しましょう。 ※参考:りそな住宅ローンワイド団信プラン 親子リレーローンを利用する 親子リレーローンとは、二世代にわたって返済するローンのことです。返済期間が短くなる場合や、健康上の理由で団信が入れない場合に子供が補完できる特徴があります。 そのため、完済年齢に近い人が二世代住宅を検討する場合は、親子リレーローンを検討しましょう。 金融機関を変更する 万が一、住宅ローン審査で落ちた場合に備えて、金融機関を変更することも対策の1つです。 金融機関の審査基準は共通している部分も多いですが、独自に審査する機関もあります。 たとえば、転職後の勤続年数が短い申込者だったとしても、転職先が地域密着の企業であれば地方銀行に相談することで融資を有利に進められるケースもあります。 このように、万が一審査で落ちた場合は複数の金融機関で比較検討し、再チャレンジすることも手段の1つといえるでしょう。 クレジットヒストリーを構築する クレジットヒストリーとは、クレジットカードの利用履歴のことです。 たとえば、頻繁にクレジットカードで多額の買い物をしている場合や、逆に全く利用履歴がない場合においては、金融機関の審査がマイナスとなります。 そのため、光熱費や車のローンなど毎月確実に返済できる項目に対してクレジットカードを利用し、審査のプラス材料にしましょう。 他社の借入がある場合は完済後に申し込む 他社の借入がある場合は、なるべく完済後に審査を受けましょう。 前述したように、他社の借入がある場合は返済額が増加し、住宅ローン返済が厳しくなると金融機関に懸念されます。 仮に審査が通ったとしても、借入希望額から減額となるケースもゼロではありません。このような事態を防ぐためにも、他社の借入は完済してから審査を受けましょう。 融資実行まで転職は避ける 転職は、住宅ローン審査にとって大きなマイナスとなるため、融資実行されるまではなるべく転職しないようにしましょう。 融資実行後に転職した場合には、金融機関からヒアリングを受ける可能性があります。 なぜなら、金融機関からすると収入の変動などの背景から、融資実行直後の転職が信用問題の調査対象となるからです。 そのため、転職と融資実行の時期はなるべく避けることが重要です。 購入物件を見直す 前述の通り、購入物件の担保価値が低いと融資が難しくなるため、事前に購入する物件について調べておき、あらかじめ金融機関の担当者に相談しましょう。 そして、融資が困難などの回答であれば購入物件を見直し、確実に融資を受けられる物件を選ぶことが重要です。 申告内容の齟齬や虚偽申告を避ける 金融機関に提示する情報は、正しくわかりやすい内容にしましょう。 当然ですが、虚偽申告があった際に、金融機関は審査に通さないことがほとんどです。 特に、団信の告知書に虚偽があった場合、融資実行後に契約違反と判断され融資の一括返済を請求されることもあります。 このように、住宅ローン審査を受ける場合は申告内容を正確に記載することが重要です。 住宅ローンの審査落ちに関するよくある質問 最後に、住宅ローンの審査落ちに関するよくある質問を紹介します。 住宅ローン審査でよくない条件でも通った人の例は? 住宅ローン審査に通らない場合の最終手段は? 住宅ローン審査に通らない理由は教えてくれる? 順番に回答していきます。 住宅ローン審査でよくない条件でも通った人の例は? 前述したように、住宅ローン審査を通す基準は「リスクとのバランス」が重要です。 そのため、申込者自体の審査結果が良くない状態であっても、実家が資産家であったり、銀行を事業用資金のメインバンクにしていたりなどのケースでは審査に通りやすいといえます。 ほかにも、何らかのプラス材料によって審査に通るケースもあるので、自身の情報は積極的に担当者へ伝えることが大切です。 住宅ローン審査に通らない場合の最終手段は? 住宅ローンが100%通る金融機関はありませんが、フラット35や大手の銀行は比較的審査が通りやすいとされています。 ほかにも、ノンバンク系の銀行は審査に通りやすいとされていますが、保証料や金利が非常に高くなるため注意が必要です。 住宅ローン審査に通らない理由は教えてくれる? 住宅ローン審査に通らなかった理由は、原則教えてもらえません。 なぜなら、審査基準は非公開となっており、個人情報に問題があった場合は金融機関も正確に情報を把握できないからです。 そのため、個人信用情報やこれまでの滞納履歴などを確認し、審査に通らなかった要因と推測される項目は、全て洗い出してから対策する必要があります。 住宅ローン審査に通らない理由を把握して冷静に対処しよう 住宅ローンが通らないと家づくりを円滑に進められないため、万が一落ちた場合は理由を把握することが重要です。 そして、融資を受けられるかどうかを見極め、最適なタイミングで再度審査に臨みましょう。 国分ハウジングでは、家づくりだけではなく、最適な住宅ローンの提案もしています。お客様に寄り添いながらご相談を承りますので、住宅ローン審査に不安がある人は、ぜひ国分ハウジングまでお越しください。 来場予約|国分ハウジング
2023.02.28
この記事では、ネット銀行の特徴やメリットデメリット、メガバンクとの比較などを解説します。 近年、住宅ローンを検討する際にネット銀行を選ぶ人は多い傾向にあります。ネット銀行は通常の金融機関とは異なる特徴があるので、事前に特徴をしっかりと把握しなければなりません。 住宅ローンの借入先でネット銀行を検討している人は、本記事を最後までお読みください。 【この記事でわかること】 ● ネット銀行の特徴とメリット、デメリット ● ネット銀行とメガバンクとの比較 そもそもネット銀行の住宅ローンとは? ネット銀行とは、通常の金融機関とは異なり店舗がない銀行を指します。そのため、預金の引き落としなどは、全てコンビニのATMなどから行います。 また、インターネットバンキングを利用することで、24時間振り込みできる点もネット銀行の大きな特徴だといえるでしょう。 ネット銀行で住宅ローンを組むメリット この章では、ネット銀行で住宅ローンを組むことのメリットについて解説します。 金利が低い傾向にある Web上で契約できる 事前審査の完了が早い サービス内容が豊富 順番に見ていきましょう。 金利が低い傾向にある ネット銀行の大きなメリットとして、金利が通常の金融機関よりも安くなる点が挙げられます。 店舗がなく、全てインターネットバンキングで完結できるため、他の金融機関より固定費がかからず、その分金利を安くできるとされています。 そのため、なるべく低金利で融資を受けたい人にとっては、ネット銀行がおすすめです。 Web上で契約できる ネット銀行では、事前審査や本審査、金消契約、決済などの手続きを全てWeb上で完結できます。そのため、平日に銀行に行く予定を調整する手間もなく、効率良く審査を進められます。 事前審査の完了が早い ネット銀行はWeb上で契約できるため事前審査の結果が平均1日とスピーディーです。 通常の金融機関と比べても、数日から2週間ほど回答期間を要するのが一般的であるため、ネット銀行の回答スピードは非常に早いといえるでしょう。 サービス内容が豊富 ネット銀行は、団体信用生命保険の種類が豊富であったり、スマートフォンの通信代が割引になったりと、通常の金融機関にはあまりないサービスを展開しています。 そのため、自分自身に合った住宅ローンを探すためには、ネット銀行と通常の金融機関を合わせて検討することがおすすめです。 ネット銀行で住宅ローンを組むデメリット ネット銀行は多くのメリットがあるものの、通常の金融機関にはないデメリットもあります。 ここでは、以下のデメリットを解説していきます。 対面で相談できない 事務手数料が高い 審査が厳しい傾向にある 手続きに時間がかかる 対応不可の物件がある デメリットの中には、そもそも住宅ローン融資が受けられないケースもあるため、メリットに加えて把握しておきましょう。 対面で相談できない ネット銀行は全てオンラインで進めるため、実際に担当者と会って手続きを進めることはありません。対面で相談できないことは、多額の借入を進める際には不安材料になるでしょう。 担当者と対面で借入を進めたい人は、通常の金融機関を選択する方が安心といえます。 事務手数料が高い ネット銀行は、保証料や繰上げ返済手数料、団信の費用などが無料としている場合が多いですが、事務手数料は通常の金融機関よりも高額になるケースがほとんどです。 ただし、借入する人の年収や勤務先次第では事務手数料も大きく下がることがあります。したがって、Web上で公開している情報だけでなく、担当者に相談しながら見極めましょう。 審査が厳しい傾向にある ネット銀行は、ほとんどの機関で通常の金融機関よりも審査が厳しくなります。 そのため、低金利で借りたいからといってネット銀行だけを選んだとしても、借入申込者の条件次第では、全て否決となるリスクがあるので注意が必要です。 手続きに時間がかかる ネット銀行は、事前審査の結果が早い一方で、本審査は住民票や印鑑証明書などを郵送で送る必要があるため手続きに時間がかかります。 万が一書類に不備があった場合は、追加書類が郵送で届くまで審査が保留となってしまうため、ネット銀行を利用する際には書類を入念にチェックしましょう。 対応不可の物件がある 再建築不可物件や築年数が古い物件は担保評価が低いため、ネット銀行は取り扱っていないケースがほとんどです。 担保価値が低い可能性がある物件を購入する場合は、事前審査を提出する前に不動産会社経由で取り扱いの可否を確認しましょう。 ネット銀行の住宅ローンとメガバンクを比較表で解説 ここでは、さまざまな項目からネット銀行と住宅ローンを比較していきます。 それぞれ、以下の表にまとめているので、住宅ローンを検討する際の参考にしましょう。 項目 ネット銀行 メガバンク 相談方法 メールもしくはWeb面談 対面 審査の進め方 Web 店舗もしくは自宅で手続き 審査のスピード 事前審査は早いが本審査は遅め ネット銀行と比べて事前審査は遅く、本審査は遅め 金利 低い ネット銀行に比べて高い 銀行との契約 Web面談 対面 決済 立ち会いなし 立ち会いあり 上記の通り、ネット銀行は担当者とのコンタクトが非常に少ないなどの特徴があります。 そのため、スピーディーに事前審査や手続きを進められる一方で、融資の進捗が把握できなくなることもあるため注意しましょう。 比較でわかった!ネット銀行の住宅ローンおすすめ3選 この章では、おすすめのネット銀行を紹介します。 SBI新生銀行住宅ローン 住信SBIネット銀行住宅ローン auじぶん銀行住宅ローン それぞれの特徴を見ていきましょう。 SBI新生銀行住宅ローン 最低金利 0.32% 最低手数料 0円 相談方法 電話、Web面談、店頭 団信上乗せ金利 がん団信は+0.1% その他の特徴 自己資金10%用意する場合は金利0.05%優遇 ※参考:住宅ローンの金利一覧 新規でお借り入れをご検討の方 | SBI新生銀行 SBI新生銀行には手数料が0円である点と、自己資金を10%以上用意した場合に0.05%金利が引き下げになる特徴があります。 そのため、自己資金を多く用意できる人におすすめのネット銀行といえるでしょう。 住信SBIネット銀行住宅ローン 最低金利 0.39%(対面の場合) 最低手数料 0円 相談方法 電話、Web面談、店頭 団信上乗せ金利 三大疾病団信は+0.25% その他の特徴 『価格.com住宅ローンカテゴリランキング』で1位を獲得 ※参考:住宅ローンTOP | NEOBANK 住信SBIネット銀行 住信SBIネット銀行は、三大疾病団信を0.25%上乗せで加入できる点が特徴であり、健康に不安がある人は検討すべき銀行といえます。 auじぶん銀行住宅ローン 最低金利 0.289%(※) 最低手数料 借入金額×2.2% 相談方法 電話、Web面談、店頭 団信上乗せ金利 がん団信の金利上乗せなし その他の特徴 2022年オリコン顧客満足度住宅ローンランキング1位 ※auユーザーであれば0.07%、じぶんでんきユーザーであれば0.03%引き下げとなる ※参考:住宅ローン | auじぶん銀行 auじぶん銀行は、スマートフォンと電気会社を利用している場合に低金利となるため、auユーザーであれば検討することがおすすめです。 また、がん団信の金利上乗せがない点も大きな特徴といえます。 ネット銀行の住宅ローンに関するよくある質問 最後に、ネット銀行の住宅ローンに関するよくある質問を紹介します。 ネット銀行の住宅ローンと地方銀行の違いは? 住宅ローンを申し込むならネット銀行とメガバンクどちらがいい? 住宅ローンの審査期間はどれくらいかかる? 順番に回答していきます。 ネット銀行の住宅ローンと地方銀行の違いは? ネット銀行と地方銀行の違いは、主にメガバンクとの違いと同様です。ただし、地方銀行の方がメガバンクよりも金利が低い傾向にあるため、ネット銀行との金利差は小さくなるといえます。 住宅ローンを申し込むならネット銀行とメガバンクどちらがいい? 金利だけで選ぶ場合はネット銀行がおすすめですが、店頭で相談したい場合や銀行の支店で引き落としや振り込みしたい人にはメガバンクがおすすめです。 このように、ネット銀行とメガバンクの選択はライフスタイルに合わせて選ぶことが重要です。 住宅ローンの審査期間はどれくらいかかる? ネット銀行は、事前審査を申請してから1日で回答がありますが、書類を準備し本審査を受け、契約に至るまでは約1ヶ月の期間を要します。 書類の準備や物件の情報も集める必要があるため、漏れがないように準備物を確認しながら進めることがおすすめです。 ネット銀行の住宅ローンは低金利が魅力 ネット銀行の魅力は金利が低い点にありますが、それ以外のサービスも検討し、最適な銀行を選択しましょう。 国分ハウジングでは、家づくりのプランだけではなく住宅ローンの相談も承ります。住宅ローンの借入先を多くの金融機関で比較検討したい人は、ぜひ国分ハウジングまでご相談ください。 来場予約|国分ハウジング
2023.02.28
この記事では、長期譲渡所得や税額の計算方法などを解説していきます。 所有している不動産を売却する場合、購入したときの価格よりも高く売れた場合は利益に対して税金が発生します。この利益を譲渡所得と呼び、所有期間に応じて長期譲渡所得と短期譲渡所得の2種類があります。 この記事では、譲渡所得にかかる税金の計算方法や特例に加えて節税方法も解説するので、所有不動産の売却を考えている人はぜひ最後までお読みください。 【この記事でわかること】 ● 長期譲渡所得とは? ● 長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い ● 長期譲渡所得の計算方法 ● 長期譲渡所得の特例 長期譲渡所得とは? 長期譲渡所得とは、マイホームや土地を売却して発生した譲渡所得のうち、譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超える土地や建物を売却したときの利益です。 売却した日から5年を経過しただけでは、長期譲渡所得にならない点に注意しましょう。 長期譲渡所得と短期譲渡所得の違い 長期譲渡所得と短期譲渡所得の違いは、譲渡した年の1月1日時点の所有期間が異なる点にあります。 長期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年間を超えている場合の譲渡所得です。また、短期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年以下の譲渡所得です。 所有期間が異なることによって、税率も大きく変わってきます。 以下で、税率と期間についてポイントをまとめています。 長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率一覧 長期譲渡所得と短期譲渡所得の期間 1つずつ解説していきます。 長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率一覧 長期譲渡所得と短期譲渡所得では、発生した利益に対して課税される税率が大きく違います。 まずは、それぞれの税率を把握してください。 <譲渡所得税の税率> 長期譲渡所得税率 短期譲渡所得税率 20.315% 39.63% 短期譲渡所得は、長期譲渡所得の倍近い税率であることを認識しましょう。そのため、不動産売却のタイミングを間違えると、大きな損失が生まれてしまいます。 次に、譲渡所得税の中身を見ていきましょう。譲渡所得税は「所得税(復興特別所得税を含む)+住民税」で構成されます。 長期譲渡所得 短期譲渡所得 所得税(復興特別税含む) 15.315% 30.63% 住民税 5% 9% 計 20.315% 39.63% ※参考:長期譲渡所得の税額の計算|国税庁 ※参考:短期譲渡所得の税額の計算|国税庁 復興特別所得税は、東日本大震災からの復興に必要な財源を確保するために創設された税金です。平成25年から令和19年までの間、全ての納税者に課税されます。 復興特別所得税の税額は、基準所得税額の2.1%です。 長期譲渡所得と短期譲渡所得の期間 長期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年間を超えている場合の譲渡所得のことをいいます。 短期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日時点での所有期間が5年以下の譲渡所得です。 例えば、取得日が2018年2月1日、売却日が2023年2月13日の場合を考えます。この場合、所有期間は5年を超えているため、長期譲渡所得のように見えますが、2023年1月1日時点では5年を超えていないので、実際は短期譲渡所得となります。 つまり、2024年1月1日以降でないと長期譲渡所得になりません。このように、誤って申告すると税率が倍近く異なるので注意しましょう。 長期譲渡所得の計算方法 ここでは、長期譲渡所得の税額の計算方法を見ていきましょう。計算式は以下の通りです。 税額={譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除}×税率 譲渡価額は不動産を売った金額のことです。売却した金額から、費用として控除できる項目があります。 取得費 譲渡費用 特別控除 上記の項目を控除して得た金額に税率を掛けて税額を求めます。 取得費 取得費とは、土地や建物を取得するためにかかった費用のことです。土地の場合は購入価格、建物の場合は購入代金、または建築代金から減価償却費相当額を差し引いた金額です。 取得費を求める計算式は、以下の通りです。 取得費=土地購入代金+(建物代金−減価償却費相当額) 減価償却費相当額を求める計算式は以下の通りです。 減価償却費相当額=建物取得価額×0.9×償却率×経過年数 償却率は建物構造や使用用途が事業用か非事業用かによって異なります。売却したい建物の構造や事業用か否かはチェックしましょう。 マイホームは非事業用建物に分類されます。構造ごとに決められている非事業用建物の償却率は以下の通りです。 <非事業用建物の償却率> 建物の構造 償却率(%) 木造 0.031 木造(モルタル) 0.034 (鉄骨)鉄筋コンクリート造 0.015 鉄骨造(鉄骨の厚み3mm以下) 0.036 鉄骨造(鉄骨の厚み3mm超〜4mm 0.025 経過年数は、6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満の端数は切り捨てて計算します。 譲渡費用 譲渡費用とは、不動産を売却するときに発生する費用のことで、具体的には以下が該当します。 仲介手数料(売買時に不動産業者に支払う手数料) 印紙代(売買契約書) 測量費用(売買のため確定測量をした場合) 解体費用(建物を解体して土地だけ売却する場合) 上記の費用も、長期譲渡所得にかかる税額を低減してくれます。 特別控除 特別控除は、土地や建物を売却するときに一定の要件をクリアすれば、譲渡価額から一定額を差し引いてくれる控除です。 いずれも高額の控除のため、自分の売買に適用されるか否かを以下で十分に確かめましょう。 長期譲渡所得の特例が利用できるケース ここでは、前述した長期譲渡所得の特例(特別控除)を見ていきます。 紹介する特例は、以下の4つです。 特定居住用財産の買換え特例 10年超所有軽減税率の特例 居住用財産の3,000万円特別控除 空き家の3,000万円特別控除 1つずつ解説します。 特定居住用財産の買換え特例 居住用財産であるマイホームを令和5年12月31日までに売却して新たにマイホームを買ったとき、一定要件を満たせば特例を利用できます。 特例は、買い換えたマイホームを将来売却するときまで譲渡益に対する課税を繰り延べられるものです。ただし、最初の売却時の譲渡税は非課税になるわけではなく、買い換えたマイホームを将来売却するときに上乗せして課税されることに注意しましょう。 特例を受けられる適用要件は、以下の通りです。 自分が居住している家屋であること 現在居住していない場合は、居住しなくなった日から3年を経過する日が属する3月31日までに売却すること 売却した人の居住期間が10年以上で、かつ売却した年の1月1日において売却した建物や土地の所有期間が10年を超えること 買い換える建物の床面積が50㎡以上で、かつ買い換える土地の面積が500㎡以下であること マイホームを売却する年の前年から翌年までの3年の間に買い換えること 売却した年から過去3年以内に、以下の特例を受けていないこと マイホームを売却したときの3,000万円の特例 マイホームを売却したときの軽減税率の特例 マイホームの譲渡損失について損益通算・繰越控除の特例 収用・土地区画整理などの特例 売却したマイホーム、買い換えたマイホームとも国内にあること 売却代金が1億円以下であること 買い換えるマイホームが令和6年1月1日以後の入居かつ新築の住宅で、以下の2点いずれにも該当しない場合には一定の省エネ基準(※)を満たすこと 令和5年12月31日以前に建築確認を受けている 令和6年6月30日以前に建築されている 親子や夫婦など親類関係のある人に対する売却でないこと ※:断熱等性能等級4以上及び一次エネルギー消費量等級4以上であることを指す ※参考:特定のマイホームを買い換えたときの特例|国税庁 上記の要件を満たすかチェックし、必要に応じて特例を利用しましょう。 10年超所有軽減税率の特例 10年超所有軽減税率の特例は、自分が居住していたマイホームを売却したときに、その不動産を10年超で所有していれば税率を軽減してくれるものです。 10年超所有軽減税率の特例が持つ最大のメリットは、居住用財産の3,000万円の特例と併用できることです。 以下の表で軽減される税率を確認しましょう。 <10年超所有軽減税率> 譲渡所得が6,000万円以下 譲渡所得が6,000万円超 6,000万円以下の部分 6,000万円超の部分 所得税(復興特別税含む) 10.21% 10.21% 15.315% 住民税 4% 4% 5% 計 14.21% 14.21% 20.315% ※参考:国税庁|マイホームを売ったときの軽減税率の特例 譲渡所得が6,000万円以下の場合、税率が6%以上軽減されるため、忘れず利用しましょう。 居住用財産の3,000万円特別控除 居住用財産の3,000万円特別控除とは、マイホームを売却したときに、所有期間の長さに関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除できる制度のことです。 この特例が受けられる要件は以下の通りです。 自分が居住している家屋であること・現在居住していない場合は、居住しなくなった日から3年を経過する日が属する12月31日までに売却すること 売却した年の前年、前々年にこの特例、またはマイホームの譲渡損失について損益通算や繰越控除の特例を受けていないこと 売却した年、その前年、及び前々年にマイホームの買い換えや交換の特例を受けていないこと 売却した家屋や土地について、収用や区画整理による特別控除の特例を受けていないこと 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地に住まなくなった日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却すること 親子や夫婦など親類関係のある人に対する売却でないこと ※参考:マイホームを売ったときの特例|国税庁 控除額が大きいため、特例が受けられるかどうかを十分に確認しましょう。 空き家の3,000万円特別控除 空き家の3,000万円特別控除とは、相続または遺贈により取得した被相続人居住用家屋(空き家)またはその敷地を期間内に売却する場合に、所定の金額を控除できる制度です。 対象となる売却の期間は平成28年4月1日から令和5年12月31日までです。譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除されます。 控除されるためには、下記の要件を満たす必要があります。 昭和56年5月31日以前に建築されたこと 区分所有建物登記がされていないこと 相続の開始直前において被相続人以外に居住していた人がいないこと 相続または遺贈により家屋(空き家)と敷地を取得したこと 相続の開始があった日から3年を経過する日が属する年の12月31日までに売却すること 売却代金が1億円以下であること 売却した家屋や敷地について、相続財産を譲渡した場合の特例や収用などの特例を受けていないこと 親子や夫婦など親類関係のある人に対する売却でないこと ※参考:被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁 特例の適用要件が煩雑であるため、事前に税務署や税理士に特例が受けられるか否かを確認すると良いでしょう。 長期譲渡所得にかかる税額をシミュレーション ここでは、長期譲渡所得税にかかる税額をシミュレーションしていきます。 3,000万円の特別控除が適用できる場合とできない場合をシミュレーションします。設定する条件は以下の通りです。 【条件1:譲渡価額など】 ● 取得日:2018年2月1日 ● 売却日:2024年1月15日(購入後15年経過) ● 譲渡価額:6,000万円 ● 取得費:3,744万5,000円 ● 譲渡費用:500万円 【条件2:売却物件の購入時期・価格など】 ● 土地価格:2,000万円 ● 建物価格:3,000万円 ● 建物構造:木造 税額の計算式を整理します。 減価償却費相当額 建物取得価額×0.9×償却率×経過年数 取得費 土地購入代金+(建物代金−減価償却費相当額) 長期譲渡所得税額 {譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除}×税率 この計算式より、減価償却費相当額と取得費は以下の通りです。 減価償却費相当額 3,000万円×0.9×0.031(木造償却率)×15年=1255万5,000円 取得費 2,000万円+(3,000万円−1,255万5,000円)=3,744万5,000円 続いて、長期譲渡所得税額を、3,000万円の特別控除が適用できる場合とそうでない場合について整理します。 <3,000万円の特別控除が適用できる場合> 長期譲渡所得税額 {6,000万円−(3,744万5,000円+500万円)−3,000万円}×20.315%=0円 3,000万円控除があるため、課税譲渡所得金額が0円になり譲渡所得税は課税されません。 <3,000万円の特別控除が適用できない場合> 長期譲渡所得税額 {6,000万円−(3,744万5,000円+500万円)−0円}×20.315%=356万6,298円 納付税額は100円未満切り捨てで計算されるので、356万6,200円です。 3,000万円の特別控除の有無によって、納税額が350万円以上も異なります。 したがって、利用できる特別控除はぜひ利用しましょう。 長期譲渡所得に関するよくある質問 長期譲渡所得についてよくある質問は以下の通りです。 譲渡所得や特別控除の確定申告は不要? 相続した土地を3年以内に売却すると節税になる? 譲渡所得の基礎控除って何? それぞれ回答していきます。 譲渡所得や特別控除の確定申告は不要? マイホームを売却して譲渡所得が発生する場合(売却益が発生する場合)は、確定申告が必要です。 逆に、譲渡損失が発生した場合(売却損が発生する場合)は、納税額はゼロになり確定申告は不要です。 ただし、納税額がゼロであっても、特例を適用した場合には確定申告が必要になるので忘れず申告しましょう。 相続した土地を3年以内に売却すると節税になる? 相続した土地を3年以内に売却すれば、相続税の取得費加算の特例が適用できて節税になります。 この特例は、譲渡所得税を計算する際に譲渡価額から控除される取得費に相続税の一部を上乗せできる制度です。 相続した不動産3年以内の売買の場合には、ぜひ利用しましょう。 譲渡所得の基礎控除ってなに? 所得税の課税所得金額を計算する場合、全ての人の所得金額から48万円の基礎控除が認められています。 すなわち、譲渡所得などの金額が48万円以下の場合、税金は課税されず確定申告の必要もありません。 長期譲渡所得や短期譲渡所得の仕組みを理解して適切な判断を 不動産を売却すると売却益が発生しますが、売却した不動産の所有期間に応じてその売却益に対して譲渡所得税が発生します。 譲渡所得税の税率は5年以内の短期譲渡所得のほうが高く、投資目的で購入した不動産をすぐ売却する場合、40%近い税率が適用されてしまいます。 5年を超える長期譲渡所得の場合でも20%を超える税率が適用されるので、この記事で紹介した特例や特別控除を活用して節税しましょう。 国分ハウジングでは、お客様に寄り添いながら最適なプランを提案いたします。土地探しやプランニング、資金計画など住まいに関するお悩みやご相談がありましたら、ぜひ一度国分ハウジングの住宅展示場やモデルルームにお越しください。 来場予約|【公式】国分ハウジング|鹿児島・宮崎のハウスメーカー
2023.01.27
マイホームを建てる際は、ほとんどの方が住宅ローンを利用するでしょう。 一般的に、住宅ローンは引渡しの時に一括して融資が実行されます。マイホームを購入する場合は、引渡し以前に支払いが必要になるタイミングが何度かあります。 万が一、現金で支払えないときは、分割融資が選択肢の1つとして挙げられるでしょう。 そこで本記事では、住宅ローンの分割融資を詳しく解説します。また、つなぎ融資の違いも解説するので自分に合った融資方法を選択してください。 【この記事でわかること】 ● 住宅ローンの分割融資とはなにか ● 分割融資とつなぎ融資の違い ● 分割融資を受けるタイミング ● 分割融資を受けるメリット・デメリット ● つなぎ融資を受けるメリット・デメリット ● 住宅ローンの分割融資ができるおすすめの銀行ランキング 住宅ローンの分割融資とは? 住宅ローンの分割融資とは、1本の住宅ローン契約で複数回に分けて実行される融資です。 ここでは、分割融資について内容をさらに詳しく解説していきます。 分割融資の内容 分割融資は前述の通り、複数回に分けて実行される点が特徴です。通常の住宅ローンとは仕組みが異なるため、内容を理解する必要があります。 分割融資の内容で、抑えておきたいポイントは以下の通りです。 契約の総回数 返済開始時期 適用金利の決定時期 順番に確認していきましょう。 <契約は1回か融資時における複数回か?> 分割融資の契約は、金融機関によって1回の契約で良いところもあれば、融資の度に契約が必要な金融機関もあります。 契約が複数回の場合、融資の度に手数料や印紙代が必要になるので、事前に金融機関に確認しましょう。 <返済のタイミングはどの段階からか?> 返済のタイミングは、一般的に融資が実行された時点から、それぞれの融資への返済が始まります。つまり、最初に土地代金の融資を受けた場合、翌月あたりから返済が始まります。 金融機関によっては、引渡しまで元金を据置いて金利分だけを事前に支払う場合などもあるので、事前に金融機関に確認しましょう。 <適用金利はどのタイミングで決まるのか?> 分割融資の場合、基本的には最終回実行時の金利が、その後の金利として適用されます。 固定金利の場合は該当しないものの、変動金利の場合は土地代金の支払い時における金利よりも、建物引渡し時の金利が高くなることも考えられます。 いずれにしても、最初の金利プランを決める時の判断が大切であり、金融機関とよく相談の上でプランの選択を見極めてください。 以上のように、分割融資は通常の住宅ローンとは少し異なった点があるので、事前に確認しておきましょう。 住宅ローンの分割融資とつなぎ融資の違い 分割融資と同様に、支払い時期に応じて融資を受けられる商品に「つなぎ融資」があります。 両者の最も大きな違いは、ローンの種類といえるでしょう。分割融資は、1本の同じ住宅ローンですが、つなぎ融資は主体である住宅ローンが全く別のローンです。 また、分割ローンは融資にあたり抵当権を設定しますが、つなぎ融資は抵当権を設定する必要のない無担保ローンです。 上記の2点を違いとして押さえておきましょう。 住宅ローンの分割融資を受けるタイミング 分割融資は、土地や建物の支払いに合わせて実行されます。 注文住宅を建てる場合、まとまったお金を支払うタイミングは、主に以下の4点です。 土地の購入時 着手金の支払い時 中間金の支払い時 引渡し時 順番に見ていきましょう。 土地の購入時 土地を探して注文住宅を建てる人は、はじめに土地を購入しなければなりません。 手付金は自己資金で賄うケースが多いため、手付金を除く土地代金を分割融資で支払います。 着手金の支払い時 建築工事に着手した時に、建築費の1/3程度を着手金として建築会社に支払います。 着手金は、分割融資を受けて支払いに充てます。 通常、工事着手前に建築請負契約を締結し、その際に必要となる契約時金は自己資金で準備しましょう。契約時金の目安は、建築費の5〜10%程度です。 中間金の支払い時 建物が上棟したときを目安に、建築費の1/3程度を中間金として、建築会社に支払います。 着手時に設定した金利が変更になる場合もあるため、最終金利は引渡し時に確定します。 引渡し時 引渡し時に最終分割実行分で、残りの1/3に相当する建築費残金を支払い、登記を終えて総費用に対する返済がスタートします。 通常の住宅ローンはこの時点で一括融資が実行されるので、事前の土地代金や着手金の支払いはつなぎ融資を利用して賄うことが通常です。 つなぎ融資に関しては、メリット・デメリットなどで後述します。 住宅ローンの分割融資を受けるメリット ここでは、住宅ローンの分割融資を受けるメリットについて解説します。 条件次第では住宅ローン控除が受けられる 住宅ローンと同じ金利で利用できる 自分の返済計画に対して、どのように取り入れていくのかを押さえましょう。 条件次第では住宅ローン控除が受けられる 住宅ローン控除を受けるためには、「借入期間が10年以上、土地を取得してから2年以内に住宅を建てて居住すること」の要件を満たさなければなりません。 つなぎ融資の場合では上記の要件を満たせないものの、分割融資であれば問題なくクリアできるため、住宅ローン控除が受けられます。 住宅ローンと同じ金利で利用できる 分割融資の金利は金融機関の住宅ローン金利が適用されるので、比較的低めになります。 つなぎ融資は、住宅ローンと全く別のローンで比較的高めの金利が設定されています。 住宅ローンの分割融資を受けるデメリット 住宅ローンの分割融資には、メリットがある一方でデメリットもあります。 登記費用や手数料がつなぎ融資より高い 建物や土地の抵当権における設定費用が必要になる 上記2点のデメリットにも注意しながら、検討するかを決めましょう。 登記費用や手数料がつなぎ融資より高い つなぎ融資は無担保融資であるため、そもそも登記費用がかかりません。分割融資の場合は住宅ローンであるため、担保を設定するための登記費用が必要になります。 また、融資実行のたびに手数料が発生することもあり、諸費用負担が大きくなることは否めません。 建物や土地の抵当権における設定費用が必要になる 分割融資を受けるには、その都度抵当権を設定しなければなりません。 土地代金の支払い時には購入した土地に抵当権を設定し、建物の最終時金支払い時には建物に抵当権を設定する必要があります。 抵当権を設定するたびに、司法書士手数料と登録免許税を負担しなければなりません。 住宅ローンのつなぎ融資を受けるメリット 分割融資と同様に、つなぎ融資は注文住宅の支払い時に多くの人が利用しています。 分割融資と比較しながら、つなぎ融資のメリットも把握しましょう。 一時的な資金不足を解消できる 登記費用の登録免許税に減税措置がある 抵当権を設定せずとも利用できる 順番に見ていきましょう。 一時的な資金不足を解消できる 住宅ローンは、通常引渡しの時に一括して実行されるため、土地代金や建物の着手金、中間金は一旦現金で立て替えなければなりません。 しかし、土地代金や建物代金の一部となると数千万円になるケースもあり、一時的とはいえ負担は大きいといえるでしょう。 つなぎ融資を利用すれば、土地代金や建物代金の一部を住宅ローンが実行されるまでの間、つなぎ融資で賄えます。 登記費用の登録免許税に減税措置がある 登録免許税の軽減措置を受けるためには、建物が完成している必要があります。しかし、分割融資では実行の段階で建物が完成していないため、軽減措置を受けられないでしょう。 つなぎ融資は抵当権を設定する必要がないので、登記の必要がなく登録免許税も発生しません。 つなぎ融資を利用した場合は、引渡し時に住宅ローンが一括にて融資実行された段階でつなぎ融資分は精算され、同時に抵当権を設定します。 この時点で建物は完成しているので、抵当権設定登記に伴う登録免許税は軽減措置が適用されて 借入額の0.4%が0.1%に軽減されます。(※) ※令和6年3月31日までに新築、または購入した居住用家屋を取得するために取得資金の貸し付けを実行し、抵当権を設定した場合に適用 ※参考:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁 抵当権を設定せずとも利用できる つなぎ融資は、住宅ローンを前提とする1年の短期融資であるため、抵当権を設定する必要がありません。 住宅ローンを組む金融機関と、つなぎ融資する金融機関が別の場合は、申込む際に住宅ローンを組む金融機関の融資証明書などが必要になる場合があります。 住宅ローンのつなぎ融資を受けるデメリット 分割融資と同様に、つなぎ融資にはメリットだけではなくデメリットも存在します。 住宅ローン控除の対象外である 金利が高い傾向にある 順番に見ていきましょう。 住宅ローン控除の対象外である つなぎ融資の借入期間は通常1年間のため、住宅ローン控除において「借入期間10年以上」の適用要件を満たせず、住宅ローン控除を受けられません。 物件の引渡しを受けて登記が終わり、住宅ローンが実行されるまでの間に、年が変わってしまうような場合には、住宅ローン控除は翌年からの適用になります。 したがって、登記や住宅ローン実行の時期は事前に注意しましょう。 金利が高い傾向にある つなぎ融資は無担保ローンであるため、住宅ローン金利よりも高くなります。 具体的には、2〜4%程度を目安としてください。 住宅ローンの分割融資ができるおすすめ銀行ランキング 住宅ローンの分割融資ができる銀行を一覧表にまとめておきます。 銀行 内容・金利(変動) 公式HP みずほ銀行 ネット住宅ローン 0.375%(2023年1月) みずほ銀行公式HP 三菱UFJ銀行 店頭個別対応 0.345%(2023年1月) 三菱UFJ銀行公式HP 三井住友銀行 土地先行融資 0.475%(2023年1月) 三井住友銀行公式HP ここからは、各銀行の特徴などを詳しく解説していきます。 みずほ銀行 みずほ銀行では、ネット住宅ローンで分割融資が可能であり、適用金利は変動金利で0.375%、全期間固定金利で1.66%となります。 ただし、条件などにより利用できない場合があるので注意が必要です。 三菱UFJ銀行 三菱UFJ銀行で分割融資を利用する場合は、店頭で個別相談となります。 適用金利は変動金利で0.475%、全期間固定金利で1.81%となります。 ただし、みずほ銀行と同様に条件で利用できない場合がある点に注意しましょう。 三井住友銀行 三井住友銀行で分割融資を利用する場合は、土地先行融資を利用することになります。 土地・建物で個別に申込みが必要になりますが、金利も通常の住宅ローンと同じ変動金利で0.475%、全期間固定で2.49%となります。 住宅ローンの分割融資に関するよくある質問 ここでは、住宅ローンの分割融資に関するよくある質問をまとめました。 分割融資はネット銀行でも受けられる? 分割融資の途中で転職したらどうなる? 住宅ローンの分割融資とつなぎ融資は結局どちらがおすすめ? 順番に回答していきます。 分割融資はネット銀行でも受けられる? ネット銀行において、分割融資はほとんど受け付けていないケースが多いといえます。 分割融資は金融機関によって異なるものの、メガバンク系のネット銀行であれば取り扱っている機関もあるでしょう。みずほ銀行などは、分割実行の申込窓口はネット銀行になっています。 一方で、いわゆるネット系の金融機関では、楽天銀行がつなぎ融資を取り扱っている程度です。 分割融資の途中で転職したらどうなる? 分割実行の途中で転職すると再審査となり、結果次第ではその時点で一括返済を求められるおそれがあります。 したがって、分割融資中の転職はなるべく控えましょう。 住宅ローンの分割融資とつなぎ融資は結局どちらがおすすめ? 「どちらが良い」と一概に言い切ることはできませんが、つなぎ融資は大抵の金融機関で取り扱っており、分割融資は取扱いが限られることを認識しましょう。 その上で、どちらが自分にとって有利になるか比較することが重要です。 ● 分割融資:金利が低い・ローン控除が1年目から受けられる ● つなぎ融資:登記費用等がかからない・登録免許税の減税措置が受けられる 金額的にそれほど大きな開きではありませんが、多少なりとも分割融資の方が低く抑えられる可能性はあるでしょう。 住宅ローンの分割融資やつなぎ融資の強みを理解しよう 分割融資やつなぎ融資は、注文住宅を考える際には是非とも利用したいサービスです。 土地代金や建物の着手金、中間金などのまとまった現金を事前に用意することは困難といえます。したがって、一時的に金利や諸費用はかかるものの、分割融資やつなぎ融資を利用して、理想的な注文住宅を完成させましょう。 国分ハウジングでは家づくり相談会を実施しています。 ・マイホームを考え始めたけど、何から始めたらいいかわからない… ・マイホームに必要な資金って具体的にいくら? ・何にお金がかかるの?追加費用ってどのくらい必要? ・貯金を崩さずにマイホームを実現することって可能? といった家づくりに関する様々な悩みを解消できますので、家づくりでお困りの方はお気軽にお問い合わせやご来場ください。 国分ハウジングのイベント・見学会情報は以下から! https://kh-house.jp/event/
2023.01.27
住宅ローンを組む上で、自営業や個人事業主は会社員よりも審査が厳しくなる傾向にあります。 そのため、自営業や個人事業で生計を立てる人の中には家づくりを躊躇してしまう人もいるでしょう。一方で、自営業や個人事業主でも、ポイントを押さえ必要書類が揃っていれば、審査を通過する可能性はあります。 そこで、この記事では自営業や個人事業主の人が住宅ローンを通すためのポイントについて解説します。家づくりを検討している自営業や個人事業主の人は、ぜひ最後までお読みください。 【この記事でわかること】 ● 自営業や個人事業主の人が住宅ローン審査に通りにくい理由 ● 自営業や個人事業主の人が住宅ローン審査を通すためのポイント ● 自営業や個人事業主の人が住宅ローン審査を通すために用意する必要書類 自営業や個人事業主でも住宅ローン審査は通る 自営業や個人事業主でも、住宅ローン審査には通ります。しっかりと準備しておけば、良い条件での借入もできるでしょう。 しかし、会社員や公務員に比べて審査が厳しい点も事実です。この章では、自営業や個人事業主の人の審査が厳しくなる理由を詳しく解説します。 自営業や個人事業主が住宅ローン審査に通りにくい理由 自営業や個人事業主の人は、一般的に収入が不安定であることが、住宅ローン審査に通りにくい理由といえるでしょう。 一方で、会社員や公務員は収入が安定しているとされ、審査が通りやすくなります。 自営業や個人事業主の人が営む事業は、景気の影響が収入に直結し、所得が不安定になってしまいがちです。そのため、自営業や個人事業主の人が住宅ローンを通過するためには、単純に売上や所得が高いだけでは難しいとされています。 自営業や個人事業主が住宅ローンを組む際のポイント 売上や所得が高くても、住宅ローンの審査が厳しいのであれば、どのようにすれば審査を通過できるのでしょうか。 この章では自営業や個人事業主の人が住宅ローンを組む際のポイントを5つ解説します。 審査に通りやすい住宅ローンを選択する 節税よりも所得を増やす 頭金を多めに用意する 税金や健康保険料などを滞納しない 3期連続で所得を黒字に安定させる 順番に見ていきましょう。 審査に通りやすい住宅ローンを選択する まずは、自営業や個人事業主の住宅ローンに強い金融機関探しを始めましょう。ポイントは、事業のメインバンクとして使っている金融機関へ相談することです。 自営業や個人事業主が住宅ローン審査に通りにくい理由に「収入が不安定とみなされてしまう」点を前述しました。 そこで、メインバンクであれば、事業が安定しているかを把握しています。また、事業用ローンを借りている場合は収益計画や、事業拡大計画なども金融機関側で把握しているため、住宅ローン審査を通す上で大きなプラスポイントとなるでしょう。 このように、自営業や個人事業主の人は住宅ローンをメインバンクに相談しましょう。 節税よりも所得を増やす 自営業や個人事業主の「所得」は会社員や公務員の「年収」にあたります。 自営業や個人事業主の場合、節税のため経費計上し、あえて低い所得で申告する人も少なくありません。そのため、自営業や個人事業主の人は所得が低いからといって生活に困っているとは限らないといえるでしょう。 ただし、金融機関は所得を審査基準とするため、暮らしぶりは審査の対象としません。書類上の所得が低ければ住宅ローンの審査は厳しくなるでしょう。 このような理由から、節税するよりも所得を増やし有利な条件で借入できる準備が重要だといえます。 頭金を多めに用意する 家づくりの資金計画は「頭金+借入金」となるため、頭金を多く用意すれば借入金額を下げられます。住宅ローン借入額が低くなれば、銀行としても滞納されるリスクを低く見積もれます。 したがって、住宅ローン審査結果が厳しい場合は頭金を多めに用意し、全体の資金計画が成立するようにしましょう。 税金や健康保険料などを滞納しない 自営業や個人事業主の人は、確定申告によって納税し国民健康保険も自分で支払います。そのため、支払い忘れなどを起こすリスクがあります。 税金や健康保険料を滞納している場合、住宅ローンは借りられません。特に、住民税を滞納すると、最終的に財産の差し押さえに発展するため、金融機関にとっては非常にリスクのある融資です。 このように、税金や保険料の滞納は住宅ローン審査にとって大きなマイナスであるため、滞納せず必ず支払いましょう。 3期連続で所得を黒字に安定させる 自営業や、個人事業主の人が住宅ローンを通すためには、確定申告書の提出が必要です。 特に、3期連続の黒字であることが審査において非常に重要です。 多くの金融機関では、自営業や個人事業主の事業が安定しているかを「3期連続の黒字か」の基準で判断します。したがって、家づくりを始めるタイミングを事前に計画し、それに合わせて事業を黒字化しましょう。 自営業や個人事業主が住宅ローンを申し込む際の必要書類 自営業の人や個人事業主が住宅ローンを申し込む際には、事前審査と本審査において、主に以下の書類を用意しましょう。 〈事前審査〉 身分証明証 3期分の確定申告書 決算書 〈本審査〉 納税証明証 不動産売買契約 重要事項説明書 建物請負契約書 なお、会社員や公務員の場合とは必要な書類が異なるため、注意しましょう。 自営業や個人事業主ならフラット35がおすすめ 自営業や個人事業主の人が住宅ローンを利用する際、フラット35がおすすめです。 フラット35は、住宅金融支援機構が運営する住宅ローンで、民間ローンでの借入が難しい人でも通りやすい傾向にあります。 そのため、自営業や個人事業主の人でも審査に通る可能性は高くなるでしょう。 また、本来提出する必要がある書類においても、フラット35であれば決算書は不要で、確定申告書も2期分あれば問題ありません。 このような理由から、自営業や個人事業主の人にとってフラット35はおすすめできるため、住宅ローンの借入先を検討する際にはフラット35を検討しましょう。 しかし、フラット35を利用する際には知っておくべき注意点があるので、詳しく解説します。 フラット35を利用する際の注意点 フラット35を利用する際には、「固定金利」である点と、「借入年数によって金利が変わる」点に注意しましょう。 固定金利は、金利が固定され金利変動の影響を受けないメリットがある一方、変動金利よりも金利が高く設定されています。 また、フラット35の場合は借入期間が15年〜20年と21年以上があり、20年目を境に金利が変わってしまいます。 そのため、フラット35を利用する際には借入期間に注意し、金利が変動金利よりも高くなることを踏まえた上で利用しましょう。 ※参考:フラット35|住宅金融支援機構 自営業や個人事業主の住宅ローンに関するよくある質問 この章では、自営業や個人事業主の住宅ローンに関するよくある質問を紹介します。 自営業や個人事業主でも住宅ローン審査に通りやすい銀行は? 自営業や個人事業主でも住宅ローン控除は受けられる? 自営業や個人事業主で年金未納の場合は住宅ローン審査に通らない? 順番に回答します。 自営業や個人事業主でも住宅ローン審査に通りやすい銀行は? 自営業や個人事業主の場合はフラット35がおすすめです。ただし、頭金を多く用意できる場合は大手財閥系銀行も審査に通りやすい傾向があります。 したがって、自己資金とのバランスを見た上で大手銀行も検討しましょう。 自営業や個人事業主でも住宅ローン控除は受けられる? 自営業や個人事業主でも住宅ローン控除を受けられますが、適用条件を満たせないケースがあります。 以下に挙げる適用条件を必ず把握し、住宅ローン控除の対象となるかを把握しましょう。 〈適用条件〉 ● 住宅ローンの借入期間が10年を超えること ● 所得が3,000万円以下であること ● 購入する物件の床面積が50㎡以上あり、さらに居住用エリアが1/2以上あること ● 住んだ年の前後2年間に、居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税の特例といった適用を受けていないこと 自営業や個人事業主で年金未納の場合は住宅ローン審査に通らない? 個人年金が未納の場合であっても、住宅ローン審査に通る可能性はあります。 ただし、審査が厳しくなる金融機関も多いため、なるべく完納しましょう。 自営業や個人事業主の住宅ローンで不安な場合は金融機関に相談しよう 家づくりを進めるためには、住宅ローン審査に通るかが大きなポイントとなります。 特に、「3期連続黒字」の条件は、当然ながら最低でも3年間の準備が必要なため、計画的に進めましょう。 国分ハウジングでは、鹿児島県を中心に多くの金融機関と連携しており、自営業や個人事業主であっても審査が通りやすい金融機関を紹介しています。 また、国分ハウジングでは家づくり相談会を実施しており、 ・マイホームを考え始めたけど、何から始めたらいいかわからない… ・マイホームに必要な資金って具体的にいくら? ・何にお金がかかるの?追加費用ってどのくらい必要? ・貯金を崩さずにマイホームを実現することって可能? といった家づくりに関する様々な悩みを解消できますので、家づくりでお困りの方はお気軽にお問い合わせやご来場ください。 国分ハウジングのイベント・見学会情報は以下から! https://kh-house.jp/event/